コストプッシュはアベノミクス失敗の象徴

アベノミクスで材料を輸入に頼る我が国では、当然、コストは上昇しました。
値上げ路線の企業は客離れがおこったわけです。
日銀黒田総裁が言うには、インフレになれば消費者はそれを受け入れて
ドンドン消費を増やすということでした。
いくらコストが上がろうと消費者はそれを受け入れてくれるという考えでした。
ところが実際にはそうなはなりませんでした。
ほとんどの企業は値上げしても限定的、その他コスト削減で対処するしかなかった。
ユニクロは公然と値上げ路線を宣言して強気に出ましたが、消費者は値上げに敏感だったということです。
つまり、コストプッシュ型のインフレでは消費者の消費を誘発することはできないということです。
ユニクロのような大企業で、利益も厚ければそれでも取れる手段はあるし、余裕もあるでしょう。
ですが、中小零細企業ではそうは行きません。
そしてGDPの約6割を占める個人消費に関わる産業の多くは中小零細企業です。
事態はもっと深刻。つまりアベノミクスによるコスト上昇は、消費の拡大に寄与しません。
しかも消費税と社会保障費は上がっております。これで消費が増えるわけありません。
政府与党はそろそろ失敗を認め、政策転換のアナウンスが待たれます。