ほのぼのという話か分からないが一つ
戦時中に井伏鱒二ら作家たちを南方に徴用した時の話。
結成式で輸送指揮官が「貴様らの命は俺があずかった。ぐずぐず言うものは、ぶった斬るぞ」と、
いきなり言ってみんな動揺して、卒倒した人も現れた。
その時、「ぶった斬ってみろ!」と海音寺潮五郎が持ってきていた先祖代々の同田貫宗広の全長四尺でドンとついて言いかえし、
その指揮官は、「あの中には非国民がいるから危ない」と言って輸送中、船室から出て来なかったとのこと。