十角館が傑作扱いされてる理由
>>1
新本格ブームを起こしたからだよ
1作でミステリー界のトレンドを書き変えた でも100万部程度しか売れてないのは割と衝撃的
いや十分売れてるんだけど影響力的に >>4
ガチガチの本格ミステリで100万部というのはトンデモない数字やで
東野圭吾のように物語で読ませるのでもなく、京極夏彦のように
キャラクター人気があるわけでもなく、ガチガチのパズラーで
100万売るのは並大抵のことではない ガチガチのパズラーっていうほどパズラーとしての出来はよくないがね >>6
出来が良いかどうかではなく
作品としての主眼がパズラーに偏っているという話だよ
少なくとも十角館はストーリーの面白さやキャラクターの魅力で読ませる作品じゃないだろ?
それで100万部売るのはすごいってこと 「十角」って時点でなんか小難しい数学的パズルミステリなのかと思って
手に取らない人も多いと思う
青司の幽霊話にちなんで「幽霊館の殺人」にすりゃ500万部売れてたんじゃない 読んだけど、あまり自分が好きなタイプのミステリーじゃないなぁ
なんというか、人間が描かれてないと思う 「人間が描かれていない」という大合唱の中で、かつての「本格」が廃れていった
個人的には異論はあるけど、そういった本格史観があるのも事実で、そういう観方で十角館を面白くないという>>11も理解はできる
だけど、リアルタイムであの時代に島壮から十角館、それに続いた創元系も含めた「新本格」の奔流を経験した身から言えば、大げさでなく日本ミステリのターニングポイントだったと思う
作家としての綾辻には「以前・以降」が付いて回るのは負担だろうけど、十角館がマイルストーン的な作品であることは間違いはない
ただ作品の歴史的な位置づけ・価値を、ミステリの作品としての評価に持ち込むのが是か非か、それはまた別の問題だと思う
実際、本格作品にありがちな「粗」もあるけど、自分の中で好きなミステリベスト3に常に入ってる >>12
>「人間が描かれていない」という大合唱の中で、かつての「本格」が廃れていった
そんな大合唱などなかった
高度成長期においては、読者の共感が得られる社会派のほうが受けがよかったというだけの話
「人間が描かれていない」というのは新本格の作家がデビュー当時は未熟で
小説が下手だったというだけの話
人間が描かれていないというよりもキャラが立っていないというのが正確なところ ガキの頃読んだからか凄さとかおもしろさがいまいちだった気がする地味だなーみたいな
もっかい読んでみるかな 面白かったし衝撃も受けたしで舞台の大分に行ったりしちゃった地獄巡りだのなんだの 叙述トリックとアリバイトリックがリンクしていたという点で十分評価できるわな
叙述トリックって「どや。びっくりしたやろ」で終わるのが多いもんな >>13
小説の下手さ加減において綾辻は全く進歩がありませんね
暗黒館なんか読んでて苦痛だった これ1作で新本格という流れを作ったのがすべてやろ
ムーブメントを作る作品んなんてそうそうない >>19
時計館の殺人も名作扱いされとるで
少なくともデビューから5年間は
新本格のトップランナーだった
失速したのはそれからで
別に一発屋というわけではない
5発屋くらいは打ってるんちゃうか? 初めて買ったミステリーは十角館で、買ったその日に読み終わって意味が分からず壁に叩きつけました!ミステリ読みなんてそれでいいんだよ…カッコいいぜお前… ミステリー知らない人が十角館読んだらどうなるのか
ホームズやルパン読んできてないと理解しにくいだろう 十角館はあのメイントリックが全てと言っていいけど、でもあのトリックの
アイデアって綾辻本人じゃなくって、嫁さんの発案なんだよな。 確かにミステリーを知らない人には十角館のサプライズは伝わりにくい
当時は、クラシックな探偵小説に飢えている人が大挙して読んだから
これはすごいとなったわけで。
逆に、現代のミステリーマニアが読むと、叙述トリックに
慣れているからそれほど驚けないかもしれない
あくまでも80年代末という、あの時代だからこそ輝けた作品だね >>23
メイントリックが全てってほどではないでしょ
あの一行にいたるまでの構成がよかった >>25
そうだよ
今の状況で十角館が発売されたら大して驚けないかもと言っただけで
別に今の状況を作った功績を否定しているわけではない 十角館ばかりが持て囃されてるけど
迷路館も凄いと思うわ 確かに歴代名前を受け継いでる設定はいらなかったな
叙述トリックの醍醐味「一言ですべてを理解させる」という意味では
向日葵の「君はなぜ〇〇を…」が一番綺麗だったかな 綾辻読んでないなら、十角、迷路、時計、Anotherだけ読んどけ、他のはむしろ読まないほうがいいと言われたんだが、
このミスで1位になった霧越邸は読まないほうがいいのか?な? 館シリーズが好きになったなら暗黒館の殺人も読んだほうがいいかも 俺的には読んどけってのは十角館と迷路館なんだけど、綾辻作品の中でどれがベストか?と言われたら最もバランスがいい霧越邸と答える 叙述、ロジック、特殊設定、とんでも系?色々書けて全部成功してるのが凄い
殺人鬼2は酷いと思うけど・・・ 正直、館シリーズ以外は2作目は悉く失敗しているといっても過言ではない 10作目って最終作だけど内容は別にシリーズの完結を意識してないんじゃなかったっけ?
なので完結編は暗黒館でいいんじゃない? ここまで全く評価されてない「人形館」がお気に入り
あんな見え見えの伏線(メ欄)を捉えきれなかった、自分にとってはそんな「騙され」の快感が印象的な一作
ただそれ以降、けっこう意識的に身構えて読むようになって、逆に物語世界に耽溺しずらくなった感も……
ミステリを愉しむのは難しいのかもしれない >>43
逆に自分は人形館はダメだった。多分そうなんでしょ?なんだよね?と思いながら読んでたんだけど、想一がまどろっこしすぎた。
他の人の面白かったという感想を云々するわけじゃなくて、いち意見だから悪く思わないでね。
身構えて読んでも、騙された!って驚きもあるはずだから色々読んでみたらいいじゃない。 シリーズ6作目の黒猫館までは1年1作のペースで書いていたのに
そこから7作目の暗黒館までが12年かかっているんだな 十角館で本格ブームが来て、金田一少年や名探偵コナンが生まれたからね 十角館ってどっちかっていうと金田一コナンより
シュタゲとかあっち方面に影響与えてない? 十角館は思い出したように再読できる。でも他の館シリーズは再読する気が起きない。読むものなくて他の館シリーズ読み始めても途中で投げ出してしまう。 実は新装版しか読んでないけど結構違ってたりするのかな >>51
松本清張の呪縛なんてなかったぞ
社会派ミステリーなんて70年代半ば頃にはすでに衰退していた
当時は赤川次郎や内田康夫なんかの軽ミステリーや
船戸与一や北方謙三なんかの冒険・ハードボイルド作品が
全盛の時代 十角館は叙述トリックはすごいが、物語そのものはツッコミどころ満載だから傑作扱いするのは抵抗あるな
こんなあだ名で呼び合う奴らイタすぎだろとか
犯人は裏であっちとこっち何度も行ったり来たりするその涙ぐましい努力とかそのモチベなんなの
そんだけエネルギーあるならもっとポジティブなことに活かせよとかな >>54
そうなんだけど、新しい時代を切り開いたから傑作なんだよ
ホームズの代表作である「まだらの紐」なんかもツッコミどころ満載だと
よくネタにされているけど、別に現代の視点から見てツッコミどことが
あるからといって作品としての価値が下がるわけではない
実際、オールタイムベストなんかの企画でもベスト10にランクイン
しているのだから多くのミステリーファンが十角館を古典傑作と認識しているのは間違いない
欠点は多くても発表時のインパクトで評価されているの 綾辻なら殺人鬼が一番好きだけど推しづらい作品である
十角館はクセの少なさも長所なんだろうな 十角館と時計館の犯人は
労働基準法違反で作者を訴えていい
ブラック綾辻 >>44
自分も人形館がお気に入り
評価は低いみたいだけど >>57
綾辻本人が犯行の動機なんざどうでもいいと思うタイプだから仕方ない 本格ミステリの場合、動機が適当な名作なんていっぱいあるしな
ていうか、動機が凝っているものの方が少数派だろ 動機はともかく
犯行計画が読者を驚かせるためだけだろってヤツはちょっとね トリック、舞台設定、動機が小説の中で有機的に繋がってるのが好きだな
現実的なリアリティはほとんど気にしない >>65
動機がしっかりというか、動機が凝っている作品としては
ABC殺人事件、切断、とむらい機関車、戻り川心中、叫びと祈りなどがある
でも、名作と名高い「そして誰もいなくない」からして動機は
超てきとーなんだから、動機がショボイから傑作じゃないということはないだろう 本格系の作家の半分は動機なんかに拘るなら社会派(笑)でも読んでろと思ってそう
その筆頭が綾辻 >>69
別に社会派じゃなくても本格ミステリも意外な動機ものという
ジャンルがあるじゃないか
社会派における動機の拘りと本格ミステリにおける動機に対する
拘りをごっちゃにしてはいけない
動機だって本格ミステリの立派な一要素になりうる >>70
本格ミステリにおける動機付けを否定している訳ではないよ
そう考えてる作家が多そうと書いただけで
ただ本格ミステリと謳う以上は犯罪に至る動機も問題編の描写や記述から論理的に導き出せるものでないとダメだと思うな
ちょっと頭の固い考え方かもしれんけど
問題編というのは解決以前の物語ってことね コミカライズしたって今更知った
イケメンキャラの書き分けが出来ない作者に書かせて見分けがつかない読者層を狙ったのか >>73
清原紘はAnother、Another0でコミカライズの実績がある
十角館に採用されたのもその流れだろ 金田一少年は被害者を極悪人にすることでワイダニットを復讐譚化し
そこも一つの魅力となっていた >>71
誰が(フーダニット)どうやって(ハウダニット)というのを、論理的に導かせる
のは他の可能性を排除することで出来るけど、何故(ホワイダニット)っていうのは、
よほど限定された状況でないと難しいのではと思う。
ホワイダニットの作品だと「桐の柩」や「死刑囚パズル」とか好きだけど、その動機の
意外さに面白さを感じるのであって、論理的に納得できるかというと、ちょっと疑問だ。 えっ!でいいなら星新一読んどけ
「ゆきとどいた生活」とか「不満」とか叙述トリックの傑作だぞ 動機で面白いものというと(メル欄)か
あれなら論理的にも納得できる
綾辻なら(メル欄)良いと思う とにかく文章がへた。それに尽きる
中学生の日記みたいな文章 わかりにくい文章よりは稚拙でもわかりやすい文章の方がいいだろう
それに暗黒館、anotherになるとかなり上達したんじゃないか >>81
そうだよ、素人丸出しの下手くそな文章だよ
特に、全体的にガキくささ丸出しの青臭い雰囲気は読んでいて恥ずかしくなる
はっきりいって読むに耐えない
だけど、それなのにオールタイムベストを選出すれば
国内十傑に選ばれるから恐ろしいんだよ
それだけマイナスを覆す魅力があるってこと 十角館は改訂版しか読んでないから
そこまで文章悪いとは思わなかったな 改訂版はかなり文章上達していたね。当たり前だがw。 ラノベだと文章の稚拙さ・人生経験のなさ・薄っぺらさを
ギャグで補うんだけどね >>75
被害者側を極悪人に描くのは教育上よろしくないから、ましてや快楽殺人者なんかを登場させたら
それこそ風紀紊乱を助長することになる
そもそも動機なんてものは本格にとっては副次的なもので重要ではない
動機が哲学的に昇華された笠井とか、社会的弱者に寄り添う島荘などは別として >>87
そうそう
ラノベならギャグでごまかすんだけど、十角館の場合は
稚拙なキャラをシリアスな雰囲気で描いていたから読んでいて
身もだえするほど恥ずかしかった。
改訂版は読んでないのでどうなのはわからないが、同じ若者がメインキャラの
シリアス作品でも22年後に発表したAnotherではさすがに
そういった稚拙さは薄まっていたな 動機を手段ととるか、はたまた目的ととるかにミステリーの妙味があると思う
前者が本格で、後者が社会派にあたる
島荘は美学の人だから、本格と社会派が見事なまでに融合した『奇想、天を動かす』を物したし
それが高じて冤罪問題に肩入れし、実際に冤罪を晴らすべく尽力した『秋好事
件』なんてものまで書いている
島荘の美的センスに共感できるかどうかで評価がわかれるだろうけど(ちなみに
自分は島荘に心酔して、『数字錠』なんかも好き) エラリイっていう字面とか半笑いな青臭さがいい
で、あのページめくったら・・ >>89
初読の時はおんなじこと思った。キャラ造形もあざといというかさw
でも、再読してみるとそれらがあの舞台設定と事件にあっていて、事件が終わったあとの警察発表だったっけ?でのいわゆる普通の名前とのギャップが良かったなあと。 作家の配役とか実にいい
あれをにやりとできないなら綾辻さんのは全部無理でしょ 80年代のオタクってみんなエラリイみたいな喋り方だったよ
「やまいだれ付きの…」のくだりとか
あー当時のオタクってこんな感じだったわって懐かしかった 深い文章、巧い文章をよみたければ
本格なんて読むなよ
バカじゃねーの >>95
誰も深い文章なんて求めてないだろ
読みやすい文章、話に夢中になれる文章を求めているんだよ
謎解きだけでいいのなら小説にする必要なんてない
クイズにすればいいんだよ
小説である以上話の面白さも文章力も求められるのは当たり前
文章が下手で話に没頭できなければ、もう誰が犯人でもいいや
と思ってしまうからな
あと、別に十角館を否定しているわけではないよ
あれほど、文章が稚拙で読むのが苦痛だったのに
国内オールタイムベストで十傑に入るほどの評価を受けているのは
すごい
マイナスを補うだけの魅力があるんだなと感心しているの 十角館って、そこまで文章が稚拙かな。そりゃ美文名文ではないにしろ
読むのが苦痛になるほどとは思えないんだけどな。
昔よくネタにされてたリアル鬼ごっこの初版の凄さとかと比べると、
許容範囲内だと思うが。 >>97
まず、リアル鬼ごっこのような素人以下の文章を比較対象にするのが間違っている
それらから別に許容範囲外でもない
許容範囲外なら国内本格を代表する作品になるわけがないからな
でも、読んでいて苦痛になる人が一定数いたことは確か
それだけの話
あとは感じ方の違いという他ないな
リアル鬼ごっこだって、読んで感動したといっていた奴はいるのだから そろそろあの文章でも充分話に夢中になれました!って奴が出てくる
自分の感想否定されてる気持ちなのかもしれないがだからって他人に同じことしても気持ちは晴れないぞ >>99
>そろそろあの文章でも充分話に夢中になれました!って奴が出てくる
うん、だから別にそれならそれでいいんじゃないのかあ
感じ方は人それぞれなんだから
ただ、下手だと感じて物語に入れこめなかった人が少なからずいたというだけの
話
そもそも、国内本格ミステリ屈指の傑作であるってことは否定していないんだから別に問題ないんだろうと
だいたい、新本格の作家の文章が下手だったのは本人の責任ではない
大学卒業して間もないころにデビューしたら一部の天才は除いて
普通は下手なものだ
今の若手でも飛び抜けて若い阿津川辰海はやはり下手だし
下手だった人も30代半ば頃には大半が普通に読めるようになっている