〜続き
そもそも“違うこと”が失敗の理由?
 モバイルOSの「第3のOS」という言葉が出るたびに思いだすのが、
2010年にSymbianのイベントで聴講したマーケティング理論のGeoffrey Moore氏の話だ。
 2007年の”iPhoneショック”によって、麻痺状態に陥ったSymbianに対し、Moore氏は「iPhoneを模倣せよ」と言い放った。
要するにスマートフォンでリーダーとなった(Symbianがフィーチャーフォン時代のOSだとして)iPhoneから多くの機能を取り込み真似ることで、
iPhoneの優位性を無効化してしまうという戦略だ(特許弁護士が聞いたらびっくりする言葉だが)。
Symbianのオープンソース化は結果的に失敗となるが、スピードの遅さとプライドが阻害要因の1つであったことは否めない。
 さてこのときは明確に頭角を現していなかったが、2008年に立ち上がったGoogleのAndroidは
(Moore氏の話を聞いていたのかと思うぐらいに)、「スピード」と「iOSライク」に徹した。
その結果が現在の8割強のシェアだ。今でも「iOSライク」は一部のユーザーにとって重要な要素のようだ。
「HUAWEI P9」を好む欧州の女の子(14歳)はiOSライクなインターフェース(テーマ)をカメラとともにファーウェイ端末を選んだ理由にあげ、
Samsungは全体としてiPhoneのようには見えないから買いたくないと話をしていた。
MicrosoftもiPhone登場前からモバイルで戦っており、その違いに自信を持っていたはずだ。
確かに独特のタイルUIを好むユーザーはLumiaを選んでいたようだが、
Windowsのシェアはなんと2016年第1四半期の0.8%から、2017年第1四半期には0.1%まで下がっている。