X



【もしも】種・種死の世界に○○が来たら13【統合】
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2013/12/23(月) 21:13:47.24ID:???
このスレは種系SSスレのうち、まとめサイトのカテゴリで
クロス物とされるスレの統合を目的としています。
種以外とのクロスオーバーを種別問わず投下してください。
種作品内でのIF作品は兄弟スレにお願いします。

過去スレ
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1196339764/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 2【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1208353319/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 3【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1212323601/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 4【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1218203927/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 5【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1226476158/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 6【統合】
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1230651332/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 7【統合】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1233666943/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 8【統合】
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/shar/1242394476/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら 9【統合】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/shar/1254828439/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら10【統合】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1291395757/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら11【統合】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1342227660/
【もしも】種・種死の世界に○○が来たら12【統合】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1347369984/
まとめサイト
ttp://arte.wikiwiki.jp/

兄弟スレ
【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 15
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/shar/1386332621/
0394923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:31:00.68ID:???
#4

「不安だろうけど…待っててね。」
とミリアリアがフレイの手をそっと取って言うと、
フレイは何も言わずに小さく頷いた。
トールとカズイが遅れて着替えを終えて出てくると
サイらともう一度フレイに声をかけてブリッジへと向かった。

サイ達が通路を曲がった所で一人残されたフレイは
ただ立ち尽くしているだけだったーーー。
サイ達が戦いに参加しているのに自分は何をしているのだろうと
自らを責めるかのようにもどかしさすら感じていた。

そこへパイロット用のノーマルスーツに着替えた
キラがノーマルスーツルームから出てきて
二人の目が合うとキラの心臓の動きが少し早くなる。

「あ、フレイ…サイ達、もう行っちゃったの?」
とキラは少し緊張しながらもそう聞くと、
フレイは突然キラに抱きついた。
キラは状況が読めない展開に動揺して
顔が紅潮して頭が真っ白になる。

「キラ、お願い…私を守って…」
フレイの唐突な行動と言葉にキラは
彼女がなぜそんな事をしてそんな事を言うのか分からなかった。
しかしフレイの怯えたような表情に
キラはサイの事など考える余裕もなく
「う、うん…フレイもこの船もみんな守るから。
だから居住区に戻ってて。」
とフレイの瞳を見つめながら優しく微笑んでみせると
キラはモビルスーツデッキへと向かって行った。

赤い躯体をした《リック・ディアス》がハンガーを離れて
左舷カタパルトデッキへと通じるリフトへと移動し、
アポリー機の黒い《リック・ディアス》はクワトロ機とは逆の
右舷カタパルトデッキへと続くリフトへ移動する。
そのモビルスーツデッキ内には、
モビルスーツのアクチュエーターから聞こえる駆動音が響く。
0395923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:35:09.27ID:???
#5

カミーユは既にエアロックが開放されて無重力状態となった
デッキ内を泳いで《ホウセンカ》から離れたカミーユは
開放されている《ガンダムMk-U》のコックピットに乗り込む。

モビルスーツのジェネレーター出力を上げて
全天周囲モニターを作動させると、
コックピット内に各セクションの無線の声が
カミーユの耳に入りながらもコンソールで
機体を動かす為の操作を黙々と進める。

「カミーユ、アポリー。これより太陽電池衛星の破壊に向かう。
私に続け。遅れるなよ。」
カミーユ機とアポリー機のコックピットに、
既にリフトで左舷カタパルトへと発進体制に入った
クワトロの声が耳に入ると、
「了解!」と二人が応答して、
カミーユも誘導員に従ってリフトへと機体を移動させて行く。


「総員第2種警戒配備、各機スクランブルに備え。」
「ダミー隕石放出。
火器管制は全てマニュアルに切り替え。
ミノフスキー粒子の数値に目を離すなよ。」
「艦尾ミサイル発射管、スレッジハマー、榴散弾頭ミサイル装填。
SAM、CIWS起動準備、ビーム爆雷装填。」
ブリッジ内にラミアスやナタルらの指示が飛び交う中、
ミリアリアが作戦のカウントを始める。

「作戦開始まであと10秒!
…9、8、7、6、5、4、3、2、1。
作戦スタートです!」
ミリアリアの言葉と同時にブリッジのメインモニターに
《アーガマ》から3機のモビルスーツ隊が
発進して青白いスラスター光を煌めかせて、
太陽電池衛星のある方向へと進んで行った。
0396923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:37:35.07ID:???
#6

「《アーガマ》からのモビルスーツの発進を確認。」
サイの報告にラミアスは先ずはクワトロ達の
無事の帰還を願いつつティターンズや
ザフトの出現が無い事を願うような気持ちだった。
しかしその時、ブリッジ内に熱源探知を知らせる
ブザーが鳴ると一同の緊張が一気に高まる。
「敵機発見!…ティターンズです!!」
「やっぱり来たわね…数は!?」
「数は4機…いや、後方に更に8機!!」
ラミアスはサイの言葉に心臓の胎動が止まったように感じた。
それはナタルらブリッジの一同も同じだった。

「ミノフスキー粒子散布。フラガ大尉達を発進させて!」
数の上では圧倒的不利な状況でどう戦うか…
ラミアスはこの作戦前の約1週間近くを、
《アークエンジェル》による対モビルスーツ戦闘用の
シミュレーションを徹底的にやって来た事もあり、
少しの不安を抱えながらも何としてでも
増援が来るまでを持たせてみようと
声を張り上げて指示を出し腹を括った。

「《メビウスゼロ》フラガ機、右舷カタパルトへ!
ロベルト機は左舷カタパルトへ!!」
トノムラの声がデッキ内に流れると、
モビルスーツデッキが一様に騒がしくなり、
メカニッククルー達はデッキを離れて、
ノーマルスーツを着た誘導員の誘導により、
《メビウス・ゼロ》と《リック・ディアス》は
それぞれリフトによって左右のカタパルトへと移動を終える。

「ムウ・ラ・フラガ、出る!増援が来るまで持ち堪えようぜ!」
「了解!《リック・ディアス》、ロベルト機出るぞ!」
リニアカタパルトの射出システムが作動すると
内壁部が発光し、LUNCHの文字が表示され
《メビウス・ゼロ》と《リック・ディアス》の
射出装置が真っ直ぐに走り出し2機が発進して行った。
0397923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:41:21.19ID:???
#7

「続いて《ストライク》、発進位置へ!
カタパルト接続、システムオールグリーン!」
トノムラの声が《ストライク》とデッキ内に再び響くと、
コンダクトバーの誘導に従って機体をリフトへ移動して
カタパルトの発進位置にリフトが止まると、
《ストライク》が射出装置へ接続し、
ガントリークレーンが作動してエールパックを装着する。

発進の合図を待っているとコックピットのHUDに
ミリアリアの顔が映し出されキラに、
「キラ、以後私が機動部隊の戦闘管制となります。よろしくね。」
とHUDに映るミリアリアはそう言って
ピースサインをして茶目をやってみせると、
「よろしくお願いします、だよ。」
と気の抜けた振る舞いをしたミリアリアに
トノムラが軽く一喝をする。
キラは知らぬ間に少し緊張していたのか、
ミリアリアとトノムラのやり取りに少し笑うと
緊張が少し解けた気がして、
ミリアリアに心の中でありがとうと礼を言っていた。

「装備はエールストライカーを。
敵はすぐそこにいる。気を抜くな!」
ナタルは緩みかけたその場を締めるように、
整然とした声でキラへ指示を出す。
その言葉に「…はい!」と、大きな声で返事をする。
フレイ…みんな…僕が守ってみせるよ。
とキラの頭の中にサイ達やフレイの顔が浮かび上がり
心の中で誓うように意を決すると、
カタパルトの向こうに見える真空の宇宙を見据える。

「進路クリアー、《エールストライク》発進どうぞ!」
「キラ・ヤマト、ガンダム行きます!」
ミリアリアの合図によって、
顎を少し引いてフットペダルを踏むと
射出装置が一気に全身してカタパルトから機体が発進し、
フェイズシフトを起動させた。
0398923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:44:43.25ID:???
#8

「先鋒と思われるティターンズ部隊、
有効射程圏内に入りました!」
トノムラの報告にラミアスとナタルが互いに目を合わせ
はっきりと頷いてラミアスは対空戦闘用意の号令の後に、
「なんとしても《アーガマ》を死守するわよ!」
と声を上げて指示を出すと
火器管制システムを担当するチャンドラや
トノムラの表情が一気に険しくなった。


「いたぞ、ジェリド中尉。集中を切らすな。」
「了解だライラ大尉!」
ジェリド機は早速ビームライフルを構え、
《メビウス・ゼロ》に向けるとライフルの銃口から
ビームの光軸が数発放たれると、
ライラの《高機動型ガルバルディβ》も
随伴するロベルト機の《リック・ディアス》に対して
《ガルバルディβ》がビームライフルを撃ち、
もう1機の《ガルバルディβ》は、
モンブランから発進した《ジムU》に
同様にビームライフルを放つ。

会敵と同時に《アークエンジェル》から
主砲の連装メガ粒子砲や副砲のリニアカノンが
ライラ隊のモビルスーツ部隊を襲い、
同時射撃を行った《モンブラン》からのメガ粒子砲と
ミサイルランチャーがライラ隊をに向かって行く。

《高機動型ガルバルディβ》は
その機動力を活かして艦砲射撃を苦もなく躱し、
ジェリドもその軌道を読んでメガ粒子の火線を躱し
自機の《ジム・クウェル》の腰にマウントされた
散弾式の砲弾を装填したハイパーバズーカを構えて、
向かって来るミサイル群に対してバズーカを撃ち放つと
拡散した鉄球が飛来するミサイルを迎撃すると
辺り一面に無数の火球が発生する。
0399923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:48:17.68ID:???
#9

「中尉、キラ、各個撃破で確実に数を減らすぞ!
味方の艦砲射撃に当たるなよ!」
「了解!!」
「はい!」
ムウはそう叫んで指示を出し、
非力な《ジムU》を落とさせまいと
ガンバレルを展開して《ジムU》を狙う
《ガルバルディβ》の四方を取り囲み、
ガンバレルポッドから数十発の鋼弾が火を吹き
《ガルバルディβ》はガンバレルを撃ち落そうと、
攻撃を避けながらビームライフルを放つが
ガンバレルに気を取られている隙を逃さずに、
《メビウス・ゼロ》からレールガンが放たれると
相手の右手に構えるビームライフルを破壊する。
相手が怯んだ所を、ロベルト機の《リック・ディアス》が
《ガルバルディβ》の腹部にクレイバズーカを放つと
コックピットを潰された《ガルバルディβ》は
モノアイの光が消え完全に沈黙すると無重力空間を漂った。

キラはもう1機の《ガルバルディβ》を
《エールストライク》の高機動性能によって
ビームライフルを乱射する相手を翻弄して躱すと、
敵機にあっという間に肉薄して、
ビームサーベルでシールドごと機体を両断すると、
反応炉が誘爆を引き起こして二つの火球が起きる。

「チ…!!情けない!」
ライラは顔が強張って口中に舌打ちをすると
フットペダルを踏み込み一気に距離を詰め
操縦桿を操作してコンソールのレーダーに映る、
《ストライク》へ狙いを定めてビームライフルを撃ち放つと
亜高速の早さでメガ粒子の黄色に光る1本の光軸が
迫ると、それに気付いたキラはフットペダルを踏み
《ストライク》の鼻先を掠めるかのように躱すと
機体を更に動かして上昇すると、
先読みしていたかのようにライラは上昇するコースに
いち早くビームライフルを放つが、
キラはシールドを即座に構えてビームを防いだ。
0400923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 11:53:09.10ID:???
#10

「やはり…あの反応速度は普通じゃない…!」
ライラは以前の戦闘で見せた反応速度を
再度確かめていたかのように一人呟いていると
「俺に任せろ!」
とライラの耳に語気を強めたジェリドの声が聞こえると
《ジム・クウェル》が、ライラ機を援護する為に
《ストライク》へとビームライフルを乱射する。

ライラは周りの状況を見渡して、
《メビウス・ゼロ》と《リック・ディアス》が
こちら側に接近している事を確認して、
「ジェリド!踏み込み過ぎるんじゃないよ!」
とジェリドへ声を少し荒げて言うと、
《メビウス・ゼロ》が《ジム・クウェル》に向けて
ガンバレルを展開して集中砲火を浴びせる。

「く……!?邪魔を…!」
表情を歪ませながらもスラスターとAMBACを使い分けながら
《ゼロ》の放火になんとか対応するものの、
初めてオールレンジ攻撃を体感したジェリドにとっては
躱し続ける事の限界がすぐに訪れ、
ジェリドは躱し切れないと判断してシールドを構え
苦し紛れと分かっていても、バルカンを
厄介なガンバレルに向けて放つが、
ムウもそれは折り込み済みといった形で
ガンバレルを巧みに操作してビームのそれを躱すと
キラもガンバレルに気を取られて動きが散漫になった
《ジム・クウェル》へビームサーベルで斬りかかると
咄嗟に反応して《ジム・クウェル》はシールドで防ぐが、
シールドが溶断されると共に左腕もサーベルで斬り落とされた。

「深追いし過ぎだよジェリド!下がれ!」
ライラがジェリドにそう言って援護に回ろうとすると、
ロベルト機の《リック・ディアス》が
左手に持つビームピストルで、
《高機動型ガルバルディβ》の動きを止めて
援護に回らせまいとするとライラの表情が険しくなる。
0401923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:01:13.45ID:???
#11

「キラ!トドメを刺すぞ!!」
ムウがこの好機を逃すまいと言うとキラは
「はい!」と応じて《ジム・クウェル》に
ビームライフルを構えてトリガーを引こうとしたその刹那ーーー。
《ゼロ》と《ストライク》へ突如ビームの光軸が襲いかかり
僅かに反応の早かった二人がビームを避け、

「あれは…!?ガンダム?」
「モビルアーマーもいるぞ!」とキラとムウが口走って
ビームの飛んで来た方へと目をやると、
視線の先には《アスワン》から発進した
ブラックオター小隊がライラとジェリドのもとへ到着する。

ライラ隊のガルバルディが見当たらなかった。
「既に堕とされたか…」と一人呟くと、
戦況を冷静に把握したマーフィーは
敵機を前にして一層その集中力が高まり背中に力が入る。
ティターンズよりも宇宙における空間戦闘に秀でた、
ルナツーの部隊が合流を前にこうも簡単に…。
と感じているとカール機が先行して《ストライク》と、
《ゼロ》に対して手にしたビームライフルを撃ち放って、
撃墜される寸前だった《ジム・クウェル》を援護する。

「おい、そんなんじゃもう戦えないだろ!?
落とされる前に早く退けよ!」
通信から聞こえてくるカールの声に
聞き覚えのある声に、あいつだ。と少し腹を立てた様子で
「俺に命令するな!まだ戦えるんだ!!」
とジェリドは語気を強めて返すと、
「ろくに戦えない奴がここにいても邪魔なんだよ!」と
カールはたたみ掛けるように言葉を被せるとジェリドの
こめかみの血管がじんわりと浮き上がる。

「黙れ!俺はまだやれるんだ!」
ジェリドは尚も食い下がるように言うと、
手負いの筈の《ジム・クウェル》は、
ビームライフルを乱射すると、油断をしていた
《ジムU》はコックピットを撃ち抜かれやがて火球となり、
どうだと言わんばかりに一人コックピットで叫ぶジェリド。
《高機動型ガルバルディβ》がジェリド機に近付く。
0402923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:04:44.08ID:???
#12

「無理はするなジェリド。まだ戦うならサラミスを狙え。」
ライラはそう言ってセンサーが接近を知らせる
アラームに反応してビームピストルを撃つ《リック・ディアス》と交戦に入ると、
それを見たジェリドは心の中で了解だ。と言って、
視線の先にいる《モンブラン》を目指した。

マーフィーはモニターに映る敵機を見据える。
「エリアルド!あのガンダムはカールとお前に任せたぞ!
こちらはオードリーと共に『エンデュミオンの鷹』をやる!」
「了解です!」と返したエリアルドは、
《ストライク》に対して、モビルスーツ形態に変形して
ロングブレードライフルからビームを放ち、
続くようにビームライフルを撃つカール機と共に
《ストライク》へ波状攻撃を仕掛けるーーー。
が、エリアルドやカール達は《ストライク》の
その性能とパイロットに驚愕するのはまもなくの事だった。
エール装備による高機動によって、
彼らの攻撃を躱し続け逆にビームライフルを撃ち返し、
苦し紛れのではなく正確な射撃を見せる相手に肝を冷やす。
キラは先の戦闘を教訓にして、
より自分の望んだ通りの性能を引き出す為、
事前に機体の調整を入念に行っており
乗機の本来持つ性能を遺憾無く発揮出来ていた。

《ストライク》は敵機の攻撃を躱しながら、
ビームライフルを撃ち続けて距離が詰まった所を、
ビームサーベルを引き抜いて猛然とカール機へ斬りかかると、
《アドバンスド・ヘイズル》もビームサーベルを抜いて
《ストライク》のサーベルとぶつかり合い火花が散る。

「もうやめろ!こっちの船には避難民が乗ってるんだ!!」
とキラは執拗に追いかけ続けるティターンズに対して
怒りをぶつけるように叫ぶ。
まだ幼なさの残る声がコックピットに響き、
カールは「子供の声…!?」と言って驚愕していると、
カールが反射的に呟いた言葉をエリアルドは聞き逃しておらず、
「子供だと…?カール、どういう事だ!?」
とHUDに浮かぶカールへ詰め寄るように聞くと
カール機は《ストライク》から距離を置く。
0403923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:06:59.39ID:???
#13

二人の脳裏に過ったのは情報にあった
カミーユ・ビダンという少年の存在だった。
僅か17歳という年齢にしてモビルスーツを乗りこなし、
更にティターンズの対抗勢力である、
エゥーゴの一員として活動しているという事実に、
エリアルドやカールだけでなくマーフィーやオードリー。
ペデルセン、ダグザ、ライラ達すらも驚愕したのだ。
アムロ・レイの再来なのでは?といった
噂が俄かに広がって来ているのも事実だった。

動揺するエリアルドとカールに対して
《ストライク》はビームライフルを撃ち続けていた。
だが子供を相手にするという事を躊躇(ためら)う二人は
反撃を出来ぬまま攻撃を躱し続けるしかなかったが、
エリアルドはコンソールの通信を全回線に切り替え、
《ストライク》のパイロットを確かめようと
意を決したように口を開ける。

「そこのガンダムのパイロット!
君がカミーユ・ビダンという少年か!?」
戦闘宙域にいる全ての機体、艦艇に、
エリアルドの声が響くーーー。

通信可能域から外れている《アレキサンドリア》や
母艦の《アスワン》にはエリアルドの声は届いていないが、
マーフィーやカール、オードリー達は
エリアルドのその突然の行動にただ驚くばかりで、
一体何をするつもりなのかとマーフィーやカールが
通信越しに声を荒げながら言うが、
エリアルドは彼らの言葉に耳を貸す事は無く
まだ見ぬ《ストライク》のパイロットの応答を待つ。

ムウやラミアス、ロベルト達は
相手の意図しない行動に怪訝な表情だったが、
敵に無用な情報を与えないように相手の言葉には
耳を貸すなとキラに忠告をしていた。
0404923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:09:06.11ID:???
#14

しかし、キラはこの通信越しに聞こえてくる男の声に
威圧感や刺々しさは感じておらず、
「…僕はカミーユさんじゃない。」
と、思わず戦火を交えつつも通信に応答をしてしまう。
これに驚いたのはムウ達なのは当然だったが、
更に驚いたのはマーフィー隊の一同やライラやジェリドだった。
全員のコックピットに聞こえている声は
どこから聞いても大人の男の声ではなく、
カミーユさんという言葉からして、
更に若い少年だという事に全員が気付く。

「じゃあ、君はカミーユ・ビダンではないとしたら何者だ!?」
マーフィーやライラ達もこの場の戦いをやめる事は無いが、
エリアルドの問いかけに対しての応えを
自らの耳に神経を通わせて注意深く待っていると、
「僕は普通の学生だ!!あなた達が酷い事をしなければ
僕の友達だって怖い思いをせずに済んだのに!」とキラ。
エリアルド達が期待する応えは返って来なかったものの、
鬼気迫る感情が何故か手に取るように感じられた。

「酷い事?俺達ティターンズは平和の為に戦っているんだ!
君のような子供に一体何が分かるんだ!?」
エリアルドはこれ以上の問答は無用だといった様子で、
ビームサーベルを抜いて《ストライク》へ斬りかかる。
キラも同様にビームサーベルを引き抜き、
《ストライク》と《TR-5》のサーベル同士がぶつかると、
収束されたメガ粒子が細かい火花のように細かく爆ぜる。

「僕は……僕はコーディネイターだ!
あなた達がプラントを攻撃しなければ…
僕はアスランと…親友と戦わずに済んだんだ!」
「…何!コーディネイター!?」
キラの言葉は衝撃的な事実だった。
親友の名を口走ったのを聞き逃さなかったムウやロベルト、
《アークエンジェル》の一同は絶句していた。
自らの存在をコーディネイターだという事を
敵に情報を漏らした事などよりも大きな動揺が走る。
一方のエリアルド達にとっても何に驚けば良いのか、
迷ってしまう程に驚愕の連続だった。
0405923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:11:11.35ID:???
#15

キラの感情が防波堤の決壊の如く爆発すると、
頭の中で何かが弾けたかと思えば、
《ストライク》はもう1本のビームサーベルを
シールドを捨てて左手で引き抜いて、
《TR-5》の右腕を一刀のもに斬り伏せ、
更に左手に装備したシールドブースターを両断する。

「エリアルドっ!!」
動揺している場合じゃない!
相手が子供だろうとコーディネイターだというのなら
エリアルドもやられる可能性があると察知したカールは
《ストライク》に向けてビームライフルを
これでもかという程に乱射をしてエリアルドの《TR-5》から
《ストライク》を引き剥がすが、
カールの《アドバンスド・ヘイズル》に
《ストライク》が異常な程の速度で肉薄すると、
両手に持ったビームサーベルで、
カール機の頭部ユニットとビームライフルを持つ
右手を斬り落として腹部へ右足で大きく蹴り飛ばすと
「くっ…なんて奴だ…!」
とカールは想像を絶する能力の前に歯を食いしばりながら
激しく揺れるリニアシートで衝撃に耐える。

強すぎるーーー。
鬼人の如き戦い方を見せている《ストライク》に、
マーフィーやライラもそう認めざるを得なかった。

その隙を付いて《マンイーター》と《エストック》の
《ガルバルディβ》と《ジム・スナイパーV》が、
《アークエンジェル》に向かって行く。
キラはそれに気付くと途端に表情が険しくなり、
スラスターを全開に噴かしてその2機を追うために
エリアルドとカールのもとから離れて行った。

※ ※ ※

《ジムU》だから良いが数が多いな…。
太陽電池衛星の防衛隊からは8機もの《ジムU》隊が
クワトロ達の足を止めようと、
手に持ったビームライフルを次々と放つ。
その後方からは衛星の対空レーザー砲がクワトロ達を襲う。
0406923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:13:13.75ID:???
#16

「アポリー、ここはお前とカミーユに任せて、
私は先行して衛星を破壊する。」
このままでは予定時刻に《ホウセンカ》を降ろす事が出来ない。
クワトロはアポリー達にこの場を任せ、
スラスターを最大まで噴かせて、
対空レーザーと《ジムU》のビームを躱しながら
太陽電池衛星を目指して行く。
当たるなよ。
クワトロはアポリーとカミーユに心の中でそう言うと
微かに衛星の存在をその視界に捉え、
クレイバズーカとビームピストルを構えた。

「こちらサラミスの《スルガ》。
これより援護を開始する。」
コックピットに突然、女性の声がして、
通信用のHUDに映っていたのは《スルガ》の副長
ミハエル・アカレッテ少佐だった。
その言葉と同時に、コンソールのセンサーが反応した。
《スルガ》からモビルスーツが4機発進すると、
艦砲射撃が《ジムU》隊に直進して行く。
2個小隊で固まって行動していた《ジムU》の2機ほどが、
単装メガ粒子砲とミサイルランチャーの餌食となり、
《スルガ》より発進した《GP-00ブロッサム》が
先行して右手に持ったビームライフルで
更に1機の《ジムU》を撃ち抜くと融合炉に誘爆して火球となる。

ベアード中尉の《ブロッサム》の後に
アスナ機の《リック・ディアス》や、
シェルド、ゴーローの《ジム・カスタム》が
各機が手に持った武器を撃ち放ち《ジムU》隊を包囲すると、
「カミーユ、俺達も続くぞ。」
「…了解!」と、
機を見たアポリーに従いベアードらと共に集中放火を浴びせる。
0407923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:15:31.18ID:???
#17

しかしその中の1機が火線と《スルガ》の放つ
ミサイルの雨を抜けて、背部バックパックの
ビームサーベルを引き抜いて、
ゴーロー機の《ジム・カスタム》に特攻をかける。
腹部のコックピットめがけて、
ビームサーベルを突き立てながら突進する《ジムU》を眼前に、
ゴーローはたじろいで回避行動が遅れると
ベアードの《ブロッサム》がすかさず、
ビームライフルで《ジムU》を撃ち撃墜する。
しかし同じようにベアードも《ジムU》に狙われ、
ベアードは反応するものの、一瞬間に合わず、
斬りかかる《ジムU》だったが、
背後を撃ち抜かれてそのまま爆散する。

ベアードを救ったのはビームライフルを構えていた
カミーユの乗る《ガンダムMk-U》で、
残りの《ジムU》もやがて全機が撃墜されて
太陽電池衛星の防衛隊の殲滅に成功した。

「そこのガンダムのパイロット。
俺はハロウィン小隊の隊長、ジャック・ベアード中尉だ。
助けてくれた事、礼を言う。流石だな。」
「い、いえ。僕はカミーユ・ビダンと言います。」
ベアードは通信でカミーユと挨拶を済ませると、
情報にあったカミーユ・ビダンという名前を聞いて
素人とは思えない操縦技術に関心していた。
その横でアスナは《Mk-U》の装甲越しのカミーユの内から出る
悲しみや孤独感といったものに似た“何か”と形容できるものを、
感じ取っておりカミーユもまた、
白い《リック・ディアス》の中の存在に、
アスナが感じ取ったものを感じていた。

それからまもなく、太陽電池衛星の破壊をしたと思われる爆発が、
視線の先の向こうで確認したアポリーが、
「カミーユ、お前は《アークエンジェル》の援護に向かえ。」
と言うと、
「分かりました。必ずレコア中尉を無事に降ろします。」
と言ってスラスターを噴かせて《アークエンジェル》のもとへと急いだ。
0408923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:17:42.55ID:???
#18

※ ※ ※

マーフィーとオードリーは《マンイーター》の
《ガルバルディβ》と共にムウの《ゼロ》を相手にしていた。
しかし新型機である《ギャプランTR-5》こそ、
ムウを苦しめていたものの、オードリーと
《ガルバルディβ》のパイロットは、
ムウの見せるその操縦技術に苦戦しており、
やっぱりただの航宙機じゃない。と感じていたオードリーに、
「奴の動きに惑わされるな。
武装ポッドを確実に撃ち落とせばいい。」とマーフィーが言うと
オードリー機の《アドバンスド・ヘイズル》と
《ガルバルディβ》を襲うガンバレルの狙いを1基に絞り、
モビルスーツ形態へと変形すると、
マーフィーは《ゼロ》の攻撃を躱しつつ右手に持つ
ロングブレードライフルを撃ち放ち、被弾しながらも
辛うじて直撃弾を免れていた《ガルバルディβ》を攻撃している
ガンバレルの破壊になんとか成功する。
しかし、先ほどのコーディネイターの少年によって
損傷したエリアルドとカールは既に退いており、
第4パイロットであるオードリーにかかる負担は
かなり大きなものになり、ティターンズの有利だった
形勢が徐々に変わりつつあった。

一方、艦載機を失った《モンブラン》は正に格好の的だった。
対空機銃とミサイルランチャーによってなんとか
敵機が張り付かぬようにはしていたが、
先んじて交戦に入ったジェリド機は
次々に対空放火をくぐり抜けて的確に
各所へビームライフルを命中させていた。
《アークエンジェル》からも支援射撃があるものの、
敵機と《アークエンジェル》の相対距離は、
《モンブラン》よりも離れており、
ジェリド機や《ジム・スナイパーV》、
《ガルバルディβ》は軽々と攻撃を躱していた。
0409923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:20:43.81ID:???
#19

「太陽電池衛星の破壊は成功!後は防空衛星の破壊です。」
「アポリー中尉より入電!
カミーユ機をこちらに回すとの事です!!」
「《モンブラン》が攻撃に晒されています!
このままでは撃沈します!」
「《アークエンジェル》より入電!
敵艦隊位置を特定…ですが、新たな熱源を探知した模様!」
《ホウセンカ》の発射が刻一刻と迫っている
《アーガマ》のブリッジは緊張の糸が張り詰めていた。
ブライトに上げられる報告は、
次々とその表情を変える大しけの海のようだった。
どの報告に反応するかも考える暇も無く、
拳を強く握り締めてただ作戦の成功を願うだけで、
まもなく降下開始とは言え劣勢である事は変わりなく
このままではまずいのでは?そんな考えが頭の中を駆け巡る。

《ストライク》のライフルから放たれた光軸は頭部と
コックピット部分を撃つと、
《モンブラン》に攻撃をしていた《ジム・スナイパーV》は、
瞬く間に火球と化した。
ジェリドは《モンブラン》への攻撃に集中する為に
《ガルバルディβ》へ《ストライク》の足止めを任せる。
《ガルバルディβ》はビームライフルを乱射するが、
圧倒的な機動性能を見せつける《ストライク》は
ビームライフルを放って同様にコックピットを撃ち抜いた。
そしてジェリドの《ジム・クウェル》は対空機銃を躱し切り、
《モンブラン》の艦橋にビームライフルの銃口を向け、
即座にトリガーを引くと
銃口から収束されたメガ粒子が放たれ、
いとも簡単に艦橋部分を貫いた。
《モンブラン》の各部に爆発が起きてやがて大爆発が起き、
真空の宇宙空間に激しい爆風が吹き荒れる。
0410923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:23:02.77ID:???
#20

《モンブラン》の撃沈にキラやムウ、ロベルトは、
目の前で起きた事態に眉間のしわが寄る。
その報は《アークエンジェル》から、
《アーガマ》にもすぐに伝わり、
ブライト達はブリッジから見渡す漆黒の海で
激しく爆煙を上げる《モンブラン》のものであろう
その爆発をただただ見ていた。

ブライトのみならず戦場に出ているキラ達や艦のクルー達も、
増援はまだなのかと逸る気持ちをなんとか抑えていると、
追い討ちをかけるようにセンサーに敵機接近を知らせる
ブザーが両艦内に鳴ると、
《ブラック・ウィドウ》から発進した《ガルバルディβ》2機が
《アークエンジェル》の対空放火を躱して
シールドミサイルを叩き込み、
更に《ジム・スナイパーV》がビームライフルを放つと、
ビーム爆雷の効果が切れた船体の一部が爆発を起こし
《アークエンジェル》の艦内が激しく揺れ動く。

「状況報告!」
「左舷カタパルト、陽電子チェンバー損傷!!」
「中央船底部通路で火災!」
「消化班を向かわせて!!チェンバーの隔壁を閉鎖!」
「波状攻撃が来るぞ!弾幕を張り続けろ!!」
様々な声が飛び交い騒然とする、《アークエンジェル》のブリッジクルー達は
完全に浮足立ち、初めての実戦となった
トール達は膝から下が明らかに震えている事に気付くが
逃げ出したい気持ちをなんとか抑え込んでその場に留まった。
居住区の向こうでもっと怖い思いをしているであろう
避難民達の為にも逃げるなどという事は出来ないと、
彼らの心の底にある気持ちがそうさせていた。
0411923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:39:04.59ID:???
#21

「…?3時の方向!ザンジバル級です!!」
サイの口から唐突に出た言葉に更にブリッジ内に緊張が走り
サブモニターには確かにザンジバル級である
船体が確認出来ており、
「ザンジバル級!?ジオンの残党軍だと言うの…?」
とラミアスは怪訝な表情で呟くとサイが少し戸惑った様子で
「これは…友軍の識別コードを発しています!」と言葉を重ねる。
一同が目にしたのは増援の為に、
駆けつけた《トルネード》だった。
戦闘宙域到着と共に《トルネード》の船底部のハッチが開き
1機、2機、3機と順々にモビルスーツが発進をした。
すると《アーガマ》から通信が入り、
ブリッジの通信用モニターにブレックスの顔が映る。

「ラミアス艦長、あのザンジバル級は味方だ。」
「では、あれが准将の仰っていた増援の…」
「そうだ、彼らと協力して時間を稼いでくれ。あと5分だ。」
「は!了解です!」
ラミアスはブレックスとのやり取りを終え、
増援のモビルスーツをモニターで確認すると
そこには友軍だと確信させてくれるモビルスーツがいた。
先頭を進む機体の左肩に『ZION・ALIVE』と
ペインティングされたゾラ大尉の《リック・ディアス》と、
シグとヒルデガルト・スコルツェニー少尉の乗る
《リック・ディアス》が2機、ゾラ機に続くと、
《ブラック・ウィドウ》の《ガルバルディβ》と
《ジム・スナイパーV》の部隊に、
3機が揃ってビームピストルを撃ち放つ。
0412923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 12:41:34.94ID:???
#22

そこへマーフィー機の《TR-5》がロングブレードライフルで、
ゾラの《リック・ディアス》へ狙いを付けてトリガーを引くと
ゾラは自分の機体めがけて迫るビームを躱し、
ゾラは攻撃して来た《TR-5》を見て、
ウィンドウを拡大させて見ると、
《TR-5》の機体に施されたT3部隊の部隊章が目に入ると、
シグとヒルデにその場を任せてマーフィー機に
向かってフットペダルを思い切り踏んで、
スラスターを噴かせて直進して行った。

「ZION・ALIVE」などと、
マーキングされた機体を見てしまえば、
ジオン残党としか思えないが、
今まで執拗に攻撃を仕掛けて来ていた奴らは
エゥーゴだったのかとマーフィーは気付かされた。
だが、それよりも形勢が覆ってしまった現状のほうが
マーフィーにとっては大きな問題だった。
直前まで相手にしていた《メビウス・ゼロ》は
増援の到着を確認したのかと思えば、
早々に引き下がって行ったが、
エゥーゴのモビルスーツは2、3機程度ならば、
悠に相手に出来る程の実力を持っている為、
今の状態は完全に危機的だと感じていた。
そんな中、コックピットに新たな敵の接近を知らせる
アラームが耳を劈(つんざ)き、
接近して来るガンダムタイプのモビルスーツが視界に入る。
コンソールにはRX-178の型式番号がはっきりと表示されており、
エゥーゴに奪われたというティターンズガンダムの一つ、
《ガンダムMk-U》だという事に気付く。

《ガンダムMk-U》しか確認出来なかったロベルトが、
ライラとの交戦の最中にカミーユへ通信を通して、
「カミーユ、クワトロ大尉とアポリーは大丈夫なのか?」と問う。
0413923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:01:02.49ID:???
#23

「向こうにも増援が到着して防空衛星の破壊も終わりました。
後はここを抑えれば作戦成功です。」
カミーユとロベルトの会話を聞いていたキラも
良かったと肩を撫で下ろしたが、
今はまだ戦闘中だったと気を引き締め直す。
カミーユの到着と同時に《アーガマ》と
《アークエンジェル》にも防空衛星破壊の報は、
カミーユによって伝えられていた。

しかしこちらの目的を悟られない為にも、
早々にティターンズのモビルスーツを退ける必要があった為、
《アークエンジェル》や《トルネード》からの
艦砲射撃もより激しくなり、ライラやジェリド、
マーフィー達も一筋縄ではいかない
モビルスーツを相手にしながらの戦闘は難しいと感じ始めていた。

「くそ!こう味方機が踏ん張りきれんと…!!」
まさに危機的状況という状態に吐き捨てるように
ジェリドが言うと《トルネード》から放たれた
メガ粒子の火線が全周モニターの眼前を覆い、
ギリギリで躱し切ったその瞬間に、
安堵する余裕すらなく機体に激しい衝撃が走った。
衝撃によってモニターパネルの一部が
点いたり消えたりする中で、視界に捉えたのは、
右手に持ったビームサーベルを振り終わった態勢でいた
漆黒の機体色を纏ったシグの《リック・ディアス》で、
気付けばライフルを持った自機の右手を切り落とされていた。

シグは迷う事なく、次の攻撃を防ぐ手立てを失ったであろう
《ジム・クウェル》のコックピット部分の腹部に
サーベルを突き刺そうとしたその時、
シグは2発のミサイルが自機の、《リック・ディアス》めがけて飛んで来たのに気付いて
バルカン・ファランクスでミサイルを迎撃すると、
舌打ちをして《ジム・クウェル》から距離を離した。
0414923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:03:44.58ID:???
#24

ジェリドの危機を救ったのはライラだった。
「ライラ…!」
「これ以上の戦闘は無用な被害を出すだけだ。
悔しいがここは引くしかなさそうだな。」
ここで死んだ…。そう思ったジェリドは、
ライラが助けてくれた事に感謝する余裕は無かったが
もう戦える状態ではない事は分かっていたのか、
ジェリドは彼女の考えに反駁(はんばく)する事なく
それに従って
《高機動型ガルバルディβ》に抱えられるようにして
戦闘宙域からの離脱をして行った。

既に《マンイーター》と《エストック》の
モビルスーツ隊も損傷をしていた為、
母艦へと帰投を始めており、
マーフィーもここが潮時と判断して、
ヒルデ機と交戦中だったオードリーに、
信号弾を上げるように指示を送ると
《ヘイズル》の手の甲部から信号弾が発射される。

「キラ!深追いはするなと言った!!」
と《アークエンジェル》に先に帰艦していたムウが、
通信越しにキラを止めると《ガンダムMk-U》が、
《ストライク》の肩を触って接触回線が入る。

「キラ作戦は成功だ。お前はやっぱり凄いな。」
「カミーユさん…」
カミーユはの声はどうしてか少し寂しそうだった。
作戦の成功は一時的にとはいえ、
レコアとの別れを意味するものであり
カミーユはどうにかして無事で帰って来て欲しいと、
心の中で願う事しか出来なかった。
0415923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:06:45.24ID:???
#25

「時間だな…よし!《ホウセンカ》を発進させろ。」
「了解。進路クリア、レコア中尉、ご無事で!」
ティターンズの撤退と時刻を同じくして
ブライトがトーレスへ指示を送り、
トーレスの言葉に緊張した面持ちのレコアが少し頷き、
「行って参ります。」とレコアはモニター越しに
敬礼をしたのをブライト、ブレックス、ヘンケン達が確認すると、
カタパルト射出機に接続された《ホウセンカ》が、
勢いよく発進して行った。

作戦成功の為に役目を全うした末に轟沈した
《モンブラン》の残骸が大気圏で次々と燃え尽きて行く。
それは同時に《ホウセンカ》の降下を隠すかのようであり
レコアの無事を祈りつつ、母なる星へと帰る
《モンブラン》の全乗組員の勇敢なる命へ
敬礼をしてエゥーゴの一同はその最期を見送ったーーー。

※ ※ ※

同日、同時刻ーーー
北米地区シャイアン防空基地の外れにある
居住地のまさにとある豪邸の敷地内にある
プールサイドの椅子に身を預ける一人の青年が、
夕暮れ時の空を見つめている。
その青年の視線の先には遥か先の空と宇宙(そら)の狭間で、
重力の井戸に引かれて燃え尽きては煌めく光があった。

「アムロ様、お茶をお持ちしました。」
空を見上げるアムロと呼ばれた青年に
見なり整え黒服を見に纏う執事と呼ぶに相応しい老人が、
純銀製のトレーに見るからに高級なティーカップに注がれた
紅茶を脇に置いてある円型のテーブルにそっと置く。

流れ星?いや…違う。
何か大きな事が起きようとしている…。
だが…俺にはもう関係のない事だ。何も考えるな。
空を見つめながら感情を押し殺すように考え込むアムロは
心の奥底で一体何を考えているのか。
おそらくはアムロ・レイという青年の数奇な運命を知る
者にしか推し量る事は出来なかった。
0416923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:10:15.27ID:???
#26

その時、テーブルに置かれた携帯電話が鳴ると、
普段は滅多に鳴らない携帯を手にしてアムロは
電話に応答すると、懐かしさを感じさせてくれる声に少し驚く。

「よぉアムロ。隠居生活はどうだ?」
相変わらずの皮肉屋ぶりに思わず口角を少し上げたアムロは
「大人しくしてれば問題ないさ。」と返す。

「大人しくしてればか。
いつまでそんな所にいるつもりだ?」
皮肉から一転したカイのストレートな物言いに
アムロは眉間をピクリと動かした。
この会話は盗聴されている。
これ以上の話は危険だ…。
そう感じたアムロは突然、押し黙り爪をかちかちと噛み始めた。

数秒の後に電話の向こうで爪を噛み続ける音を聞いていた
カイが沈黙を破るように、
「分かったよ、お前さんの考えに従うさ。
せいぜい頑張れよアムロ。」
と言って、カイは電話を終えた。

カイに伝わっただろうか?
いや、あの口振りなら伝わっただろうな…。
アムロはそう確信しながら、カップを手にして紅茶を口にした。

※ ※ ※

連邦宇宙軍第8艦隊司令部のある、
プトレマイオス月面基地の管制塔にいる
管制室長は司令室に通信を繋げる。

モニターの向こうにいるハルバートンに向けて
管制室長は敬礼をしてから
「提督、情報部から通信が入っております。」と言う。

ハルバートンは机にある時計の時刻を確認した。
ヘリオポリスに関する提示報告の時間だと認識すると
「うむ、繋げ。」と言うと
机の中央に埋め込まれたモニターに、
背広を着たハルバートンが
独自に動かしている情報部員が写っていた。
0417923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:12:20.39ID:???
#27

「提督、少々問題が…。」
情報部員は顔色一つ変えることは無かったが
ハルバートンは彼の言葉に怪訝な顔をして反応を示す。

「問題…?何があった?」
「は。ヘリオポリスより運び出された
2隻輸送船の内1隻がジオン残党シーマ・ガラハウの
艦隊によって撃墜されました。」
情報部員の報告は最悪の報告だった。
情報が漏れての事なのか。
偶発的な遭遇による被害なのか。
何の為に輸送船の撃墜をしたのか。
ともかく悪名名高いシーマ・ガラハウに
狙われたのは運が無かったとしか言いようが無い。
などと、ハルバートンは思案を巡らしつつも、
「助かったもう1隻には何が載っている?」と、
とにかく自分を落ち着かせる為にも、
情報を少しでも整理しようと努めて問うが、
ハルバートンの問いに顔色一つ変えなかった筈の
情報部員は途端に歯切れの悪い返答が来た。

「は…それに関しては現在調査中ですが、
ティターンズや正規軍の哨戒任務の航路上ですので
こちらの調査は難航しております…」
「…最悪の場合は打ち切られねばならんという事か。」
「恐れ乍(なが)らそれも判断の一つとしてお考え頂ければと…」
破壊されてしまったのならば仕方ないと割り切れるものの、
こちらの不自然な動きをティターンズに察知されるのは
今のタイミングでは更にまずい事態になる事を第一に考え
とにかくこれ以上の情報漏洩を防ぐ為にも
不本意ながらもそう判断せざるを得ないとして、
調査を20時間後に打ち切るように指示を出した。
その背景にはやはりティターンズが
宇宙での活動を活発にしている事が大きく、
その動きに注視しなければならない状況でもあったからだった。
情報部員は「了解致しました。」と言って通信を終わらせた。
0418923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:14:27.25ID:???
#28

ブレックスを疑ってはいなかったが、
とにかくどのようにして情報が外部に、
ましてや海賊風情に漏れたのか?
ハルバートンはどうにも腑に落ちない事に
頭を抱えたい思いだった。

考え込むハルバートンの傍に立っている副官のホフマン大佐が
ハルバートンへ今後の事について
「どうなされるおつもりですか?」と、
顔色を伺うように聞いて来た。

「サハク家とアスハ家に連絡を入れろ。
出向く事は出来んが話の通じぬ相手ではない」と言った
ハルバートンは腹を括ってホフマンの問いに応じると、
ホフマンは無言で頷く。

この件もヘリオポリスの件も近い内にティターンズに暴かれる。
その時まで今は我慢の時だと考え
「ホフマン、そろそろ私達も覚悟を決めなければな。」
と言ったハルバートンの目は力強さを感じさせるものがあった。

※ ※ ※

彼らが見つめる視線の先にあるそれは圧倒的な光景だったーーー。

前大戦で敗北したはずのジオン残党のどこに
ここまでの艦隊を編成させるだけの資金と
拠点があったのだろうか?
これは先遣艦隊のはずではなかったのか?と、
パトリックは秘書官に改めて確認してしまうほどだった。
0419923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:17:09.15ID:???
#29

そんな先遣艦隊の中で一際目立っていたのは、
一年戦争のア・バオア・クー会戦において
圧倒的な存在感を放っていたと言われるドロス級超大型空母。
一年戦争時に戦没、又は接収の後に処分された
ドロス級よりも一回り以上も大きく、
全長4kmもの巨体は移動要塞そのものだった。

パトリックの疑問はもっともだ。
ドロス級の建造などしようものならば
多くの資材や資金を必要とする為、地球圏から遠く離れ
木星圏にほど近いアステロイドベルトでの
これだけの規模の艦艇の建造はできる筈も無かった。
だが、サイド1・ブッホコロニーに拠点を置いている
三大財団の一つ、ブッホ・コンツェルンによる出資協力で、
木星圏の更なる開発に力を注いでいるサイド2のアメリア、
カラブリア、ブルー3コロニーなどが
その裏でアクシズと関わっているのだが、
その内情はアクシズやジオン残党以外の耳に入る事は無く、
いかにして彼らがこれだけの艦隊戦力を物にしたのか?
という疑問は深まるばかりだった。

ザフト軍が所有する小惑星基地ヤキンドゥーエの司令管制室に
通常ならば彼らが足を踏み入れないが、
議長のパトリックを含めたシーゲルら評議会議員達が
司令管制室に集まっていた。
彼らは想像を絶する規模の艦隊をその目に焼き付けており、
ヤキンドゥーエの側に浮かぶ小惑星基地
ボアズにいたクルーゼやクルーゼ隊のアスランやイザーク達も、
基地内の窓やモニター越しにアクシズ先遣艦隊の
その動向を見守っていた。

「閣下、先遣艦隊の司令官より通信が入って来ております。」
管制室のオペレーターの言葉に、
「繋げ。」と言うと、
細面の輪郭にしわがやや目立つユーリ・ハスラー少将が、
管制室のメインモニターに映し出される。
0420923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:19:16.05ID:???
#30

「私はプラント最高評議会議長パトリック・ザラである。
貴艦隊に対する受け入れ態勢は整っている。」
ハスラーの第一声を待たずしてパトリックが
管制室内に漂っていた緊張に張り詰めた空気を
破るかのように口を開いた。

議長自らが艦隊の出迎えにあがるとは…
ハスラーは意外そうな表情を一瞬見せると、
「私は先遣艦隊司令官のユーリ・ハスラー少将です。
手厚い出迎えに感謝致します。」
といたって形式然とした挨拶を済ませる。
先遣艦隊は管制室からの誘導で、
ヤキンドゥーエに《ドロスU》以外の艦艇が入港する。
各艦内にいる将兵やクルー達は、
ようやく辿り着いた地球圏への帰還に安堵の表情を浮かべていた。


ハスラーを含めた数人の将校達は、
議長を含めた評議会員との会談に臨む為、
庁舎内の会議室にてパトリックを待っていた。
数分後、会議室の大きな扉が開くと、
パトリックとエザリアら何人かの議員が会議室に入ってくるが、
その中にハスラー達が見知った男を見つける。
その男こそがガトーであり、
彼は直ぐにハスラーのもとへ歩み寄る。

「ハスラー閣下、よくお戻りになられました。」
「おお、ガトー少佐か。
よくぞ地球圏に留まり奮戦してくれた。
その勇気はアステロイド・ベルトにまで届いていたぞ。」
ガトーとハスラーは力強く握手を交わすと、
同席していた将校達はガトーに向かって敬礼をすると
ガトー、そしてハスラーも敬礼をし、
互いの健在ぶりを再確認したのだったーーー。
0421923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2014/03/01(土) 13:23:47.28ID:???
というわけで16話終了でございます。
種絡みのイベント少ないのは温めているだけです。
エゥーゴが月に到着してからがーーー
という流れになっていますのでZシナリオに偏っているのは
何卒ご容赦頂ければと思います。

書いている途中に期間が空いたので
ちょっとおかしな点があれば教えて下さい。
0422通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/01(土) 16:04:56.94ID:???
GJ!
エリアルドさんはこの青臭さがいいよな。
そしてまさかのアクシズ大艦隊wwwブッホがここで出てくるとは予想外だわ。
0423通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/01(土) 21:29:44.99ID:???
乙ー
うおう、オールスターとはいかんがそれでも凄い面子が山盛りでお腹一杯だよw
めっさwktkする展開だわ、ブッホで木星の影が見えかかってるしワーオだよ旦那
0424通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/01(土) 22:00:51.95ID:???
デラフリは原作じゃ逼迫した戦力でぎりぎり回してたけど、このSSだとばっちり後ろ盾あり、ガトーは7年待ったかいがあったな。
0427通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/02(日) 20:06:08.03ID:???
まとめ・ウィキ管理人さんへ

2ch運営のクーデターで新管理人Jim氏になったらしいんで運用情報板覗いてみたら、
転載やまとめは公式wikiのみに嫌儲民に議論が誘導・弾圧されてました。
それ以外は全面転載禁止で、違反したら嫌儲民が荒らしに行くそうです。
バックアップ取っといた方がいいかと思います。
0431通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/05(水) 23:49:12.38ID:???
>>429
イージスがウイングバインダーと新盾とロングライフルで飛行形態に、デュエルが簡易IWSP、ブリッツがネロブリッツ+マガイノクタチだな。
0432通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/06(木) 00:45:46.51ID:QABhJwFf
BFさながらの魔改造ワロタ
0434通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/06(木) 19:05:29.79ID:QABhJwFf
ザフト魔改造とかはすごいな
量産機は・・・・
0435通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/07(金) 14:49:15.91ID:???
種運命の新型機の立場がなくなってしまう魔改造w
羽パーツ追加で飛行できるイージスがある意味凄いのかもしれないがw
0436通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/16(日) 13:31:42.74ID:???
種運命もリマスター記念で漫画化されたら魔改造カオスガイアアビスとかあるかも
0437通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/16(日) 18:49:40.53ID:???
Reじゃ砂漠ですでにパーフェクトストライク、ラゴゥはハイマニューバ化だからな。
0439通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/03/31(月) 22:19:59.11ID:xxbJP0o4
>>438 クルーゼのゲイツもプロビシグーみたいに改造されそう
0442量産型牛& ◆eVzLvfNS20BR
垢版 |
2014/05/06(火) 16:44:20.80ID:???
すみません。忙しくてまとまって投下する時間が確保出来てません。
とりあえず、近いうちに投下したいと思いつつです。

あと、投下ペースを月一はご覧の通り無理なので、
纏まって時間を取れた時にということで。

暫く書いていないうちに2chの仕様が変わった様ですね。
例の件と関係有る様で、表示で確認しました。
書くべき場所を考えないといけないかもしれませんね。
0453皆の衆
垢版 |
2014/09/23(火) 11:47:35.02ID:SXp2xhlK
ミネバ様。ユニコーンのミネバ様。ミネバ様が赤ん坊の時から見守ってる萌え豚も一緒に来るでしょう。そして世界は最悪になる。皆の衆。
0460通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/11/19(水) 12:38:56.75ID:7Kvehexz0
>>459
最新作でとうとう武器自主開発して売り出したらしいな
0461通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/11/19(水) 13:12:19.80ID:jZrgImpZ0
>>460
言い分が「リミッターつけてるから兵器じゃないよ!リミッター解除は自己責任だけどね!」
これは酷い。
0462通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/11/20(木) 00:56:57.87ID:D9DdzsHJO
シロッコ「ゆくぞ。ついてこれるな、少年」
カミーユ「いけますよ。僕がそうでなけりゃ皆だって困るでしょ」
クワトロ「無駄話はそこまでだ。総員、このまま敵陣を突破する」
ハマーン「シャア、貴様には私がついているのだ。精々頼ってもらいたいものだな」
アムロ「邪気が来たか!みんな必ず生きて戻るぞ」
ジュドー「死んじゃったら何にもならないからね」
0463通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/11/20(木) 01:30:09.91ID:IWgkzr8EO
シロッコ以外はスパロボであり得るのか、うすら寒いな
0464通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/11/24(月) 11:13:37.02ID:0bthndq8O
シロッコは軍人には似つかわしくない彼の繊細な指先でモニターに映る人物の一部を拡大した
カミーユ・ビダン。少女の様な風貌に挑戦的な瞳が印象的な美しい少年
あの青い星を思わせる健やかな髪の色とその凛とした頬は、木星暮らしの長い彼に知るはずのない母性を思わせる物だった
「なんですか?急に呼び出して」
刺のあるカミーユのいつもの言い方に、しかしシロッコは優しく返すのだ
「今度、ルナツーに立ち寄る。久しぶりに地球を眺めながら茶でも啜る時間がほしいな」
日頃の態度と裏腹に、察して赤らめるカミーユが可愛い。まだまだ彼との恋愛ごっこは飽きないと思ったシロッコだった
君を生涯の伴侶とするのはこの戦いを終わらせてからでも遅くはないのだ、と
0466通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/12/07(日) 07:15:22.62ID:1zdH5VZwO
モニターにはその戦いの悲劇とも言える顛末が描かれている
「さて、いくか」
飲みかけの珈琲を残して天才は全てを終わらせる決意でデスクから立ち上がった
「シロッコ!!」
カミーユはその天才に詰め寄る。ジュピトリスの中で、いや突然投げ出された宇宙の中で、急に襲ってきた戦禍の中で、決して幸福ではなかった少年の人生の中で、
誰よりもカミーユに優しく誠実であり続けたシロッコ
だからカミーユは、思春期とは言え破滅的とさえ思う繊細な自分の感覚を、戦場という狂気の地にも晒せたのだ。貴方がいるから
「僕は…」
何故だろう。言葉より涙の方が早い
「カミーユ・ビダン。私は親の顔を知らない。唯一の家族であった妹は幼い時に戦争の中で失くした」
「…え?」初めてなのだ。シロッコが自分の生い立ちを語るなんて
でも、そんな予感はカミーユにもあった。そうか…
だから僕達は…
「私とて生身の人間のつもりだ。心を許した者を二度も失いたくはない。カミーユには、ずっと私の後ろにいてほしいな」
「僕も戦いますよ!許せないんです。貴方を傷付ける奴等は」
シロッコは傷付いてるのは自分ではなくカミーユだとは言わなかった
カミーユのそんな鬱屈した愛情を何度も見てきたから、そう言ったってこの少年は聞かないだろう
「…は、…ぅん…」そのキスには媚薬と麻酔薬が含ませてあった
愛情と悔しさが混濁した意識の中に落ちていくカミーユはそのままシロッコに体をあずけた
これが大人の優しさだと知ってるつもりだったが、やっぱり涙の方が早かった

カミーユを私室のソファに任せると、彼はすぐに部屋を出る
「戦いは終わるよ、カミーユ」
珈琲は飲みかけのままでいい。愛用の髪止めも置いてきた。自分は必ず生きて帰ると約束したから
全てが終わったら一緒に木星へ行こう
そこは彼が知る一番優しい場所なのだから
「ジ・O出るぞ」
異形の巨躯を纏う神の意思に秘められた誓いを、群がる敵艦隊の放火は知るはずもなかった
0468通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/12/07(日) 20:22:27.10ID:1zdH5VZwO
「もう…ぃく…」
白く細い流線を象り、カミーユの腰がせりあがると、シロッコはそれまで以上に熱くなったそれを思い切り押し付けた
「あぁん!、あぁん!」
カミーユが一呼吸する間に、シロッコのそれが埋める様に差し込まれる
痛みに息が上がり汗は止まらず、高揚で頭が真っ白になりそうなカミーユは何故か初めて宇宙をMSで飛んだ日を思い出した
そんな宇宙に浮かび重力を忘れた様に曲がり狂うカミーユの華奢な腰を見て、シロッコは綺麗だと思った

ジュピトリスはその大きな巨体のそここに先の戦いで刻まれた損傷が痛々しく目立ってはいたが、補給を繰り返し徐々に地球圏を離れつつある今の航海は順調と言っていいだろう
カミーユは舷窓に流れてゆく星を見ていた
「やはり地球を離れるのは寂しいか」
蒼白く均整の取れたそれはまるで野生の豹を思わせる裸体で、乱れた紫髪を取り繕うより先にシロッコはカミーユにそう尋ねる
その彼の胸から腕にかけては、真新しい大きな傷が今も生々しく残っていた
「不思議なんです。寂しいって気持ちとか、戦争で仲間が死んだ悲しみとか、辛い事が色々あったのに此処にいると全部忘れていく自分が」
シロッコは傷を隠す様に手早く上着を羽織った
「忘れなくては宇宙では生きてゆけん」
「そういうの、今はまんざら不幸でもない人が言う言葉ですよ?」
カミーユが悪戯っぽく笑う
シロッコは生まれて初めて、その命を生んだ地球に感謝しながら彼の瑞々しい頬に唇をつけた
0469通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/12/07(日) 20:30:03.23ID:1zdH5VZwO
シロカミ出来たのでageますねw
0471通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2014/12/17(水) 04:41:24.03ID:k2BJKsi70
AGE
0473通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/01/30(金) 02:36:35.47ID:a5Y7Mlhr0
まとめからきたけどダンバインとのクロスが凄い面白かった
0476通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/02/21(土) 12:19:19.46ID:9yOFkHXiO
過疎すぐる
0477通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/02/25(水) 00:40:40.14ID:CdzQRr9OO
最近クロススレどれも息してないね
0478通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2015/05/06(水) 21:30:10.83ID:hrH+5GQO0
久しぶりに来たけど、どれも更新停止してて残念
二次創作系のサイトのより面白いのが多いのに
0479 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/08/12(水) 00:30:58.59ID:EnIncyZa0
トリップ違うかな?923です。
更新止まってすいません。
17話書き始めてます。もう見ないと思いますが再開を予定してます。
0482923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/08/12(水) 12:08:07.37ID:LuETkuGM0
仕事が忙し過ぎて首が回らなかったもんで。
書かなきゃ書かなきゃとは思ってたんですけどね〜
あと5日以内には仕上げますんでお待ち下され〜
0483923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 01:37:59.31ID:ucSJjY3e0
遅くなりすいません。やるやる詐欺っちゃいました…
内容詰めきれなくて今回は短くなります。
というか戦闘描写ないので淡々とした流れになります。
リハビリ投下開始〜

第17話
それぞれの思い


ヤキン・ドゥーエでアクシズ先遣艦隊を迎えたパトリック・ザラは
アクシズとの正式な調印式を首都アプリリウスで行うため
プラント政府の要人を乗せるシャトルに乗り込もうとしていた。

「御同道させていただきます、ザラ議長閣下。」
シャトルへ乗り込んだパトリックの視線の先には、
エゥーゴにより手痛いダメージを負ったために
プラント本国への撤退を余儀なくされたクルーゼが先達てシャトルへと乗り込みパトリックを出迎えた。

「…礼は不要だ。君達はこのシャトルには乗っていない。」
シャトルへと乗ったパトリックは少々ピリピリとした表情でクルーゼへ返すと、
クルーゼのやや斜め後ろに立っていた赤服の少年へ視線を向け
「…いいかね?アスラン。」
と言って鋭い視線で息子であるアスランへ念を押すように言う。
調印式への参加は政府関係者と軍上層部のみであり、
前線へ駆り出される兵卒でもあるアスランは元より
クルーゼですらも参加は認められる筈も無かったが、
時間の都合上そうせざるをえなかった為クルーゼらはシャトルへと乗り、
パトリックの護衛の名目で同行する形となっていた。
「分かりました。父上。お久しぶりです。」

アスランも父であるパトリックの厳格というより、
息子への愛情など感じられぬ態度に嫌悪感すら抱かぬ表現で淡々と返事を返した。
「リポートに添付してあった君の意見には無論私も賛成だ。」
後ろを付いて歩くクルーゼにパトリックは表情を変える事なく言いながら、
シャトル内の最後尾に視線を送り歩を進めるパトリックが言う。
ヤキン・ドゥーエに到着したクルーゼからヘリオポリスの一連の報告を受けたパトリックは
クルーゼへの返答の為にクルーゼをシャトルへと招いていた。
0484923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 01:41:46.36ID:ucSJjY3e0
#2
クルーゼはザフト軍人であり、且つナチュラルでありながら
パトリックからは全幅に信頼をされていた。
というより、軍事作戦時以外では議長付きの護衛兼相談役といった方が彼の立ち位置を推し測る事が出来る。
経緯は不明ではあるものの、クルーゼこそパトリックにとって唯一無二のブレーンであり、
信頼をしている事は周囲の者達からもそれは簡単に読み取る事はでき、
後ろを歩くアスランもそれは周知の事実であった。
最後尾にある座席に腰を降ろしたパトリックが更に
「問題はオーブが高性能のモビルスーツを開発し、
それを連邦の手に渡そうとしていた事実だ。
しかもそれが最終的に同じ連邦でありながら反連邦を掲げるエゥーゴに渡った事だ。
やはり君の言う通り今の地球圏には味方はいなかったと言うことだ。」
ピリピリとした表情から一層、険しさを増した様子で言うと
「心中御察し致します閣下。」と、向かい合わせに座ったクルーゼが
パトリックの言葉を汲み取るつもりも無いが同調してみせる。
誰にも見えぬ仮面の下にあるクルーゼの目はまるで、
憤慨するパトリックを嘲り笑うかのようだったがそれの表情はパトリックやアスランも気づかない。

「だがな…追加報告に上がったパイロットの事などはどうでもよい。」
「…っ!?」
ついでと言わんばかりにパトリックの口から出た言葉にアスランの表情が固くなる。
アスランがクルーゼへ懇願し、父とのシャトルでの移動を希望した。
アスランにとってこれが本題と言っても過言ではなかったが、
パトリックの言葉に一蹴されてアスランは固くなる表情と共にじわじわと
体の底から熱くなるようで力が抜ける感覚に陥る
0485923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 01:45:41.29ID:ucSJjY3e0
#3
「その箇所は私の方で削除しておいた。」
「ありがとうございます。
閣下ならそう仰ると思っておりました。」
二人のやり取りはアスランの希望を更に追い落とした。
クルーゼはアスランの動揺を手に取るように分かっているかのようだった。

「向こうにいた機体のパイロットもコーディネイターだったなどと…
そんな報告は穏健派に無駄な反論を増やす時間を作るだけだ。」
彼の言葉通りこれが知れればシーゲル・クラインを筆頭とした
対話が重要とする者達の反乱は防ぐ事が出来ずに、
アクシズとの同盟を半ば強引に押し通した手前、
議会はおろか軍の掌握すらも難しくなる事は明らかだった。

「…君も自分の友人をエゥーゴとはいえ地球軍に寝返ったものとして、報告するのは辛かろう。」
「…あっ…いえ…あの…」
アスランをまるで弄ぶかのように仮面の下の目は彼は笑っていたかもしれない。
アスランはもうキラを取り戻す事を諦めるしかない…
そう思っていたせいか、クルーゼが何か自分に話しかけていたのは
分かってはいたものの、頭が真っ白になりまともな返事を返すことは出来なかった。

「一年戦争の逆転のきっかけとなったとまで言われる‘’ガンダム‘’を開発し
我々に徹底交戦の構えを取っていたと言わざるを得ない事は明白だ。
それは分かるな…?アスラン。」
「…はい。」
パトリックは追い討ちをかけるつもりなど毛頭無かったが
動揺をしている息子へのせめてもの気遣いなのか、
無理矢理に理解をさせようと説明臭い口振りで言うと
「我々ももっと本気にならねばならんのだ。早く戦いを終わらせる為にはな…だからこそジオンとも同盟を結ぶのだ。」
と言ってアスランの甘さを捨てさせるかのように現実を見るよう施した。
やがてシャトルはヤキン・ドゥーエを発ち首都アプリリウスへと飛び立った
0486923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 01:49:22.38ID:ucSJjY3e0
#4
「先ずはトップニュースからです。
パトリック・ザラ最高評議会議長はアクシズ外務次官であり、
先遣艦隊司令ユーリ・ハスラー少将がザフト軍とアクシズ軍の
軍事同盟を結ぶための調印式が執り行われました。
アクシズ先遣艦隊は昨日、地球圏へと帰還し、ザフト軍のヤキン・ドゥーエへ……」

クルーゼ達よりも一足先にプラント本国へと帰還したディアッカ達が
目にしたのはアクシズ先遣艦隊との公式に同盟関係となった事を知らせるニュースだった。
テレビのリモコンでどのチャンネルに変えても同じ特集番組やニュースを
行っており、プラント国内のメディアは挙ってこの話題を取り上げていたが
どれも面白半分ではなくこの国の明暗を分ける重大事として真剣に取り上げていた。
その理由は強力な愛国心と‘’血のバレンタイン‘’の悲劇から
まもなく一年が経とうとしているという理由もあった。

アクシズ先遣艦隊がヤキン・ドゥーエへ到着をしたその日。
パトリック・ザラはプラントの全コロニーへ向け、
「コーディネイターはスペースノイドでありその独立を勝ち取る為には
スペースノイドの自治独立という同じ目的を持つアクシズとの同盟は
今時戦争を早期に終結させるための最善の策である。」
との声明を発表し、声明の節々で「どうか理解して欲しい。」という言葉を頻繁に使っていた。
実際は一年戦争時のジオンの二の舞にならぬための戦力拡充である事は
誰の目に見ても明らかだったが、コーディネイターのナチュラル、
いや連邦政府に対する嫌悪感は相当のものでもあり 、
直駒の特集番組等ではアクシズと名を変えたものの敗戦国であるにも関わらず
ジオンとの同盟ほぼ賛成意見であり連邦を負かす為には、
作や方法を問わないといった過激な意見が散見された。
僅かな反対意見は元々、連邦との対話を望む穏健派の支持者達だったが
その声は賛成派の強力な声に掻き消された形となっていた。
0487923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 01:52:05.65ID:ucSJjY3e0
#5
「ジオンと同盟ねぇ…正直どうよ?」
どれを見ても変わらぬ内容の報道番組を見ながらディアッカが
隣に座ってドリンクを口にしていたミゲルに言うと、
「まぁ世論は妄信的で過激な気もするが今に始まった事じゃないさ。
軍人やってる俺達の方が過激的だろ…
だがジオンとの同盟なんてのは正直驚いたな。」
ディアッカの問いに過熱する報道と国民意識に対しての気持ちを嘘偽りもなくミゲルは返したが、
その言葉通り寝耳に水という感は否めない様子でもあった。

「だがこれは大きな転換期だ。
停滞したこの戦争の流れが大きく変わる事は間違いない。
俺達に必要なのはこの戦いでの勝利だ。」
と、ソファーに座らずニュースを見ていたイザークが二人の会話に割って入る。
「…ジオン、じゃなかったな…
アクシズの連中はあれだけの戦力を持って来ておまけに新型モビルスーツもあるらしい。」
イザークからしてみても先遣艦隊のそれは異様という他なかった。
敗戦国という二文字が見えない程であったのは間違いなく、
これまでの戦局がより激しさを増すであろうことは想像に難しくなく、
それはディアッカやミゲル他ここにいない隊の仲間達全員が感じている事でもあった。

※※※

ヤキン・ドゥーエへ接舷する形で停泊する《ドロスU》に乗り込んだガトーは、
忙しなく補給物質がヤキン・ドゥーエから運び込まれる第一デッキにいた。
ガトーはそれとなく近くにいた整備兵へ声をかける。
「君、これが新型かね?」
「あ、これはガトー少佐。」
声をかけられた整備兵がガトーへ敬礼を済ますとガトーからの問いに答える。
「型式番号MS-19、《ドルメル》と言います。あらゆる場面で運用できる万能型ですよ。」
アクシズ先遣艦隊は旧式化が進み弱体化している地球圏に残った同胞の為に
アクシズにて開発、生産されたモビルスーツ《ドルメル》は
《ザク》、《ドム》シリーズの意匠を受け継いだようなモビルスーツとも言える。
従来のモノコック式ではなく、ムーバブルフレームを採用した最新鋭機でもあり、
ビーム兵器も搭載した高い出力を持つ量産機でもある。
既に《ドロスU》には200機以上が搭載されており、
その内の100機は地球圏に残ったジオン兵の為に持ち込まれた物だった。
白兵戦に特化した機体でもある《ドルメル》の他には《ガザC》などの支援機も持ち込まれ、
『星の屑作戦』はアクシズの新たな計画を進める為の重要な作戦である事が伺い知れた。
当初ガトーはこれだけの戦力がアクシズから来るとは努々(ゆめゆめ)思わなかったものの、
ガトーは体の底から涌き出る何かに武者震いすら覚えていた。
0488923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 07:38:48.69ID:ucSJjY3e0
#6
「少佐はコイツに乗る機会は少ないとは思いますがその間までは充分活躍してくれますよ。」
整備兵が力強く熱弁したその表情は彼だけでなく、
ガトーが周りを見渡せば他のデッキクルーも生命力に満ちた表情を一様にしていた。
彼等のその様を見たガトーは『星の屑作戦』を
なんとしても果たさねばという使命感を改めて抱いた。

※※※

調印式を終えたアスランとクルーゼは車で基地へと向かっていた。
目的はユニウスセブンでの一件と、
それ以降の勝手な戦闘行為による査問委員会の為である。

…次に、ユニウス7追悼、一年式典を控えクライン外務大臣より声明が発表されました。
「あの不幸な出来事は、我々にとって決して忘れることの出来ない、深い悲しみです…」
アスランは運転席でハンドルを握り基地へと向かっていると、
助手席に座りラジオに耳を傾けていたクルーゼは
アスランへおもむろに口を開く。
「そういえば、クライン大臣の一人娘…ラクス嬢は君のフィアンセだったな。」
「は…はぁ…」
アスランはクルーゼが特に興味の無さそうな話題を唐突に振られ少し戸惑った。
ラクス・クラインと言えばプラント…いや、
地球圏の頂点に立つ程のアイドルで、
コーディネイターとナチュラルの双方に熱烈なファンを持つ。
「ラクス・クラインだけは別。」というなんとも頓珍漢な事を言う程
ナチュラルにもファンがいるくらいだった。
そんな地球に住むナチュラルのラクスファンも、
コーディネイターのフィアンセがいると知れば
「恐らく顔も知らぬフィアンセに激しい殺意を覚えるだろう。」
と堅物の副長アデスがアスランを茶化したくらいである。
しかしクルーゼからはそんな話題に一度も触れられる事が無かった為、アスランは妙な気分になる。
0489923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 07:42:31.61ID:ucSJjY3e0
#7
「彼女は今回の追悼慰霊団の代表も務めるそうじゃないか。素晴らしいことだな。」
「は、はい。」
「ザラ議長とクライン大臣の血を継ぐ、君らの結びつき…
次の世代にはまたとない光になるだろう。期待しているよ。」
「…ありがとうございます。」
アスランはクルーゼが妙に饒舌である事に気付いた。
彼の心底を知る事は普段から難しいのだが、今日だけは違った。
彼の気分は今日は特に良いのだと。
その理由を色々と考えてみればシャトルでの父との一件。
それに加えてアクシズとのプラントの同盟。
今までこの人が饒舌になる時はいつも戦火が強くなる時だった…
そう考察してみると肌に寒気をほんの少し感じたアスランだった。

「その時代を今も、そしてこれからも我々は守らねばならん。」
「……」
この人はやはり少し危険な人だ…
なぜ父さんはこの人を信頼出来るのか…
ますますクルーゼへ不気味さを感じていたが、
アスランは感の鋭いクルーゼからそれを悟られまいと平静を装う。
やがて車はプラント本部へと到着した。
0490923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 07:52:38.51ID:ucSJjY3e0
#8
ジャマイカン「これだけの損害出すとは、ティターンズとは名ばかりだな。」
ジェリド「少佐…!?」
ジャマイカン「ライラ大尉やダグザ少佐の正規軍部隊の方がいい働きをしている。」
ライラ「少佐殿…お言葉ですが。」
先程の戦闘でジェリド機を《アレキサンドリア》へ運び込んだ為に
乗艦していたライラはジャマイカンへ挨拶の為にブリッジに来ていた。
そのライラはジャマイカンのなんとも危機感の感じられぬ態度に口をつい挟んだ。
「大尉、ジェリド中尉を庇うのかね?」
「いえ、違います。
ですが少佐には今回の敵は特別だとお分かり頂きたいのです。」
「特別だと?分からんな。
確かにライラ大尉は先ほども言うように良い働きをしているが、
それは周りに比べればマシな程度だと言う事だ。
私は敗者の弁など聞きたくないな。」
と、ジャマイカンはまるで相手にしないかのように皮肉たっぷりに言う。
しかし、ライラもそういった事は母艦の《ボスニア》艦長
チャイの態度と言葉に慣れているのか動じる様子は微塵もなく続ける。
「…自分は以前の《ホワイトベース》を知りませんが、
あの《アーガマ》はあの《ホワイトベース》のように見えるのです。」
「…何がそう感じさせるのだ?」
「《アーガマ》の懐は開いているように見えて近寄ると厚い。
ことにあの部隊のモビルスーツの一部に無手勝流に見えても、
ぶつかってみるとその抵抗力は圧倒的に感じる存在がいるのです。」
「ふむ…」
ライラ程の知恵と実力を兼ね備えた者がそう思う存在。
その続きを彼女から聞こうとしたところ、
レーダーが何かを捉えた音がブリッジに響く。
「司令。敵艦をキャッチしました。
どうやらサイド4の残骸空域へ直進するようです。」
「魔の宙域へ入って我々を巻くつもりか…?」
一年戦争勃発期からいち早く中立宣言を行ったサイド4。
そのサイド4の一部に連邦の将校達が魔の宙域と呼ぶ空間が存在する。
そこには一年戦争時に壊滅状態となったコロニーがあり、
サイド4のコロニー公社が除染作業や
修復作業を行っているコロニーが多数あり、
コロニーの残骸や隕石があちこちに浮かぶ宙域だった。
連邦の人間はここを魔の宙域や宇宙の墓場とも呼んでいた。
0491923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 08:20:08.02ID:ucSJjY3e0
#9
「まぁよい、引き続き監視衛星のデータを元に奴らの航路を割り出せ。」
一瞬の考える間をおいてジャマイカンは指示を出すと
「はっ。」と返事をしたオペレーターは再びコンソールへと目を配った。

ライラは少々、水を差された感覚だったが、
ジャマイカンが再びライラへ視線を送るとライラは先ほどの会話を続ける。
「彼らは一年戦争時、《ホワイトベース》にいたと言われる
ニュータイプ部隊なのかもしれません。」
ジャマイカンは最初から不機嫌な表情だったが、
彼女の言葉を聞いてさらに機嫌を損ねたようで拳を握ると
「何を言うかと思えば…馬鹿な事を言うな。そんなものはおらん!
ニュータイプなどビデオ屋の想像物だ。」と、
ライラの見解を全て否定するかのように捲し立てた。
ニュータイプ、その言葉は連邦軍内では禁句扱いで
事と場合によってはかつてのジオニズムを肯定するものとして
軽々しくそれを認めれば処罰の対象にもなり得たほど、
ニュータイプの存在を連邦軍、連邦政府は否定し続けていた。
0492923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 08:33:03.94ID:ucSJjY3e0
#10
レコアを地球への降下に成功したエゥーゴ艦隊は
サイド1を脱出するために迂回ルートを辿りサイド4の魔の宙域へと突入しようとしていた。
次の目的地である30バンチはサイド1にあるが、
サイド4にはティターンズを撒く為に入るのだった。

丁度その時《アーガマ》のブリッジにカミーユが呼び出されていた。

「僕を正式なパイロットにですか?」
カミーユは少々驚いた。
正式にエゥーゴの一員として認められるのはもう少し先かと思っていたからだ。

「君の働きを見れば当然だろう。」
ブレックスは終始穏やかな表情でカミーユへ言う。
先程の戦闘でしっかりと自分の役割を果たしてみせたカミーユを認める決断をしたのだ。

「勝手に出撃したんで独房入りかと思ってました。」
「嘘を言え、お前がクワトロ大尉に懇願して出撃したのは知っているよ。」
カミーユの言葉は本心だった。しばらく監視された上に、
モビルスーツに近づくことすら許されないのではと思っていた。

「現在の《アーガマ》は、母艦を失った《モンブラン》の《ジム》のパイロットもいる。
今すぐに君が必要ではない状況でもあるわけだが…
私は君の素質がどこまで伸びるのか見てみたいのだ。」
「実験台…ですか?ニュータイプの…」
「そんなものはどこかの研究所に任せればいい。
私は君のこの船での立場を心配しているのだ。
これでもエゥーゴは軍隊だ、ただのゲリラ屋ではないのだよ。」

「軍人ですか…この歳で。」
カミーユは《アーガマ》に乗せてもらった時こそエゥーゴに参加するつもりでいた。
だが、今はいざエゥーゴの正式パイロットだと言われると
どうにも釈然としない感覚に襲われてしまっていた。
この感覚は自分から望んだ事なのにカミーユ自身にも理解出来ていなかった。
「前大戦の《ホワイトベース》のクルーには君と同年齢の者が大勢いたし、
キラ君達は志願兵だが月に到着すれは彼らは立派な兵士になるんだ。
それに地球圏は中老年齢者が極度に少なくもなっている。
若い兵士は我々にとっても貴重なのだよ。」
「それは僕も知ってます。すみませんが少し考えさせてください。」
カミーユはそう言ってブリッジを後にしていった。
0493923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 08:34:25.31ID:ucSJjY3e0
#11
「…心変わりでもしたんでしょうか?」
ヘンケンは訳が分からないという表情で、
ブレックスへぼそりと言うと落ち着いて「彼は誰よりも繊細だ。ただ、自分に正直なのだよ。」
と言って、ブリッジから眼前に広がる漆黒の大海に視線を変えた。
となりの艦長席に座るブライトもカミーユの心境を静かに見守っていた。


ブリッジを後にしたカミーユは左舷デッキにいるクワトロのもとにいた。
カミーユは今の心境をクワトロに包み隠さずに吐露していたようで、
この人と話せば釈然としない何かを取り払えると思っていた。
「ブレックス准将と同じように、私も君には興味があるな。」
「興味だけで、僕を戦争に駆り立てるんですか?」
「おや、手厳しいな。
だがこれが君の望んだ事なのだろう?」
カミーユは質問を逆に質問で返される。

「そうですけど…」
クワトロの質問にぐうの音も出ないほどその通りだと考えていた。
だが、胸にある突っ掛かりをなんとか取り払いたいという気持ちが渇望していた。

「君には関係無い事かもしれんが、
軍の人事広報を見てもアムロ・レイがどこへ居るのかも分からん。」
「前のガンダムのパイロットだったニュータイプが…?」
「そうだ。一年戦争で図らずもニュータイプの可能性を彼は示した。
それは伝説となり地球にもニュータイプ論を信じる者も出てきた。
だが連邦政府はニュータイプ論を真っ向から潰し闇に葬った。
それを一度認めてしまえば連邦は崩れるかもしれないからな。
それに正義と称した今までの戦争が全く意味の無いものになる。」
「難しい話ですね…」
「今の地球連邦軍というのはそういうところという事だ。
己の利権のみを守る為に都合の悪い事を消し去るほど腐敗している。
可能性を無くした地球に住む人々は魂を重力に引かれて飛ぶことができない。」
アムロ・レイという存在を連邦軍はひた隠しにしている。
クワトロは今のエゥーゴや連邦軍に必要なのはアムロ・レイだと思っている。
単なる戦力ではなく宇宙に上がった人間の可能性を示す為に。
しかし現実はアムロ・レイは危険分子扱いとなり軟禁状態となっている。
それはクワトロはもちろんブライトが知る所でも無い。
だからこそアムロの所在を調べる為にあらゆる手段を用いている
地球の反地球連邦組織カラバと情報交換を行い、
アムロ・レイの所在を突き止めようと必死に動いている状態だった。
可能ならばアムロとカミーユを引き合わせたいとクワトロは考えていた。
0494923 ◆cehD7uPtpU
垢版 |
2015/09/15(火) 09:08:19.65ID:ucSJjY3e0
#12
「じゃあ僕がパイロットになって何になるんでしょう?」
「アムロ・レイに代わって地球の人々の魂を…」
「そんな大それた事は出来ないですよ僕には。」
「…そうか。」
カミーユはニュータイプとしての素質は充分にある。
というより彼の感覚はアムロすらも凌ぐ程だが…カミーユの返答から
クワトロはカミーユがまだその意識が無いと判断出来た。

「エゥーゴは、僕を中尉待遇で扱ってくれますか?」
クワトロ「はっはっはっは、あり得るな。
だが階級や金が君を悩ませているんじゃないだろう?」
「そうですが…」
クワトロは自分に答えを導いて欲しいというカミーユの心底を察していた。
だがクワトロは敢えてカミーユに考える時間を与えようとしていた。
何がしたいのか?
何を目指しているのか?
今のカミーユにこれを聞いても彼からは答えは帰って来ないのは分かっている。
だからこそ自らの意志で答えを見出だして欲しいと考えていた。

「じゃあ大尉はなぜ軍人になったんですか?」
「なぜ軍人…?」
「聞きたいものです。」
カミーユは終始、濁されている事を感じながらも
謎めいたクワトロへ少し踏み込んでみようと聞いてみた。

「…他に食べる方法を知らんからさ。
要するにこれが生きる為の手段だからだ。だから未だに独身さ。」
「生きる為…ですか。」
クワトロからはやはりというかありきたりな言葉が返って来た。
というよりカミーユ自身、上手く反らしてくるクワトロの何に期待をして
こんな事を聞いているのかすらもよくわからなかった。

「そうだ。目的の無い者が武器を持てば単なるテロリストと一蹴だ。
テロリストも大義名分を掲げてはいるだろうが本質が空っぽでは意味がない。
目的を成してその後に何をするかが重要なんだ。」
「…目的」
カミーユは一瞬、どきっとした。
クワトロから核心めいた答えの一端を見た気がしたのだが、
その先はまた暗闇に包まれたように感じた。
この人はまだ核心を言っていない…
むしろ俺が試されている気がする…
カミーユの頭の中で色々な思考が駆け巡るがそれを上手く言葉に出来ずにいた。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況