自分のことしか考えていない俺は

別に

故郷にあった電気屋さんで鳴らないラジオを作ったり
フツーな山のフツーな頂上からフツーな景色を見たり
ブッといシャーペンをガキの頃に使って指が変形したり
まぁそういういろんなことが俺というこの自己中な
あぁそうだとも「俺は俺だけで出来上がってる」とか思っている
こんなにも醜い しかし愛すべき 俺になったのだ

もし俺の時代にシャーペンなんぞなかったならば
俺の指はもう少しまっすぐなままだっただろう
もし俺の時代にパピプペンなんぞがあったら
俺の頭はもう少しシワシワになっていただろう
(パピプペンとは何かと聞かれても俺は知らない)
とにかくもっと上手いやり方で書けたかもしれないね いろいろを
でもまぁ俺はこうやってしか書き方を知らないでいる
それに 俺という人格も
取るに足らない糞みたいな時代と故郷と文明などやらが
純粋無垢だった頃の俺がバカみたいに遊んでいたいろんなモノなどを介して
枠組みみたいにどうしようもなく手も届かない深ぁい所に
ざっと99%くらいは埋まっているのかもしれない
そんなことはよぉく分かっている…よぉく分かっている
だから俺が「俺は」とか言ってイイ気になっているのも
傍から見たらただのアホにしか見えないのかもしれない
それもよぉーく分かっているつもりなんだ
そもそもこんな感じでベラベラ喋ってるのも
自分に対して期待している尊大な絶対さで言うところの他者
なんて者に宛ててというよりは
本当は朧げな俺自身に個人的に宛てているのに
どうして俺単体から湧いて出てきたはずのない言葉などを使って
これほどに自演的なメッセージをしたためるのか
それだから俺が「俺だ」と言ってみているこの何となく内的な世界も
どうしても あれらの街の凡庸な風景の中に溶けて
いい感じな安さと苦さと甘さを
俺の中で勝手に醸し出し
そして この感じが微妙に心地よいのだ…

とにかく

この世界の如何にも嘘っぽいところは嫌いじゃないよ
何もかもが終わってる跡を最後に見て行く人間みたいな気がして…
とか またイイ気になってバカみたいなことを言おうとしているので
そろそろ終わろうと思う
そして 俺は やっぱり俺のことしか考えていない。