通りすがりのベンチに座り
しかめっ面の俺の目の彼方に
映るあの日の朝の夢
ふわりと夜空に浮かんだ

悲しく弱く頼りない
想い出まるでやるせない
ほらな雨だやっぱりな
濡れて流れて染みになれ

じたばたと沈む水溜まりに
ニヒルな笑みを浮かべて笑う
心が求めた間抜けぶり
誰もが敵さ自分さえも

水溜まりを叩くつがいのトンボ
直ぐに干からびる刹那ビオトープ
憐れむお前も似たような物さ
地面の上で干からびる魚

ああ壁を離れて
すれ違う人に笑顔
眼を伏せて
伏せて
あやふやな歌を
言葉を

小鳥のように美しい声で
小鳥たちにしか分からぬ歌を

ピピーピピー ヲーヲ、ヲヲヲ

ウウエエイエ あああ