定所着陸訓練の実際については、下記の通り。
http://senri.warbirds.jp/04yatabe/yatabe3-2.html

> 一番手前に置かれた定着布板を艦尾マークと呼ぶ。
> その前方五十メートルの左側に着陸指導板がセットされる。
> 地面の高さに青色(芝生の飛行場では白色)約一メートルの高さに、
> 赤色の指導板(幅約三十センチ長さ二メートルの木製板)を置き、
> その間隔を調整して、この二つを見通した線が五・五度から六・五度になるようセットする。
> 風速によって角度を変える。風が強いほど角度を大きくする。飛行機の沈みが大きいからである。 

> 飛行機はこの着陸指導板を見通した線上を降下する。
> 青を自分に見立て、青が上に見えれば高過ぎ、下に見えれば低過ぎと判断して修正しながら降下する。
> 高度三十メートルまでにグライドパスが安定しなければ着陸をやり直すことになる。
> エンジンを入れて、再び誘導コースを回る。
> 安定したグライドパスで艦尾マークを通過する時点が、ちょうど眼高五メートルである。
> エンジンを絞って機首を引き起こせば、着陸指導板の横ぐらいに軽く接地する。

> 夜間飛行の場合は、区画を示す布板を夜間でも見えるカンテラに置き替え、
> 着陸指導板も、着陸指導灯と呼ぶ赤色と青色の電球を並べたものに取り替えて、バッテリーに接続する。
> これらを「夜設」と呼ぶ。
> だから、定着訓練は夜間飛行の準備であり、また、航空母艦に着艦する訓練にも通じるのである。

谷田部空は、昭和19年までは赤とんぼ部隊。実用機訓練部隊ですらない。
そういう雛鳥が、 定所着陸訓練をキチンと行って、実用機訓練部隊⇒実戦部隊へ、と駒を進めるわけである。
実際に空母に着陸した経験はないにせよ、基礎技術は養成されてたこと、だけは事実である。

六空の零戦、着艦フックが装備されてりゃ、接地したあとの着艦滑走距離は、
制動索のおかげで、せいぜい数十メートル、なわけなのだが。