>>118 続き
 ◆数多くの技術的課題が、未解決。
 本書は超電導リニアの技術的課題を数多く指摘していますが、
 問題を一言で言うならば「故障する可能性のある部品が多すぎる」ということです。
 たとえば、超電導リニアが実用化した場合、
 -269℃の液体ヘリウムで冷やし続ける必要のある超電導磁石ユニットが
 1編成当たり34個、浮上・着陸のたびに台車から油圧シリンダで出入りする
 ゴムタイヤ車輪は1編成当たり136個となる見込みです。
 これらのうち1つでも故障すれば、大事故になりかねません。
 東海道新幹線並みの高頻度運行でも事故を起こさないためには、
 一つ一つの部品が驚異的な信頼性を持つ必要がありますが、
 これらは物理的に過酷な条件で使われるものであるため、
 従来の鉄道ほどの信頼性を持たせるのは非常に困難です。
 中央新幹線は、JR東海が自己負担によって建設する、過去に例のないプロジェクトです。
 税金が投入されないことから、国民の関心が低いままでしたが、
 3兆円の財政投融資が行われるなど、非常に公共性が高く、
 私たち一人ひとりに関係のある計画です。
 本書が国民的議論のきっかけになることを望んでいます<
おわり