千の世界

1名前はいらない2010/11/19(金) 23:54:36ID:Uw9fmxFP
sage進行。
評価・感想・雑談なし。
詩を描くだけのスレ。

152 ◆zABAZSBt06 2017/11/26(日) 22:20:09.66ID:m+C5igeL
雨垂れ

胸がいっぱいで
抱き締められたいんだって
セックスを思い出して
許される許可を夢見て
人間は悲しいんだって
笑ってる

朝は続いてて
切り取られたいんだって
抉り取った夜を飲み
延ばした髪を手梳いて
人間は脆いものだって
立っている

傷に手を当て
着の身で着のままだって
爪弾かれた朝日に
目を向けまいと強いられ
人間は強情ぱりって
歌ってる

綴じた紙に触れ
暴いて汚したくって
罅割れた瞳で
零れるままに歩いて
人間は致しがたいって
去っていく

そうまでして愛して
年輪を書き足してまで
吹く風に
流すのは

ただの吐息だって教えておくれ

153 ◆zABAZSBt06 2017/11/26(日) 23:09:20.22ID:m+C5igeL
シミ

吐き出すたびに嫌ってほしくて
マネキンと接合された右手で
ロードローラーで整地された
海底を触れる夢を夢見てる

ホッチキスで留めて
吸うことも吐くとも許さなくて
ミツバチの針先に
染み込ませたインクが乾いてる

栓抜きで排水溝を開いて
夜でマグマの喉を潤したくて
虹を横断しながら
充電器を指す先を探してる

足りないんだって
足を無くしたマネキンに
流した滴は涙なんかじゃないと
プレパラートに閉じ込めた

カメラで撮ってみなよ
カビの生えたレンズで
切断した時間に
挟んだ言葉が拭い去れない

鍵と鍵穴の関係みたいに
そのぼやけた約束事を
油紙で包んで懐へ差し込んで
開く日をただ恐れている

掻き毟って
書き殴って

墓を暴き立てたがっているんだ

154名前はいらない2017/11/27(月) 07:26:44.69ID:kyAPU+e7
曇りのち曇りに生えた神経は どこに連れて行ってくれるのか
手遅れで見た自分の罪状になすすべなく 
そこから垂れ流した謝罪や感謝の信ぴょう性を疑うのはその本人
再犯を恐れるなら 弱肉強食のわかりやすいルールで餌になること
断続的な雨に腐った神経は土に還れただろうか

155 ◆zABAZSBt06 2017/11/27(月) 22:21:08.30ID:NahFVArb
乾き

今日は僕を盗んだまま昨日へ逃げて
伽藍洞の空間に刻まれた輪郭が
光の屈折で風景を少しだけ歪ませて
風が小首を傾げながら通り抜けた

踏み出した足の感覚まであいまいで
嘘っぽい草の葉擦れだけを頼りに
何処へ行こうか途方に暮れたまま
昨日が溶け込んだ虚空に手を伸ばした

朝の日も夜の星も浴びられないままで
姿見の前に立つのを恐れるほど輪郭を軋ませ
すれ違う動物の目を避けるように
転がるように光から身を隠そうとした

何を盗まれたかなんてもう忘れてて
何を無くしたかさえボンヤリと明滅して
それなのに
縁取られた虚空に吹く風が寂しげに泣いている

グチャグチャでメタメタでカラカラで
いっそ溶け込んでしまえと
時計の針を指で無理やり回して壊して
浮き上がらるばかりの境界の上で

自棄になってインクを飲み干した

156名前はいらない2017/11/30(木) 10:08:58.62ID:AS8qR57Y
右手と左手に壁がある 素敵な一本道の迷路
曲がり角ごとに既視感が転がってる
時折落ちる鳥の影は踏んではいけない
蒸発する生命線を握りしめ 電話で話せるのはあと一回
生きる理由とやらをさがす理由をなくすのは心地いいものだ
そう思って見た足元には鳥の影があった

157名前はいらない2017/12/01(金) 03:29:44.30ID:xF3i9JkF
感情をなくせたら最終形態
無我の最終処分場は神様の皿の上
枝先のテントウムシみたいに簡単に飛び降りるカルト信者
カマキリのカマが桃色のハートを描く
生け花に枯れるしかないなんて誰に報告義務がある
だから静かに叫べばいい
感情を失いたくないのなら

158 ◆zABAZSBt06 2017/12/02(土) 21:28:55.60ID:4xWunFxh
決別

流している滴をそのままに
つま先の指し示す先へ歩くあなたの
突っ張った肩にスカーフをかぶせて
その横顔に見える傷跡に
差し伸べる手がなくて
もう遠くへ行ってしまった先人の
霞んだ足跡を撫でる風の優しさに
ただ、痛みを堪えて
背中に
その小さな背中に
小さな花の香りを背負わせた

昇っていく儚い灯で
あなたはどの星を目指すのだろう

皴も無い軟布を
両の手をきつく握りながら
その潤んだ瞳で
一歩を踏み出すたびに脱ぎ捨て
露になる肌が
まとわりつく霧雨に染まり
その境界を合間にぼかして
振り返りもせずに
振り返りもせずに
ほのかな香りだけが
足跡みたいな名残惜しさだと
それが暖かさだと
濡れた服に凍える人を撫でていく

小さな帆で風を受けた船で
何処まで行ければいいと

乾かないままの頬で笑うしかなかった

159名前はいらない2017/12/04(月) 02:29:19.66ID:cz5UMPQY
深層無意識は幽霊の海
無は有の対局で並列で同位で いつも取って代わろうとする
退化していく猛獣はヒエラルキーの角で潰れた
そうであってくれと願いながら沈殿物は泳いで漂って海面に顔を出す
性善説の母と性悪説の父からうまれたことをパクパク飲み込みながら
そろそろまた溺れるしかないんだろうと 他人のような無意識が語りかけてくる

160 ◆zABAZSBt06 2017/12/06(水) 21:10:41.06ID:qGh+ixyF
順番

泥濘を踏みつけるような日々だと
下し気味の腹を抱える青ざめた顔に
プラットホームから見えるレールは赤熱し
チリチリとこびりついた血痕を煙らして
熱いんだか、寒いんだか
顔色を窺おうにも瞳は火傷気味で
今時分が如何程なのか
腕の時計は自動巻きにも関わらずに止まり
一体どれくらいここで待っているのか
震える足で立つ場所は皮膚の上みたいで
病的な皮から生える産毛になったようで
汚染された栄養が足から這い上がって
胸の奥に粘ついた衝動を沈殿させて
一歩、踏み出さなければ
張った根の先が腐れ堕ちるよりも前に
そう思っているはずなのに
耳元で
底が有るだけマシじゃないかと
後ろ手で縛られた骸骨が眼窩から泥を滴らせ
引き抜けなくて
そのうち悲鳴が他人事のように通過して
レールが白く白く磨かれ輝いて
ゼンマイに油が差され
開いた扉が
面倒くさそうにホームから私を間引き
右から左へと流れ去る病的な皮膚が
染み付いた血液が
ただの風景でしかなくなって
シクシクと痛む腹を抱えながら
ただ足が有ることだけを確かめるかのように
じっと下を見ていた

161 ◆zABAZSBt06 2017/12/08(金) 20:01:52.91ID:eb6CSoJx
凍土

忘れられた道に降る雪は融けず
薄氷の上に更なる静けさを積層する
やがてそれは凍土と呼ばれ
一面の亡羊たる粉雪達の震えの下に
かつての罪人たちの足跡を隠しつつ
プレパラートのごとく標本として留めた
色のない絵の具を筆に載せて
吐き出された最後の声に色を付けて
それもまた一つの氷となり
軋みに似た音を立ててパズルの一片へとなり下がる
薄明時に燻らせるのは紫煙だけではなく
蛍の置き土産に焼かれた山肌が吐く朝霧もだ
氷河は一切を押し流していく
それは時間軸上の地滑りみたいな永遠で
何も変わらないまま私の手は皴枯れていく
また日が昇り、月が昇り、影が追い越していく
執拗に繰り返される摩擦にすら舗装道路はびくともせず
コンクリートは忘れてくれるというのに
降り始めた雪は一歩すら許すことなく記述して
街灯に照らされた地表の濡れた凹凸に
夜が帳を下すみたいに魔法をかける
重ねられた日々の可視化に耐える術を見失い
その内この身すら白い起伏の一つになる
悴んだ指先に溶ける一滴に
いつか誰かが、もしかしたら私が零した涙を見て
こんな日は誰もが泣いているんだと
足の裏側に凍てついた地面の下から
数億と層を成す寂しさが
縫い止められたまま私ごと滑り落ちていく

162 ◆zABAZSBt06 2017/12/08(金) 23:33:15.61ID:eb6CSoJx
『無花果』

広げた掌の下に膨らむ宇宙に
無数の魂が内に籠り夢を紡ぐ
やがて肥え熟す個々の花は孕み
その差し出した腹を死神の鎌が裂く
声は聞こえない
蓄財と不老とに狂う群衆が
無音の中から薫る甘露に手を伸ばす
柔らかい膜は震えるように張り詰め
気にされることもなく毟られ
千年王国は遠く
一万数千年に渡り鎖に繋がれたまま
億の宇宙が
兆の夢が
獣たちの白い歯を赤く染め
枝から滴り落ちる白濁が
人間の皮膚を犯すのは
ただ、生れ落ちることを知らぬ者たちの
吐き出すことの出来なかった精液の迸りが
臓腑で溶けた魂と受精するからに他ならない

花の無い果実は
目覚めることのない赤子のように
地に落ちることも忘れて
胎動する無数の夢に
日が映えることを
掌の下で
ただ、じっと待つ

163 ◆zABAZSBt06 2017/12/10(日) 00:21:04.13ID:c6SPm2yZ
DTM

選べた物は何もなく
それでもこの道を踏みしめるのが
脅迫神経症的であろうと
確かに、言い訳も出来ないほどに
自身の絞り出した声なのだと
骰子を転がした掌を握る

夜の凍土を切るような星明りの下で
取り合ったのは肉質な接触ではなく
そこに居るのだという互いの承認で
吹き荒ぶ雹粒に瞬かせる瞳の中に
それでも、ここに居るのだと
凍り付いた掌をただひたすらに握る

顔料のはげ落ちた絵画の中で
それでも幽かに吐息が今も息づいて
掲げた群衆の拳を奮い立たせる熱が
ことさら綴じた本の中で数行の印字となり
乾いた紙片を撫でる掌に残り香を移す

進むたびに変換されるタイプライターに
分割された行動と思考と情動との境を
埋める術など言葉には一つとして備わらず
それはそれとして、アナログの鼓動を
五線譜に落とし込み今に伝えておくれ

それとなく進んでいくこの足によるパンチングは
いつか何かに読み込まれたとき何を喋るのか
偶発的に吹き上がる間欠泉の硫黄臭に
太古に存在した私に続くリズムを確かに聴いて

乱雑な不協和音と交響する

164名前はいらない2017/12/13(水) 22:44:15.33ID:v1ppTPKq
記憶の最初の友はレモン色のインコ
しばらく犬はこわかたし 猫はわからなかった
何も知らなかった
今はそう 
ネコは尊敬し いぬは恩人 インコはひとりで見る月
指先に肉球を逢わせれば あのSF映画の意味が沁み込む
熱くないように 寒くないように 痛くないように 苦しくないように
寂しくないように 飢えないように 

陽だまりで 木陰で うつらうつら
わくわく 柔らかい草の広い広い原っぱを
思いっきり走り回っている

165名前はいらない2017/12/17(日) 07:15:20.01ID:88bytqzh
生前墓参り
時落ちる度 血を分けられたはずの親と呼んだ人が遠くなる
今までありがとうございましたと つぶやきながら 後ずさりしているうち
いつの間にか砂の一粒のようになり 忘れてほしい
わたしはあなた方の望むように 幸せにしてあげられませんでした
お互いの間の接着剤の塊がころっと落ちれば なかったことになる関係
それまでの間の関係
代替えの幸せもどきを金に変え レジ袋につめ 埋めていく
あなた方にとって砂の一粒になるまでの埋め合わせ 

166詩帝・二階堂 ◆3H/4wGejElAB 2017/12/20(水) 09:55:23.83ID:vMiEHFJ9
「童貞または自我分裂症的な躁鬱」


俺の垂れ流した赤目のドクロは
ドロドロと地の汁を吸い上げ
やがて一人の裸の女となる。

それを聞いた
女の恥部に宿る蒸れた熱を

それを捧げた
肉にいだかれた盲目なる刻印を

豪雨の如く浴びた情熱は
地獄の薔薇のように暴れたかと思うと
白鳩の羽となり一斉に飛び散った

167 ◆zABAZSBt06 2017/12/21(木) 21:41:05.12ID:EceK3zP2
撫でる手

逃れようもなく目の端を埋めるのは
地平に蓋をするかのような山脈

切り取られた空に差す日は短く
天頂に舞う鳥はあんなに高いのに
地べたはいつでも腐れ果てて
漂白された花弁が項垂れている

時折聞こえる地崩れの音が
壁から逃げられずにいつまでも
いつまでも頭の奥を揺らす低周波のようで
耳孔に接続されたイヤフォンを掻き毟る

あの頂は恐らく岩石などではなく
空が捨てた外殻で
夜の建てた墓標で
人よりはるかに早く刻まれた時間で
瞳が途絶えるまで停泊する箱舟で
その原点から聞こえるノイズに
外側から覗かれている視線を幻覚してしまう

目も鼻も口も、もう入りきらないのに

鳥はいつの間にやら消えて
花はもう泥濘に溶けて
空は振り返りもせず通り過ぎ
夜は残り香のように染み出した

忘れた頃に届く手紙のように
彼方からの冷たい指先が
仕舞損ねた裾野から熱を奪っていく

168 ◆zABAZSBt06 2017/12/28(木) 23:20:16.07ID:0/rEU9Wm
漂泊

擦過の度に薄くなる月の
深い享楽に析出する犬歯の鋭さが
夜更かしが癖になる病人の胸を突く
煌いているのは埃のはずだが
肺の奥が少しずつ凍るのは何故なのか
吐息は綺麗なままで
それはつまり汚れたままで
喘いで仰け反る際に見せる首筋が
余りに細く、細く
それは水面に映った鋭角で
地表を貫いて
咳をして
震える肌に逆立つ産毛は
淵を撫でる手の冷たさにではなく
狂気に削り取られた生命の残滓による
刹那の間に投影される燈火の熱のせいだ
酔いの醒めやらない地表に
立ちすくむ木々から伸びる枝は絡まり
内に籠る胎児は夜を忘れ
汚すことも知らず
色白の肌を青紫に染めながら
それでも仰ぎ見るのは
遺伝子が夢見る疼きに似た痛みなのだ
朽ちていく白銀から注ぐ鱗粉に
広げられた掌は無力でしかなく
刺さるほどに削ぎ落されて
一巡するたびに入り口は遠のいて
細く
鋭く
ただ、白く

白く

169名前はいらない2018/02/12(月) 16:15:59.93ID:zYRw8/V7
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170名前はいらない2018/02/17(土) 18:51:03.71ID:HpiWNM+Y
ゆっくり呼吸して 痛みから解放された
五線譜から湧き上がる 人魚姫の泡
きっと今夜は星が増える
そして彼女の唄は誰かが唄う
昨日の昨日の奥底に沈むその泡を 追い続ける子供たち
夢から覚めて泣いた真珠の子供たち

171名前はいらない2018/02/17(土) 19:28:42.90ID:HpiWNM+Y
からからに乾いた喉から幸せがもれた
「その勇気があれば何でもできるでしょう」って本当でしょうか
そもそも勇気は必要なかったのだから
うるんだ喉からまた幸せがもれた
まだ愛するあのこの名前をつぶやいただけなのに

172名前はいらない2018/02/17(土) 19:43:31.74ID:HpiWNM+Y
影絵の中で踊る影を見た
真夜中の海を綺麗だと言った
全部嘘だと思った
アンテナが無い事を意識して やっと人形になれると思った
操り人形のひもを噛み切った人形の決意

173名前はいらない2018/02/17(土) 19:56:00.96ID:HpiWNM+Y
大丈夫といいながら無理な仕事をしてるから
大丈夫かと優しくたずねるサイコパス
いつからわたしたちの脳は壊れていたのだろう
泥のごはんを食べさせて
おいしいでしょうとスプーンで食べさせる
はじめから脳は壊れているんでしょう
ストロベリーの香りのする血は洗っても消えない

174名前はいらない2018/02/19(月) 00:45:51.28ID:NUKvMqQh
檻のむこうの4つの眼 扉を閉めてもそこにある
開けられるのは自分だけ きまりなどはそこにない
動機の中に理由もない ただそこを開けるだけ
語ってくれたら語りたい 語り部の背後の木々が熱さに揺れる

175名前はいらない2018/02/19(月) 01:12:29.83ID:NUKvMqQh
頭下げて瞼綴じる あとは空は白くなるだけ
小さいダイヤに約束を隠して はじまりのイチョウの葉に帰った
そこは君にとってのポプラだといえば理解してくれるだろう
失った友達の木を探しにいく らせんの季節に薄紫の花が咲く

176名前はいらない2018/02/20(火) 10:07:25.07ID:mNXdNsam
こすもすくじらの航路 玄関のポーチで浮遊
恐怖に支配されても飛び降りる がっかりさせたくないから
あの時と同じシチュエーション
はるかかなたのツリーに飾りはてっぺんの星ひとつもいらない
夜を知らない夜の中 こすもすくじらのうた響く

177名前はいらない2018/02/21(水) 23:58:40.31ID:ovy+WEJA
バスの外には寂寥
人のことがわからないなら自分のことも行方不明
バスの中は海中
ひび割れた地面を歩く魚

178名前はいらない2018/02/22(木) 02:14:46.48ID:kkzhdwWv
全人的社会の周囲は抗体に縁どられ 飛び火し渦を巻く
この際だからアレルギー反応で絵や歌の症状にすがる
ここだけの話がどこまでなのか 口から漏れないように耳を塞ぐ
耳をすましながら 秘密をききたい
全人的個人は蕁麻疹に驚いて 思わずしゃべってしまう
秘密の抗原は耳から侵入する

179 ◆zABAZSBt06 2018/02/24(土) 01:12:21.91ID:ZNE/fmo9
喪失

夢の中は透明で
深く深く覗き込んだ彼方に
暗赤色の夜が瞬いて
その雲母を透かしたかのような
生温さに指先を浸し
まだ来ない今日を
むず痒さに似た喪失感の中で
拙い運針で掬い上げながら
形のない
薄絹の心許無さに
笑みを浮かべ
さざめく声を聞いた気がして
指を止め
その指は解け
確かに縫い止められ
私は喪ったのだと
やはり笑みを浮かべ
あげた瞳に見えるのは
相も変わらずの純真で
雲母は遥かに揺蕩って
こそばゆく
名残惜しさを
感じているのか
感じられているのか
泡沫に映る湾曲した空が
一つの鼓動で震え
今度こそ
それは声で
呼ばれていない私は
繋いだ端切れを
宙に浸して
ささやかに
目礼で
去っていく私を祝うのだろう

180名前はいらない2018/02/25(日) 12:41:34.97ID:Ea41lC8P
灯台のライト あおい鳥貫いた
献身的飛行にあたたかい終止符
ぼくから外れたパーツの空洞に異物になったぼくが埋まる
「あなたは何パーセントオリジナルですか?」
「きみは支配者ですか?」
 
夜中のサイレン あかい馬車もえつきた
賢信的必然で狡い天使と弱気な悪魔の融合
結果は転機にはなっても再生はない 蓋然性はゼロ
「爪の先からくずれてます」
「違いました」

181名前はいらない2018/02/25(日) 13:03:18.88ID:Ea41lC8P
ここじゃないどこかは存在しない
兄弟はどんどんいなくなった
ここじゃないどこかに行くと言ったまま

存在するどこかはここにある
兄弟はひとりいた
存在の存在は無限かもしれない

182名前はいらない2018/02/26(月) 03:23:49.12ID:mXzfjL9I
実に勝手な想像 きっとあの空き瓶だ 思い出したくもない うなる
またうなる 泣きたくもない うなりたくもない 実に勝手な解釈
はいつくばっているのか はいつくばされてるのか とにかくはいつくばっている
あのこわい崖の隙間は生き物の目 うっかり見てしまった
やっぱり地獄を求めさまよってる 共感は禁句
嘘偽りの喜怒哀楽が針の山に刺さってる 仲間じゃない
沈黙の二枚貝はゆっくり沈む

183名前はいらない2018/02/27(火) 01:55:31.96ID:W5D05gC/
デリートで断捨離 見送りでないてるのを見てたら意味が違ってわいてきた
本当のことを知ったら悲しむだろうな
笑顔でデリート そのための笑顔
だから早めに孤独になりたいんだけど そういう意味で
突然始まった若く長い台風は その爪と牙でいくらか腐った肉を落としてくれたようだ
醜く冷たく悪臭を放つ胚を腹に詰めて温めてくれたことを知ってるから悲しいんだろうな
またドクドク心臓が動き始めた

184名前はいらない2018/02/27(火) 02:29:44.05ID:tVTLo+4n
第六感でペンを動かし 四次元の絵を浮かべる
淡々とクスリ飲んで 滑稽に頭ぶつける
正論が正論に聞き取れないほど 歪みがそれでいいといってる
わたしとあのひとの悩み方は違うけど 根本は同じかもしれない
それは言葉にしなくても 誰でも気づいてる暗黙の了解
各々のカードを神経衰弱の要領でつきあわせたところで消えるわけでもなく
増えるわけでもなく むしろ言葉にして否定されたくないだけかもしれない
さらけ出す次元を超えたむこうに あのひとたちはいる

185 ◆zABAZSBt06 2018/02/28(水) 23:09:07.68ID:2U8X6wAJ
凹凸

日々の階調を確かめるように
指紋の溝分だけ夜を潰して
動かした手は滑らかに流れて
幽かな衣擦れが
軋んで
時計が止まっている間だけ
密やかに木霊する吐息と
爪の跡が
汗に滲み
染みになり
消えないのだと
思い込もうと
ただ、握りしめた隙間から
一滴が零れ
壁に映る複雑な陰影は
細やかな欠落による回折だと
鈍色がうそぶき
また一つ頁をめくり
感覚のない掌から
その歪な波紋から
紡がれていく音に
耳を傾け
読み込まれるのを
待ち続けている

186名前はいらない2018/03/02(金) 04:05:01.51ID:d0s+jZoU
ボアに包まれた篭絡のハラスメント
緑の点滅に首がしまる
先細りのトンネルの入口に引き戻された
飾り物の選択肢がガラクタになって泥に沈む
熱くなるばかりの暗い電球が西から東に揺れた

187名前はいらない2018/03/04(日) 03:45:04.35ID:5NrYHBeC
ずっと大事にしてたものがあっけなく壊れた時 大事でなくなり
他の宝物までゴミになった
今度はゴミと一緒に宝物まで捨てているのだ
宝物が実はゴミだったわけではなく
宝物と認識することに疲れたといったところか
そこにいることが当たり前だった前世の痣が今世では消えてるのに
またタトゥーにして彫り返している人らは対局で理解不能の異教徒
無関心はつらいといったが 真の無関心は解放だ

188名前はいらない2018/03/05(月) 01:06:10.28ID:6NlQ0mzX
歯ぎしりして誤差を噛み潰した
獲物のノドをかみ切った牙で幼子を優しく運ぶ誤差
かみ合わせの完璧な上下は別世界の唯一の接点
灼熱の大地で雪女が吹雪を起こして新種の天気をコロコロつくる
それをルーチンで噛み潰し すり減ったものを飲み込む

189名前はいらない2018/03/10(土) 00:27:05.87ID:ZsN8TvXX
琥珀のピアスが割れてハチが飛んだ
黄金の幸せはあきた
花との生き方は忘れた
耳から流れる血はうまい

190名前はいらない2018/03/11(日) 01:08:57.14ID:TsjVLipJ
パンダには色々な名前がある

チンチン
ピンピン
パンパン
アンアン

191名前はいらない2018/03/12(月) 05:40:57.07ID:9gcwYebB
朝日が窓ガラスを割って侵入する
眉間に浮かぶ焦点の合わない傍白
海嶺と海溝の会話がざるの目を素通りする
満ちてはひきつける暁と曙の会話

192名前はいらない2018/03/12(月) 06:01:45.41ID:nZBJIvLz
>>191
小学生?
よく漢字知ってるね

193名前はいらない2018/04/02(月) 03:07:15.95ID:8VkTjY9g
そういうことか
ああ、
だが、俺じゃないんだけどね
それだけは
まあ、
いっておくさ

194名前はいらない2018/04/19(木) 03:47:30.08ID:MtkRR9QF
『パラダイムの痣』


分水嶺から現れた招き猫は対数らせんに歩き回る

震える猫を抱き上げて生真面目な時代の日の出をみた

銀河の海からうまれた巻貝に耳をすましながら

幾重にも重なったレイヤーのこちらと向こうがわで違う絵をみる

巻貝から転がったヒマワリの種を握りしめ

こちらと向こう側で同じ太陽をみたいと思った

195 ◆zABAZSBt06 2018/04/20(金) 21:03:45.29ID:iigTpwXw
命日

整然と植樹された若木が
育ち切らぬ華奢な腕で
閉じた空に引き裂かんと
未だ解れぬ爪を突き立てる

その幼さに
震えた葉擦れが波紋となりて
過多の交響に森は軋んで
潰れた悲鳴は色を無くして
深い深い夜の
その底の
一羽の鳥の亡骸の
薄汚れた風切り羽根を震わせる

そんな日は
森には赤子の声しか響かない

濡れた瞳が確かに輝いて
確かに世界を焦がし得る緋色で

しかし
それもやがて灰色の一欠に砕け
一握りの灰塵と化し
柔らかな腕すら苗木にされて
蔓延り出す根が悲しくて

それでも
それでも、と

あの子は三十一歳になっていた

196名前はいらない2018/04/20(金) 23:05:41.36ID:IQ79MVcB
もうおばさんじゃん

197名前はいらない2018/04/21(土) 13:09:12.39ID:DMKvF++N
>>1テンプレ

sage進行。
評価・感想・雑談なし。
詩を描くだけのスレ。

198名前はいらない2018/04/24(火) 14:00:54.65ID:ofxAB1Bh
「菩提樹」

重なる若草の透明度
わき上がる炭酸のような空気
ここまでどうやって来たのかわからない
きみまでの道
虹の花が咲き乱れる空
そこから舞ふるオーロラの雨
ここまでやっとたどり着いた
きみのとなり

199 ◆zABAZSBt06 2018/04/26(木) 21:33:51.47ID:nyYdR2My
帰路

パッとしない天気の下
優れない調子の胃を抱え
先の見通せない往来を
汗や脂の臭いに塗れ
目深に被る作業帽子が
草臥れたまま項垂れて
滴るのは
汗なのだろうか
路地の底に咲くビニール傘
骨の歪んだ安物フィルタが
此処を海底探査船内とする
酸素供給も儘ならないまま
作業帽子はしわがれる
ため息が
天に上るか地に沈むか
判らないから
未だに日の光すら拝めない
足の裏の感触さえ朧気で
溺れてるんだと
指をさす指をさされる
それもフィルタの向こう側
いや
こちらがフィルタの向こう側
ゆらゆらと
逆髪が昆布のように
ゆらゆらと
とうとう
帽子も消えて
濡れた路面には
影さえ浮かばない

200名前はいらない2018/05/06(日) 00:59:35.31ID:7ydPCIla
1日が溶けて
暗闇に絡み付き
その足を引き
引きずり込み
何も言わず
ただ優しく
それは未練なのだと
衰えた筋肉に
吐き捨てるのは
然したる価値もない
零れた砂の描く絵に似て
柔らかな風にさえ
形を崩され
戻れず
夜が
染み付き
モザイク画の中に
重なるごとに
迷い込み
亡くしていく
欠片に
差し込むのは
見知らぬ日のみなのだ

201名前はいらない2018/05/07(月) 02:07:54.17ID:NLmiYhXr
「輪廻の影」

鳥獣保護区域から1羽の大きな白い鳥飛んだ
保護区域はどんどん拡大し
害獣であるぼくらはいずれ駆除される
人工知能は正しい
正しさには逆らえない
当時 保護区域内のぼくらは白い鳥を害獣とよんだ
正しさとは別の部分で逆らうことをしなかった
人工知能は正しい
不都合な正しさはバグ
ぼくらはいずれ駆除しあう

202 ◆zABAZSBt06 2018/05/26(土) 01:17:29.25ID:100D6Lcx
衝動

膿んだような空の雲から
雨垂れる一滴が
いつまでも
いつまでも背筋を震わせ
まだ一里塚
その呟きは悲鳴に似て
指先の振戦は
無意識なSOSの送り先に彷徨っている

まだ来ないのだと
安心するのは
私は、私を
殺したくないのだと

テレビをリモコンで切り替えるように
カレンダーを捲るように
日々逆立ちを強要されて
それでも
この蜘蛛の糸を手繰るのだろう
静かに荼毘に付した
私だった煙の示す先を目指して

薬を塗ってください
私にではなく、貴方に
手遅れになる前に
まだ雲は厚く
怖気は静まらず
殺したくないのだと

殺したくはないのだと

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