貴官らは飛び越し着艦の一を知ってその二を知らん。
飛び越しとは単に飛行機を飛び越して着艦するのみにあらず、
搭乗員のさらなる技量向上を謀る訓練の一部である。

これに習熟した搭乗員ならば、航空魚雷を抱いたまま飛び越し着艦を行い
艦首甲板にて魚雷を800キロ徹甲爆弾に換装してそのまま発艦出来たという。

またさらに、熟練の極みに達すれば空中にて雷装機と爆装機とが互いに兵装転換を行う事も出来たという。これを「空中換装」という。
なお、この際に必要とされる装備に「胴金具装置用具」がある。
後に米軍がこれを接収し、「ドッキングサーチャー」と呼ぶようになったという。

(民明書房刊「近代着艦の夜明け」)