>>750
上空3万6千キロの静止軌道にいて一定のエリアを常時監視できる衛星(弾道ミサイルの発射を探知する早期警戒衛星が典型例)では
空母は小さすぎて光学的(可視光や赤外線)にもレーダーでも探知できない

ずっと低高度(数百キロ)を周回する偵察衛星やもう少し高高度(千キロ前後)を周回する海洋監視衛星ならば空母を捉えることは可能だが
これら低い高度を周回する衛星は特定の位置に留まることが不可能なので、空母の現在位置を常時監視することは不可能で1日に1〜2回しか捕捉できない

従って、衛星から得られる空母の所在(以下、概略位置と呼ぶことにする)は少なくとも半日前程度、悪くすれば1日近く前の位置なので、空母の艦速を巡航の20ノットと考えると、
概略位置に向けてミサイルを発射したとして、そのミサイルは少なくとも240海里(440キロ強)以上できれば480海里(880キロ強)の探知範囲を持つ強力なレーダーを装備して
概略位置上空の高高度に到達した時点でその位置を中心に240海里(半日に一度捕捉可能な場合)ないしは480海里(1日の一度捕捉可能な場合)の範囲をレーダー走査して
空母の正確な現在位置を知る必要があり、更にこの概略位置への到着時点から更に上に示したレーダー走査範囲程度の追加飛射程を持っていなければ空母に命中できない

つまり、纏めると次のようになる、もちろん工夫(ミサイルの飛翔中もレーダー探知を行うなど)によって多少の効率向上は可能だが、
最悪の場合(空母の位置や進路の予測が外れた場合など)には、つまり本質的には、以下の3ステップが必要になる

1.最も最近に周回衛星が捕捉した空母の位置(概略位置)に向けてミサイルを発射(もちろん探知時点での空母の進行方向分の補正を加えるのは自由だが空母側も欺瞞可能)
2.概略位置上空にミサイルが到達しレーダースキャンを行い現在の空母の位置を探知
3.その現在の位置へとミサイルを更に飛翔させる