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10年前から俺が考えてたガンダムを語ってく [転載禁止]©2ch.net
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0001通常の名無しさんの3倍
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2015/08/09(日) 22:03:12.90ID:5hYouco20
数年前に旧シャアで建てたが内容が大分変わったからこっちで新たに作った
0485通常の名無しさんの3倍
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2020/06/25(木) 23:12:39.92ID:fH+8iGWE0
一年戦争で大損害を受けてからというもの、地球連邦はコロニー落としへの対策を研究していた
83年のデラーズ紛争で落とされたコロニーを破壊するため北米大陸上空で数10発の水爆ミサイルを使用
コロニー落下の衝撃を最小限にしたものの北米の穀倉地域が放射線物質で汚染され食糧生産が不可能になってしまった

「そこで私たちニュータイプ研究所の出番が回ってきたのです」
ノースウッド総司令部には直属のニュータイプ研究所が存在しプタハはそこの研究者である
「私たちはニュータイプとミノフスキー粒子の関係性について調べてきました
 アナハイムから提供されたデータからサイコミュが遠隔操縦以外の現象を起こしていることを把握しています」

ノースウッドはティターンズと対立しているためにニタ研のネットワークから外され
それを機に接近したアナハイムと共同研究を行っていた
カミーユやジュドーの情報はアナハイムから提供されたものである

カミーユの乗るZガンダムからオーラのようなものが噴出している映像が映し出される
Zガンダムのビームサーベルが巨大化して敵のMSを真っ二つにする
「このとき周辺のミノフスキー粒子はZガンダムに集まりビームサーベルに変異したと考えられます」
プタハは時間が惜しいのか結論を急いだ
「私たちはあるレベル以上のニュータイプ能力者はミノフスキー粒子を操れるという結論に達しました
彼らはミノフスキー粒子をビームだけでなく、Iフィールドやミノフスキークラフトに転嫁することもできます」

「待ってほしい」円陣が質問する「それは仮説ではないのか?実証されているのか?」
「実証はされている」アリダが口をはさむ
「サイコミュを使うことでミノフスキー粒子が操ることは出来るのは僕が証明した」
アリダはアナハイムの研究者でエウーゴに出向、何人ものニュータイプがその能力を使えることを把握している

「じゃあ、何をしたいんだ」話の流れで分かっていたが円陣は聞かずにいられない
責任者であるパウルス総司令が口を開いた
「我々はこのニュータイプ理論にすべてをかける。そのためにほぼすべてのニュータイプをダブリンに
集めた。彼らの力をあつめてコロニーを持ち上げるフィールドを形成する」
そしてとどめの言葉を円陣に投げかける
「そして君たちが持ってきたサイコガンダムがそのシステムのコアになるのだ」
0486通常の名無しさんの3倍
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2020/06/27(土) 00:09:58.53ID:n0G4tYUd0
ノースウッドからの帰り道、車を運転する円陣はあまりに現実的でない話を納得しようと思索していた
現状を把握することがこの場合重要なのだろうか
とりあえずコロニーについてから情報をまとめてみる

1年戦争後、質量爆弾としての破壊力を低下させるためコロニーは従来より1/3に軽量化され
大気圏内でのスピードを1/2になるように外形を変更されている
水爆ミサイルの攻撃が大気圏外行われ全長は半分ぐらいになっているらしく
破壊力は1年戦争時の1/27以下になると想定されている

ダブリンは1年戦争事後の経済危機で金融センターとしての機能は低下
結果人口は100万人に減ってしまった
その住民も市街地から離れてしまい周辺都市に人口が移動している

つまり市街地にコロニーが落ちたとしてもその衝突エネルギーを減少出来れば被害はそれだけ減る
何もしなければ直径30〜50キロのクレーターができ被害者は周辺も含め50万を超える
そのクレーターの大きさをできるだけ小さくするのがこの作戦なのだ

ZガンダムやZZはバイオセンサーを搭載しているがそれではニュータイプ(以下NT)の力を増幅するのには限界がある
そのためサイコガンダムなどのサイコミュをもった機体がその力を増幅する
しかしそれだけではたとえカミーユ級のNTでも必要な力を発揮することは出来ない
そのために彼ら以外のNTに共鳴させて力をさらに増幅する
それでようやく作戦に必要な力が得ることができるのだ

しかし計算外だったのは計画のコアであるカミーユがダブリンから離れてしまったことである
第二候補だったジュドーも離れている今、コアに使えるのは第三候補の源八しかいない
しかし源八のスペックではとても足りない
そのためZZイーグルにはバイオセンサーだけでなくナイトロを搭載している
ナイトロで源八の能力を強制的に目覚めさせパワーを引き上げる

大体の話は飲み込めたかなと思った途端に同乗していたアリダは言う
「しかしそれをすれば源八の精神が持たない」
ノースウッドで発言した時と同じ言葉だった
「ナイトロのプレッシャーと任務の重さに挟まれて源八はつぶされる」
冷静な判断をしているようで何か次の言葉を探しているように円陣には思われた
「源八、頼むカミーユを探してくれないか?ぼくは源八を失いたくない」
ノースウッド基地では言えなかった本音が出た
0487通常の名無しさんの3倍
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2020/06/28(日) 06:53:04.03ID:OwheSpsT0
ダブリンを強襲したサンドラはアイリッシュ海を北上しヘブリディーズ海に抜けた
ネオジオンに供出されたメロゥドが次にダブリンを強襲するためシリー諸島上空を抜けて
ケルト海に出ようとしていた

サラマンドラが撃墜されて弱体化したティターンズドイツ方面軍が名誉挽回のため
牽制目的でポーツマス連邦軍基地に攻撃を仕掛けていた

機種変更で身動きが取れないニュータイプ部隊の中只一人梶源八が奮戦していた
源八の駆るZZイーグルは敵機編隊にただ一人突っ込んでいく
「軽い、まるで自分の体に羽が生えたみたいだ、これが新型かよ」
敵は旧式とはいえハイザックの中隊をたった一機のZZイーグルで圧倒していく
大角隊長には源八の機体のバイオセンサーに何らかの改良がくわえられたかと直感した
恐らく自分たちが次に乗る機体も同じ仕掛けがされているのだろう

円陣とアリダが基地に到着した時は主な戦場は海上になっていた
既にティターンズのMSは半分以下になっていた、そのほとんどが円陣が撃墜した機体である
「あれがナイトロ。本当の使い方とは違うけど能力を底上げすることもできるんだ」
ナイトロはアリダの発明ではなく彼女はこれを使うことに反対していた
「でもね、もうあれはマシーンなんだ。もうすぐ源八はナイトロに飲み込まれてしまう
 そして源八はとことん搾り取られてしまうだろう。リンゴジュースみたいに「
 ぼくたちはティターンズのやり方が嫌で戦っていたはずなのに同じことをしてしまった」

円陣たちを見つけたつぐみが駆け寄ってくる
「サイコガンダムの修理は終了したわ。源八の支援するように指令が出ている」
「…いや俺たちはグラスコーに向かう」
円陣の意図を理解したアリダは「わかった、上はぼくが説得するよ」
「わかったよ、今すぐ出撃しよう」いつの間にか来ていたルイーズが了解する
話が飲み込めないつぐみだったが「了解」

敵部隊を一機で殲滅しつつあるZZイーグルを後にサイコガンダムはグラスコーに向かう
(源八、助けるからね)ルイーズは心の中で源八に語り掛けたが
ナイトロに飲み込まれててある源八には届かなかった
 
0488通常の名無しさんの3倍
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2020/06/28(日) 18:23:28.02ID:PElTC5JM0
飲み込まれてて→飲み込まれつつ
0489通常の名無しさんの3倍
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2020/06/28(日) 23:08:27.52ID:OwheSpsT0
第10話「ダーク・フィールド」
ダブリンにコロニーが落下するまであと数時間
メロゥドから発進した100近くのMSを乗せたSFSがダブリンおよび周辺都市の攻撃を開始
ラカン・ダカランはコロニー落としの犠牲者の数を増やそうと避難民への攻撃を開始
ダブリンで避難民の誘導をしていたアーガマ及びアウドムラとの戦闘が起きていた

彼らを支援するためベスファスト、ポーツマス、シャノンの各連邦基地からNT部隊が
クライドなど他の連邦基地からもMSが派遣されたがネオジオン側は彼らの迎撃に目的を変更
連邦側は足止めされダブリンにたどり着けず一進一退の攻防が続く

同時刻サイコガンダムはクライド連邦基地にいた
アーガマがグラスコー近辺を通過した情報がありその時射出された小型飛行機にカミーユが
乗っている情報をつかんだのだった
円陣は陸路グラスコーへ向かう

ルイーズはNT能力を使ってカミーユの気配を探っている
しかし違うものの気配をつかんでしまった
源八が一路ダブリンに向かっている
しかしその気配は今までのものとは違っていた、あまりにも攻撃的で刹那的なものになっている
「ナイトロに飲み込まれるってこういうことなのか…」

源八のZZイーグルは敵の包囲網を一機で突破
「下がれ源八、前に突出しすぎているぞ」大角隊長は源八の余りのはしゃぎすぎに心配になってきていた
大角隊長の新機体も何か仕掛けされているらしく敵MSを次々と撃墜していた
「わかりましたペースは落とします」
ペースを落として周りを見る余裕ができたのか源八が見渡すと近くに病院船があるのをみた
その病院船がネオジオンのMSに狙われている

源八の撃ったビームは敵MS ザク3をかすめ同じように攻撃態勢をとっていたドライセンに命中、爆発する
「ふん、連邦の中にも骨のある漢がいたか」
「てめえ、何やっているのかわからないのか」
「これこそがネオジオン100年の礎になるのだ、ニュータイプのいない星こそわが望みだ」
「いい加減な御託並べてるんじゃねえ!」
ZZイーグルはラカンのザク3に切りかかる
「偽物のZZ 、来るがいい」
ラカンもまたザク3のサーベルで迎え撃つ
0490通常の名無しさんの3倍
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2020/06/29(月) 13:32:40.34ID:T0goqOm60
>>487
そのほとんどが円陣が撃墜した機体である

そのほとんどが源八が撃墜した機体である
0491通常の名無しさんの3倍
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2020/06/29(月) 22:53:33.66ID:cq4CEHdt0
ラカン・ダカランのザク3に肉薄するZZイーグル
ナイトロで強化された源八は相手の動きを完全に読んでいた
ろくな剣術を持たないのに反射神経だけでZZイーグルはザク3の太刀筋をはじき返していく
「機械なぞに心を売ったかー!」と叫ぶもののラカンは相手の力を認めざるを得なかった

隙を見つけてドライセンが後ろからZZイーグルに襲い掛かる…が
「見え見えだっ」源八はもう一つサーベルを抜いてドライセンに突き立てる
しかし刺されたはずのドライセンは執念でさらに接近しZZイーグルに抱き着く
ZZイーグルだがドライセン引き離そうとするもののてこずり振りほどいた時には
ザク3は病院船の真上上空に移動していた

「しまった」源八が思わずうめく
ラカンのザク3はスカート一体型ビームライフルの照準を病院船に向けていた
「くそっ」源八は盾になるべく病院船に向かうが間に合わず、ザク3のビームは病院船に吸い込まれる
大爆発を起こして病院船は撃沈、ZZイーグルは爆発に巻き込まれ姿を消した

「初戦は偽物よの…ダブリンに向かう!本物のZZを屠るぞ!」

「源八の反応が消えた…」サイコガンダムの中でルイーズは感知していた
「ルイーズ、ガンダムを動かすわよ」つぐみは操縦用席に座りサイコガンダムを始動させる
「な、何をするつもり?」ルイーズはつぐみが何をやっているかわからない
「源八は生きてる。また復帰して戦うから私たちは私たちのやるべきことをしよう
…カミーユを探すわよ。接近すれば探知しやすいかもしれないわ」
0492通常の名無しさんの3倍
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2020/06/30(火) 13:35:20.29ID:foVgZAs40
ZZイーグルだがドライセン引き離そう

ZZイーグルは何とかドライセンを引き離そうと
初戦は

所詮は
0493通常の名無しさんの3倍
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2020/06/30(火) 23:06:23.33ID:0aT5WNLa0
ノースウッド連邦基地

「ZZイーグル、信号途絶」
「ベスファストNT隊、包囲網突破。ダブリンまで50q」
「シャノンNT隊も包囲網を突破してダブリンに向かいます」
「ノースウッドNT隊移動速度上昇。30分でダブリンに到着します」
ネオジオンの包囲網は徐々に弱体化、連邦はNT隊を先頭に次々と突破していく

「しかし、コアが失われてしまっては…」プタハはZZイーグルが落ちたことにショックを受けていた
「あれしきでぼくのZZイーグルは負けない」アリダは自分の作った機体に自信を持っている
しかし万が一を考えておくことは必要だ
パウルス総司令は部下に情報収集を命令する
「カミーユはどうなっている」
「いま、円陣がグラスコー空港でファに接触したもののカミーユが行方不明になったと報告が」
「サイコガンダムが動いているようだが」
「識別能力が高いからカミーユの探索に使っているのでしょうね」
まさかサイコミュを使っている?NTが乗っているのか?とアリダは思ったが口を出さなかった

実はもう一人の候補ジュドーはダブリンで戦っていた
しかし彼をコアに使うことは連邦軍上層部から禁止されてしまったのだ
ブナ屋敷でお飾りとはいえ「お偉いさん」を怒鳴ったのは此処でも問題になっていた
もっともジュドー自身が連邦を信じていない以上コアにしてもまともに起動しないだろう
この連邦とジュドーの軋轢は終戦まで続いていく

「ZZまで与えておきながら…あいつは人に感謝できないのか」
パウルス総司令は愚痴ったが、ジュドーがこうなったのは連邦の腐敗が原因になっているとは知らなかった

「コロニー大気圏突入開始」
北極上空から突入してきたコロニーを減速させるためノルウェー基地から数発の核ミサイルが発射される

「私は宇宙のかなたに旅立ちたいのになぜ星を落として邪魔をしてくるのか」
プタハは元は宇宙物理学専攻の科学者である。彼女には地球圏で人が争うこと自体が認めたくないことであった
その気持ちはこの部屋にいる人間が共有している気持でもある
1年戦争の傷跡はいまだに彼らの心に残っていた
0494通常の名無しさんの3倍
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2020/07/01(水) 23:26:56.91ID:NTIco3HA0
「…いてて」
ZZイーグルは海底に着底した衝撃で源八は目を覚ました
機能停止したのかコクピットは真っ暗で源八はZZイーグルを再起動しようとするがなかなか動かない

「こちら円陣。つぐみ、ルイーズ聞こえているか」サイコガンダムの通信機から円陣の声が聞こえる
「ファさんに聞いたんだがカミーユは遠出して膿を見に行く癖があるそうだ
…サイコガンダムを海に移動させて監視してくれないか?」

つぐみとルイーズは顔を見合わせる、何しろサイコガンダムは今その海にいるのだった
カミーユ探索でつぐみは動かしたものの、かつて香港を火の海にしたサイコガンダムを街中に移動させるわけにもいかず
しかたなく海に着陸していたのだった
「つぐみってホント強運だよね」ルイーズは半分笑いながら言った
「いいから、カミーユ探すよ」つぐみもおかしかったのか手で口を隠しながら言う

「はいはい」とコンソールに目を戻したルイーズはディスプレイの前に10p程の女性が立っているのを見かける
その緑の髪の少女は手を伸ばしてくる、ルイーズは指でその手に触れる
次に瞬間周りの空間が宇宙空間に代わったようにルイーズには感じられた
(この力は…)
澄んだ声がルイーズの頭になかに響いてきた
「なぜ君はこんな機械に乗っているんだ。この機械は危険だ」
直感で分かった、この声はカミーユだ、彼は遥か遠方からこの機体を認識している

「前にも注意したはずだ。サイコは精神を破滅させると」
「前にも?私カミーユさんに会うの始めてなんですけど」
「え?アーガマにいた子なんじゃ?」
…なんか話がかみ合わないとルイーズは感じた。もしかして…

「私はクローン強化人間だから同じタイプがアーガマにいたのかな…」
念のためルイーズはアーガマに意識を集中したものの自分と同じタイプは見当たらなかった
しかしカミーユは判別できたようだ
「そうか、君たちは…でもそのサイコガンダムは危険なのは変わらない」
「大丈夫だよ、これは非NT用で三人で操縦してるから」
「しかしサイコミュは搭載されている」
「これは…カミーユさん、お願いがあるんだけど聞いてくれますか?」

「なんでだよ…」
再起動したZZのモニターを見て源八はあまりの惨状に言葉を失った
自分が守ることが出来なかった人たちが目の前で漂っている…
0495通常の名無しさんの3倍
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2020/07/02(木) 23:30:53.92ID:3i9G6ZG+0
ラカン・ダカランの射撃は正確に動力部を撃ち抜き病院船は真っ二つに裂け5秒と立たずに水面から消えた
乗っていた避難民で助かった人はいなかった
源八のZZイーグルの前で海中に漂っているのはかつて避難民だった人たちであった
性別も年齢も関係なく、中には人の形も保てず、数千の人だったものが海底に積み重なっている

一年戦争、源八のいる町から5`離れたところにコロニーの残骸が落ちた
コロニーの落ちた衝撃で町は消滅、家族を学校を友達を源八は全てを失った
源八がエウーゴで戦ったのはティターンズが彼の生活を奪おうとしたからだった
弱者からすべてを奪う嘔吐する暴力と戦うのが彼の戦う理由である
しかし今彼は守ろうとする人間を失ってしまった

「お前は人を守りたいのか」どこからか声がする
「お前の力があれば更なる悲劇を阻止することが出来る」
気が付いた時には源八の意識はすでに何者かに握られていた
そして何をやるべきか源八の意識に刷り込まれていく

「ZZイーグル、機動確認、ナイトロフェイス2に移行しました」
その情報にノースウッドの管制室が沸き上がる
「他のNT用MS、所定の位置に配属完了しネットワーク構築可能」
盛り上がる管制室の中プタハとアリダだけは表情を一つも崩そうとしない
むしろこの空気を憎んでいるようにも見えた
「ネットワーク構築開始!」パウルス総司令はミッションの開始を宣言した
「サイコガンダムのハブ機能作動させます!」

「う?」ルイーズは突然、体中を無数の手で握られているような違和感を感じた
「どうしたの?ルイーズ」つぐみが異変に気が付くがルイーズは身をかがめて動かない
「多分、サイコミュが強制始動されたせい」と息も絶え絶えに言う

(どういうことなんだ)感応波を通じてカミーユは話しかけてきた
(サイコガンダムのトラブルを抑えるためサイコミュに私の意識を直結させてるの)
(そのサイコミュが外部から動かされているのだな)カミーユは状況を把握した

(今すぐマシンを切り離すんだ)
(それはできない、このサイコミュは源八につながっている…源八がおかしい)
カミーユはサイコミュを通して源八の精神を見る…が
これはなんだ?フォウともロザミアとも違う、源八の精神が消えかかっている…

「ハブ動作確認、ネットワーク構築確認、フィールド構築条件満たしました」
全ての確認を終えたパウルス総司令はプタハとアリダに顔を向けて申し訳なさそうな顔をした
「すべての罪は私が負います。許してください」
罪は心の中で背負うもの、この言葉でプタハたちの罪が消えることはないだろう
彼女たち自身それは解っている。しかしこれで救われる多くの人たちがいることも知っているのだ

…焼け石に水なのかもしれない、しかし一人でも多くの人が救われることを
パウルス総司令は胸に手を置いて静かに喋ベりだした
「ダーク・フィールド作戦を宣言する」
0496通常の名無しさんの3倍
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2020/07/04(土) 00:03:14.12ID:/N1WK3jw0
第11話「星に架かる橋」
ミノフスキー粒子が発見されたとき宇宙物理学者は旧西暦の概念だったダークエネルギーが発見されたと考えた
プタハもまた物理学者者として研究しある成果を得た
彼女はミノフスキー粒子を対生成で発生させることを見つけたのである

しかしそれには高エネルギーのミノフスキー粒子が必要だった
ミノフスキー粒子にエネルギーを与えるとそのほとんどがメガ粒子に代わってしまい
エネルギーを持ちながらミノフスキー粒子保つことはごくまれだったのだ
そのため現在のミノフスキー発生は別の方法で行われている

しかし対生成なら短期で大量のミノフスキー粒子を発生することが出来る
そのために多くのニュータイプとサイコミュが必要だった
炎上に配置して内側のフィール内のミノフスキー粒子を操作
高エネルギーのミノススキー粒子を維持することで驚くほど大量のミノフスキー粒子を発生
それで1辺100kmを超えるIフィールドの正方形を形成してコロニーの落下の衝撃を和らげる
…それが連邦が計画した「ダーク・フィールド」計画の全容であった

パウルス総司令はこの作戦の目的地をダブリンに決定した
地球連邦の要人が集まっていたのをわざと情報をネオジオンに流しコロニー落としの目的地にさせたのである
ネオジオンは他の所にコロニーを落とすこともできた。
しかし重要情報を得たネオジオンはダブリンに落とすことを決定した
連邦の情報戦がネオジオンを上回ったのである

ダーク・フィールド作戦はどこでも確実に起こせるものではない
可能性を高めるためにはノースウッドの近くに落とすしかなかった
その結果今ダブリンの50万を超える市民が危険にさらされている
パウルス総司令は将来自分が裁判にかけられるリスクを覚悟していた

作戦は静かに行われていく
目には見えないけどミノフスキー粒子が爆発的に増大していることは観測されていた
サイコミュを限界まで引き上げて酷使するため連動するニュータイプの体力の消耗も激しかった
コアの源八の疲労は更に過酷だったのである
0497通常の名無しさんの3倍
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2020/07/04(土) 06:16:00.34ID:KTJz71xp0
ミノフスキー粒子保つ→ミノフスキー粒子の状態を保つ
炎上に配置→サークル状に配置
0498通常の名無しさんの3倍
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2020/07/04(土) 08:16:45.17ID:/N1WK3jw0
グラスコー周辺はサンドラ配属のMS部隊の攻撃を受けていた
付近の海にいたサイコガンダムもSFSに乗ったMSの標的になっていたのだった
ルイーズが動けない今つぐみは一人奮戦している

ルイーズの精神は別の世界にいた
カミーユとイメージを共有した今ルイーズは彼のがかつて見た世界を見ている

源八は体が浮き上がり空にに吸い込まれそうになっている
空に大きな穴が開いている。カミーユはそれを天空への入り口と呼んでいた
彼はかつて入り口付近にまで吸い込まれ自我のほとんどを穴に吸い取られたという

ルイーズは右手を伸ばして吸い込まれつつある源八の右手を取る
地面に引き下ろそうと手を引っ張るものの逆に引かれルイーズは空中に浮きあがる
「駄目っ‼」ルイーズの左手を誰かが握る
振り返るとそこにはつぐみの姿があった

現実空間ではサイコガンダムで応戦しながらルイーズの左手を握っているつぐみの姿があった
「帰ってきて!負けないで!戦ってルイーズ!」

「源八、目を覚まさんかあ」大角隊長の声がする
ネットワークでつながったニュータイプ達が源八に声援をかけている
34部隊の同僚に混ざって見知らぬニュータイプも声をかける
「戦え!」「吸い込まれるな!」「がんばれ!」…
その声が届いたのか源八はうっすら目を覚ます、と同時に少しずつ体が下りてくる

「激突20秒前、コロニー落下速度さらに低下推定クレーター直径28km」
ノースウッド管制室では衝撃に備えつつあった
「推定被害37万人」その数値の中にはノースウッドが衝撃波で被害を受けることも含まれていた
「これが私たちの償い…」プタハは観念したようにうなだれる

窮地のサイコガンダムに更に攻撃を仕掛けようとしたネオジオンのMSがジム3の攻撃で爆発する
クライド基地から救援に来たジム3には円陣が乗っていた
「つぐみ、ルイーズは無事か?」円陣はサイコガンダムに近ずくとジム3を乗り捨てて乗り込んだ
ルイーズの手を握ると涙をぼろぼろ流しだす円陣

円陣の手の暖かさがルイーズを通して源八にも伝わっていく
源八は必死に左手を伸ばそうとするとその手をカミーユが握った
「ルイーズ、君との約束を守る時が来た」
0499通常の名無しさんの3倍
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2020/07/04(土) 21:42:18.91ID:P/siVymg0
「コロニー激突まであと10,9,8…」ノーウッドの管制室では乾いた声でカウントダウンが進む
プタハはここに来るんじゃなかったと思っていた
宇宙物理学の研究を実証するためにニュータイプ研究所に入所して結果が出たとたん
こんなわけのわからない作戦に参加させられてダブリンの人を危険にあわせる

私は一人ぼっちで生きたかっただから物理学者になったそんな私が人を救えるわけなんてない…

どこからか声がする(人に関わるのを恐れてはいけない、あなたの手はきっと誰かに届く)
「え?」プタハは振り返る。聞いたことのない声だけどなぜか懐かしい、そんな声だった

「ルイーズ、約束は守るよ。源八は助ける」カミーユは空いている手を挙げるとその手が輝き始めた
源八の回りにいるNTの一人が何かに気が付いたのか叫ぶ、仮面をつけた男だった
「みんな手を挙げるんだ、コロニーに手のひらを向けろ」

すでにダブリン近くでは高濃度のミノフスキー粒子の影響ででネオジオンのMSは活動停止していた
ガンダムたちは武器を捨て手のひらをコロニーに向けると腕が輝き始めた

「コロニーの落下速度がさらに低下、時速50q」
「ミノフスキー粒子の対生成急拡大、ジェット状に噴出されコロニーにぶつかっている模様」
そんな、私が知らない未知の現象が起こっているの、プタハは驚愕した
横でアリダは半分悔しい顔をして彼女に話しかける
「ミノフスキー粒子は時にぼくたちの予想を超える動きをしてたぶらかすのですよ
…まるでぼくたちを何処かに導こうとしているみたいに」
プタハは画面をにらみつける、その映像を心に刻み付けようとしているように見えた
(いつか・・・いつかあなたに追いついてやるんだから)プタハは深く心に誓った


地面に接触したときコロニーの落下速度はほぼゼロになっていた
しかしコロニーの強大な質量はダブリンの大地にめり込み台風並みの突風を引き起こしたという
崩壊したコロニーは一週間にわたって鋼鉄の雨を降らせダブリンは廃墟と化したという

行方不明者1万2千、クレーターは発生せず、それが今回のコロニー落としの結果であった
0500通常の名無しさんの3倍
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2020/07/04(土) 23:33:49.97ID:/N1WK3jw0
ルイーズは夢を見ていた

「…何時か、人は機械がなくてもそこにたどり着いて見せる」
カミーユはそういうと源八の体を両手でつかんで一気に引き下ろした
落ちてきた源八はルイーズが体で受け止める
取り込む相手がいなくなったのを知ってか天界の穴は姿を消すのだった
穴が消えた後、源八を見ると体が半分消えていた

ショックでルイーズは目を覚ます
目の前には円陣とつぐみがいた、ずっと看病していたらしく服装がくたびれていた
彼らだけじゃない大角隊長やアリダ、なんとカミーユまでいた
横にいるのはファ?さんだろうな。じゃ隅にいる人は…

「プタハと言います。この度は私のせいで迷惑をかけてしまってすいません」
深々と頭を下げるがルイーズには頭を下げられる理由がよく分からない
いや…もしかして…そんなことは…
「源八…はどこ?」

車いすで行こうとしなかったので円陣はルイーズを背負って源八の入院部屋に行く
部屋の中の源八は普通にすやすやと眠っているように見えた
「原因はわからない。目を覚ましてもいいはずだって先生が…」つぐみは声を詰まらせる
ルイーズは夢の中で源八が半ば透明になっていたことを思い出した
あ、あれは夢でなくて事実なの…

「そうだ、源八は、吸われて、しまった」カミーユは感応波でなくみづからの言葉で喋りだす
「俺と、同じ、だから俺が見る、俺でないと分からない、事も、ある」
声の出し方も忘れた人間が必死で喋ろうとしているように見えた

「私が悪いんです」プタハは許しを請うように頭を下げた
「私がこんな発見しなければ彼はこうならなかった」源八の惨状を見て彼女の心はすでに折れていた

「源八はあの時、言ったよ、自分は人を救うのが大好きだって
…救えたんでしょ源八はダブリンを救ったんでしょ」
「ええ、彼はダブリンを救いました」彼だけはそれが言う資格はあるとプタハは思っている
「…だったらいいよ」ルイーズは激痛に耐え無理して笑顔を作った
「プタハさんの装置は役に立ったんだ、そこは自慢していいよ」
それだけ言うとルイーズはまた気を失った

再びベットの上で目を覚ましたルイーズに円陣は優しく話しかける
「全治一週間というところだそうだけど 一か月サイコガンダムは出撃しないからゆっくり休もうな」
「どうしたの?また修理?」
「この際大改造するんだって色々運用上の問題点が出てきたから」とつぐみ

二人を目の前にしてルイーズは何かを決心したかのように話しかける
「お願いがあるんだけど…」
0501通常の名無しさんの3倍
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2020/07/05(日) 09:30:16.27ID:njRHPz+o0
同時刻、ハバロフスク

フィアラル隊大隊長ノーリとキャラルブル隊モズグズ基地司令(>>441)は今後の身の振り方を考えていた
「ダンジダン殿はハマーン様に忠誠を誓ったそうですね」
「あの距離ではハマーンに反旗を翻すことは出来ないさ、今の殿の発言は額面通りに取らないほうがいい」
もっともこれで殿の力量は知れたとも思う
もし側にいながらハマーンを出し抜ける奴がいたらそいつは次のネオジオン総裁になれるだろうよとノーリは思った

「ダブリンで連邦は新兵器を使ったという話ですが、いまだに全容がつかめません」
「連邦にも有能なやつはいるからな」
「宇宙空間でもミノフスキー粒子の濃度が上がっていると報告があります。関係はあるのでしょう」
「これで通信網もしばらく混乱が続くだろうよ。ま、何かしたい奴には都合がいいだろうが」
まるで他人事のようにのようにノーリは言う

ネオジオンが総力を注ぎ込んで行ったダブリンでのコロニー落としは成功したものの多くの戦力を失った
連邦はこれを機に反攻作戦を開始、バイコヌールをはじめ多くの地域を奪還されてしまった
ハマーンは地球での戦力を維持するために旗艦サダラーンを地球に残す決断をしている

「ところでネイルの調整はどうなってる?」
「今ハノイで連邦と戦っていますが、ミレディによるとうまくいっているみたいですね」
「あいつはいざと言うときの保険だからな、一度とはいえハマーン様を騙した、その力は残っているはず」
「2度目を起こせれば…ですね」

ドアをノックしてジオン兵が入ってくる
「ただいま連絡がありまして、ネイル様がハノイの残存ティターンズを排除し占領したとのことです」
「なかなかの戦果だな、思ったよりずっと早い」
「これでこの基地に余裕が出来ました」
「やるか、バイコヌール奪還、ハマーン様の機嫌もとらなければならないしな」
(そんなこと心にも思っていないでしょうに)モズグズ指令は微笑んだ

同時刻
ネイルのアクト・ザク改は制圧されたハノイで西の方向を向いていた
その方向にはバイコヌールが、そしてダブリンがある
「円陣…」ネイルは宿敵の名を呼んだ
0503通常の名無しさんの3倍
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2020/07/05(日) 23:46:45.95ID:njRHPz+o0
第12話「レナエル」

ダブリンにコロニーが落ちてから一か月色々なことが起こった

ネオジオン討伐のために結成されたエウーゴ・連邦合同軍は旗艦であるネェルアーガマが
突如サイド3に向かって単独行動を開始、この件でエウーゴと連邦の二つの参謀本部が対立
連邦はエウーゴのスポンサーアナハイムと取引をしてエウーゴ側の参謀本部
(実際は出向した連邦の幕閣が運用している)を解散して連邦側の参謀本部からエウーゴを指揮できるようにした
その結果エウーゴは連邦の明確な下部組織と化し、代わりにティターンズのMS開発期間は全てアナハイムに提供された

ネオジオン側の人材不足はさらに悪化、正式な併合はまだ先であったがすでにジオン共和国の軍人や政治家などが非公式に接触
ジオン共和軍はアクシズ帰還前からネオジオン兵の教育を極秘に行っていたが
この数週間、偽名を使ってネオジオンに参加する共和国軍兵が増えている
結果共和国のネオジオンへの影響力は拡大し、長格の中では共和国に近ずく物が増え始めている

連邦は新たにネオジオン討伐軍を結成するべく地球低軌道上に戦力を集中させつつあった
ダブリンのNTMS部隊から一部が選抜され、打ち上げ基地のバイコヌールに集結していた
円陣たちのサイコガンダムもその中にいたのである

打ち上げ前の最終チェックが行われていた
サイコガンダムはMF形態から人型に変形するが明らかに以前より早くなっていた
各部にスラスターが増設された結果、以前より安定した変形ができるようになっていた
また拡散ビーム砲が増設されていて死角が少なくなっている

「どうだい、ぼくのアレンジしたサイコガンダムは?」
アリダ・セルピコは自信満々に言った
「それはいいんだけどね、なんでそこに座っているんですか?」
アリダは円陣の後ろの席に座っていた。ルイーズが座っている席である
「まあ、席替えだよ。前に座っていた子はあっち行っちゃったからね」

サイコガンダムの前でZZイーグルが試験運転を行っていた
かなり難易度の高いマニューバを簡単にこなしていく
「オッケーだよ。この機体すごくいい」
操縦席にはルイーズ・ワイスが座っていた
0504通常の名無しさんの3倍
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2020/07/06(月) 14:16:32.55ID:8afGZTf+0
エウーゴ・連邦合同軍は旗艦である

エウーゴ・連邦合同軍の旗艦である
長格の中では共和国に近ずく物が

隊長級の中には共和国に極秘に接近するものが
ダブリンのNTMS部隊

タブリンのダークフィールド作戦に参加したNTMS部隊
それはいいんだけどね

確かに性能はバージョンアップしているのですが…

…今回ミス多すぎです
0505通常の名無しさんの3倍
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2020/07/06(月) 22:56:30.84ID:woF2E6tl0
ZZイーグルをMSに変形させて射撃訓練をやりつつ、ルイーズは一か月前のことを思い出していた

源八の治療はノーウッドのNT研が全面的にバックアップすることを約束してくれた
プタハがパウルス総司令に相当強く掛け合ってくれたらしい
総司令も何らかの計算があり、そのためにこうしたのだろうとはアリダは言っていたが
しばらくしてからパウルス総司令は源八に会いに病院に来て深々と頭を下げていた
余りそういうことをする人間じゃないんだけどなあ…とアリダはびっくりしていた

治療のアドバイザーにはプタハ…いや本名はサナムが担当することになった
プタハはダークフィールド作戦のためのコードネームで会議ではボイスチェンジャーで声まで変えていたそうだ
作戦が終わったので本名に戻したということだった
背中の荷が下りたのかサナムは気さくな性格になっていた。元はこういう性格なのだそうだ

ルイーズの出した提案につぐみと円陣は延々話し合ったようだ
何しろ源八がああなったのはZZイーグルのせいなのははっきりしていた
アリダはナイトロの撤去を進言してくれたけどそれはしなかった
排除したら確実に機動性は悪くなる、そんなことで機体を落とさせるわけにはいかない
代わりに緊急停止装置を組み込んでもらった

つぐみと円陣は「さみしいけどね」と言ったけどルイーズがZZイーグルに乗るのを認めてくれた
認めてくれた時ルイーズはなぜか涙が出た
ルイーズの涙を見てつぐみも円陣も泣きだした。まさか円陣があんなに泣くやつだなんて思わなかった

アリダにはサイコガンダムをつぐみと円陣の二人で操縦できるようお願いしていたんだけど…
「まあぼくが乗り込むのが一番簡単なんだよ」とアリダから通信が入る
「でも」
「サイコミュの不良はすでに修正している。ぼくが近くにいたほうがナイトロに対処しやすいからね」
「でも」
「サラㇺもそうだけどぼくもダブリンのケリをつけたいんだ。やらせてくれよう」
ルイーズは否定しなかった。彼女がZZイーグルに乗るのだって源八の無念を晴らしたい(生きていますが)
という一念だったからだった

「いいよ、私の代わりに二人を守ってあげてください」
「ぼくに任せとけ」アリダは胸を張って言う
(きみも守るからね)というアリダの心のささやきをルイーズは聞いた
(ありがとう)今の自分は多くの人の善意で成り立っていることをルイーズは感謝した
0506通常の名無しさんの3倍
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2020/07/08(水) 23:12:49.66ID:Z4fKJahz0
サイコガンダムをはじめ宇宙で運用されるMSは次々とHLVに積み込まれていく
バイコヌールは大型宇宙船用打ち上げ基地として1年戦争から連邦とジオンが取り合いを続けてきた場所である
ネオジオン侵攻時も第一目標になって占領され、ダブリン戦以降に連邦に奪回されたのであった
複雑な過去を持つバイコヌールはジオン式、連邦式と複数の系統の打ち上げができる基地になっていたのである
HLVも元はジオン式の打ち上げ方式だったがこの基地では連邦の打ち上げにも使われている

夜、人の警備員が基地の巡回をしている
人気のないところで突然きょろきょろし始め手を上にあげた途端後ろから誰かに体を押さえられてしまう
「お前スパイだろ」抑えているのは円陣であった
「俺もスパイだったからわかるけど、このタイミングしかないんだ」
「何を言っているのかさっぱり…」警備員は状況を分かっていない…ふりをした
「この何週間あなたの調査をさせてもらった。証拠はつかんでいる」

隠れていた別の警備員が出てきてスパイだった警備員を拘束していく
しかしこれで終わりにはならない、彼はサインを出そうとしただけだ
強襲するためにMSが近くにいるはずだ

「出撃する」大角隊長のZZ量産型が建物の陰から発進する
1か月前のダークフィールド作戦の影響で地球圏は大量のミノフスキー粒子の霧がまだ晴れていない状態である
レーダーはいまだ復旧できていない
この状況を利用して基地のギリギリ近くまで敵MSが接近させ、そこから一気に攻撃するつもりなのだろう
先手をとってこちらから先に攻撃を仕掛ける

「いたぞ、ヌバだ」大角は通信と同時に攻撃を始めた
ヌバはネオジオンの特殊工作用MSで内蔵兵器が多くそのため独特なプロポーションになっている
内蔵火器で応戦するヌバだったがZZ量産型は難なくかわしていく
ダークフィールド作戦以降大角ら連邦のNT能力者の力は上がっていた

大角の支援のため円陣も用意されていたGM3に乗り込もうとする
しかしハッチに手をかける直前に何者かに銃撃され、弾は円陣の髪をかすめる
「ちっ」円陣は銃を撃ちながら相手の死角を突いて接近し隙を見て相手を押し倒す

相手の顔を見て円陣は「なんでいるんですか…」まるでありえないものを見た顔になった
その女の顔はかつてのスパイチームでの仲間レナエルにそっくりだったのだ
0508通常の名無しさんの3倍
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2020/07/09(木) 23:15:16.82ID:MW0rqfd00
レナエルそっくりなスパイは円陣から無理やり銃を奪うと彼の腹をける
吹き飛んだ円陣が大勢を立て直したときには敵の銃の照準が彼に向いていた
「残念ね」彼女がつぶやいたとたん屋根から何かが落ちてきて彼女に絡みつく
いざというときに配置していたアリダの発明品「ロボット警備員」だ

「こんなこともあろうかと用意していたんだよ」作戦室でアリダが得意そうにつぶやいた
「このロボット警備員4号は4本の樹脂の触手で相手を絡み取るんだ
 普通の人間の力なんかってあれ…?」
なんと敵は腕力だけで触手を4本とも引きちぎっていた

「強化人間か」円陣は敵が動けない間にに銃を拾おうとするも敵はロボットの頭を投げつけてきた
間一髪銃を拾った…時には敵の強化人間は円陣に接近し銃を持つ円陣の右手首を強い力で握る
更に敵は笑いながら右手で円陣の首を絞める

「ひさしぶりの再会なのに大泣きしてくれないのね」
「偽物の茶番に付き合うつもりはない」
「いいわ、あなたにふさわしい相手は私が探してあげてよ」

敵は手を離すと円陣は苦しそうに崩れ落ちた、そして自己紹介を始める
「私の名前はミレディ。また会いましょう」
ミレデイは円陣に丁寧にお辞儀をするとそばに来ていたヌバの手のひらに乗った

ヌバは強引に基地に侵入したのかかなりのダメージを受けていた
逃げ出そうとするヌバに大角のZZ量産型が襲い掛かる
しかし何かが両者の間に入りZZ量産型のビームサーベルを受け止める
それをチャンスとヌバはスラスターをふかしてこの戦場から撤退した

「来たわよ円陣。あなたの想い人が」ミレディがヌバの手のひらでほほ笑む
円陣はこのMSを知っている。日本の南アルプス市で戦ったアクト・ザクだ
パイロットはネイルか…円陣は急いでGM3に乗り込み起動させる

アクト・ザクはZZ量産型のビームサーベルを難なくかわしヒートホークで襲い掛かる
ヒートホークの攻撃は重いうえ素早くZZ量産型は防戦一方になっていく
「こやつ、ニュータイプか」大角は押されているのを認めるしかなかった
しかし、この感じはまさかあいつも…大角は一瞬不安がよぎる
0509通常の名無しさんの3倍
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2020/07/10(金) 23:32:08.20ID:hi+Qktsp0
円陣の乗るジム3がビームを連射してアクト・ザクを後退させ、大角のZZ量産型の前に着陸する
着陸するなり円陣が一言「大角さん、ここは俺に任せて後方のヌバ攻撃をお願いします」
大角が対峙しているアクト・ザクの後方を見ると新たなヌバ部隊が接近していた

HLVにほぼすべてのNT用MSを積み込んだ今戦力として期待できるのは円陣と大角しかいない
あと数分すれば近隣の駐屯地からハイパスが来るだろうがそれまでには敵の攻撃を防がなければならない
アクト・ザクが撃退できないのなら足止めして
その間に他のMSを確実に破壊するのがこの時点でのベストな戦略であった

ヌバ迎撃に向かう大角は円陣に一言アドバイスを残す
「あのアクト・ザクにはナイトロが搭載されている。気ををつけろよ」

(この不愉快な感覚はナイトロのものだったのか)
地下作戦室でルイーズはモニターでアクトザクを見つめている
ナイトロは源八の精神を操作し、攻撃的な性格にすることでNT能力を強化した
さらにナイトロは操作を加速、源八の精神は破滅直前にまで追い込まれてしまった
あの時の源八と同じ感じをアクト・ザクのパイロットから感じていたのだ

アクト・ザクが不穏な空気を醸し出していたのは非NTの円陣にも理解できた
しかしそれは感覚的なものではない、アクト・ザクの構えが明らかにおかしい
ネイルになる前のクロード隊長はMSに乗った時には全く隙を見せなかった
しかし今のMSには隙しか見えない、多分誘っているのだろう
こんな戦いはクロード隊長が最も嫌う戦い方である

GM3は肩のミサイルを全弾発射するがアクト・ザクは最小限の動きですべてのミサイルをかわす
機体の反応速度が高くないとあんなかわし方はできない
ミサイルをかわした勢いのままアクト・ザクは接近してくる
円陣はGM3のミサイルポッドを廃棄しシールドに投げつけるが難なくアクト・ザクは避けた
が避けた先には既にビームライフルが投げられていてGM3の頭部バルカン砲で爆発する

爆発を緊急回避で避けたアクト・ザクだったがそこにはビームサーベルを構えたGM3がいた
ビームサーベルが一閃するとアクト・ザクの左手が切り落とされる
「油断はするなというのがクロード隊長の教えだったのですよ…」円陣は冷静な声で言い放った

母艦にたどり着いていたミレディはモニターを見て自分の策略通りに事が進んでいることを確認している
「それでいいのですよ、円陣、ネイルの目を覚ますのです」
「そろそろ俺の出番のようだな」同じくモニターを覗いていたノーリ隊長がMSの発進準備に向かう
0510通常の名無しさんの3倍
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2020/07/11(土) 10:24:29.93ID:iB98qUU20
ネイルの乗るアクト・ザクは近代化改修で肩に大型スラスターが装着されている
円陣のGM3の攻撃で左腕を失ったアクト・ザクはバランスが極端に悪化して後ろにひっくり返る
説得できるチャンスかもしれない、円陣は機体から降り相手の機体のハッチを開けた

コクピットの中のネイルはもうろうとしていた
「クロード隊長、目を覚ましてください!」円陣は隊長の肩をつかんで叫ぶ
「う…ん?」ネイル、いやクロード隊長は目を覚ましつつあった
「ここはどこだ?円陣」隊長は記憶を失っているようだ
「レナエルは…レナエルはどこだ?」隊長はかつての恋人の名を呼んだ

レナエルは…レナエルは…円陣はレナエルの撃たれた時の事を思い出す
今ならわかる、あの時にはもう隊長はネオジオンに洗脳されてしまっていたんだ
多分そのあとに更に洗脳されたのだろう、その時の記憶は隊長にはないようだ
でも今はショックを与えることになるから決してそのことを彼に言ってはいけない
しかしその思考はNT能力者である彼に読まれてしまう

「そうか俺が…俺が…レナエルを」

コックピッチが光り輝きだしクロード隊長は頭を押さえて苦しみだす
ナイトロが彼の頭の中身が書き換え始めた
「しまった、それが狙いだったのか」円陣は敵のシナリオを知り後悔した
俺は…このシナリオのパーツの一つとして生かされていったのか…

「どう洗脳しようと彼は心を閉ざすことで私たちに逆らっていました…円陣に感謝します
あなたのおかげで彼は心を開き、私たちは最強の戦士を手に入れたのですから」
エンドラ級戦闘艦チャンドラのブリッジでミレディは目を閉じ胸に手を当てた

円陣はコックピットから隊長を連れ出そうとするがコクピットから高圧の空気が噴出しはじき出される
防衛システムなのだろう、円陣が回転して着地した時にはアクト・ザクはすでにコックピットを閉じていた
「くそっ!」円陣はあわててGM3に駆け寄り起動させる、こうなったら敵MSを擱座させるしか方法はない

GM3のセンサー越しに見たアクト・ザクに隙は全く見えなかった
それはかつてのクロード隊長のようであった。しかし相手から殺気を感じる
確実に相手はこっちを破壊するつもりなのだろう
円陣は身構えた「勝てる気が…しない…」
0511通常の名無しさんの3倍
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2020/07/11(土) 19:22:41.84ID:nRztjmh30
猫がネズミをいたぶるとはこういうことなのだろう
円陣のジム3はネイルのアクト・ザクの猛攻に満身創痍になっていた
重心の狂ったことを逆手にとって変幻自在の攻撃を仕掛けてくるアクト・ザク
予想のできない攻撃に円陣はなすすべがなかった

立つこともできなくなったジム3は大の字に倒れこむ
アクト・ザクはジム3を見下している
そこにノーリのガルスJが現れた
「とどめを刺せ、お前の運命に決着をつけろ!」コクピットの中でノーリが大声で叫ぶ

「違和感がある、何か仕掛けがあるなこりゃ」
HLVの中でアリダの呟きはつぐみの声にかき消される
「拘束機の解除終了しました」
「オッケー、ルイーズ行っておいで」

ノーリの言葉に促されるようにヒートホークを振り上げるネイルのアクト・ザク
振り下ろそうした瞬間何者かの体当たりを受けて弾き飛ばされる
「何者?お前は」
ガルスJの振り向いた先にはZZイーグルが立っていた

ルイーズにとってノーリは元上司であり恩もあったから攻撃するわけにはいかない
「だったらどうするんですか」HLVの中でつぐみはアリダに問いかける
「多分あのアクト・ザクには同じナイトロが積まれている、ならあのスイッチも使えるんだよ」

「ほうこの太刀筋、さしずめ元ジオン兵といったところか」
(そりゃ元あなたの部下ですから)ガルスJのビームサーベルを受けながら意識をアクト・ザクに集中していた
ナイトロ用緊急停止スイッチはバイオセンサーを利用したものでNTを通して停止コードをナイトロに流し込む
ルイーズはアクト・ザクのナイトロにシンクロすることで停止コードを送ろうとしていたのだ

「これか、そりゃとっとと止まってよ」ルイーズは緊急停止スイッチを押す
その瞬間アクト・ザクは停止しートホークを落とす
「チャンスよ円陣!立ち上がってアクト・ザクを抑え込んで!」
円陣のジム3がよろよろと立ち上がり接近した時にはガルスJは数体のMSとともに
アクト・ザクを抱えて逃亡しようとしていた
「また会おう円陣!」ノーリの言葉とともにネオジオンは撤退した

「クロード先輩…」円陣は涙があふれてモニターを見ることはできなかった



しばらくして敵の撤退を見届けた大角隊長のZZ量産型が基地に帰投してくるが…
「どうした?ZZイーグルに何かトラブルでもあったのか?」
「緊急停止スイッチ押したらこっちも停止しちゃって…」
「ごめんね、こっちのことは全然考えていなかったわ」とまるで今気づいたかのようににアリダが言う
「そろそろトイレ行きたいのに〜こんなんならアイスたくさん食べなきゃよかった〜」
0512通常の名無しさんの3倍
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2020/07/11(土) 23:42:44.47ID:iB98qUU20
第13話「星占いの宇宙」
 
二日後
円陣たちの乗せたHLVは打ち上げられた
基地強襲を迎撃した大角のZZ量産型も損傷がほとんどなかったため一緒に宇宙に上がった
エウーゴ・連邦軍ではサイコガンダムを運用するノウハウがないためニュータイプ部隊は
ノウハウのある元ティターンズの重巡洋艦「ソルベ(>>390)」に搭載されることになった

ガネシャ艦長もまた元ティターンズであるが強化人間で嫌な思い出があるらしく
ニュータイプ、その中でも特に若いルイーズを見ると鼻の頭をかく癖がある

そのガネシャ艦長が鼻をかきながらルイーズにお願いしていた
「今の時間よろしければ無重力に何れるためにテストドライブとはどうでしょうか?」
かくてティターンズにあらねば人であらずと言われたのは昔の話である
「はい、艦長の命令に従いテストドライブを行います」
艦長が裏表にないいい人なのはニュータイプならみんな分かっていた
だから艦長の「お願い」に文句を言うニュータイプはいなかったのである
0513通常の名無しさんの3倍
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2020/07/12(日) 23:40:42.80ID:oy0NbqMT0
宇宙空間でもダークフィールド作戦でミノフスキー濃度が高くレーダーは全く機能しない
宇宙側からの敵の奇襲を防ぐため、エウーゴ・連邦連合艦隊は低軌道に結集していた

ルイーズのZZイーグルが出撃した時にはサイコガンダムは宇宙空間で漂っていた
「これが地球の夜の側なんだ」つぐみは目をキラキラさせていた
実はつぐみは宇宙に出るのは初めてである

つぐみの下には自分の生まれた日本列島があった
かつて一年戦争が起きる前はもっと明るかったという
いまは日本だけでなくアジアもオセアニアも光はまばらになっている
こんなに地球は傷ついているのになぜ戦争を起こしたい人がいるのだろう
…こんなことを考えるのも目の前の景色があまりのも美しいからかもしれない

「モズグズは残るのか」
ハバロフスク基地でノーリは戦闘艦チャンドラの発信準備にかかっていた
「私が残らないとこの基地は維持することができませんので」
「ハマーンに義理立てする必要はないんだぞ」
ノーリはモズグズの力を取り込もうと思っていた

低軌道で集結している連合艦隊を地球側から数隻の戦闘艦で攻撃する
この作戦はハマーンらネオジオン上層部が計画してモノではなく地球占領軍の独断である
そして参加したのは全て反ハマーン派の将校であった

「私が残らないとむしろ彼女に疑われる可能性は高まります」
「そうか、もう俺は地球には帰らないぜ、この夜景を見れないのがさみしいけどな」
「…あなたの武運を祈ります。あと彼らをあなたに。彼らは宇宙であなたの助けになるでしょう」

彼らはノーリに敬礼した
ジオン共和国の軍隊とはな、モズグズはどこまで顔が広いんだ
「我々はあなた方の大気圏脱出を支援いたします」共和国軍の代表が胸を張っている
見せてもらおうじゃないか。もう一つのジオン軍がどれだけの力か

「前この景色見たときはネオジオン側だったっけ、今は連邦軍だけど…」
ルイーズは宇宙をさまよいながら奇妙な自分の運命を考えていた
「ネオジオンにはもう未練ないけどね…あれ?あれは…」
ルイーズ以外にも大角含め何人かのNTパイロットが何かを感知する

しかし動きが変だ、まるで地球の大気圏上をすべるように高速移動している
「ペガサス3より入電、敵のデータを送るとのこと」
「あれが来るのか」ソルベのガネジャ艦長はかつてのいやな記憶を思い出した
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2020/07/16(木) 23:33:32.93ID:4e2/d8Yn0
新指導者のパプテマス・シロッコを失ったティターンズ残存艦隊はその戦力を取り込もうとした
ネオジオンに襲撃されるのが日常化していた

ソルベも僚艦のほとんどを失い搭載機も強化人間の乗るギャプラン一機だけになっていた
反撃の激しさに鹵獲をあきらめたネオジオンは大型MA ゾディ・アックを投入した

「艦長逃げてください」
「もうここまでだ、投降しよう」
「何言ってるんですか、こんな奴らに地球を占領させるんですか?また多くの人間が
殺されるのですよ、わたしは嫌です、だからわたしの代わりを見つけて敵を討ってください」
もう彼女は自分の船に戻ることは考えていない
「…エウーゴに投降してください、今なら罪に問われないかもしれません」
ここまで言うと彼女は通信を切りゾディ・アックに突っ込んでいった…

そのあと彼女がどうなったのか分からない
ゾディ・アックの一機はブルー・ディサイズに提供され撃墜されたと言われている
もう一機も現れたということはおそらく彼女は…

「ガネシャ艦長、宇宙港ペンタからレーザー通信です
 先ほど地球からネオジオンの戦闘艦が複数、宇宙に向けて発進したとのことです」
挟撃された…ガネシャ艦長に判断のために残された時間は多くない
0515通常の名無しさんの3倍
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2020/07/17(金) 08:33:48.69ID:tNQ3diNr0
>>514は回想シーンでソルベ追討戦にあらわれた
ゾディ・アックは二機です(つまりゾアン四機)
この時点(ソルベ追撃)ではネオ・ジオン所属ですが
この戦いのあと一機はNDもう一機はジオン共和国に
提供されました

…説明不足ですいません
0516通常の名無しさんの3倍
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2020/07/18(土) 10:27:51.41ID:fDN7B1Eu0
地球からネオジオンの戦闘艦が複数打ち上げられ大気圏を離脱しようとしている
低軌道上に集結しているエウーゴ・連邦連合艦隊は上昇して逃げようとしてもゾディ・アックに狙撃されてしまう
そのため重巡洋艦ソルベ所属のNTMS部隊にゾディ・アック攻略の命令が下された

「敵戦闘艦の低軌道到着まであと一時間、30分以内に敵MAを迎撃すべきだな」
MS隊の中で先陣を切って突撃するサイコガンダムの中で円陣は作戦時間の短さに強硬策もやむなしだと思った
「しかしサイコガンダムに長距離用の兵器はないし…」とつぐみ
「それは問題ないよん相手から突っ込んでくれるから」とアリダ
アリダの言葉通り敵はものすごいスピードでサイコガンダム目がけて接近してきた

砲撃準備をするつぐみに「まず一発食らうからね」とアリダ
「え?」とつぐみが言うと同時にモニターの敵MAの先端が展開して主砲が現れるのが見えた
200mの大型MAであるゾディ・アックは戦艦のそれより強力な主砲が二門もついていた
「じょ、冗談でしょ?」
その言葉と同時にゾディ・アックから巨大なビームが発射され、それにサイコガンダムは飲み込まれた
コクピット内も真っ白に発光して何も見えない
「これってやられるパターンなんでは〜‼」と混乱したつぐみは悲鳴を上げた

あら、生きてる…
状況が飲み込めないつぐみのそばで真っ暗になったコクピットでアリダがテキパキと指示を出す
「円陣、回避行動開始、つぐみちゃん出力確保したから拡散ビーム砲発射用意してね」
回避行動の横Gがかかる中再起動したモニターが復活する
そこにはゾディ・アックの側面が画面いっぱいに広がっていた
「シュート!」つぐみは照準もつけずにビームを発射する、この距離ならどう撃とうが外さない

しかし重装甲のゾディ・アックには傷一つつけることが出来ない
「それでいいんだよ」アリダには余裕があった
彼女が見るサーモグラフィーには真っ赤になったゾディ・アックが映っている
サイコガンダムの横を高速で通り過ぎたゾディ・アックは遥か後方でゾアン2機に分離した

「高出力ビーム砲発射の蓄熱に大気圏をブレーキにした摩擦熱、あの機体は熱放出が足りなくてどんどん高熱になっていく」
アリダはゾディ・アックが分離するのは表面積を増やし熱を排出しやすくするためと分析していた
しかしそれは一時しのぎ、さらに熱を蓄積すれば機関部がトラブルを起こし最悪の場合爆破暑する可能性がある
実際ニューディサイズに与えられた一機は同様のトラブルを起こしてゾアン一機が爆発している
「だからビームを貫通できなくていい、加熱すれば相手は自滅する」

「南半球のゾアンはソルベの一斉砲撃に任せるよ。ぼくたちは北半球の奴をねらう」
指示しながらアリダはソルベに南半球の敵MAの航路予想を送信していた
「全MS 砲撃隊形!」大角の指示のもとMS部隊はサイコガンダムを中心にした陣を構える
0517通常の名無しさんの3倍
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2020/07/18(土) 15:58:08.38ID:od2oWRgy0
一方重巡洋艦ソルベでは南半球上のゾアンに全主砲の照準を合わせていた
アリダから提供された敵の軌道予測はあまりにも正確なのにガネシャ艦長は舌を巻いた
「発射!」ソルベから撃たれたビームは確実にゾアン4の艦首に命中し撃沈させた

それを見たゾアン3は機体を加速させ、サイコガンダム達に突撃する
サイコガンダムもスラスターを全開させてゾアンに突っ込んでいく
「あいつは突っ込むつもりだ、だから前方で迎え撃つ!」円陣の判断の速さにアリダは舌を巻く
「拡散ビーム砲収束モードに移行、すぐ撃てます!」つぐみは円陣の次の手を用意していた


しかしゾアン3はマニピュレイターを射出してサイコガンダムを拘束さらにミサイル攻撃を仕掛ける
「しまった!」相対速度が落ちるサイコガンダムだがその後ろからに2機のMSが追い越していく
ルイーズのZZイーグルと大角のZZ量産型だ
「ルイーズ、一気に決めるぞ!ハイメガキャノンだ!」「とんじゃえー!」
2機のハイメガキャノンはゾアン3に吸い込まれてく

大爆発するゾアン3をガネシャ艦長はソルベのブリッジから見ていた
「見ているかコンスタンス、つれてきたぞお前の代わりを」
艦長はかつてのギャプランのパイロットの名前をそっとつぶやくと敬礼をした


MS部隊を回収したソルベも加速して低軌道から離脱したので、地球から打ち上げられたネオジオンの戦闘艦と戦うことはなかった
しかしエウーゴ・連邦連合艦隊は各個別々に低軌道から離脱したため足並みがそろわず月で再集結をすることになった
サイド3にはノーリたちが先に到着することになったのである

打ち上げられたノーリの戦闘艦には冷凍睡眠状態のネイルが積み込まれている
大角やルイーズは冷凍睡眠の彼を感知することはできなかった
しかし円陣は確信していた、隊長はこの宇宙に来ていることを、そしてまた戦う日が来ることを
0518通常の名無しさんの3倍
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2020/07/18(土) 23:25:04.06ID:fDN7B1Eu0
14話「シャングリラの少女」
重巡洋艦ソルベは月を目指していた
地球軌道上終結していた連合艦隊はネオジオンの強襲で散り散りになってしまったのだ
各艦艇は独自のルートで月のグラナダを目指していたのだった

ソルベはサイド1に進路を向けた
あそこには連邦の基地が設置された25バンチがある
またロンデニオンにはアムロ率いるMS部隊の秘密基地があるという噂もあった
そのせいかネオジオン侵攻初期ではハマーンの取り巻きに多くのコロニーが占領されたが
ほとんどはダークフィールド作戦以降に連邦に奪還され今は連邦の勢力下にある
もっとも戦力的には拙くいつネオジオン側に攻撃されてもおかしくない状態であった

「ねえなんでシャングリラに行かないの?」ルイーズは突然妙なことを円陣に言い出した
「一日ぐらい余裕できるでしょ?見たいと思わない?バトレイヴ」
「バトレイヴ?」
「そう!ローラーダッシュでキーンと走ってパイルバンカー打ち込んでむせる!そんなゲームだよ」
「何かとまちがってる感じがするな?なんだっけ」とアリダが横から突っ込みを入れる
「明日は非番でしょ?隣のコロニーだし私も行くから」とつぐみがフォローを入れる
「わかったよ、行っといで」円陣はしぶしぶ了承する
円陣が引っ掛かったのはルイーズらしくない発言の内容だったということだった
彼女は何か隠している、そんな気がした

そんな中突然警報が鳴る
「コロニーに敵MS接近、守備MS隊は直ちに迎撃に上がれ」
多くのミノフスキー粒子がダークフィールド作戦で地球圏にばらまかれた今
敵MS一機なら簡単に侵入を許してしまう環境になっていた

「私も迎撃に向かうね」ルイーズのZZイーグルが出撃許可を受けて発進する
こういう時サイコガンダムは不利だ、仮に発進したとしても敵が高機動MSだと簡単に翻弄されてしまう
あくまでサイコガンダムは守るものがあることを前提にした拠点防衛用兵器でしかない

ルイーズが現場に到着した時にはすで守備隊のGM3は全滅していた
比較的小型のビーム砲みたいな弾痕だけど…ビームガトリングガンなのかな?
詳しく被害を見ようと近ずくと…上に違和感
ZZイーグルを回避行動をとらせながら上のビーム砲を攻撃するが…これってまさかファンネル?
0520通常の名無しさんの3倍
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2020/07/18(土) 23:42:38.95ID:fDN7B1Eu0
あれがファンネルなら近くに操作しているNT用MSがいるはず
わざと上昇して隙を作り出すと下方から複数のファンネルが射撃してきた
攻撃をかわしながら意識を集中する

隣のコロニーから攻撃を指示してるの?
ZZイーグルはスラスターを全開にして隣のコロニーに向かう
恐らく敵は隣のコロニーからバルーンを放出して近寄ってきたMSをファンネルで攻撃していたんだ
今のミノフスキー濃度ならかなりの遠距離攻撃をしかけることが出来る

しびれを切らせたのか敵もこちらを関知してコロニーの影から接近してきた
念のためにルイーズが数発撃つもすべてかわされる
キュベレイかな?しかしその敵はキュベレイにはないビームカノンで狙撃してきた

間一髪で避けつつ敵MSの横を通り抜けるZZイーグルは敵の正体を見た
違う、シルエットはキュベレイなのに細部が全く違う、なんなのこの機体は?
「この機体はキュベレイ量産型だ、ジュドー!ハマーン様にあなたなんか会わせはしない」
あっちのパイロットはこの機体をジュドーが乗る本物のZZと勘違いしているのかな
でも、なんかどっかで聞いたような声…
「このプルナインがジュドー、お前に引導を渡してくれる!」
えー?プルナインて私の名前じゃなかったの?とルイーズは一瞬困惑した

なんか納得いかない

「私でしょプルナインは?なんで人の名前勝手につけてんのよ」
意外な発言に向こうのプルナインは少し弱気になった
「え…私は最初からプルナインですけど…」
「違う!プルナインは私だって、わ・た・し!」
余りの迫力に向こうのプルナインは泣きそうになった
「…ちょっと二人きりで話しない?」
0521通常の名無しさんの3倍
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2020/07/19(日) 09:21:40.35ID:EeSMT+gY0
重巡洋艦ソルベでは少しドタバタが起こっていた
ルイーズが戦闘中行方不明になったというのである
ルイーズのZZイーグルが敵MSとコロニー「シャングリラ」に入ったところまでは船のカメラに映っていた
しかしそのあと連絡が全く入っていなかったのだ

そのごろルイーズは敵MSのパイロット「プルナイン」とバトレイヴを観戦していた
「く〜っ‼この肌触りこそバトレイヴよ!むせる〜!」
「あの…話って何でしょうか…」プルナインは少し動揺していた
何しろ自分以外にもプルナインがいて彼女は連邦のMSに乗っていたのだ

ルイーズは観戦しながら自分がネオジオンにいた時のことを思い出していた
ガラール隊への配属直前に先生と呼ばれる人からこういわれた
「これから君はプルナインと呼ばれるようになる。司令官のいうことにちゃんと従うように」

思い出した、それまで自分には名前がなかったのだ
姉妹たちとは感応波で確認できたから特に問題がなかった
名前を意識したのは「ルイーズ」という名前を付けられてから
いま、プルナインが混乱しているのは名前という概念を彼女が持っていないからなんだろうと思った

「いいよ、もう。今日は一緒に遊んで帰ろ。でも周りには秘密だよ」
ルイーズは笑いかけるとプルナインも笑った
プルナインの笑顔をルイーズは少しだけうらやましいと思った
私はもうプルシリーズには戻ることは出来ないのだ
0522通常の名無しさんの3倍
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2020/07/19(日) 19:52:40.50ID:mRJFi8Ou0
すんません、プルナイン(ルイーズ)が配属されたのはガラール隊でなくてフィアラル隊です
0523通常の名無しさんの3倍
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2020/07/20(月) 23:06:51.05ID:K76g6Gz40
「むせる〜!」「むせる〜!」バトレイヴが終わるときにはルイーズたちは打ち解けていた
色んな事を話し合った、お互いの立場、仲間、お風呂の入浴剤…さらにいろいろ
ラーメンを食べてお土産を買ってMSを隠した所に戻ってきたときにはもう夜になっていた

あれ?なにあのMS?ってキュベレイ掘り起こされているじゃん!
胴体についてるのコクピット?こっち向いた!何あのきもいおやじは
「おめっネオジオンのパイロットだろ?」作業用MSゲゼに乗ったゲモン・バジャックが現れた
「おめっも連邦軍に売れば大金になるからな、こっちゃ来い」

「プルナイン!私のMSに乗って!あの変態叩き潰す!」
「プルナインって…」「あなたしかいないでしょ…私はルイーズなんだから」
「うん!」二人はどっかの瓦礫の穴に入り込んだ

「いっくよ〜」穴の上の瓦礫が突然盛り上がって爆発、中からZZイーグルが現れた
「てめえはああ…今度こそ叩き潰してやるっ1」ゲモンは本物のZZだと思っている
ゲモンはかつてジュドーに煮え湯を飲まされた、その恨みは忘れていなかったのだ

「だったら…!」ルイーズはプタハからもらったボイスチェンジャーをのどに当てる
「やい!そこのロリコン!このジュドーが今度こそてめえを完全にやーってやるぜっ!」
(たぶんこんな喋り方だったよね?)

「ジュドー!」ゲゼは棍棒を振り上げてZZイーグルに襲い掛かる
(よかった合ってたみたい)ZZイーグルはビームサーベルでゲゼの四本の腕を瞬時に切り落とす
「ギブアップせい!」とルイーズはジュドーの声ですごむも
ゲモンは「未だ闘いの幕は切って落とされただけだぁ〜」とゲゼを乗り捨ててどこかに消えた

「え…?」敵を見失って辺りをきょろきょろするZZイーグル…
次の瞬間、何かがZZイーグルの足をつかんで持ち上げ、地面に思いきりたたきつける
地面が盛り上がり巨大な人型の機械が現れた、コロニー作業用大型作業重機「キャトル」だ
キャトルは四本の腕でZZイーグルの四肢をつかむと空中に持ち上げた

「ワシのとっておきじゃ〜。これでとどめを刺してくれる〜」
「ちょ、ちょっとどこからドリルだしてるんだこのヘンタイアニメ!」
「ヘンタイアニメって何?」「プルナイン、それは後でゆっくり説明するから」

「もーダメー」とルイーズが思った瞬間、ZZイーグルの前からキャトルが吹き飛んだ
一緒に吹き飛んだZZイーグルが見上げると黒い巨大な人型が立っていた
「来ちゃったよ」「ルイーズ、怪我はない?」「…あとは任せとけ…ぶっ潰してやる」
「選手交代だ」ZZイーグルの前にサイコガンダムが立っていた
0524通常の名無しさんの3倍
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2020/07/21(火) 23:12:31.84ID:3yawlpJT0
サイコガンダムとキャトルが対峙している
行動停止になったZZイーグルのコクピットハッチが解放されてルイーズたちは戦いを見守っていた
がルイーズは何かに気が付いた「あのキャトル大きくない?」

キャトルは30mのはずだが今サイコガンダムの前にいるのは少なくても40mはある
「恐らくあいつはレプリカなんだろうね」アリダも敵の異様さに気が付いていた
少なくてもパワーだけで言うならあのキャトルみたいなのはZZイーグルより上なのだろう

少なくても共和国の技術ではこれは作れない。騎士精神を持つネオジオンでこんなものを作る意味がない
アナハイムかティターンズの技術支援…そんな単純な構図でもないだろう
鹵獲して解体しないと何も分からない

円陣はゆっくりサイコガンダムを前進させてキャトルとの間を詰めていく
突然キャトルが上昇すると真下のサイコガンダムに向かけて急降下
「ミノフスキークラフトか!」円陣はキャトルの下部ノズルをつかんで投げ飛ばすも
キャトルは綺麗に着地するとその勢いを利用してサイコガンダムにぶつかってきた

「プルナイン、今ならキュベレイに行けるよ、このまま脱出して」
キュベレイはZZイーグルの近くにあった。
「捕虜とかにしないの?」
「友達でしょ…これ持っていって、こんなものしかないけど」
ルイーズはプルナインにロボットのおもちゃを渡す、本当は地球の源八への土産に買っていたものだ
「ルイーズのこと忘れない、また会えたい」
そういうとプルナインはキュベレイに向かって走り出した
「…さよなら、プルナイン」

サイコガンダムは格闘戦用ではなく格闘に特化したキャトルに押されつつあった
拡散ビーム砲はコロニーの壁を破壊する恐れがあるため使うことが出来ないのだ
キャトルの4本の腕はサイコガンダムの両腕をつかんで地面に押さえつけようとしている
「この馬力は…ちょっと計算違いだったにゃ」アリダはまるで人ごとのように言う

この戦いをキュベレイ量産型は上空から見ていた
「ルイーズ、これは感謝の気持ちだから」とプルナインは言うとファンネルを起動させた
ファンネルは正確にキャトルの肩関節を攻撃した

「わからんがこれはチャンスということだろ!」円陣はサイコガンダムの腕を広げてキャトルの腕を引き抜く
キャトルは一度後退するが勢いをつけてサイコガンダムに再度突進してきた
「ビームピック起動!」つぐみの声に合わせて円陣はサイコガンダムに空手の型をさせた
「くらえ、地獄突き!」サイコガンダムの平手がキャトルの胴体を貫通する!
0525通常の名無しさんの3倍
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2020/07/22(水) 23:09:10.82ID:/D8i3fzD0
サイコガンダムの一撃でキャトルは行動停止になっていた

キャトルは突撃する前にゲモンは脱出したようでコクピットは空になっていた
シャングリラは犯罪者の温床になっているため裏社会に逃げられれば追跡は不可能だろう

レプリカキャトルというべきものはコロニーの連邦基地に運ばれて解体し調査されることになった
アリダがざっと見た限りではワンオフのパーツが多くメーカーを特定することは難しいらしい
更にコクピットからは脱出時にゲモンが持ち去ったのか記憶媒体が全部なくなっていた

ただ、ゲモンが乗っていたゲゼの記憶媒体はキャトルの戦闘中に忍び込んだルイーズが確保していた
これはソルベに持ち込んでアリダ自身が調べることになった
可能性は低いが特殊なOSが発見できるかもしれない、そこからメーカーを特定することもできるだろう

ルイーズの行動については不問となった
隣のコロニーまでキュベレイ量産型を追跡したが見失ったことについてどこにも問題は見当たらなかった
プルナインとの感応波通信を記録する方法はこの時代にはない

バタバタした2日間が過ぎた後重巡洋艦ソルベはサイド1を出港した
「ようやく落ち着いたねえ。ルイーズちゃんそろそろ出しておくれでないかい?」
アリダは妙に甘えた声を出してルイーズにすり寄っていた
「これでよかったの?この飛行機ロボ頭だけ変形できないけど」
「そうだよ〜これこれ、あれ?磁石でバラバラになるロボットは?」
「ごめんなさい見つからなかった」
「いいよ〜ん、この頭でっかちロボくんがいるから〜」

(そうかアリダの入れ知恵だったのか)
円陣はようやくルイーズがなぜあの時シャングリラに行きたいと言ったのか理解できた
(つうかアリダが買えよ)
とりあえず心の中で突っ込む円陣ではあった

一方母艦に戻ったプルナインは自分の部屋でルイーズからもらった磁石ロボを抱きしめていた
「よく見たらかわいい〜ってあれ?」
突然バラバラになる磁石ロボ、その中から記憶媒体が現れたので早速ビデオにかけてみる
「…なんなのこのアニメ…?なんで服脱いじゃうの…?」
このアニメが後にプル達にひと騒動起こすのだがそれはまた別の話である
0526通常の名無しさんの3倍
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2020/07/23(木) 10:23:04.43ID:ebM1+QpP0
サイド5「茨の園」

ノーリは元デラーズフリート所属である
彼は星の屑作戦終了時にネオジオンに回収されアクシズでネオジオンに参加した
「ここに帰ってくるのは何年ぶりだろうか…」

高濃度のミノフスキー粒子による通信障害下でここに来るように指定したのは
ハバロフスクで同乗したジオン共和国兵士である
他の戦闘艦にも共和国兵士がのりこみ同様の指示を出していた
いま茨の園にはノーリのチャンドラを始め10隻以上のエンドラ級戦闘艦が集結している

「反乱には好機だろうが神輿は誰になるんだ?」
もし神輿がろくでもない奴なら砲撃して沈めようかと思っていた
他の艦の艦長も同じ考えのはずである

突然ブリッジの前にキュベレイが現れた
ハマーン様?いや細部が違う、うわさで聞く量産型か?
キュベレイがブリッジから離れるとそこにはグワンバンが映っていた
「凝ってるな?いい演出だ」人心掌握のやり方としてもなかなかの粋である

レーザー通信でグワンバンから通信が入ってくる、恐らくはキュベレイ量産型がリレーになっているのだろう
「私はザビ家あってのジオンだと思っている」艦長ははっきり言った
ザビ家はネオジオンの行動の根っこであり
ミネバが偽物と知っているノーリ達にとってハマーンへの宣戦布告である
それを彼はたった一言で言い切ったことをノーリは評価した

「私はザビ家と言えど傍流に過ぎない、だがら本流のミネバ様を全力をもって探し出す」
モニターに映し出された画像に艦長たちはどよめき立った
ハマーンの取り巻き筆頭であるグレミー・トトだ
0527通常の名無しさんの3倍
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2020/07/23(木) 17:28:41.97ID:MvZ5go0e0
グレミーがザビ家の血筋を引いているという噂は昔からあった
しかし非嫡子であるグレミーはミネバという正統な後継者がいる以上傍流に過ぎず
ハマーンはいざという時のスペアとして取り巻きとして重用していたといわれてきた

才能は申し分ない
若いながら艦隊運用はタンジダン殿に勝り
それでいてマシュマーの配下になった時の献身的な姿勢
そして連邦より優れた強化人間プルシリーズの開発

「私達はは再びミネバ様の下でまとまる必要がある、ザビ家の正当な血筋こそが地球圏の混迷を救うのだ」
グレミーはあくまで陰に徹するつもりだ、まるで戦国時代の日本の武将石田三成のように
確かあの大合戦の結果は…ノーリは関ケ原の合戦のことを知らなかった

ノーリは神輿の大きさに満足した、この神輿なら大きな祭りを起こせるだろう
ザビ家という存在こそがスペースノイドとアースノイドの決定的な対立を起こすことが出来る
そうなれば今は消極的な共和国も全面的にアクシズを認めざるを得なくなるだろう


採決をとる必要もなかった
偽物のミネバという血統を無視したものに従わせようとしたハマーンについていく者はいなかった
すべての戦闘艦の艦長はグレミー支持を表明、事実上の反乱軍の決起となった
0528通常の名無しさんの3倍
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2020/07/24(金) 11:00:40.98ID:X0AyZ0P00
第15話「迷宮の星」
地球連邦政府がハマーン・カーンの動向をつかめなくなって数週間たっていた
シャトルに乗って大気圏脱出脱出後、戦艦に乗ってサイド3に向かったのは確かだが彼女はまだコア3に到着していないのだ

ジオン共和国はその多くが自治コロニーで構成されている
共和国は1年戦争後、駐屯した連邦軍がザビ家関係者を排除するうちに連邦政府に頭が上がらなくなっていた
繰り返される連邦軍の不祥事をもみ消していくうちに共和国政府は国民の支持を失っていった

連邦の介入を避けるためサイド3コロニーの多くは自治を表明して連邦軍を撤退させた
非武装など厳しい条件をのんだうえでの自治だが自治を得からしばらくして人の出入りを制限し始めた
連邦は役員をコロニーに送り込むことも出来ず情報が入らなくなっていった
自治コロニーはジオン共和国に対しても同じことを行い結果共和国は事実上の分裂状態になっていたのだ

アクシズの地球圏到着以降、連邦内部にはサイド3をネオジオンに禅譲することを主張する政治家は少なくなかった
それはサイド3が連邦が管理できない場所であり、ネオジオンに管理させることで国力を割くことが出来ると考えだった
自治コロニーの多くはジオニズムを信仰しないところが多く原理主義者というべきアクシズとは溝があった
ハマーンは自治コロニーを説得するため極秘行動をとっていると連邦は推測している

「もうジオニズムは過去になっちゃったんだね」とルイーズはつぶやいた
ある意味ネオジオンの科学の結晶である彼女にとってはその現実は厳しいものはある
ノーリ隊長をはじめ多くの仲間がまだその思想を信じてネオジオンで戦っている

「そろそろ…解放しなくちゃね」とつぐみは明るく振舞った
ネオジオンとの戦いで彼女は横須賀基地の多くの仲間を失っていた
ルイーズと仲良くなってよかったと思っている
自分が戦うべきなのは人でなく人をそのように仕向けるシステムなのだと今は考えている

円陣は悩まない、悩めばその隙をクローズ隊長はついてくる、隙を見せるわけにはいかない
そうすることがレナエルに報いることなのだと信じている

アリダは自分の故郷に帰ってきたのになぜかブルーになっていた
「え、えへへ、あいつらいるのかな…ど…どうしよう…」

円陣たちが乗るアレキサンドリア級重巡洋艦「ソルベ」はグラナダに到着しようとしていた
0530通常の名無しさんの3倍
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2020/07/24(金) 22:14:59.31ID:X0AyZ0P00
グラナダには既に多くのエウーゴ・連邦連合艦隊の艦艇が着艦していた
円陣たちは一時休息のためソルベを降りるがそこにはNTMS部隊のパイロットが待っていた
ルイーズは知っていた。ダークフィールド作戦で見た仮面の男(>>499)だ
複座のMS,プロトZZに乗っている。隣にいるのはサブパイロットの女性だろう
その仮面が問いかけてきた「整備子…じゃなくてアリダ・セルピコはいませんか」
「あれそういえば…」さっきまで彼女と話していたつぐみがキョロキョロする

そのころアリダはグラナダ市内を電動スクーターを猛スピードで飛ばしていた
「うん…ぼくはこのデータを知らべに行くんだからね、逃げてなんかないよ…」
言葉と裏腹に顔は完全に動揺していた、いつもの冷静沈着な彼女はそこにいない

スクーターにはゲゼの記憶媒体(>>525)が積まれていた
アリダはアナハイムの関連会社で分析するつもりなのだから行動自体は間違いではない
しかしパニくってたのは事実でそのため彼女はある見落としをしていたことに気が付いていなかった

ガネシャ艦長はブリッジで艦長日誌をつけていると後ろから話しかけられた
「お前生きていたのか」…懐かしい声?まさか
「生きていたのかライジング」ティターンズの同期だったライジング・ボード(>>471)がそこにいた

「お前の部隊、ベトナムで全滅したと聞いてたぞ」
「ハノイを落とされたりと苦しめられたがエウーゴが救援してくれてな」
「エウーゴだと?」
「ああ、彼らの後添えで俺は此処で新しく作られた軍艦に乗ることが出来るというわけだ」
信じられない…と思ったがソルベが罪に問われず連合艦隊に加わることが出来たのも不思議ではある

「エウーゴや連邦から独立した組織を作ろうとする流れがある。俺たちはそこに拾われたのだろうな」
「だれがやっているんだそれを?」
「さあ、一説にはエウーゴの代表の一人であるブライト・ノア「ではないかと言われているがな」

アリダは外部のことに目を振らずに記憶媒体の解析を行っていた
「さすがはぼく、OSの解析なんか簡単だよ、メーカーの特定ももうすぐっと」
OSの癖から制作会社が解析されモニターに映し出される
「〇〇社か…どこかで見たな…」そこまで言って彼女ははっとした
「ここの会社じゃーん!」
「ご名答」後ろを振り返ると複数の会社員が立っていた、真ん中は社長だっけ?
「ひえええええ〜!」アリダの悲鳴はあっという間にかき消された
0531通常の名無しさんの3倍
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2020/07/25(土) 22:22:05.14ID:aqhm7FRP0
アリダが目覚めたのはグラナダの天蓋部であった
天蓋には宇宙放射線を遮断する目的で大量の海水が貯水されていてそこでは鯨が養殖されてる
「どうしてこんなところに」なんて聞こうとしたがやめた
海に投げ込まれて鯨の餌というのが私の運命らしい、とアリダは思った

「慈善事業でOSをあげました、なんて誰も信じませんよ?」
アリダはさすがにこんなところまで虚勢を張る自分の性格を恨めしく思った
「OSは社長さんの関連企業の商品によくマッチするようにできていましたよね」
社長の手が若干震えるのをアリダは見落とさなかった
「あとジオン系にも相性いいよね、これがあったらジオンのMSすごくアップデイトできそう」
遠回しに、社長はジオン残党に手を貸す違法行為に行っているとアリダは指摘した
社長は滝のように流れ出した汗をぬぐいながら銃をアリダに向けた

「でもその行為あなた一人の考えかな〜?アナハイムにはジオン系のネットワークがあるという話だけど」
一年戦争後アナハイムはジオン系の科学者を取り込みその結果水面下でネットワークができた

「我々の名は〈エンゼル〉堕落した共和国に代わりジオニズムを布教するものだ」
「何をいまさらジオニズムなんですか?」
「この星は人間が多すぎる。ザビ家こそが奇跡を起こして人口爆発を防ぐことが出来るのだ」
ザビ家…人口爆発を防ぐ…まさかコロニー落としの事か
源八がダブリンの被害を減らすためにどんなことになったか、こいつは知らないんだ

「ザビ家のせいで地球の環境は壊滅的だ。これ以上コロニーを落とせば地球は滅ぶんだぞ」
「何千年養生すれば地球は元の綺麗な星になる」
「絶滅した動植物は帰ってこない、彼らの力が必要なのに彼らのいない地球が再生するものか」

スペースノイドは地球の生態系の複雑さを理解できない
だからスペースノイドの自然主義者が生態系を破壊するコロニー落としを支持する矛盾が起きる
論破された社長はうなだれすごく小さなうなり声を上げる

やばい、こんなこと言ううんじゃなかった
三回回ってワンとか土下座とか靴をなめるとかしてでも相手の機嫌を取るべきだった
突然「ザビ家のために!」と大声で叫んで社長が銃の照準を向ける
「ひえええええ〜!」しかし社長の銃は突然弾き飛ばされる

「しかし人質が犯人恫喝するのは初めて見たな」
声の方には拳銃を持った円陣がいた
0532通常の名無しさんの3倍
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2020/07/27(月) 22:49:13.30ID:n5Gk10+D0
円陣が社長を取り押さえるなか、ほかの社員は仮面の男が一人で制圧していた
仮面の男の相方はアリダを縛っていたロープをほどいていた
「もう、あなたはいつもこれね、周りを見てくれないというか…」
相方はアリダの過去を知っているようだった

「そうだけどそれがいいところでもあるからな」
仮面の男は鉄パイプで襲ってくる男をアッパーでKOしながら言った
「ごめんみょ」もごもごした口調でアリダは誤る
「君たちのMSちゃんと完成できなかったんだ」

「どうせパワーアップしたら危なくて乗れなくなったとかいうパターンなんでしょ」と相方
「俺たちも昔に比べたらタフになったんだから任せろよ」と仮面の男
「うん…」半泣きのアリダはまるで子供のような声を出した

突然振動と爆発音、上を見るとグラナダの天蓋の上をネオジオンのMAが飛んでいた
ガザC,D,E、さらに未確認機もいるだろうか、かなりの数が押し寄せている、
つぐみが通報した警察が到着して会社員を逮捕しているのを確認してから円陣たちは格納庫に向かう

「俺たちのMSはちょっと離れすぎているな」と仮面の男が相方と顔を見合わせる
「…近くにあれがあるよ」アリダは円陣たちが向かった方向に指をさす

グラナダ周辺ではヌーベルGM3部隊が応戦していたもののじりじり押されていた
ZZイーグルに乗っ手出撃したルイーズに3機のMAが接近していた
恐らくはジャルム・フィンだろう、アクシズで試作を見たことがある
三機同時に攻撃、のはずがタイミングはずれ、その補正もうまくいっていない
ミノフスキー濃度が異常に高い状況ではフォーメーションがうまく取れないようだ

フォーメーションのほつれた部分から相手の背後にZZイーグルは回り込んだ
射撃ポジションについて反撃、と思った瞬間別の方向から別の敵の気配を感じ回避行動をとる
回避したZZイーグルの目の前を巨大なMAが通りすぎる、ビグロだ
ルイーズはこの気配を知っていた、かつてバイコヌール連邦基地で感じたあの気配だ
「ミレディがやってきたのか」
0533通常の名無しさんの3倍
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2020/07/28(火) 22:35:22.90ID:YHoYgGoj0
ビグロは1年戦争の機体ながら機動性が0088年現代のMSに比べても高く
強化人間のミレディが乗ることで連邦の新型機と互角以上の戦いをしていた
連邦最強の部類に入るZZイーグルが相手でも全く引けを取らない

「おかしい、こんなことって…」ルイーズは違和感を感じていた
気配をつかむことは出来てもなぜかミレディの思考が読むことが出来ないのである
そのためミレディに先手を打つことが出来ない
こうなると射程距離のある武器が多いビグロのほうがZZイーグルより有利に立つことが出来る
攻撃を避けつつルイーズは打開策を考えたが思いつかない

グラナダの格納庫ではアリダが仮面の男と相方に一台のMSを紹介していた
「これだよ。ハイパーZZとぼくは呼んでるけど」
仮面の男が手を差し出すとハイパーZZの目が光る
「残しておいてくれたんだ」相方が優しい目でアリダを見る
「あったり前だろ、このMS にサイコミュ残さないと何やってるかわからないよ」
「元気が出てきたな、任せろ大活躍させてやるから」
仮面の男と相方はアリダに笑顔を見せるとハイパーZZに乗り込んだ

ハイパーZZが月面をまるで白鳥が優雅に舞うように飛ぶ
瞬く間に数機のガザシリーズを撃墜、それはアリダの懸念を完全に払しょくした
「おまえら、やってくれるじゃないか…何だよう、心配したぼくが滑稽だよ」
アリダは泣いていた、自分が作ったMSのせいで源八はダメージを受けてしまった
その失敗が繰り返されるのを恐れていた、が今ようやくその思いが消えようとしていた

「さてと一緒に行こうか」アリダの後ろから円陣がささやく
「そうそうトラブルが起こったら近くで見ないとね」つぐみもいる
振り返ったアリダの前に円陣とつぐみが手を重ねていた
「さ、手を乗せて」とつぐみ
「ぼ、ぼくは体育会系があれというか根性があれというか」とアリダ
「深く考えるなよ、考えすぎると置けなくなるから」円陣は気をほぐしてくれた
三人の手が重なる「行くぞ、サイコガンダム!」
0534通常の名無しさんの3倍
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2020/07/29(水) 21:59:20.16ID:RbNJOrdi0
月面上に現れたサイコガンダムは拡散ビーム砲で敵MSに砲撃を始める
ネオジオンの目標はグラナダの艦艇用ハッチだったがサイコガンダムがガードしたため
パワーバランスが変わり、連邦が有利になっていった

「少し試させてもらうわ」ミレディのビグロがZZイーグルを振り切ってサイコガンダムに戦いを挑む
…が進路をふさぐように一体のMSがビグロの前に現れた、ハイパーZZだ
「一体いくらZZタイプが出てくるのかしら?」
ビグロはミサイルを連射するがハイパーZZはすべてビームサーベルで受け止める
「なら!」クローを突き出すと相手は真っ二つに…いや分離した
分離したハイパーZZはビグロの後ろで再合体するとビームライフルを発射した
回避行動に失敗したビグロは姿勢制御ノズルの一つを破壊される

追撃しようとしたハイパーZZだが突然月の地平線上で大爆発が起きる
そして信号弾「ここで撤退するのですね」ミレディも撤退の信号弾を発射する
MA隊は撤退を開始しネオジオンのグラナダ基地攻撃は失敗した


「まさか、こっちが本命だったとはな」グラナダ基地から30q離れたクレータに円陣たちはいた
ここにはアリダを誘拐した社長の秘密工場があった
この秘密工場でOSや関連機器を作りジオン残党などに横流ししていたのだそうだ
もう残骸となった今では検証のしようもない

アリダはそこで巨大なMSの足跡をみつける
「サイコガンダムmark2のだろうね。多分こいつ一機だけで全部破壊したんだ」
円陣は南アルプスで奪われたサイコガンダムmark2の事を思い出していた
「…ナイトロは元々サイコガンダムを操縦するために作られたデバイスだよ」
アリダが婉曲的に何を伝えたかったか円陣にはすぐにわかった
(このサイコガンダムmark2はクロード隊長が操縦しているというのか…)
0535通常の名無しさんの3倍
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2020/07/30(木) 23:39:26.34ID:CfyYlrIu0
第16話「サイド3からの呼び声」
サイド3ではネオジオンが内紛を起こしていた
要塞化したコロニー「コア3」に陣するハマーン派に対し
反乱を企てたグレミー派はアクシズを占領して立てこもり両者の間で戦闘が始まっていた

月のエウーゴ連邦連合艦隊はこの機を利用するかどうかで意見が割れていた
そんな時に「連邦はハマーン側についてグレミーのみを敵にする」との怪文書が出回ったのだ
アナハイムにザビ家信仰者がいてジオン残党に武器を回していたのが明らかになったタイミングである
「連邦内にもザビ家信仰者がいるのではないか?」エウーゴ幹部からこんな意見が出て、会議は紛糾した
エウーゴも元ジオン兵がいることを連邦は主張し始め、互いに非難合戦になっていたのだった

「時がたてばザビの悪行をまるで神事のように美化する人間は増えてくる」
「それを防ぐのがティターンズであったはずがミイラ取りがミイラになってしまった」
「我々に罪滅ぼしの機会を与えてはいただけませんでしょうか。あとで罪に問われても構いません」
元ティターンズのガネシャ艦長とライジング艦長はエウーゴの幹部ブライト艦長に掛け合っていた

彼より上の階級は官僚的な人間で役に立たず、ブライト艦長は事実上の艦隊司令になっていた
「駄目だ。今誰が独りよがりな行動をしても連合艦隊は瓦解する。それが敵の目的だろう」
言葉が重い。この男に我々は負けたのは必然だなと元ティターンズの艦長たちは思った
「いつでも艦を動かせるように用意してくれ。時は必ず来る」
何か手を打っているようだ、時は近いのか?両艦長はすぐに発進の用意をとるため部屋を退室した

グラナダ周辺ではハイパーZZとZZイーグルが周辺の地形測定を行っていた
「これで計画の90% 終了、リアルタイム通信も問題なし」とルイーズ
「あと10%続けていきましょう。急いだほうがいいですし」とハイパーZZ の相方が接触通信でZZイーグルに伝える
仮面の男は上を見上げていた、その方向にはサイド3がある

グラナダ基地の作戦室ではアリダがZZ隊からレーザー通信で送られた情報から3D地図が作られ画面上に表示されていた
横の画面では依然作られた3D地図が表示され2つの画面は比較できるようになっていた
ブライト艦長が作戦室に入ってくる「地形の変化はどうなっている」
「艦長の予想通りになっていますね。あと5%ほどで地図は完成しますみょ」
「みょ?」ブライト艦長の言葉にアリダは思わず口を手でふさいだ
0536通常の名無しさんの3倍
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2020/07/31(金) 23:13:24.06ID:04xp7G7v0
「貴様らは何をするつもりなのか」作戦室に本来の連合艦隊の総司令官が入ってきた
「ネオジオンの再攻撃をどう迎撃すべきかプランを練っていたところです」
ブライト艦長は落ち着いた表情で総司令官を見るが総司令案はそれが気に入らなかったようだ
「それは本来首脳部の仕事のはず、君は持ち場所に戻り給え」
慇懃無礼な言葉だがブライト艦長は意にしない
「わかりました。艦に戻りチェックを行います」
「ぼ…私もサイコガンダムに戻りチェックを行います」
ブライト艦長に続きアリダも部屋を後にする

ブライト艦長は部屋を出るときドアの近くにいるウォン・リーに目配せをした
(わかっている)ウォンはアイコンタクトをブライト艦長に返す
ルイーズの席には雑賀さやかが座る「私が後を引き継ぎます」

サイコガンダムのコクピットにアリダが帰って来たのは5分後の事であった
「マップは完成してレーザー通信でNTMS部隊とZZ隊、GM3隊にはデータを送くりました」
と最小限の情報伝達した後、「はぁ〜」と大きなため息をついた
「ようやくぼくって使えるよ」

地図作成を終了させたZZ隊は次の作戦行動に移っていた
「反応はつかんでいるな?あぶりだすぞ」仮面の男はハイパーZZを所定の場所にホバリングさせる
「了解。用意はできてます」ルイーズのZZイーグルの頭部も光っている
「当てるなよ、撃て」二機のZZがハイメガキャノンを月面のクレーターに発車する
月の砂、レゴリスが巻き上げられエンドラ級戦闘艦が2隻姿を現した

「対空砲火を密にして敵MSを排除せよ」2隻のエンドラ級戦闘艦は上昇し次々とMSを発進させる
「あいつら引っかかりおって」ノーリはチャンドラも上昇させ支援攻撃を行う
戦闘艦から発艦したガザ部隊はグラナダ前面に展開したヌーベルGM3部隊と戦闘に入る

サイコガンダムとNTMS部隊はグラナダを挟んでその反対側に待機していた
「来るぞ」月の砂を上げてドワッジとザクディザートが姿を見せる
地球の砂漠用MSを月で使い、砂に隠れる奇策もブライト艦長は予測していた
3Dマップで不自然な砂の隆起が複数あることが判明し、その予想は裏付けられたのだ

「10分後に全館出撃する」ブライト艦長は全艦艇に発令した
そして連合艦隊用に特設されたグラナダの艦艇用ゲートが開く
0537通常の名無しさんの3倍
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2020/08/01(土) 10:58:30.48ID:HhZ2/DEa0
既に三隻のエンドラ級はすべての砲身が切り落とされ砲撃不能になっていた
本来はドワッジやザクディザートで奇襲を行い連邦のMS隊が迎撃している間に
反対側から砲撃を加えて連合艦隊に大ダメージを与えるはずが連邦から先制攻撃されたため
体勢を立て直す前に逆に大ダメージを受けてしまったのだ

「ふん!」チャンドラのノーリ隊長は強気だった
「構わん、攻撃を続行しろ、チャンドラに残った戦力もすべて出せ」
チャンドラから撤退用の殿として待機させていたガ・ゾウムが全機発進する
更に信号弾を2発撃ちあげるように指示を出す「連邦を月に沈めるのだ」

反対側ではサイコガンダムを始めNTMS部隊が敵戦力の大半を掃討していた
「大角隊はヌーベルGM3の支援に反対側に回るがいいか?」
「了解。健闘を祈る」
ここまでは打ち合わせ通りの行動であった。わざと戦力の薄いところを作るのだ
「………さあ、隙は作ったぞ次の手を打ってこい」円陣は此処が最前線になると確信していた

ルイーズのZZイーグルはチャンドラ周辺でミレディのビグロと交戦していた
「思考が読めないよ。どうすればいいの」前の闘いと同じように後手後手に回っていた
(ニュータイプの力だけが相手の心を読む力じゃない)仮面の男が感応波で語りかける
(相手のしぐさ、くせ、状況…それらを組み合わせれば自然と相手の考えが見えてくる)

ルイーズはふと円陣やつぐみの事を思い出していた
彼らはニュータイプじゃない、だけど自分の顔を見て一緒に笑って心に寄り添ってくれる
それが今の自分にどれだけ力を与えてくれたか…!

「行くよミレディ」ルイーズはZZイーグルで正面からビグロに突っ込んでいく
ミレディ…たぶんあなたは何らかの技術で感応波を遮断できるように強化された人間なんだろう
でも人間ならどこかで分かり合える、敵対や協調…そんなものよりもっと深いところで
戦場でこんなこと言うのはおかしなことだけど…でもあなたのことが知りたい

最初はビグロに押されていたZZイーグルだったが接近戦を嫌がるミレディの癖を見つけたルイーズは
積極的に接近戦を開始、徐々に体勢を押し返しドッグファイトでビグロの背中をとる
ビームライフルを間一髪でかわすものの徐々にビグロはZZイーグルに押され始めていた
「悟ったのかもしれませんね、動きに無駄がない…」
ビグロは加速するとZZイーグルを置き去りにして戦闘領域から離れざるを得なかった
「私にはほかにやるべきことがありますので…」
0538通常の名無しさんの3倍
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2020/08/01(土) 16:47:34.42ID:FBJLlJby0
グラナダの艦艇用ゲートはすでに半分開いている
敵にとってこれほどの好機はない
サイコガンダムは高空からの攻撃に対して迎撃態勢をとっていた

奴らは来た
ブースターを付けたジャルム・フィン3機
一撃離脱するつもりはないのでは?と思える速度で突入してくる

「おそらく1機はこちらをけん制するはずだ。でもあいつらのビームはこっちには通じない」
アリダは3機の軌道計算をしながらガンナーのつぐみに説明する
「けん制するのは軌道が異なるはずだ。だから判明したらすぐに攻撃してくれ」

「嘘だろ…」アリダは自分の考えの甘さを後悔した
3機とも同じ、つまり全機ゲートを攻撃するコースをとっていた
こんな攻撃したら何機かは生還できない、これがザビ家信仰のなせる業なのか?

「つぐ…」「3機ともデータを頂戴、同時に攻撃します」つぐみはすでに準備を始めていた
「増設された小型拡散ビーム砲を連動させて3つ目の標的を狙います」
残された時間はない、アリダがデータを転送すると同時につぐみは砲撃を開始する

半分開いたゲートから重巡洋艦ソルベのガネシャ艦長は見ていた
こちらを狙っていた3機のMAが同時に撃墜されるのを
0539通常の名無しさんの3倍
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2020/08/01(土) 22:54:12.52ID:HhZ2/DEa0
「あいつらやるものだな」
重巡洋艦ソルベのガネシャ艦長はサイコガンダムの戦闘力に改めて感心する
強化人間が乗らない機体がこんなに頼れるものだったとは…

サイコガンダムがジャルム・フィンの急降下攻撃を防いだことで連合艦隊の士気は上がっていた
「ここで一気に行くぞ」ブライト艦長の掛け声のもとゲートは全開し艦艇が次々に出撃する
先鋒をとるのは元ティターンズの重巡洋艦ソルベとロンバルディア級空母エミリア
月面上に展開しているエンドラ級にむけて前進することで後続の連邦艦隊を守る壁になろうとしていた
反対側はサイコガンダムを始めとするNTMS部隊がほぼ撃退していた
戦況を考えれば現状は安定こそしている状態だが急いで出撃すべき状況である、しかし…

「この出撃を停止せよ」突然連合艦隊の全ての艦に大声が響き渡った
作戦室では連邦の総司令官が怒り心頭になっていた
サイド3の状況が分からないのに発進した場合、その責任が自分にかかるのを恐れていたのである
横では取り付く島もとれなかったのか、ウィン・リーがあきれ顔をしている

この一言で艦隊の出撃が止まってしまった
「何をやっている、これではいい的だぞ」エミリアのライジング艦長は不安を隠せない
ガネシャ艦長は覚悟を決めたのかさらなる前進を操舵士に指示していた
「少しでも時間を稼ぐぞ、こんな状態が続くはずはないからな」

ブライト艦長は発進を促すものの連邦の艦長が委縮してしまい連合艦隊の足並みがそろわず艦隊が動かない
ネオジオンが内戦を起こした今こそハマーンやグレミーを撃つ最大のチャンスなのは明らかなのに
れを官僚の都合だけで潰されてしまうのか…
(すまない、ジュドー)ブライトは心の中でジュドーに詫びた
彼はいま、サイド3でほとんど援護のないまま孤軍奮闘しているはずなのだ…

サイコガンダムの円陣たちもこの異常な状況に何もできなかった
そこにレーザー通信が入ってくる「…所詮は官僚だな。いつまでたっても自分だけがかわいいか」
別のレーザー通信が割って入る、ルイーズだ「円陣上を見ろ、敵だ」
ミノフスキー粒子が異常濃度である現状では巨大な物体が飛んできてもレーダーでは感知できない
サイコガンダムが顔を上げるとそこにはサイコガンダムと同じ大きさのMSが降下してくるのが見えた


サイコガンダムmark2が現れた
0541通常の名無しさんの3倍
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2020/08/02(日) 09:49:57.76ID:ab0PK0y/0
「サイコガンダム、敵のサイコガンダムmark2と交戦開始」
この報を聞いたブライト艦長はざわめきだった
カミーユやジュドーの用か強力なNT能力者が近くにいない今mark2を止める者はいない
例ええこちらにサイコガンダムがあったとしても

「さすがは新型、ビームもIフィールドも段違いだにゃ、こりゃ」
<Iフィールド73%消失復元まで30秒>の表示を見てアリダがため息をつく
つぐみは収束モードで拡散ビーム砲を発射するもの相手のIフィールドに阻まれ命中しない
機体は違うけど自分たちの乗っているサイコガンダムはこんなに強力なものなのかと思うしかなかった

「つぐみちゃんシールドを狙って、円陣は接近して格闘戦、底力ならこっちが上!」
アリダは指示はしたものの、その指示が半ば実現不可能なのは解っていた
敵はリクレクタービットをつかってこちらのIフィールドそのものを消失させようとしている
その前に相手にたどり着く可能性はほとんどない

「最後の最後で女神はこちらにほほ笑んだな」ノーリは勝利を確信していた
サイコガンダムmark2内のネイルはナイトロによる催眠状態で敵のNTの影響を受けない
そして円陣を倒した時、ネイルはさらなる覚醒を起こすことになるだろう
それこそがネオジオン最強のニュータイプ、ハマーン・カーンに対する最強の兵器になるのだ

「ここで発進できなければネオジオンを叩くことは出来なくなります」
ブライト艦長は総司令官に食い下がっていた。しかし総司令官は聞き入れない
「君の怒りは一時のものだよ。そんなもののために連合艦隊を危険にさらすわけにはいかん」
言葉はそれらしく聞こえるが結局は官僚の自己保身から出た言葉に過ぎない
「もう一度言うぞ。今の君の怒りは一時的なものだ!そんなものは理由には…」

(その君の勘から発した、君の怒りと苛立ちは理由になる…!)

「誰だ!誰が喋っているんだ!」総司令官は周りを見渡すが誰もいない
その声は近くにいたウォン・リーや雑賀さやかにも聞こえていた
さやかからマイクを奪ったウォン・リーはブライト艦長に語り掛ける
「あいつの声だな!あいつ立ち直ったのだな」
「そうだ、あの声はカミーユ・ビダンだ」
0542通常の名無しさんの3倍
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2020/08/03(月) 22:40:03.24ID:6x7FeMyl0
第17話「混沌の海の中で」
ノースウッド仮設医療施設では源八の治療が行われている
サイコミュ作動内での事故で意識を失った源八を治療するために
ミノフスキー干渉実験のために建設された試作サイコミュ装置を使い精神へ働きかけていたのだった

カミーユはそのサイコミュを使ってジュドーに自分の言葉を送っていたのだ
しかし病み上がりのカミーユだけではその言葉は弱い
隣で支えるファもまたジュドーに言葉を贈る
「カミーユはね、誰に命令されたわけでもないのに戦ったのよ… 世界を救えると信じてね」

ダークフィールド作戦で地球圏は未だ高濃度のミノフスキー粒子が滞在していた
ノーズウッドのサイコミュはカミーユたちの感応波を増長して地球圏に放射していった
カミーユとファの言葉は月の連合艦隊の艦長達にも伝わっていたのである

同時に艦長にはサイド3の戦いが伝わっていたのだ
サイド3のジオン共和国軍が戦闘の拡大を抑えるためにネオジオンに対峙するも瞬く間に鎮圧される
次々に破壊されるムサイ改やチベ改、そして搭載されたMS達
彼らの悲鳴が無念が次々と艦長たちの心の中に流れ込んでくる

「…俺たちは行くべきだ。助けに行けなくて何の連合艦隊か!」
何人かの艦長は異口同音につぶやいた、そして発進プロセスの再開を命令する
停滞していた連邦の艦艇は動き始め連合艦隊は再び上昇を開始した

「お前たち俺の命令に逆らうのか、お前たちはぐ」
プチッ!総司令官の恨みのこもった通信は雑賀さやかに断ち切られた
「お前まで俺に…俺に…!」見境のつかなくなった総司令官のこぶしがさやかを襲う

ガンッ!「ウォンさん…」間に入ったウォン・リーが頬でこぶしを受け止めていた
ウォン・リーはまるで何ともなかったかのように総司令官をにらみつける
「こんなものか、ジャンク屋の少年はもっとパンチ力があったぞ」
全て終わったと感じた総司令官はしりもちをついて口を震えさせていた
「安心しろ。成功したら1/10ぐらいはあんたの功績にしてやるよ」

「はー年だね〜」今頃パンチが効いたのかよろめくウォン・リー
さやかに支えられながらサイド3のほうに見上げて語り掛けるように言った
「ジュドー、後は任せるぜ。遅すぎるとは思うが大人じゃこれが精いっぱいだ」
0543通常の名無しさんの3倍
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2020/08/04(火) 22:24:32.19ID:QoXn1qnl0
サイド3やグラナダ…少なくても15以上のサイコミュが月の裏側で起動していた
カミーユの感応波をきっかけに複数のサイコミュが干渉しあい機能が低下していく

サイコガンダムのサイコミュも異常を示していた
円陣たちNTでない人たちの乗るサイコガンダムの場合、サイコミュは他の機器から遮断されているから影響はない
しかしmark2に押されている現状は変わらない、そんな折ルイーズからレーザー通信が入る
「ハイパーZZにトラブルが起こっているって、なんか対策ない?」
ハイパーZZにもサイコミュが積まれていたな…もしかして?アリダは気が付いた
「ルイーズちゃん、ハイパーZZのサイコミュを切るように言ってみょ」

サイコガンダムのIフィールドはmark2の攻撃で90%消滅していた
もう時間はない、アリダは賭けに出た「スラスター全開でmark2に体当たりして!急いで!」
サイコガンダムは盾を前に出して全速力でmark2に突っ込んでいく
「Iフィールド消滅しちゃう!」アリダの言葉と共にシールドが溶け始める

次の瞬間サイコガンダムmark2のビーム攻撃が停止した
「やはりあっちのサイコミュもダメージはあった!」
サイコガンダムが突撃する瞬間アリダはサイコミュを強制終了させた
干渉しあっていたmark2のサイコミュも影響を受けてフリーズしてしまったのだ

「このっ!」円陣の叫びと共にサイコガンダムは半分溶けたシールドごとmark2を弾き飛ばす
150m飛ばされたサイコガンダムmark2はひっくり返った状態で立ち上がるそぶりを見せない
「Iフィールド、100%回復確認、円陣悪いけどまずmark2を無力化するよ」
動かないように見えてもmark2は脅威である、円陣はmark2にクロード隊長が乗っている可能性をあえて無視した
円陣は隙を見せないように接近し、つぐみはフィンガービームで立て続けに攻撃する
周囲のMSも攻撃に参加し、徐々にmark2のIフィールドは弱体化しているのが目に見えて分かった

しかしサイコガンダムの周囲で突然ミサイルの爆発が起こった
「そろそろお開きにしませんか?」ミレディのビグロが高速でこっちに向かってくる
更にビグロはメガ粒子砲でサイコガンダムを攻撃
サイコガンダムはIフィールドで防ぐものの攻撃が途切れてしまいその隙にビグロはmark2を回収する
「殿方らの好意に感謝しますわ、また会いましょう」
ミレディはこう言うとビグロはmark2と共に高スピードで戦闘空域から離脱していった

「mark2のデータだけが戦果だな」
ノーリ隊長はmark2の回収を確認すると戦闘艦に撤退を指示、ネオジオンの2度目のグラナダ強襲も失敗に終わった
「グレミーはやられてしまったか。まあいい。新しい神輿はすでに見つかっている」
0544通常の名無しさんの3倍
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2020/08/05(水) 22:53:07.27ID:vE7M9eLZ0
月に展開しているサイコミュがすべて停止したことで地球やサイド3からの「声」は届かなくなっていた
ZZイーグルは頭を上げサイド3の方向を向いているように見えた
コクピットの中のルイーズは小さな声で「姉さん」と呟いたがその声はサイド3に届くことはない

グラナダから発進したエウーゴ連邦連合艦隊は月軌道上に体系を整えつつある
サラミス改「ロザン」のブライト艦長は最後に届いたジュドーの声を思い出していた
(…人類全体がやり直さなければならないんだ!…)
「…俺たちは何をやっていたんだろうな。すべてをあの子たちに背負わせてしまった…」

サイコガンダムは索敵活動をするため月面上に残っていた
「円陣、本当はクロード隊長を助けたかった?」戦闘が一息ついたのタイミングでつぐみが喋ってきた
横でアリダがそわそわしていた(あそこで後回ししたの怒っていないかな…)
アリダが本当は言うべきだがなかなか言わなくて気持ちを汲んだつぐみが代わりに聞いたのだった
「あのアリダの判断は間違ってないよ」つぐみの意図を察した円陣は優しく答えた
はあ助かった…アリダはほっと胸をなでおろす

「また会えると思う?」つぐみはちょっと意地悪な質問をする
「会うさ。サイド3で会えないとしても」円陣は率直に答えた
グレミーが倒された今、グレミー派のノーリがサイド3に向かうとは思えない
でも何もしないであのノーリが逃亡するとは今の円陣にはとても思えなかった

敵の撤収が確認されNTMS部隊に帰還命令が出る
「…そちらに着艦ですか」部隊長の大角は戸惑った
指示されたのは母艦である重巡洋艦のソルベでなく新造空母のエミリアである
エミリアのカタパルトに着艦した大角のZZ量産型は眼下にソルベが着底しているのを見た
砲塔は外れカタパルトは複数のビームが着弾した形跡があった
推進装置も損傷したらしく爆発の影響を避けるべく艦隊の発進港から離れた月面に着陸していた

「後を頼むぞライジング」ソルベのブリッジではガネシャ艦長がエミリアを見上げている
「何を言うか名誉挽回のチャンスなのだろう?お前はそれをふいにするのか?」
「ほかにやらないといけないことが出来たんだよ…総司令官は同期でなあいつを慰めないといけない」
「あんな朴念仁ほっとけよ」
「そういうな。あいつは孤立無援であいつなりに必死だったんだよ。その気持ちは汲まないといかん」
「お前というやつは…いつもそうやって貧乏くじを」
ライジングは一息ついてから気持ちを切り替えた
「わかった、お前の代わりと思ってあいつらは連れて行く。お前も必ず来いよ」
「ああ」ガネシャ艦長はエミリアに対して敬礼をした
ライジングはソルベが先行したおかげでエミリアはほとんど損害を受けなかったのを知っている
だがそのことは口にしなかった、すればガネシャ艦長の好意が無駄になる
「おまえの想い、連れて行くからな」ライジング艦長もソルベに向かって敬礼をした
0545通常の名無しさんの3倍
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2020/08/06(木) 19:23:12.18ID:QLVxv1kS0
「これどうするつもりなんだ?」
月面から回収したのは自分たちだが仮面の男は不思議そうにアリダに聞いた
空母エミリアの格納庫にはサイコガンダムmark2のシールドが置かれている
「これにはね、サイコガンダムのにはついていないミノフスキークラフトがセットされているんだ
…これを改造してね…ってどうして元に戻しちゃったの?」
アリダは仮面の男が乗っていたのが提供したハイパーZZでなくプロトZZだったのに気が付いた

ようやく気が付いたかと少し笑いながら仮面の男が言う
「ハイパーに乗って気が付いたんだけど、お前手を抜いてただろ?」
「手を抜いたということはないんだけどそれは…」
「確かにあれ以上強化されたら私たちの手に余るわね」相方さんも話に加わる
「でもそれはあなたらしくない。あなたならとことんパワーアップさせないとね」
反論しようとしたアリダだったが先に仮面の男がやんわりと言った
「そうだ。俺たちが乗れなくなったらもっとすごいパイロットを推薦するよ。だから躊躇せず突っ走れよ」
「…ありがと」…ふと昔の二人を思い出して少し涙ぐむアリダであった

ハイパーZZはグラナダに秘匿され皮肉にもそれが後の「ガンダム狩り」から生き残ることになるのはまた別の話である
0547通常の名無しさんの3倍
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2020/08/06(木) 19:57:57.27ID:QLVxv1kS0
戦闘艦チャンドラはすでに月軌道を離れ茨の園に向かっている
すでにそこにはサイド1・2・6に展開していたネオジオン艦隊が集結しつつあった
コロニーから徹底したのを知れば連邦はまた連合艦隊を分割してコロニーの警護に当たるだろう
しかしコロニーの人間はもう連邦を信じることはない
ハマーン・カーンは戦争こそ失敗したがスペースノイドを反連邦でまとめることには成功した
「次は何をするんだ?」
ミレディとともにネイルがブリッジに上がってくる
もうネイルは連邦のスパイだったクロードではない、連邦を憎む強化人間の戦士の一人だ
「俺をさらに強化しろ、連邦を地球の重力の井戸に叩き落すために」
完全にナイトロに人格を書き換えられたネイルにもうためらいはない


地球ではバイコヌールを再占領したモズグズが月を眺めている
彼女の下にネオジオン地球占領軍のほとんどが集結していた
「ザビ家の血をなくす時が来たのです。その血に魅入られたすべての人とともに」
彼女は涙を流していう「魅入られた人々の住むこの星も共に消えるのです」
0548通常の名無しさんの3倍
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2020/08/07(金) 21:51:13.68ID:+Jpiyd1i0
第18話「未知なる旅路の始まり」
エウーゴ・連邦連合艦隊がサイド3に到達したのはグラナダを出て3日後のことである
まず艦隊あげて確認したのはグレミー派が占領したアクシズとハマーン派が駐留するコア3の状況であった
最初にこれを知った艦の艦長はザビ家の血の業というものを感じざるを得なかった
「どうすればこうなるのか」
アクシズの一部であるモウサがコア3に激突している
アクシズ本体も本来ある位置から離れ地球から離れつつあった
アクシズにもコア3にもとても生存者はいないように感じられた

それからブライト艦長はネェル・アーガマを必死に探していた
月でジュドーの声を聴いたとき艦隊がたどり着くまでは彼らは大丈夫だと確信できていたが…
「艦長、フユヅキから通信です。モビルアーマーらしき影を視認したとのことです」
さすがにダークフィールド作戦から数か月たちサイド3では通信も何とか取れるようになっていた
「冬月に対象の移動先を調べるように伝えろ。それとNTMS部隊に発進を要請」
「再度フユヅキから通信、ネェル・アーガマ発見。敵MSはネェル・アーガマに向かっているとのこと」
「なんだと!」

「Iフィールド発生装置に問題なし。レーダーわずかながら使える」「各砲座、異常なし」
「サイコガンダム、発進する」
空母エミリアは改修時に下部に格納庫が増設され専用ハッチからサイコガンダムが発進する

「でもどうして足の遅いサイコガンダムがネェルアーガマの救援に?」
ZZイーグルや他のMSに追い抜かれるのを見てつぐみはアリダに聞く
「多分アーガマ本体の迎撃にトラブルがあるのかも」
「でもあそこには精鋭のガンダムチームがあるんでしょ?」
「無事jじゃないのかもしれない」円陣も加わってくる
「MSの残骸が多すぎる。グリプス戦でもこの数は見たことはない」
1年戦争のザクから最新鋭といわれるドーベンウルフ…あらゆる残骸がここでは浮かんでいた

ZZイーグルはネェル・アーガマの左舷を通り過ぎていく
カタパルトに上半身だけのMSが置かれているのが見えた
もしかしてあれがオリジナルのZZなのか?

(油断をするな!前から敵がくる)
ハッとしたルイーズが前を見ると赤い大型の物体がこちらに来るのが見えた
一年戦争時のジオンのモビルアーマー、ヴァルヴァロだ
0549通常の名無しさんの3倍
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2020/08/08(土) 11:13:21.26ID:3DF/Bozo0
「敵機確認直ちに迎撃に移る」
ZZイーグルを含め3機のNT用MSはネェル・アーガマを後にヴァル・ヴァロに接近する
(待て、敵はファンネルを使う。直ちに散開しろ)また誰か分からない声がルイーズの頭に響く
(え?そうなの?)その声に従いルイーズのZZイーグルは回避行動に移る

しかし他のMSは回避行動をとらない、むしろルイーズの行動に戸惑っているようだ
ヴァル・ヴァロは背部のポッドを射出する
たしか搭載されているプラズマリーダーは宇宙空間上では使えない、はずなんだけど
そのポッドは無数の小型機を発射する、なんなのあれは?
(あれはマザーファンネルだ。急げ、回避しろ)
同僚機は聞こえていないのだろうか。全く回避する様子を見せない

もしかしたらこの声が聞こえているのは私だけ?あわててルイーズは同僚に感応波を飛ばす
(ファンネルが来る、避けて!)
その声はが聞こえた同僚期は慌てて回避行動をとり、小破するものの同僚機は間一髪回避する

「ここは私が」ZZイーグルを前に出してヴァル・ヴァロに対峙しようとするルイーズだが
(やめろ、君は戦うべきじゃない!)またあの声が頭に響く
(どういうことよ。ここで戦わないとやられるじゃない!)
声を無視してZZイーグルを動かそうとすると、なぜか腕が動かない
(…うそでしょ…なんでこんなことに…)
ヴァル・ヴァロが接近してきてアームをぶつけてくる

ガンッ!ふきとんだのはヴァル・ヴァロの方だった
ルイーズの前にはMA状態のサイコガンダムの背部が現れる
「何をやってるんだルイーズ!油断するなよ」円陣にはルイーズが隙を見せたようにしか見えなかった
「あいつはファンネルを使うよ。気を付けて!」

「ああ!」ルイーズの言葉を受けてサイコガンダムは人型に変形、戦闘状態に入る
「ファンネルはビーム出力が弱いからね。Iフィールドさえ万全なら問題ないよん」
「ヴァル・ヴァロ本体だけを狙います。拡散ビーム砲、収束モードに移行」
「ルイーズ、戦闘はできるな?一気に片を付けるぞ」

(お前たち!その子を戦いに巻き込むな!)あの声がルイーズに響く、まるで怒っているみたいだ
「サイコミュに異常発生!月の時と同じパターンみたい!」サイコガンダムもまた動かなくなっていた
しかしその異常は敵にも起こっていた
ヴァル・ヴァロは戦闘を放棄し、ファンネルを回収して撤退を始める
敵の強化人間は怒りにも似た感応波を残し撤退した
(覚えておくがいい、ジュドー!ハマーン様の敵は私が!)
0550通常の名無しさんの3倍
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2020/08/09(日) 09:32:13.06ID:A0bDLub10
ブライト艦長はランチでネェル・アーガマに着艦しようとしていた
「空母エミリアのライジング艦長から通信がありました」
「ん?何か」
「強襲したヴァル・ヴァロはフェイル・デッドリーの機体で間違いないということです」
「フェイルだと?今のハマーン派のNo.2か」
ブライト艦長は「計算違いだな」と小さい声で呟くと少し考え込んだ

フェイル・デッドリーは地球連保との取引でサイド3がネオジオンに渡されたとき
最初にサイド3に赴きジオン共和国との協議を行っていたハマーンの側近の一人である
交渉力など高く事務方とみられているがネオジオンの性格上MSパイロットとしての能力も求められ
そのために強化人間に改造されたと言われている

思惑しているブライト艦長だがふとカタパルト上にZZが待機しているのが見える
オリジナルは健在だったのか?と一瞬思ったが細部を見るとZZイーグルのようである
確かMSパイロットにはネェル・アーガマに着艦しないよう命令していたのだが…

「どういうことだ?トーレス」
「すいません。ZZイーグルのパイロットが気絶して治療のために着艦させました」
久しぶりに通信したトーレスの声に変わりはなかったのに少しブライト艦長は安心した
カタパルトを見渡すと奥に大破したZZが見える
「付近にサイコガンダムは待機しているな?アリダにやってもらいたいことがある」

ルイーズは謎の男からの精神感応波に耐えきれず気を失いネェル・アーガに運ばれ医務室でしずかに寝かされていた
彼女は夢を見ていた、ネオジオンの強化人間なのが連邦にばれ処刑される悪夢である
処刑される直前、その夢の中に二人の少女があらわれる
「大丈夫よ、私たちがあなたのバリアーになってあげる。正体なんてばれないわ」
というと二人の少女はルイーズを抱きしめると世界は一変し周り一面が花畑になった
「ありがとう…」
次にルイーズは二人の少女の名前を呼んだが、目を覚ました時その名前を忘れてしまった

ネェル・アーガマのカタパルト上ではアリダがオリジナルZZのブラックボックスを解析していた
彼女を監視するためイーノ・アッバーブが後ろに立っている
「このデータは何に使われるのですか」
「さあ?でも正直、君たちの連邦内での立場は相当悪いよ」アリダは機器を使いながらイーノにはっきり言った
「でもブライト艦長は何とかして君たちを助けようとしているみたいだよ」
データを抜き取ったアリダはデータのコピーをイーノに渡す
「これ持ってて、もしかしたら何かの役に立つのかもしれないから」

医務室で目を覚ましたルイーズの目の前で一人の男が泣いているのを見る
「大丈夫か、心配していたんだよ。目を覚ましてよかった」
ジュドー・アーシタがそこにいた
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2020/08/10(月) 09:18:22.01ID:iyyHDqJd0
「よかった、体が動かなくなって気を失ったから心配していたんだ」
ルイーズはジュドーの言葉から彼が感応波を飛ばしていたのを知った
でも今のジュドーからあの強い感応波を感じることは出来ない

「何をやっているんだ?ジュドー」ブライト艦長が医療室に入ってくる
「あ、ブライトさん。俺は…」
バキッ‼間髪入れずにブライト艦長のアッパーカットがジュドーを吹き飛ばす
何をされたか理解できない…という表情のジュドーの前に仁王立ちするブライト艦長
「あとで俺を殴っていい!だが今のお前が逃げているのが俺にもわかる。何があった?」

「やめてください艦長」後ろからルー・ルカがブライト艦長の右手を取り押さえる
艦長の左手を取り押さえようとするエル・ビアンノも必死に説得する
「ジュドーはプルツーを救えなくてダメダメになってるの。艦長、今はほっといて」

ブライト艦長はジュドーの顔をまじまじと見る
もうジュドーは戦士の顔ではなかった、涙ぐみ怯えた目で艦長を見上げている
「おれは…妹も…プル達も救えなかった…俺はダメな人間なんだ…」

突然艦内ののサイレンが鳴る
「ブライト艦長、ネオジオンのMS の接近を確認!ヴァルヴァロです!」
ブライト艦長の帰還で艦長代理に格下げされたビーチャ・オーレグから通信が入る
「再攻撃が早すぎる!」ブライトはフェイルの行動を読み違えた
補給で他のMSを帰還させたため今のネェルアーガマの周辺にはサイコガンダムしかない

「アリダに作業を中止させてサイコガンダムを始動させろ!」
ビーチャに指示を入れる間にカタパルトの振動が伝わってくる「だれだ?誰が出た?」
「モンドです。モンド・アガケが百式で」ビーチャも状況が把握できていないようだ

「ジュドーに無理はさせないっ。俺が奴を止めるっ!」
アストナージの制止を振り切って百式が発艦した
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2020/08/10(月) 14:21:09.47ID:cr4XXMDD0
ビーチャに指示を入れる

ブライト艦長がビーチャに指示を伝える
アストナージの制止を振り切って

モンドがアストナージの制止を振り切り
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2020/08/10(月) 22:30:47.02ID:iyyHDqJd0
「グレミーがいなくなって、プルツーやハマーンがなくなってジュドーの周りにニュータイプが
いなくなってしまったんです。そうなってからジュドーはふさぎ込んでしまって私たちの声が届かなくなってしまって…」
ルーの説明を聞きながらブライト艦長はブリッジに向かう

モンドの百式はヴァル・ヴァロに攻撃を開始する
「ガンダムチームの一機か」フェイルにとってガンダムチームはハマーンの敵であった
「報いを受けるがいい!」ヴァル・ヴァロはマザーファンネルを分離させファンネル攻撃を開始
「俺だって俺だって!」モンドはファンネルをかわしながらヴァル・ヴァロに接近する

「……それじゃダメなんだモンド…それじゃ」
医療室に残されたジュドーはそういうと部屋を後にした
「どこ行くのよジュドー…しまった!」エルは慌ててカタパルトのアストナージに連絡を取る
「アストナージさん!ジュドーを止めて!ジュドーはあのMSで出撃するつもりなんだ」

しかしジュドーはアストナージさんの制止を振り切ってカタパルト上のZZイーグルに搭乗して発進してしまう
ブライトから止めるように言われたサイコガンダムを簡単にすり抜けてジュドーは戦場に向かう
「さすがだねぼくのZZイーグル。加速がよくてもう追いつけないや」
「何言ってんだか。変形して追うぞ、追いつけなくても戦いには間に合うはずだ」
「ちょっと待って小型宇宙艇から通信が入ってるわ」
イーノがのったメガライダーが接近してくる
「これに捕まってください。こいつの機動力なら…!」

百式はファンネル攻撃で少しずつ削られていった
バインダーを失い脚部や左腕に被弾、機動力も下がっていった
「た、たとえ刺し違えても…」モンドはダメもとで突撃をしようとしていた
「やめろー!」巨大なビームが百式とヴァル・ヴァロの間の空間を貫いていく

「ジュドーか!」ヴァル・ヴァロのモノアイがZZイーグルを捉える
「ハマーン様の大義の分からないお愚か者よ。お前がいる限りわざわいは終わらぬ!」
フェイルは決闘を宣言するかのようにジュドーに告げる
ハマーンという単語を聞いた途端ジュドーは頭を抱え戦意を喪失した「俺は…俺は…」

「ジュドー!」サイコガンダムを牽引してイーノのメガライダーがZZイーグルに接近する
「俺たちはヴァル・ヴァロを引き受ける!イーノさんはジュドーさんを」
円陣はそういうとサイコガンダムをヴァル・ヴァロに突進させる
その隙にメガライダーはZZイーグルに接近するとイーノは「これを見て」とある映像記録をジュドーに見せる
それはZZに残されていたジュドーの戦いの記憶だった
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2020/08/11(火) 00:33:02.13ID:fdYv3pds0
アストナージさんは誰の発艦も阻止できない
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2020/08/11(火) 22:15:12.28ID:EO3maBSt0
イーノが見せたのはジュドーのZZとハマーンのキュベレイが戦っている映像であった
その映像はジュドーがハマーンを追い詰めているように見える
「そうじゃないんだ」イーノが何か言おうとするのを制してジュドーが口を開く
「俺は…ハマーンの言葉を聞こうとしなかったんだ…」

フェイルのヴァル・ヴァロを攻めあぐねる円陣たちのサイコガンダム
ハマーンなきネオジオンの代表であるフェイルを撃墜するわけにはいかない
ファンネルを引っ込め爪で攻撃するヴァル・ヴァロを避けるだけで精いっぱいだ

「俺はハマーンの気持ちを分からなかった。ハマーンは俺だったんだ」
ジュドーは秘めていた気持ちを表に出す
「正しいものを見出す力がありながら、その力を腐った大人達にぶつける事でしか生かすことが出来なかった。
口には出せなかったけどハマーンは同じ力を持った俺に助けを求めていたんだ。それを俺は…俺は…」
イーノはジュドーを見て、一呼吸おいてさとすように言う
「ハマーンは君に託したんだよ。自分が出来なかったことを同じ力を持った君に」
ジュドーは自分の手を見て言う
「できるかな…俺に…」
「正直今の君には無理だと思う。でもその思いを捨てなければ何時かかなうかもしれない」
イーノにとってこれが今できる全てである

サイコガンダムのIフィールドはビームには有効であるが物理攻撃である爪の攻撃には通用しなかった
月の戦いで半分溶けたシールドは爪の攻撃で引きちぎれてしまった
「これ以上は引き延ばせない。つぐみ、収束モードで攻撃用意」
そのサイコガンダムの横をZZイーグルが猛スピードで通り過ぎる
「うおおおお!」ジュドーは泣きながら雄たけびを上げる
「なぜなんだ!お前はハマーンの想いをなぜ生かさないんだ!ハマーンがいないんなら
おまえが遺志を継がないとハマーンがいなくなるだろ?戦いをやめろ!ハマーンと生きろ!」
ジュドーは叫びながらヴァル・ヴァロの頭部をZZイーグルの腕で殴りつける
指がひしゃげ油が噴出してもジュドーは殴るのをやめない

「なんてめちゃくちゃな奴、言葉も戦い方も…でも…」
フェイルはそのジュドーの背中にハマーンがいるのを感じた
ハマーンの下に仕えた時に感じた時に感じたものと同じものをジュドーに感じたのだ
「ハマーン様が一騎打ちを挑んだのはそういう事でしたか…」
もうフェイルには戦う気持ちは無くなっていた

「連邦軍!我々ハマーン派は今の時点をもって連邦に降伏する!」
フェイルは凛としてネェル・アーガマに通信を送った
「こちら、連合艦隊司令長官のブライト。貴殿の申し込みに感謝する」
最悪の事態を回避することが出来てブライト艦長は胸をなでおろす

協議のため撤退するヴァル・ヴァロの後姿をジュドーはずっと見送っていた
「ハマーン…」ジュドーはまだ泣いていた
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2020/08/12(水) 23:20:57.24ID:JR0f9mYE0
フェイル・デッドリー暫定代表の協力もあったおかげでエウーゴ・連邦連合艦隊とネオジオン・ハマーン派の
終戦協定についての話し合いが連合艦隊到着2日後には始まっていた

ブライト艦長は頬に氷嚢を当てている
「すまない私のわがままを聞いてくれたおかげで」
隣にいるフェイル代表が素直に謝った

数時間前フェイル代表は、ハマーンと一騎打ちを行ったジュドーに会いたいと言いだし
連邦政府高官と共にジュドーに謁見した
しかしその場でジュドーは政府高官に抗議するトラブルを起こしその中でブライト艦長が殴られたのだった
政府高官がジュドーの軍事裁判を言い出すなど混乱する場を抑えたのは意外にもフェイル代表の一言だった
「この純粋さこそがハマーンを倒し、連邦を勝利させた原動力なのだと私たちは考えています」
ジュドーに反感を持つ連邦の高官は多いが、ジュドーこそ連邦の救世主であることを強調することで彼らの口を防いだのだった
(これでジュドーが目の敵にされなくなる)ブライト艦長はフェイル代表の機転に好意を持った

会議の最中、ネェル・アーガマの格納庫ではアリダがメガライダーの前に立っていた
「もう一機メガライダーがあってなんて知らなかったよ」
「まあな、あってもパイロットがいないからな」アストナージは腕組していった
「じゃあ、これひとつ貰ってもいい?これの加速力が気に入ったんだよ」
「いいぜ、持っていきな。マシンは使うやつがいるところがいいんだ」

そう言ってアストナージは隣のMSを見る
そこにはネェル・アーガマに残っていた予備パーツとGM3を使って復元されたZZがあった
アストナージとアリダ、ほかにも空母エミリアのエンジニア達が協力して突貫工事で再生したのだ
「落ち込んでるジュドーもこれ見たら少しは元気出すかな」

話し合いはグレミー残存艦隊の行方について情報の共有が行われていた
「グレミー艦隊の80%はクインマンサ擱座後に逃亡…同時にハマーン艦隊も20%が逃亡しました」
フェイル代表の発言に連合艦隊首脳部が静まった
「内戦が始まってから私たちはザビ派を排除していたのですが隠れていたものが相当数いました」
「待ってほしい。連邦はあなた方の内戦を単なる権力闘争とみていたのだが」
「いえ、私たちにとってあの戦いはザビ派対反ザビ派の戦いだったのです」

怪情報がネオジオン内に出る前から、ハマーンの取り巻きの多くはミネバが偽物なのを知っていた
しかし彼らはそれでもハマーンの下にいることを望みザビ派と戦っていたのだった
そしてフェイル代表の次の言葉にすべての連邦高官は言葉を失った
「ザビ派は連邦軍の中にもいる。グレミー派は彼らに作られた偽りの軍隊だ」
0557通常の名無しさんの3倍
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2020/08/13(木) 22:22:16.99ID:Aw5hVHxI0
第19話「闇から闇」
ネェル・アーガマのガンダムチームは武装解除され月のグラナダに送られることになった
復元されたZZは上層部に極秘にジュドーに渡され運搬のためにネェル・アーガマが使われた
連合艦隊の旗艦に帰り咲いたネェル・アーガマが帰ってくるまで連合艦隊はサイド3に足止めされる

「ただいま」ルイーズはメガライダーにまたがったZZイーグルと共に空母エミリアに帰還した
ルイーズは月の方向を見て、もうジュドーに会うことはないのだろうな、と思っている
そして夢の中であった二人はこれからもジュドーの中で共に生きていくのだと思った

「ルイーズ、メガライダー輸送ありがとね」甲板に出ていたアリダが通信を入れてくる
「でも、これどうするの?もうパイロットいないでしょ?」
「こいつはね、サイコガンダムのパワーアップに使わるんだよ」
(そうだよ、これでmark2に勝つ)アリダはうなづくと周辺のエンジニアに指示を出して作業は開始した

エミリアのブリッジには意外な来客があった、アデナウアー・パラヤである
アデナウアーは地球連邦の福祉関係の官僚と言われているがその肩書を信じている人間はまずいない
裏腹にネオジオンにミネバ影武者の情報を流しネオジオンの内紛の原因を作った男であった

「お前たちが俺を呼ぶとは思わなかったよ」アデナウアーも意外な顔をした
「あなたがブライト艦長と折り合いがつかないのは知っているから艦長が月に向かった隙を狙わせてもらった」
ライジングは付き合いが長いのでアデナウアーの性格をある程度知っている
謀略が好きなアデナウアーをブライト艦長はあまり好意をもっていなかった

「今、連邦内ではザビ主義者のあぶり出しを行っている」
少し雑談したのちアデナウアーは核心に触れてきた
「と言ってもジオニズム云々ということではない。誰かを個人崇拝している、ということでもない」
「ん?」同席した円陣は想定外、という表情を見せる
「彼らはザビ家の起こした暴力にあこがれているんだ。人類を半分にまで減らしたその力に」

コロニーが落とされた時、ここまで地球を破壊した力を彼らは見たことがなかった
そしてその破壊の大きさ故その力を持ちたいと思った高官は少なからずいた
戦後シドニー湾を見た連邦高官は「美しい」と言って解雇されているが多くの高官は同じ気持ちだったという
彼らの中にはジオン残党に接触する者もいていつしか連邦内にザビのネットワークが出来ていったのだ

「まあ、少なくても連合艦隊内にそんなネットワークは存在しない」
アデナウアーが連合艦隊に来ていたのは連邦内ザビ家信仰者を逮捕するためである
少し寂しそうな顔をしてアデナウアーは話を締めくくった
「逆に言えば敵にとって最大の脅威は此処、ということだ」
0558通常の名無しさんの3倍
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2020/08/14(金) 22:30:48.28ID:6fdPHHsL0
「それじゃ俺はこれでな」
アデナウアーはブリッジから出ようとする、総司令官が月に帰るため同行するのだ
「あとひとこと言うがグラナダには寄るなよ、あそこはザビ派がまだいるからな」
グラナダに行けばザビ派の検挙を行うのだろう、自分から情報を言うとは珍しいとライジング艦長は思った
「補給するならここ(サイド3)でするんだな。こっちのほうが安心だ」
そう一言残しアデナウアーは去っていった

「えっ?演習ですか?」急な決定につぐみは驚いた
まだこの宙域は戦争の残骸が多く残っていてつぐみ達パイロットも作業用MSで手伝っていた
「それについては民間のMSの手配が出来たので後は彼らが引き継ぐことになる」

そして演習場所はサイド3から離れた月軌道上に設定されていた
「これは連合艦隊をここから引き離すとか…そんなことは考えたくないけど…」
「戦力の立て直しとか至急行わなければならないことは色々あるからな…」
そういいながらもZZ量産型で残骸の除去を行っている大角隊長も納得は出来ていなかった。
現在、内戦後のサイド3の戦力はどれだけ残っているか分からないのだ
その戦力次第ではまた一戦起こす可能性も大角は考えなければならなかった

空母エミリアに帰還するつぐみの作業用MS の後ろからジオンのMS が接近してくる
キュベレイ量産型だ、色はグレーということはサイド1に現れたタイプということなのだろう
「しまった」このキュベレイ量産型はグレミー派所属の機体である
残存部隊がテロを起こしに来たのか?こっちには武器はない、どうする?

なすすべもないつぐみに女性の声で通信が入る、どっかで聞いたような声だ
「私たちは共和国軍だ。攻撃する意図はない。演習のためにエミリアを表敬訪問したい」
よく見ればザビ家のマークは塗りつぶされ連邦のマークがバインダーに描かれていた

ほっと胸をなでおろすつぐみだがエミリアからMSがこっちに向かっているのが見える
ZZイーグルだ。まさか攻撃するつもりか?慌ててルイーズに連絡する「このキュベレイは…!」
「おまえたち、生きていたのか!」というとなんとキュベレイに抱き着くZZイーグル
(プルナイン!ずっと心配していたんだよ)ルイーズは感応波をプルナインに飛ばす
(ルイーズ!会いに良くて言ってたでしょ!来たよ!一緒にお風呂はいろ!)
更に後ろから二機のキュベレイ量産型が飛んできてZZイーグルに抱きついてくる
(プルテンですっ!初めましてっ)(プルセブンでーす!つぐみちゃん覚えてるー?)

しかしNT能力者でないつぐみには4機のMSがなぜ抱き着いているのかわからなかった
0559通常の名無しさんの3倍
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2020/08/15(土) 09:50:22.20ID:VwxR1W4N0
空母エミリアのブリッジから出た円陣は大浴場前でつぐみに会う
「ごめんね、今ルイーズとネオジオンのパイロットが使っていて…」
円陣の気持ちを察したつぐみが先に喋ってきた
「あの子たちもしかして…」円陣はつぐみに近づいて小声で話しかける
「そう、ルイーズのお友達」つぐみはぼかして答えたが円陣は意図を理解した
(ネオジオンの最高機密、プルシリーズか…)

「大角隊長にはどう辻褄合わせようか…?」
「え?大角隊長もう知っているわよ」とつぐみはあっけなく答えた
かつてのダークフィールド作戦でNT能力者は深いレベルでつながってしまい
その時に正体はすでにばれてしまっていたということらしい
最も大角のNTMS部隊の中にはほかにもネオジオンの強化人間がいて彼らの正体も
エウーゴなどには秘密にしていたということだった

よっぽど気持ちいいのか風呂から声が漏れてくると思ったら…
「あんっ、もうルイーズのヘンタ…アニメっ」
「…つぐみ、静かにさせてきて。別の意味で問題おこしそうだから」

「さすがガンダリュウム系、塗装が剥げても本体には傷一つ付かないなんてね」
格納庫でZZイーグルとキュベレイ量産型を眺めてアリダがつぶやく
「サイコガンダムは演習には間に合いそうにないなあ。まあ、いいか」
メガライダーは既に機首とコンテナ部が取り外されていた
「まあ急がないとね。ぶっつけ本番になりそうだけど」
サイコガンダムにはmark2のシールドが取り付けられている

「ここで部隊を分割するのですか」
空母エミリアのライジング艦長は驚きを隠せなかった
月に派遣したネェル・アーガマは連合艦隊に帰還せずサイド2に向かうことになった
その際、艦隊の3分の1をネェルアーガマに随行させるということである
敵の行動が分からない今、部隊の分割は個別撃破される可能性がある
艦隊指令代行になったペガサス3のイーロン・F・ヒースロウ艦長から返信が入る
「演習場所をサイド2よりにすることでサイド2が襲われてもすぐ救援に行ける」
…ならサイド1が襲われたら…と聞こうとしてライジング艦長ははっと気が付いた

(そういうことか)分かった以上は演じるしかない
「わかりました直ちに演習の変更を行います」
ライジング艦長は通信を終了して艦隊の配置の変更を始める
(敵は月の裏側で我々が何を仕掛けているか分からないだろう。星の屑作戦の借りを返す時が来たのだ)
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2020/08/16(日) 09:20:40.05ID:zuhzpyIP0
数時間後プルナインたちは帰還するため空母エミリアの格納庫にいた
ライジング艦長は演習の詳細なデータを彼女たちに与えられている
彼女たちはデータを持ち帰りそれぞれの艦長に提出するのだ

格納庫を見て彼女たちは驚いた
キュベレイ量産型がきれいにリペイントされていたのである
グレミー派のMSは識別するため濁った色でぞんざいにに塗られていたのだが
アリダが塗装をはがし丁寧に塗りなおしてくれたのだった

「余った色が白紫しかなかったからこうなったのだけどね」
半分位(余計なことやったかな)と思っていたアリダだったが
「いいよ、これすごくいい」
と三人とも気に入ってくれて少し浮かばれたアリダであった

「しびれを切らしたか、連合艦隊」
茨の園ではノーリがサイド2の動向を監視していた
ネェル・アーガマを先頭に合同艦隊の1/3がサイド2に移動している
残りは月の裏側で演習を開始していて、連合艦隊が完全に二分されていた
元グレミー派、離反したハマーン派や共和国軍、新たに参加したネオジオン残存艦隊…
今のノーリ率いるネオジオン反乱艦隊は二分された連合艦隊なら圧倒できる艦艇数がある

「今こそ連邦を屈服させる時、全軍サイド1を強襲するのだ」
ノーリ隊長はかつてデラーズフリートの一員としてコロニー落としを成功させた記憶を思い出した
デラーズの演説を聞いて心の底から沸き上がった思いは一生消えないだろう
1年戦争のコロニー落とし、その偉業を再現したデラーズ閣下、そしてマシュマー…
私もその偉業を繰り返すのだ、
サイド1のコロニー「ロンデニオン」をロンドンに落としてやる
0562通常の名無しさんの3倍
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2020/08/16(日) 15:07:09.53ID:dvg7Mbdr0
デラーズフリートが巨大な勢力になったのはコロニー落としという目的を持っていたためである
地球の食料自給率を下げるという目的は二の次であり、本質は一年戦争の栄光を取り戻すのが目的だった
コロニーが落ちた北米の農業地帯は壊滅したが、コロニー落下での気象異常が起こった結果
0089年では南米、インド、南アフリカでの農業生産が盛んになり地球本星での食料自給率はむしろ改善している

逆にコロニーに推進力を与えるためにコロニー同士を接触させた結果大量のデブリが発生
大型のデブリがコロニーに衝突する事故が多発し、スペースノイドはジオンを信じなくなっていった
今のスペースノイドによるネオジオンへの支持はハマーン・カーンがコロニーの自治を尊重したりと
外交面でコロニー側に相当気を使い厚遇した結果であった
(コロニー落としに使ったコロニーも完成目前の無人コロニーである)

反乱艦隊の指令となったノーリにとってそんなハマーンが気に入らなかった
(ザビ家の威光を示せば他のスペースノイドはついて来てくれる。なぜ力を示さない)
それどころかコロニーを力で制圧しようとした将校を粛正までする有様

ミネバが影武者と知ってすべては分かった
ハマーンはザビ派をすべて排除するつもりだったのだと
スペースノイドの地球連邦への怒りの依り代としてネオジオンを作り直すのだと

納得できるはずがない
地球をあれほど破壊したザビ家を軽視するハマーンを認めるわけにはいかなくなった
ザビ家中心のネオジオンに戻さなければならない
そのために反乱の呼びかけに答えたのだ

呼びかけたグレミーが倒された今ザビ家の血族に頼ることはできない
しかしコロニーを落とせば地球人類にザビ家の恐怖を思い出させることはできる
その恐怖がある限りザビの名前は地球に君臨することになるのだ

「ジーク・ジオン!我々は栄光を取り戻す!そう我々こそ地球を救う英雄になるのだ」
ノーリの呼びかけに反乱艦隊のすべての艦艇で将校が雄たけびを上げる
雄たけびはいつしかジークジオンの連呼になっていった
そうだ、暴力による支配、それこそがザビ家の正体なのだ
「今より、エンド・オブ・ブリデン作戦を決行する!」
0563通常の名無しさんの3倍
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2020/08/16(日) 23:28:59.67ID:zuhzpyIP0
サイド2に到着したブライト艦長はサイド5からネオジオン反乱艦隊がサイド1に向けて出港したことを知った
「ここまではシナリオ通りだが…問題なのはこれからだな」
サイド2からサイド1へ向かうためには間の暗礁地域を抜けなければならず時間がかかってしまう
敵の目的がコロニー落としならサイド2の艦隊は間に合わない

月軌道上で演習をしていた連合艦隊は直ちにサイド1へ向かう
連合艦隊は月の重力を使ったスイングバイを使うことで通常推力で行くより早くサイド1につくことは出来る
月は空気がないため高度10Km以下まで下げることが出来るがそれには操舵士の腕が必要になる
ペガサス3や空母エミリアはギリギリまで下げることは出来たが残りのサラミス級はそこまで下げることが出来ない
その結果艦隊にばらつきが出てきてしまった

当然サイド1に向かう反乱艦隊は月から連合艦隊が来ていることは察知しているし
艦隊がばらついていることも予測出来ていた
「考えたようだが…詰めが甘いな、各個撃破させてもらう」
ノーリは一斉砲撃を指示しようとしたその時、レーダー観測員が何かを発見する
「先行する艦隊から何か発進した模様…これはバリュート!」

スイングバイで加速した艦隊はどこかで減速しないとあっという間に戦闘空域から離れてしまう
ノーリは敵艦隊は減速してからMS部隊を発進させると思っていたが
敵は高速状態でMSを発進させ、バリュートで相対速度を減速させる手段に出たのだった
「砲撃目標をバリュートに切り替えろ!弾幕を増やせ!敵はニュータイプだ!」

(対空機銃は無視していい、敵艦の主砲を感じるんだ)
プロトZZに乗る仮面の男からNTMS部隊全員に感応波が飛ぶ
後ろに感覚を集中させるのはルイーズは初めての経験だった
ネオジオン時代大気圏突入はチャンドラ内にいたからバリュートを使った経験はなかったのだ
(初めてのバリュートがまさかここなんてね)
攻撃を回避しながらの減速はうまくいっている、そろそろバリュートを切り離す時だ
ここからが戦いの本番なのだ、ルイーズは息をのみ込んだ

空母エミリア内にはまだサイコガンダムが残っていた
「エミリアが十分減速したら発進する。アリダ、システムは大丈夫なのか?」
円陣もマニュアルを再チェックしながらアリダにきいていた
「チェックは何度もしているから問題ないよ。ただ今度のサイコガンダムは盾も鉾も持っているから気を付けてね」
「大丈夫、二人三脚の要領で円陣と合わせるから」
つぐみの言葉からふと円陣とつぐみが運動会で二人三脚する姿をアリダはふと思い浮かべた

反乱艦隊を突っ切ったエミリアが減速を始める。円陣たちの発進も迫っていた
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2020/08/17(月) 22:04:01.16ID:4enl0lF70
バリュートを切り離したルイーズ達が最初に見たのはガザCの大軍であった
このガザCの半分はバルーンによるダミーである
しかしこのバルーンは機雷がセットされていて敵が接近すると爆発するのだ
プロトZZ、ZZイーグル、ZZ量産型がハイメガキャノンを発射するが
それでも多くのバルーンが残ってしまった
「これではノーリ隊長がつかまらない…」ルイーズは焦りを口にする

アクシズはい年戦争後もコロニー落としの研究を続け
その結果短時間でコロニーに各パルス推進装置を開発するのに成功した
マシュマー・セロはこの新型装置を使いコロニーを短時間に移動可能にするのに成功している
この新型は三基作られ一基はマシュマーが、もう一基はモウサに使われた
ノーリがあと一基を持っていると推測されている

その一基はバルーンで岩石状に偽装されさらに複数のバルーンが周りを囲って位置が分からなくなっている
恐らくノーリは本物の位置を知っているはずだ
彼に近づきNT能力で本物の位置を判別する作戦が計画、実行されたのだが
ガザの大軍がルイーズ達の接近を阻んでいた

敵との相対速度が下がった空母エミリアの特設発進口が開く
「せーのーで!サイコガンダム発進します!」
三人の掛け声とともにサイコガンダムMF形態が発進する
背中にはメガライダーが背負われ、今まででは見られない加速でサイコガンダムを推進させる
「狙うはmark2の首!短期決戦できめる!」
円陣の決意ある言葉にアリダもつぐみもうなづく
(クロード隊長、すいませんがここで決めさせてもらいます…)

最お子ガンダムの接近に一番最初に迎撃に来たのはMAザグレロであった
レプリカだがアプサラスのメガ粒子砲が換装され砲撃戦用MAに改造されている
「人型にして。シールドの調子を確かめたい」
アリダの要請に円陣はサイコガンダムは人型に変形させる
右手にメガライダーの機首、左手にはmark2のシールドを握っていた
レプリカザグレロ数機がメガ粒子砲を発射、それをサイコガンダムのシールドで受け止める
「Iフィールド起動率133%。シールド内のIフィールド発生装置に問題なしだよ!」
0567通常の名無しさんの3倍
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2020/08/17(月) 22:27:10.91ID:4enl0lF70
その結果短時間でコロニーに各パルス推進装置を開発するのに成功した

その結果短時間でコロニーに核パルス推進装置を装着する技術を開発するのに成功した
重ね重ねごめんなさい
0568通常の名無しさんの3倍
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2020/08/18(火) 22:17:20.25ID:OapyYxRO0
サイコガンダムmark2のミノフスキークラフトはシールドに移動している
シールドを手に入れたアリダはミノフキークラフトをIフィールド発生装置に改造
サイコガンダム本体のIフィールドを組み合わせることでこれまでの倍の対ビーム防御力を手に入れた

サイコガンダムはレプリカザグレロ2機のビーム砲の直撃を受け切った
「メガ・バズーカ・ランチャー30%の出力で発射します!」
つぐみの掛け声と共にサイコガンダムの右手に装着されたランチャーからビームが発射される
ビームはザグレロを貫通、核融合炉を破壊されたザグレロは大爆発を起こす

円陣はもう一機のザグレロを追うがアリダが止める
「円陣、後ろにMSが接近、ドーベンウルフだよ」
スペースウルフ隊の生き残りがサイコガンダムに襲い掛かる
更にその後方には別のMSが接近しているのを見た円陣は持久戦を覚悟した
「厚いな。突破するのに一苦労だ」

ルイーズ達NTMS部隊もガザの壁を超えることが出来ない
まだか、まだ援軍は…誰もが同じことを考えていた時
(来たよ)その声と同時にバリュートが現れた
ガザ隊はバリュートに攻撃を集中する
バリュートは破裂、するがその中から援軍が現れた
「バカな…」
ガザのパイロットが唖然とする、そこに現れたのは同じネオジオン製のMSだったのだ

Rジャジャ、パイロット ギマ・ガデス エンドラ級戦闘艦ロンドラ艦長
ハンマ・ハンマ、パイロット ラーフ・ストレンジ エンドラ級戦闘艦ツンドラ艦長
ゲーマルク、パイロット ドルム・ステイ エンドラ級戦闘艦カンドラ艦長
彼らはハマーン派の将校でありそれぞれがエンドラ級戦闘艦の艦長である

ブライト艦長は自らをおとりにすることで反逆艦隊をおびき出し
減った戦力を補充するため連合艦隊に彼らハマーン派将校を戦力に組み込んだのだった
そのためにフェイル代表と口裏を合わせて演習という口実で彼らをれらを集め
演習のデータ提供という形でサイド1への最短航路を彼らに伝えていたのだ

「ルイーズ、あたしたちも来たよ」
ZZイーグルが後ろを向くと3機の量産型キュベレイが立っていた
「せっかくかっこよく塗ってくれたのだからいいとこ見せないとね」
というと3機のキュベレイは右手を重ねていた
「ルイーズの記憶を読んだ。仲間はこうするんでしょ?一緒に行こう!」
「うん!」ZZイーグルも右手を重ねる
0569通常の名無しさんの3倍
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2020/08/19(水) 23:00:21.93ID:bEKsJOZd0
第20話「因果の終焉」
次々とハマーン派のMSが救援に駆けつけてくる
さらに遅れて到着したサラミス改からGM3が発艦し連合艦隊の戦力は整いつつあった

「ギマとラーフは此処のMS部隊の指揮を頼む。俺はノーリの奴を捕まえる」
ドルム・ステイはそういうとZZ隊とキュベレイ隊を引き連れガザの壁に突貫する
「壁の弱点は此処じゃ〜!」
と叫ぶとゲーマルクについた十数門のビーム砲をすべて発砲して数体のガザCを撃墜し壁に穴をあける
更にゲーマルクは穴に飛び込んでビームを全方位に連射、次々にガザCと撃墜して穴をどんどん広げていく
「何というパワフルなオヤジ…」
自分もちからから押しが好きなタイプだが、上には上がいる…大角は認めるしかなかった

円陣たちのサイコガンダムはネオジオンMSの大軍の前に孤軍奮闘を続けていた
後ろにはペガサス3や空母エミリアがいるため突破されるわけにはいかない
敵は複数のズサやガ・ゾウムでミサイル攻撃を飽和攻撃を仕掛けてくる
Iフィールドの影響を受けないミサイルはサイコガンダムにとって厄介な攻撃であった

「サイコガンダム本体のIフィールドの出力を下げる。つぐみちゃん拡散ビームの出力上げても大丈夫だよ」
「わかりました。拡散ビームの出力30%上げて連射、ミサイルを優先して迎撃します」
「敵の密度が高い。距離をとるため若干後退するぞ」
ゆっくりと後退するサイコガンダムの横を後ろから宇宙戦闘機がすれ違う
違う、あれはZプラスだ、恐らくはサイド1に配属されていると言われている第18飛行小隊か
更に第19・20小隊、いやもっと多くのZプラスがこの空域に集まっている

ブライト艦長はサイド3討伐時に連合艦隊としてロンデニオンに寄った際に複数のZプラス隊を
サイド1に集結させるように指示していた
その命令はブライト艦長の旧知の友であるアムロ・レイが中心になって実行され
ロンデニオンには20機近くのZプラスが集結していたのである

Zプラスは優先してズサやガ・ゾウムを攻撃していく
「こっちの事わかってるんだね…」とつぐみ
ミサイル攻撃がなくなればサイコガンダムは本来の力を出すことが出来る
そうなればこの大軍を押し返すことが出来る
「あと少し踏ん張れば」円陣は気力を振り絞る

そのときドルム・ステイのゲーマルクは戦闘艦チャンドラに迫っていた
0570通常の名無しさんの3倍
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2020/08/20(木) 22:17:50.96ID:afqRSz6t0
ギマ・ガデスのRジャジャのヒートランスはGM3を襲ったドライセンを串刺しにする
「ラーフ、いいのか?ドルム・ステイはノーリを説得するつもりだぞ」
ラーフ・ストレンジのハンマ・ハンマのシールドビームはガザを次々と撃墜する
「あの二人には因縁がある。それを解決するチャンスは与えるべきだ」
「ドルムが帰ってこない可能性があるだろ?」
「だとしても最低限仕事はしてくれる。彼の気持ちは汲んでほしい」
ラーフは残酷じゃないか?とギマは思う
(センチメンタルは人の命を軽くするぞ、ラーフ)

戦闘艦チャンドラは同型艦に囲まれ強力な対空砲火をドルム達に加えてきた
胸部ハイパーメガ粒子砲で応戦しながらもドルムは敵艦の配置をじっと見ていた
「…ここにはノーリはいねえ」
余りにも艦隊配置がそれっぽい、あいつは裏をかくのが好きだから此処にはいないだろう、恐らくは…
「ダミー隕石に行くぞ。あいつはそこにいる」

アクシズで開発された新型コロニー用核パルス推進装置(通称コロニームーバー)は30のパーツに分けられ
バルーン隕石化、それらが同じ大きさのダミー隕石と一緒に500Km四方の立方体内に漂っている
ダミーも含めた隕石の数、およそ300

「10個だ!コロニームーバーは2/3以下だとまともに動かない!ローラー作戦で行くぞ」
ドルム・ステイはキュベレイ隊、ZZ隊に隕石の破壊を指示する

「そうはさせん!やはりお前が一番のりだったか!」
隕石の陰からノーリの乗ったガルスJ が現れた
「お前は変わっていないのだ!破壊に心酔するのはもうやめろ!」
「デラーズの栄光を忘れたか、あれは人類を浄化する力だ」
「あの光の下で多くの人が苦しんだのをおまえは見ていないのだ!」
話しても無駄か、あの機体を行動不能にして…ドルムはゲーマルクを前進させる
だが、ガルムJの前にサイコガンダムmark2が現れた

サイコガンダムとZプラスの攻撃で連合艦隊前の敵は一掃され、艦隊は全身を始める
「ルイーズ達は先についたみたいだ。僕たちも続いていくよ」
アリダの言葉に合わせてサイコガンダムもダミー隕石群に向かって加速していく

大気圏内用の浮遊装置であるミノフスキークラフトは宇宙空間ではデッドウエイトに過ぎない
ミノフスキークラフト搭載型シールドを取り外したmark2は今までにない高機動でゲーマルクに接近する
更に隕石の陰からヌバが現れZZイーグル達に砲撃を開始する

「ぬおお〜!」mark2の想定外の強さにゲーマルクは満身創痍になっていた
ドルムは満面の笑みを浮かべてノーリが映っている画面に語り掛ける
「ノーリ!楽しいよなあ!人の命を守るための戦いはなあ!」
次の瞬間mark2の腕部大型ビームサーベルはゲーマルクの腹部を真っ二つにした
0571通常の名無しさんの3倍
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2020/08/21(金) 22:17:18.87ID:Bempov9w0
ゲーマルクを横一文字に一閃した後、更にmark2が真上からビームサーベルを振り下ろす
その風景を見ながら、ノーリは一年専横終戦直後の記憶を思い出していた

一年戦争終了後、投降したジオン兵は収容所に送られ、強制労働させられていた
ドルムとノーリはザクで収容所を襲い、ジオン兵の捕虜を救い出していた
解放された人の中には地球人の子供が多くいた
戦争で家を失った彼らも収容所に送られジオン捕虜と同じ扱いを受けていたのだ
「ありがとうございました」
民間人はザクを見てまるで祈るようなポーズをとってノーリ達に感謝する
「な、楽しいよな、人の命を守るための戦いはな」
画面越しにドルムはノーリに笑いがけた…

mark2に真っ二つにされたゲーマルクが爆発する
「俺は何をやっていたんだ…?」
放心し心ガードが弱まったノーリの心を読んだZZ隊がコロニームーバー攻撃に向かう
そのZZ隊を迎撃しようとしたmark2を円陣のサイコガンダムが抑え込む
危機的な状態のはずだが、ノーリはその風景をまるで他人事の様に見ていた
「なんで、俺はコロニーを落とさなければならなかったんだ…?」
それまではたとえドルムを討ち果たしてでも落とさなければならない…という信念があった
しかしドルムのあの言葉がノーリの心を折ってしまった
「俺は信念という言葉に逃げていなかったか…?」
涙が出た、親友を失ったことではなく親友が命を懸けて道を間違えた自分を止めてくれたことに

「帰りましょう、隊長」
気が付くとガルスJの前に3機のキュベレイ量産型が並んで説得しようとしている
「私たちが今生きているのは隊長がハマーン派に投降するように言ってくれたから」
「強化人間の私たちに優しく接してくれたじゃないですか」
「私たちがラーフ艦長を説得します。もうこんなことやめましょう」
…そうか俺はこの子たちにあの日の子供たちを重ねていたのか…
「そうだな。もうやめよう」
ガルスJは立ち上がりキュベレイ量産型に手を伸ばそうとする

「降伏させるわけにはいかないのですよ」
突然巨大な手が飛んできてガルスJを押しつぶして爆発させる
mark2の腕だ、サイコガンダムにダミー隕石に押し付けられながら左手を発射してきたのだ
思わずノーリをみて隙を見せたサイコガンダムをmark2は振りほどく
ネイルは信号弾を発射、更に大出力でレーザー通信を始める
「コロニームーバーは破壊、ノーリ大隊長は名誉の戦死をさせた。作戦はもう続行不可能だ。」
その通信が届いたのか、反逆艦隊は撤退を開始した
mark2もタイミングよく表れたビグロに回収され猛スピードで戦域を離脱していく

キュベレイ量産型のプル達からすすり泣く声が聞こえる
「ネイル、許さんぞ」もう円陣にとってあの男は尊敬する先輩のクロード隊長ではなかった
0572通常の名無しさんの3倍
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2020/08/22(土) 11:10:07.97ID:fbJ4PJb20
ノーリ大隊長を失った反逆艦隊はいくつかの艦隊に分かれて撤退を開始した
撤退を確認したのち円陣たちは核物質を取り除いたのち残りのコロニームーバーを破壊した
ノーリが画策したコロニー落としは此処に潰えたのである

分裂した元反逆艦隊の一部はサイド2に向かい護衛していたネェル・アーガマ艦隊と交戦している
残りを追跡するために連合艦隊もいくつかのチームに分かれることになった
「私たちにネイル…元ガラール隊の追跡を任せてもらえないでしょうか?」
ライジング艦長はペガサス3に赴きイーロン艦隊司令代行に要請をしていた
「彼らがどこに向かっているかわかってりのか?」
「サイド1の連邦基地から彼らは(エンドラ級戦闘艦)アレハンドラに回収されたのを確認されています」
「アレハンドラ…モズグズの船か」
「ガラール隊は恐らく彼女の居る地球に向かうと思われます。…バイコヌールでしょうね」
「あそこは今地球制圧軍残党が駆け込み一大勢力になっている。近いうちに連邦軍は大反攻作戦を行うようだが…
戦力は完全にはそろっていないようだ。こちらに支援要請は出ている」

「新規増設部品の強度は問題なしかな。これならバリュートでの大気圏突入はオッケーかな」
アリダが船外活動で空母エミリアのミノフスキークラフト装置の確認をしていると甲板に一機のMSが着艦した
「なんでネオジオンのMSが…それも士官仕様のRジャジャ」

「すまない、こちらにわが艦のMSパイロットがいると聞いて連れ帰しに来た」
エアロックから出てきた女性は歩きながらヘルメットを脱ぎ始める
紫色の髪…20前後の割と童顔のわりに修羅場をくぐってきたような女性の顔が現れた
食堂室から出てきた円陣が彼女に応対する
「今ようやく彼女たちは立ち直りかけている。もう少し待ってくれないか」

実は空母エミリアには先にキュベレイ量産型が着艦していた
パイロットたちは元ノーリの部下でいろいろ優しくしてくれたりと恩があったらしい
今回の作戦に参加したのもノーリの説得のためであり、ドルムに志願し認められたのだった
しかし、そのドルムもノーリも目前でmark2に倒され、ショックをうけていたのだった

そんな彼女たちを空母エミリアに連れてきたのはルイーズである
彼女もネオジオン所属時はノーリを上司としてきたので彼女たちの気持ちはわかっていたのだった
この間に来てからルイーズは彼女たちを慰めていたのだ

「ドルムの件に対しては私にも責任がある」
ラーフ・ストレンジは素直に責任を認めた
「でしたら、もう少し待ってもらえませんか、もう少しだけ時間を…」
「これ以上そちらに迷惑をかけるわけにはいきません。あとはこちらで」
と円陣を振り払い食堂室に入ったラーフが最初に見たのは
体中をクリームまみれにしてケーキパーティをするルイーズ達だった

「間に合わなかったか」ラーフは肩を落とした
0573通常の名無しさんの3倍
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2020/08/22(土) 16:32:03.00ID:0W57theH0
一年戦争直後にジオン残党がアクシズに逃げ込んだ時、食料などあらゆる物資が不足した
彼らは生存環境を作るために精力を傾け、少ない食料で生き残るのに必死だった
その時代に育った子供たちは食べだすと周りのことが見えなくなってしまう
それはネオジオンの最高機密のプルシリーズも同じことで食べだすとマナーとかなくなってしまうのだった

「すいません、こんなに散らかしてしまって」
最初の勢いはどこに行ったのかラーフはまた円陣に頭を下げた
「こうやって食べることでストレス発散できるんですよ」
ルイーズたちと一緒にケーキパーティしていたつぐみも話に参加してきた
彼女もまたクリームまみれになっている
「一緒にパーティやりませんか?こういうのは人が多いと楽しいですよ」

「で、ケーキ御一行は今は大浴場に行ってると?」
自分は船外活動している間に何をやってるの?とアリダは半ばあきれていた
円陣は一人ケーキパーティの後片付けをしている
「やれやれだよ」アリダもケーキパーティの片づけの手伝いを始める
「で、ラーフ・ストレンジも大浴場にいると?」
「ああ、あの子たち汚れすぎてるから洗うって」

3時間後、アリダとラーフは片付いた食堂でコーヒーを飲んでいた
「私のわがままを聞いてもらい感謝しています。それで話なのですが…」
「ぼくっ子なんでしょ?」突然ラーフが意外なことを言い出す
「大浴場で聞きました。アリダという面白い子がいると」
(ルイーズのやつ)アリダは赤面して一瞬固まった後、深呼吸して開き直った
「ええ、ぼくがそうですよ。ごめん、ソッコーで本題入っていい?」
ラーフはにこにこして話を聞いている。結構この人Sじゃない?とアリダは思った
「で、バイコヌールにいるモズグズのことなんですが…」

ルイーズたちは4人一緒で眠っている
つぐみは一人ひとりベットに寝かせ布団をかけていた
「ねえ、円陣。彼女たちは一つの夢を見るんだって。」
円陣は後片付けをしている
「…この子達一緒にしたほうがいいかもしれないな」
{え?」
「多分バイコヌールですべての戦いは終わる。そこでルイーズを共和国側に渡そうかと・・」
「…それ、いいよね。彼女はあるべき場所に戻るべきなんだよ」
つぐみは明るく装ったが円陣は彼女が悲しんでいるのははっきりと分かった
0574通常の名無しさんの3倍
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2020/08/22(土) 23:15:53.44ID:fbJ4PJb20
第21話「地の底へ」
ルイーズ達を寝かしつけたあと円陣とつぐみはそれぞれ自分達たちの部屋で就寝した
円陣はベッドの中でサイコガンダムmark2との再戦の事を思い出す

円陣たちのサイコガンダムが到着した時にはmark2がドルムのゲーマルクを撃破した後だった
「推力上げて!サイコをあいつにぶつける!」
シールドを構えたサイコガンダムがmark2にぶつかっていく
mark2はシールドを受け止め押し返そうとスラスターを全開にするが
メガライダーを装着したサイコガンダムの推進力のほうが大きく
サイコガンダムはmark2をダミー隕石の一つに叩きつけた

「強くなったな円陣」接触回線でクロード隊長が話しかけてくる
戦闘中に通信してくる、こんなことをする先輩を見たのは円陣は初めてだった
「クロード隊長!聞こえているならこんなコロニー落としなんかやめてください」
mark2はろくな反撃もしない、なぜだか分からないがおかしい、と円陣は思った

「このコロニーは落ちない」クロード隊長ははっきり言った
「落としたのではスペースノイドの立場がまた悪くなる…コロニーじゃダメなんだ」
俺の言葉が隊長に届いたとは円陣には思えなかった。その不安が言葉になる
「何を、するつもりなんですか?」

隊長の次の言葉を円陣は聞きたくなかった
「地球はアースノイドの手で壊す。彼らの手で壊さない限り今の連鎖は止められない」
「あんた何言ってるんだ!」
サイコガンダムは更にmark2を隕石にめり込ませようとするがmark2は左手を射出する
「ノーリ、余計なことをするな!」
射出された左手はノーリのガルスJを粉砕した
後でルイーズに聞いたが、あの時ノーリ隊長は連合艦隊に降伏するつもりだったらしい

一瞬、どうしようもできない怒りが円陣に巻き起こった
サイコガンダムが拳を握りmark2を殴ろうとした
しかし、それを予測していたmark2に利用されバランスを崩されマウントを返される

ひっくり返ったサイコガンダムとそれを見下ろすmark2
「円陣、バイコヌールに来い。俺がやろうとしていることを見届けろ」
そう言うとmark2は戻ってきた左手を再装着すると回収に来たビグロに収容され戦域から去っていった

円陣は、泣いた。もうクロード隊長を救うことをできないことを知った
あそこにいるのはクロード隊長の姿を借りた別の人間なのだ。隊長はそれに奪われてしまったのだ
円陣は絶望に消えかかった怒りを掘り起しそれを声にして吐き出した
「ネイル、許さんぞ」
0575通常の名無しさんの3倍
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2020/08/23(日) 11:31:46.05ID:P5AC1WSR0
円陣が後悔している間ルイーズ達は一つの夢を見ていた

「ネオジオンの同士の諸君。今日からフィアラル隊に配属されたプル5、プル7、プル9だ」
ノーリ隊長の紹介されたプル達は何をしていいかわからずおどおどしていた
おどおどが伝わったのか兵士たちも不安になり一帯が不穏な空気に包まれた
「何をやってるのだ」ノーリ隊長の大声が響く
「俺が紹介しているのだ。彼女たちの実力は俺が保証する。なら戦ってみるか」
その声は力強くそれでいて、心休まる声であった
あの声でどれだけ救われたのだろう、あの声のおかげで今の私たちはある
夢を見ながら4人のプル達は泣いていた

アリダとラーフ艦長はブリッジでライジング艦長と話していた
「つまりネイルの狙いはノーリの作戦の失敗だと?」
「ノーリはコロニー落としを画策していたようですね。ザビ派にとってそれは偉業ですから
艦隊を集める神輿としては最適な素材です」

ラーフ艦長はマシュマー・セロが反ハマーン派をつなぎとめるためにコロニー落としを決行したのを思い出す
マシュマーの独断専行をハマーン様は自分から指示したという形にして誤魔化したものの
そのせいでハマーン様はコロニー落としの悪名を背負ってしまったのだ
ラーフ艦長が地球連邦に協力するのはハマーン様の汚名をそそぐためである

「でもネイルにとって邪魔だったようです。作戦は失敗するとみていたようですが、まさかノーリが降伏するとは
思わなかった。そこで、慌てて攻撃したと思われます」
「あれだけの艦隊を分散させるのに何のメリットがある?」
「宇宙に関心を集めるためです。その隙に地球で大作戦を起こすつもりでしょう」
「ネイルの発言からコロニー落とし級の破壊兵器があると推測されます」
コロニー落とし級の破壊爆弾…ネイルは地球連邦にあると言っていたなとライジング艦長は思いだした
「ええ、モズグズがそのカギになりました。彼女の正体はアレハンドラ・イシュー。
ジオン出身の宇宙物理学者で専攻は反物質です」

反物質…まさかティターンズが極秘に研究していた「M爆弾」のことなのか?
しかしあれはニューギニア陥落時と共に消失したと聞いているが…
ガラール隊を追うのは因縁と決着をつけるためだと思っていたのだが
ライジング艦長は、新たな過去の亡霊と向き合わなければならなくなったのだった

つぐみは寝ることが出来ず窓から地球の風景を見ていた
彼女の足元にコロニー落としで直径500qのクレーターになってしまった元シドニーが見える
「これ以上の破壊が起きるというの?」
ネイルの「地球を壊す」という言葉がいまだに心に残っていた
0576通常の名無しさんの3倍
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2020/08/24(月) 22:27:49.72ID:CTSCsCBc0
「え?」
つぐみはオーストラリア大陸から北西の方角で火の玉が現れたのが見た
20万Km離れた距離で見ることが出来るということは…まさか

空母エミリアのブリッジに宇宙港ペンタから通信が入る
「先ほどソロモン諸島オノゴロ島で大規模核爆発が起こりました」
ライジング艦長は認めざるを得なかった
「M爆弾…強制反物質発生システムがまだ生きていたのか…」

ソロモン諸島オノゴロ島ティターンズ基地跡
コロニー落としによる地殻変動で隆起したこの島にティターンズは基地を建設していた
何かを掘り起こそうと複数のMSが土砂を取り除いている

「旧世紀の時から核融合実験で反物質が生まれることは知られていました
しかしそれは微々たるもので兵器にできるものではなかったのです
その見通しが立ったのはミノフスキー粒子が発見されてからでした」

作業が終わったのかMSが下がると下に400M級戦艦の格納庫のハッチらしきものがあった
一度ずしんとした音が起こった後ゆっくりと展開していく

「ミノフスキー粒子の存在は小型で高出力の核融合炉を作ることを可能にしました
それは反物質を早く大量に作ることが出来るようになったのを意味します
地球連邦は水爆を超える兵器としてM爆弾を作り出しました」

ハッチが全開になるとそこから320Mはありそうな戦艦が現れた

「1年戦争で地球を破壊したコロニー落とし…
それと同じ破壊力を1トンの反物質の対消滅で発生させることが出来ます
10トンあればアクシズ落下と同じ破壊力を地球に与えることが出来ます
この船は13トンの反物質を発生させることが出来るのです
これでアースノイドは何を破壊したいのでしょうか?」

徐々に浮き上がる強制反物質発生装置、通称M爆弾「ヘル」

「さて、トリントンから連邦軍が来たようです。彼らに聞くことにいたしましょう」
そう言うとモズグズごとアレハンドラ・イシューは自分のMS を起動させた
0577通常の名無しさんの3倍
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2020/08/25(火) 22:37:38.86ID:ZN/qvHM30
SFSに乗ってトリントン基地から飛来したネモはオノゴロ島で巨大なMSを発見する
推定40m、サイコガンダム級か?肩に巨大なバインダーが付いているようだが…
「敵もこちらを補足したようだ。牽制しつつ包囲して攻撃を開始する」
本部に連絡するとネモ隊は円軌道を描いて敵MSの周りを飛ぶ

ヘルの周辺では作業用MSの撤収が始まっていた
「時間はないようですね。一撃で決めさせていただきます」
アレハンドラの巨大MS はその体に似合った巨大な槍を取り出した
槍の先を真上に向けると先端が光りだしビームの穂先になる
ネモ隊は警戒して上空に逃げるがアレハンドラは気にしない

「知らないということは時に悲劇になるのですよ」
そう言うと槍の先から光が発射される。光は上空に消えたと思った途端
巨大な光の玉になり、その数秒後に爆音と衝撃波が襲う
上空にいたネモ隊は衝撃波を回避できずSFSから落ち、海に消えていった

爆発が終わった後、空を見ると自分の名をつけた戦闘艦アレハンドラが降下している
アレハンドラ指令が見上げるとブリッジではネイルとミレディが敬礼をしていた
「指図通り、宇宙を混乱させたようですね。これで用意は整いました」

「これ以上私の船を留守にするわけにもいきませんので」
ラーフ艦長は旗艦のあいさつのため、空母エミリアのブリッジに挨拶に来ていた
「もう少しだけ待ってくれませんかね」
「しかし配下のキュベレイ隊は発進してしまいましたし」
「今からちょっとした余興を…」ライジング艦長は少し口ごもった
こういう趣向はあまり彼の得意ではないようだ

ブリッジから外を見るとキュベレイ隊がこちらに戻ってくるのが見える
その風景を遮るように黒い物体が現れた、サイコガンダムだ
「模擬戦闘モードの切り替え終了。実弾のロック確認完了したわよ」
「こういう機会って次ないからね、ガツンといってみょ」
「ああ、コンヘンションみたいな感じで思い切っていくよ」

キュベレイ隊のパイロットにはルイーズがセコンド役で付いていた
「ここでいいとこ見せるよ!サイコにキュベレイが負けるはずがない!」
パイロットたちは無言でうなづく
4人は秘めた思いがあった。そのためには負けるわけにはいかなかったのである
0578通常の名無しさんの3倍
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2020/08/26(水) 23:11:18.37ID:vY9mAiXG0
キュベレイ量産型は密集状態でビームキャノンを連射するがサイコガンダムはシールドで受け止める
「Iフィールド起動率174%、復元まで2秒」
この戦いは演習なので実際にビームが発射されるわけではない
キュベレイ、サイコガンダム共に空母エミリアとレーザー通信でリンクしていて双方のコクピット
及びエミリアのブリッジ画面でビームやビームサーベルがCG合成されているのだ

「やっぱ固ーいっ」
「ちょっとテン、もう少し粘ってー」
「さすが長距離攻撃は無理かな。接近戦にかえるよ」
3機のキュベレイは分散するとサイコガンダムの周りを飛び交う
死角を見つけるとビームサーベルで切り込んでくる

「さすがだな。3機の連携に隙が無い。こっちも仕掛けるか。みんなちゃんと捕まってて」
「何をするつもりなん…うわぁぁあー」
サイコガンダムはメガライダー装着で強化された出力を使って高難易のマニューバを繰り出す
目を回すアリダをよそにつぐみは円陣と初めて会ったときのことを思い出していた
かつて円陣の乗ったバウと同じマニューバを今のサイコガンダムは行っていた

「円陣、一寸はしゃぎすぎだな」
ライジングはほほ笑む。何か月か前あのサイコガンダムにコテンパンにやられたのに
今は彼らと同じ部隊で戦っている不思議な運命を艦長は感じていた
「あの子たちは食らい付いていますね。今までには見られなかった」
ラーフ艦長はサイコの機動でもフォーメーションを崩さない彼女たちに成長を感じた
いやそれだけじゃない、彼女たちの戦いに今までと違う意図を感じていた

サイコガンダムの円陣たちもその違和感を感じていた
「なあ、なんでキュベレイはファンネルを使ってこない?」
「あれだけのファンネルで飽和攻撃すればIフィールドに大ダメージを与えられるのにね」
「いたた…ファンネルが使えない状況を想定して戦っているのだろうね。地球上とか」

ライジング艦長も彼女たちの戦い方には気が付いていた
「彼女たちは地球に降りたいのかもしれませんね。出来ればmark2と戦いたい。前時代の仇討ち、
と言ってしまえばそれまででしょうが、彼女たちにとって自分を取り戻す戦いをしたいのでしょう」
ライジング艦長もまた自分を取り戻すために東南アジアで戦ったから、今の彼女たちの気持ちがわかる

「しかし、彼女たちは…」
気持ちはわかっても、彼女たちの正体を考えると…ラーフ艦長は口をつぐんだ
そんなラーフ艦長にライジング艦長が近づき小声でささやく
「実は、私も円陣も元スパイでしてね色々細工することが出来ます。上には挙げません
私はあなたとの信頼を最優先でしたいのです」
上にばれたら軍事裁判どころでないな…ライジング艦長は内心焦っていた
しかし、ここでハマーン派の協力を取り付けたい、できなければ多分連邦は負ける、そうライジング艦長は思った
0579通常の名無しさんの3倍
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2020/08/27(木) 22:20:10.84ID:SpE58YIF0
(ギマは私をセンチメンタルで流されやすい人間だという。確かにそのせいでドルムを失った)
ラーフ・ストレンジは決断を迷っていた、フェイル代表は現場の判断を尊重するとしか言っていない
つまり協力せず撤退するという選択肢もあるということなのだ

「加速力や機動力ならこちらが上なのにー」プルセブンが値を上げそうになる
サイコガンダムは加速の不足をトリッキーな動きで補いキュベレイ量産型を寄せ付けない
更に円陣がアドリブを間に入れてくるから、NT能力で思考を読んでも後手後手に回ってしまう
三人の中で最も強気なはずのプルナインも弱音を漏らす
「これがキャリアの差というの?私たち…これまでなの」

(ニュータイプだけが人の心を読む力じゃないよ)
ルイーズが3人にアドバイスを入れる。それはかつて仮面の男から教えてもらったことであった(>>537
(相手のしぐさ、くせ、状況…それらを組み合わせれば自然と相手の考えが見えてくる…って聞いた)
その言葉を聞いたプルテンは相手の癖らしいものが頭に思い浮かんだ
(サイコガンダムは私達の追跡をかわすために一度減速するはずっ)
(そこだ。確かにそこがチャンス。ソッコーで狙うよ)
(了解ー!)

キュベレイ量産型はサイコガンダムの足下に回り加速して接近する
加速して逃げるサイコガンダム…だが急制動をかけて減速、一機のキュベレイは間に合わず頭の上を通り過ぎていく
が残りの二機は同時に減速しながら膝、ひじの駆動部をビームサーベルでダメージ
挙動が取れなくなったサイコガンダムの頭部に通り過ぎたはずのキュベレイ量産型がたどり着く
「これで、あたしたちの勝ちだ!」
キュベレイ量産型はビームサーベルの柄をサイコガンダムの頭にこつんと当てた

模擬戦に勝った3機のキュベレイ量産型はブリッジにラーフ艦長を見つけてブリッジに接近する
「あたしたち勝ったよ」「やたっ、やたんだっ」「艦長ー、艦長ー」
さっきまでノーリ隊長の事で落ち込んでいた彼女たちとは思えない…
(ギマよ、私は甘いというかもしれないが私はやはり人の心にに賭けてみたい)
元ネオジオンのラーフ艦長はエウーゴ・連邦連合艦隊に参加することを内心では決めていた

「ふんっ!これがサイコガンダムの力だと思うなよ」
サイコガンダムのコクピットでアリダは負け惜しみを言った
「じゃあパワーアップしないといけないよね、アリダの対G訓練をみっちり行わなきゃ」
「そうそう、サイコガンダムはなんも悪くないからな。ホントはもっと加速できたんだし」
「ちょ、ちょっとまってみょ。じょ、冗談だってば」

3日後地球圏に向けて連合艦隊から空母エミリア、ジオン共和国からエンドラ級戦闘艦
ツンドラとマヘンドラが地球に向けて発進した
連合艦隊からバイコヌール攻略戦に送り込める戦力はこれが限界だったのである
0580通常の名無しさんの3倍
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2020/08/28(金) 22:41:43.94ID:VfT+ZoIw0
第22話「重力の井戸」
グリプス戦争が終結したアクシズの表面
宇宙服を着たネイルは一人の少女を連邦の兵士とみられる男に渡していた
後ろに気配を感じる、振り返るとネオジオンの将校が銃を持って立っていた
「ふん、こんなからめ手まで用意していたとはな」
アクシズの摂政、ハマーン・カーンだ

ネイルは体中から汗が噴き出しているのを感じた
プレッシャーが半端ではない、すでに体が動かなくなっている
「盲点だったな、エウーゴとティターンズのスパイのお前に接点があったとは」
ハマーンが一歩ずつ近づいてくる。体が恐怖でガタガタ震え始めているのが分かる

ハマーンはヘルメットを接触させると小声で伝えてきた
「すまないな、お前にこんな苦労をさせてしまって…」
「え?」
去ろうとするハマーンに声をかけようと思わず手を伸ばしたネイルに銃弾が命中する
「ハマーン様!」
射撃したのは当時側近だったグレミーだった

振りむいたハマーンは一瞬驚いた表情をしたが次の瞬間には元のハマーンに戻っていた
「ハマーン様。スパイが襲い掛かろうとしたのでやむを得ず射撃しました」
「そうか、生きてるか?奴の情報を得たい」
「生存させます。必ず!」
グレミーが接近する所でネイルの記憶は途切れている

ネイルはブリッジでどうもうとうとしていたようだ
隣ではミレディがまるで戦場とは不似合いなさわやかな目で見つめていた
ミレディの手を借りてネイルは体を起こし、空の一点を見る
そこには宇宙港ペンタがあった

宇宙港ペンタでは空母エミリア、ネオジオン戦闘艦ツンドラ、マヘンドラが係留されている
大気圏突入の装備品などの補給の傍ら各艦の艦長による打ち合わせが行われていた
ハマーン派と共同戦線を汲むことについて連邦軍の参謀本部からクレームが入り
連邦の連絡将校がネオジオンの艦艇に乗り込むことで双方は合意している

「つぐみ〜」
「え?さやかなの?なんで?」
「今度連絡将校でツンドラに乗り込むことになってね」
吉本つぐみと雑賀さやか、月のグラナダ以来の再会である
0581通常の名無しさんの3倍
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2020/08/29(土) 19:08:34.32ID:evHfj3tV0
ネイルはブリッジでどうもうとうとしていたようだ

ネイルはブリッジで一瞬短い夢を見ていたようだ
0582通常の名無しさんの3倍
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2020/08/29(土) 23:17:42.90ID:X0N18rWL0
作戦会議室には各館の艦長及びMS部隊の隊長格が集結している
サイコガンダムのガンナーのつぐみもツンドラの連絡将校のさやかもオブザーバーでこの会議に参加していた

地球のノースウッドと宇宙港ペンタがレーザー通信でつながり
ノースウッドの宇宙物理学者サナム(元プタハ)が説明を始める

「かつてティターンズはアナハイムで建設中のアルビオン級6隻を接収、自軍の艦として使用しました
しかし翌年になってからすべての艦を除籍、それらの行方は分からなくなりました」

「それが分かったのは数か月後、元サイド5宙域で強いガンマ線が発見されたと報道されてからです
連邦軍は調査した結果、被曝したアルビオン級の破片を発見したのです」

「爆発の大きさからコロニー落とし級の爆発があったと推測され、同様の破壊を起こすことが
出来る材料として反物質が想定されました。しかしそのあとすぐ起こった30バンチ事件でマスコミは
沈黙、連邦もそれ以上の調査はできなくなってしまったのです」

当時のことを知っている連邦の士官はあれはそういう目的もあったのか…と声を漏らす

「私たちが今使っている核融合炉はごく少量ですがの反物質が発生し容器を損壊するため、大型の融合炉は
建設することはできません。しかし、ティターンズの技術陣はあえて100m級の大型融合炉を作り
限界まで稼働させることで大量の反物質を得ようとしました。退役したアルビオン級は巨大な融合炉を運ぶための
キャリアーとして改造されたと思われます。でも、効率は悪かったようです。先ほどの爆発は300s程の
反物質しか作ることが出来なかったとみられています」

画面に投影された衛星写真ではエンドラ級のそばでアルビオン級の戦艦らしき艦影があった
恐らくこれが反物質爆弾に改造されたアルビオン級なのだろう

「著名な宇宙物理学者のアレハンドラは違う方法で反物質を大量に生成する方法を見つけたようです
ウランを融合炉に封入し融合炉内の環境でぶつけ合うことで疑似超重原子を連続的に発生させ
反物質を爆発的に発生させているものと推定されます」

連邦、ネオジオン関係なく「証拠は?」という声が上がり始める
余りに突拍子のない話に誰もが信じられない…という顔になっている

「オノゴロを攻撃したネモの外装からごく微量のウランが検出されました。既にアレハンドラは
この方式で反物質を武器化しています」

ネモから撮影した反物質兵器の爆発の瞬間が画面に投影される
今までのものと全く違う爆発の仕方と大きさに軍人たちはこの話を信じるしかなくなっていた
0583通常の名無しさんの3倍
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2020/08/30(日) 10:09:34.95ID:H2fducrM0
場がざわつく中、挙手したライジング艦長が質問に立った
「この反物質爆弾はどこに設置すれば最も効果的な破壊をもたらすと思われますか?」
サナムは少し頷いた後、考えをまとめたのか頭を上げた

「まず、水中はありません。ガンマ線は大量の水があれば遮断できますから。あと爆弾の原型の
アルビオン級も深い海には潜る事が出来ないので海底で爆発も考えられないでしょう」
確かに水中ならオノゴロ島から動かす必要はないな…とライジング艦長は思っている

「次に空中ですが、ガンマ線での被ばくを考えるなら有力な候補ですが、地球そのものの被害は
意外と低いと思われます。彼らの目的は地球の決定的な破壊というのならこれも違うと言えるでしょう」
円陣はサイド1攻防戦で対戦した時のネイルの顔を思い浮かべいた
ネイルはコロニー落としと同等以上の破壊をを地球で開発された反物質爆弾で行おうとしている
ならば地球に決定的な破壊を行う方法をとるはずだ、空中はない、と円陣は確信した

「そうなると残された可能性は地底でしょうね。仮にバイコヌールの地下数キロで使用された場合
ユーラシアプレートはいくつかに分断され、地球規模で大規模な地殻変動が起きるでしょうね。
爆発のエネルギー自体ではマントルが露出して噴出、地軸が変動する可能性もあるかもしれません」

つぐみは一年戦争前、兄弟とよくアニメを見ていた。大災害後の世界を描いた昔のテレビアニメで
「地軸は避け、八つの大陸はことごとく引き裂かれ海に沈んだ」と言うOPナレーションが好きで
よく聞いていたが、アレハンドラはそんな漫画みたいな事を本気でやるつもりなんだろうか?
冗談じゃないと思った、

サナムは次の言葉でこの通信をまとめた
「あと反物質爆弾はオノゴロ等に封印された際にいろんなパーツが取り外されたと思われます
更にアレハンドラが自分仕様に改修するためには時間がかかる事でしょう
恐らくはアナハイムから回収用部品がバイコヌールに密輸されていると思われます
発掘される前に密輸されていると考えられるのですでに部品はそろっているのでしょう」

会議は終了し解散となった
つぐみのもとにさやかが来て耳元でさやかがつぶやく
「ジュドーを断罪できなかった連邦の上層部は振り上げたこぶしのおろし先を探しているわ
ネオジオン艦隊を味方にしたこの艦隊はにらまれているよ
もし、何らかの不祥事が見つかればライジング艦長や円陣はどうなるかわからない」

つぐみは黙り込んだ、ライジング艦長と円陣は連邦に対しネオジオンの最高機密の隠ぺいという
工作をしている以上、彼らはすでに引き返せないところにいたのである
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