そして、民自党は、速やかに、「憲法改正」を、進めた。その間にも、尊王革新党による爆弾テロは、激しさを増した。

 「警告通り、我が革新党は、独裁政権打倒のため、あらゆる手段を尽くす」
 革新党は、「宣戦布告」で対決する。民自党は、憲法改正を急いだ。
 そして、「日本国憲法第七条」は、書き換えられた。

 我ガ国ノ治安ヲ守ルタメノ軍事力ノ保有ヲ認メル

 たった、その一行が、すべてを変えた。政府は、直ちに自衛隊(セルフ・ディフェンス・フォース)を、「防衛軍(ディフェンス・フォース)」と改称して、治安出動を命じた。

 「内戦」である。

 尊王革新党は、徹底的に抗戦した。恐るべき軍事力であった。
「防衛軍」は、太平洋戦争以来の戦争に、甚大な犠牲者を出しながら、激しく攻撃した。戦闘機も、軍艦も動員された。日本は、凄まじい内戦を繰り広げた。

 六月に入った。「内戦」は更に激化して、目処が立たなくなってきた。
革新党は、防衛軍の武器庫を爆破し、旅客機をハイジャックして軍艦に「特攻」して撃沈し、爆弾を載せたトラックで司令部に突入して、自爆した。
国民は、「革新党は、いったい何人いるんだ?」と、恐怖に慄いた。日本中が、戦場と化した。本田総理は、国民に「忍耐」を促した。