>>248

(神代邸のじいやの部屋。 看病に訪れた天道と、布団の上に上体を起こしているじいや)
(天道は お盆の上の土鍋から お椀に 雑炊をよそっている)


爺や 「働いてる!? ぼっちゃまが! (驚愕)」

爺や 「おいたわしい (首を左右に振る)。 …いや、 こ、こうしては いられない。 こうしては いられない!」

 (慌てて 寝床から立ち上がろうとする じいやの肩を 天道が押さえる)

天道 「まだ 寝てたほうがいい。 さあ、これを食べて。 (笑顔で椀を差し出す)
     すっぽん雑炊です。 栄養満点だ。 きっと すぐに 元気になる」

爺や 「いやいや〜、 私の事なら 本当に 大丈夫なんですから」

天道 「いや、遠慮しないで下さい」

爺や 「いやいや、 本当に、 だ、大丈夫」
天道 「どうぞ」
爺や 「大丈夫なん…」
天道 「どうぞ」

ゴン 「じゃあ、これ ちょうだい (天道の傍らに置かれた土鍋の蓋を閉める)」

 (押し問答している二人が 声の方向を向くと、 両手で お盆を持ったゴンが立っている)

天道 「ゴン……」

 (戸口まで小走りに移動して、ゴンが振り返る)

ゴン 「いいでしょう? アルバイト代 ってことで (ニッコリ)」


    (カブト 第28話より)