中高一貫の防衛女子校設立 その18 [転載禁止]©2ch.net
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制服可愛くて、進学レベルが高くて、イジメは絶対許さない姿勢で、
卒業までに普通校課程の他に、英語、他一カ国後ネイティブレベル、
看護婦並みの医療技術(理論、実践共に)、婦人警官並みの護身、格闘術、
二輪、四輪限定解除、マナー、礼儀作法も修得・・・で、6年間 男 不可
と、いうのはどーでしょう。
卒業時、内部試験で防大、旧帝大進学可
予備士官として登録
学費、諸経費無料 給料支給
卒業試験は上記技能、単位修得済みの上
富士の樹海、もしくは日本アルプスから地図無しで生還すること
・・・けっこう、人集まるんじゃないかな 或る女生徒のクリスマス
防女で一番不幸なクリスマス・イブを過ごす女。それが私だ。
雪が降っている。しんしんと降っている。日本海側特有の、湿って重たいボタ雪が、降り積もっている。
凍った地面の上に。弾薬庫の前に。そしてその前で歩哨に立つ私の、鉄帽の上に。肩の上に。手袋の上に。
最悪の籤だった。まさか、寝ている間に、寝ぼけて悪魔の尻尾でも掴んでしまったか?
昨年のイブは楽しかった。隣家の幼馴染のF君と一緒。両家の家族で合同クリスマス・イブ。
ケーキを食べて、ターキーを食べて、プレゼントを交換して。
ツイスター・ゲームもやったなぁ・・・。通算、796勝756敗。
負けると、本当に悔しがるんだ、F君は。私は本当は、ツイスター・ゲームなんてそれほどではなくって、
何というか、F君と、子供の時のように、ずっと一緒に遊べるのが、何より嬉しいのだが。
F君は、良い学校に行っている。親たちが、みな確実に年収〇〇〇〇万円以上の学校。
そういう学校に通う女子生徒たちは(女子力)もまた高い。私などとはレベルが違う。
彼の学園祭での写真を、何枚か見せてもらった。私は防女で多くのものを得ることが出来たけれども、
また多くのものを失ったことを知った。 自らの幸福を最大限に追及する人々。そのために、全ての能力と労力を投入する人々。
その人たちには、到底勝てない。防女の生徒たちは、みな真っ黒に日焼けし、唇はひび割れ、
手の皮は厚く、声は大きくしゃがれ、土の上を這いまわり、体には消えぬ草と泥の臭いをまとう。
それは死の鍛錬であり、死の準備、国家への死の約束に他ならない。
他方、リップグロスでつややかに濡れる唇、常に最新の流行に合わせた髪と服、磨き抜かれたコミュ力。
早い子では小学生から、遅い子でも中学生から、男の子を喜ばせる、さまざまな技術を磨き続けている。
複数の大人相手にそのおぞましい技術を教わり、同じ年頃の男の子を、その技術で虜にするのだ。
そんなサイレンのような奴らが、F君の周りには大勢いる。 (んーんー。しょうがねーなー。その当直ってのが、お前のガッコの仕事なんだろ)
(オレはまー、気にしなくていいよ。フットサルクラブのイブ会に行ってくるからさ)
まさに、ライオンの檻の中に、おバカな仔羊が自ら飛び込んでいくのを、そのおバカな仔羊本人から聞く。
そしてその原因が、自分が引いた(悪魔の尻尾)とでも呼ぶべき籤にある悔恨を、想像してみて欲しい。
クリスマス・イブ。白い。白いイブだ。何もかも。
この、誰も来ない、来るはずもない、弾薬庫の前で、白以外何もない世界の中で、私は一人だ。
雪よ、降り積もれ。私を埋めてしまえ。そして私の心臓を、止めてしまえ。
この時間を、あと1分も味わいたくない。これ以上、何も考えたくない。
今この瞬間、ここ以外の世界で行われていることを、何も想像したくない。 『願います。5.56mmの弾薬を補給して下さい。』
だしぬけにその声を聞いて、本当に、心臓が止まるかと思った。
『願います。補給して下さい。』
気が付くと、目の前に防女の制服を着た、1人の生徒がいた。
『願います。これが補給要求書です。』
あり得ない。ない。絶対あるはずがない。こんなこと。
『願います。正規の補給要求書です。5.56mmの弾薬を、43発。』
『43発というのは、4と3で、ヨ、ミ。黄泉です。ふふ』
魔物が現れたと思った。こんなこと、あるはずがない。
女子生徒がひらひらと見せる補給要求書は、古びた和紙に毛筆書きの、物の怪が書いたような、明らかな偽物。
アウトサイダー・アートにも見える、まるで血で書かれたような不気味な花押も。
制服もよく見れば、何十年も野ざらしにされたようなボロボロのもので、
ひどく破れたところから、死体のように真っ白い素肌が、あちこち見えている。 『待て!貴官、所属と階級姓名を名乗れ!現位置より十歩下がれ!当直主任に確認を取る!』
『本官は実弾を装備している。本官の指示に従わぬ場合は、実力をもって排除する!』
かろうじて応えを返すことができた。
『正規の補給要求書ですよぉ。4と3で、ヨ、ミ。黄泉の弾薬を補給して下さい』
相手は間違いなく、狂人か、物の怪の類だ。
もし物の怪の類だった場合に、果たして現世の弾薬が通用するかは心許なかったが、
私は89式小銃の安全装置を解除して、銃身に5.56mm弾を送り込んだ。
そのメカニズムの作動音が、まるでレモンの香りのように、私を正気にした。
『貴官、直ちに現位置より十歩下がれ!下がらねば、撃つ』 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています