「ほう……、ここが悪しきゾニーに尾を振るソフトメーカー・ゼガか……」

 岩田マンゲマンは右腕を縦に大きく振り始めた。

「この新しいチカラ、試してくれよう!!カァ───ッ!!」

 山崎邦生(現・月亭方正)の様な甲高い咆哮と共に、マンゲマンの眼が見開かれた。
と、同時に。マンゲマンのケツ穴からウンコが吹き出し、マンゲマンの身体は驚くべき速度でゼガの本社に突進した!!

────……

「ムゥ!?」

 外回りをサボるため、ゼガ本社に立ち寄ろうとした水川は呆気にとられていた。
昨日まで立派に存在していた自身の古巣が、跡形もないのである。
……朦々と昇る土煙から、人影が浮かび上がってきた。

「貴様……、岩田!?確かに殺したはず……!」

 水川は産まれて初めて恐怖した、藤岡弘、いや、それ以上の何かに。

「水川、貴様は我が任地堂を愚弄してきたな?」

 額に汗しながらも、既に水川の心は落ち着いていた。

「スペック・スパイラルから逃げ、自社の殻に閉じこもったお前ら任地堂に食わせるソフトは無え!!食らえ岩田!!いや、マンゲマン!!」

 水川はスーツの胸ポケットから長方形の何かを取り出した。
グロカードだ。