>>137
以下私見
《戦争論》後半の未改修How to部分は、積極的行動によって相手にプレッシャーを与えつつけ主導権を握る、最終的に決戦によって決定的勝利を勝ち取ること、を理想にしている。
後人がドイツ流軍学として体系化する時もそこを重視した。
いわば基本的に決定点に戦力を集中してガン攻めの理論だ。
ナポレオンの戦争を理想にしているだからこのような理論になった

しかし戦況判断に必要な情報の重要性についてあまり論じていない。小手先の技や細かい立ち回りもあまり重視しない。
綿密な調査と堅実な用兵で細かい勝利を積み続け、あるいは会戦に負けて戦争に勝つ、様々な駆け引きによって全体的優位を作り出す、例えばイギリス風の勝利は想定外だ。
これはクラウゼヴィッツがよく批判された要因でもある。さらに科学技術の更新についてはジョミニほど論じていない。

ドイツ流軍学はガン攻め決戦主義、さらに戦力が消耗しやすいのは一番の欠点だ。
ソ連軍はその欠点をいくつ改善した。情報網を作り上げ、国力が物を言う、圧倒的兵力(あと火力)を持って決戦、指揮システムを目標にする、補助的ゲリラ戦の導入など改変した。
しかし基本的に総力戦の大立ち回りを前提にしている問題は解決しない。