ICBMの最高速度に比べれば大きく下がるけど、マッハ6って数字だけでも相当な脅威なんだけどね。
更に問題はその速度で巡航するわけじゃなく(それなら簡単に予測できる)不規則に強烈なブレーキを
掛けつつグラグラと揺れながら激しい減速をしたうえでの残存速度だって事。

下層の大気圏は非常に不安定なので、再突入体の減速度合いも空気の状態に影響を受ける。
温度や湿度、風向き、気圧。様々なパラメーターがRVの直進を邪魔する。
だからこそ弾道弾はCEPが大きくなりがちになるし、これが迎撃を困難にもする。

下から見上げるのと上から見下ろすのとでは、下から見上げる方がレーダー的には楽だけど、
不規則な建造物が並ぶ地上の標的を探すよりは海上標的の方が比較的には楽。

迎撃弾頭を回避するには長々と水平飛行する必要はなく、ほんの少し突入角を変えるだけなら
大きく減速することも無い。重力を味方に出来る分だけ突入側の方が有利でもあるし。

RVの尻に数秒間しか燃焼できない少量のロケットモーターを積んで、再突入後のどこかの
タイミングで不意に加速されると、横方向には一切動かなくても迎撃は非常に困難になるし。