言外の意味を汲み取ることが苦手

 言葉の裏の意味を理解することが難しいことが多いです。家に電話がかかってきて
「お母さんいますか?」と聞かれ「はい、います」と答えます。そのままだったので相手が
「お母さんを電話に出してください」と言うと「お母さんはいますが、今家にはいません」
と答えました。最初の質問に対して子どもは母がいるかどうかについて答えたつもりなのです。
慣用表現も混乱の一因になります。「先生に叱られてお母さんは耳が痛かった」と言われて、
親切にも鎮痛剤を持ってきてくれたりします。「今日のご飯はお鍋にするね」と伝えると、
あわてて「スパゲティがいい」と言った子どももいます。その子は実際に料理が出されると
おいしそうに食べて、食後に「これが鍋を食べたっていうことなの?」と確認をしました。
 皮肉やほのめかしの理解も難しいようです。よく学校の先生が
「そんなことしたら幼稚園の子だよ」と注意しますが、本当に幼稚園にいくのだと思って
不安になったり、幼稚園にいけるんだと思って喜んでしまったりします。
「そんな子はうちの子じゃありません」と叱られて戸籍を調べようとした子どももいます。
困った行動をしているときに「それはちょっとね・・・」と言われて、ちょっとねの後の
言葉を延々と待っていたりしがちです。