T氏
 キャシーは......だいぶ老けてはいましたが、あの素敵な笑顔は、全く変わってませんでした。
キャシーとの数十年ぶりの出会いに私は胸がいっぱいになり、とある な、......ははっ...不思議な感覚になったんです。
口の中に甘いような柔らかいような、不思議な感覚が広がったんです。

まさにあれは、タピオカでした。

 当時の私はその美味しいタピオカを、いえ、当時あれがタピオカだとはつゆも知りませんでした
その美味しい甘いものを口いっぱい頬張りながら、キャシーとの旧交を暖めました。
 この時、気づいたんです、タピオカというのは......青春なんだと。