ルナツーを管理棟とするサイド7は本サイドの宙域に進入したならば、
ティターンズやルナツーの仕掛けたカメラで分かるようになっていた。
その為、サイド7から出ていないエゥーゴを確認したティターンズは
血眼になってエゥーゴを探し続けていた。

「だが間違いなく《アレキサンドリア》の追っていた部隊なんだろう?」
モビルスーツ隊隊長のライラ・ミラ・ライラ大尉がモニターを見ながら憮然(ぶぜん)とした態度で
「そうなんだがな。
いかんせんヘリオポリスというのが気がかりだ。」
と、ライラの問いに歯切れが悪く、典型的な職業軍人的なつまらぬ受け答えが返ってくる。
そんな艦長に呆れ顔のライラは腕を組んで
「あれこれと考える暇があったらとにかく行って、
確かめてみるのが良いんじゃないのかい?」
と、言って苛々(いらいら)としたした表情でチャン・ヤー少佐を一瞥(いちべつ)する。
「分かっている!ライラ・ミラ・ライラ…!その言葉遣いなんとかならんのか?」
彼女のチャン・ヤー少佐に対する物言いや態度は今になって始まった話ではないが、
ライラはチャン・ヤーのような慎重過ぎる姿勢が気に食わない所があるようで、
チャン・ヤー自身も時折ライラに対して皮肉っぽく指摘をするような事があり、
あまり良好な上官と部下という関係ではない事はブリッジにいる人間の誰しもが分かっていた。