358  東京ブラックホール現象からの脱却
http://critic.cocolog-nifty.com/kk/2014/06/post-1e66.html

日本創生会議(座長;増田寛也氏)は人口データをもとに、2040年までに消滅する可能性のある896の自治体を発表した.示唆している内容は次の通りである.

長い間、地元に仕事がなく,交通の便が良い事もあって,長男も含めて,若者が東京に集まった.地元では若者が減り,子供もいなくなって,高齢者ばかりになる.そのうち高齢者の死亡とともに,住民がいなくなると言うのである.これが自治体の消滅である.

一方,人口が集中する東京では,人口は増えるが,結婚年齢も高くなり,出生率が低くなる.子供が増えず,結果的に国全体の人口減の原因になる.又、一極集中の東京では高齢者も集中している.介護施設も、介護士の数も、社会福祉財源も、対応できなくなるのである.

この東京一極集中が引き起こす一連の現象を『東京ブラックホール現象』と言うのである.

従来より、東京一極集中の問題は議論されて来たが,東京集中の経済的メリットが大きく,一極集中が止まる事はなかった.そんな中で、『東京ブラックホール現象』が『新たな一極集中の問題』として提起されたのである.

この『東京ブラックホール現象』から脱出するには,地方の中核都市を中心に、東京の負荷分散をし、東京の限界をカバーしなければならないのである.これによって、国全体の経済、医療、介護,人口増加,を確保しなければならないのである.

ところで、この『東京ブラックホール現象』は,これまで巨額の国家予算を使って進めて来た地域振興策が失敗だったことを意味している.
その理由は簡単である.経済性や必然性をでっちあげて予国家算を取ってきただけだからである.いわゆる,『ばらまきの景気対策』でしかなかったのである.

一時しのぎの金が欲しいだけの公共事業の残骸が全国にどれほど多くあるだろうか.しかも,借金だけが残っているのである.この轍を踏まずに,どう地方を活性化すべきかが今、問われているのである.いくつか施策を考えてみたい.