機動防御については次元の違いも考慮しなければいけないと思っています。

1)防勢作戦における機動防御
 防勢作戦である以上、敵の撃退は必要だが撃破は目標ではない。
 つまり敵の攻勢意思の破砕が目標になる

 この目的において、警戒部隊を前方配置し、機動力に優れる部隊などを予備として拘置
 敵の攻撃地点に対し予備部隊の投入による戦力優越を創出し撃退する。

 簡単にいえば戦力集中競争で勝つ

2)戦術次元における機動防御
 下記が基本的な陸自の認識 (つまり野外や戦術原則の基礎的研究)であると認識
 機動防御は、機動打撃に主体を置き、敵を撃破して防御の目的を達成しようとする方式である。
 このため、敵を不利な態勢に陥れ、我が主力をもって機動打撃を行い、敵部隊を撃破してその攻撃を破砕する。

 しかし、現在は敵撃破よりも敵攻撃意思の破砕になっているとも聞く。

 だが、一部書籍(戦術との出会い)などでは
 地形の利用と準備の周到により、わが戦闘力の増勢すると共に、敵戦力の発揮の制限に着目し、これを利用して防御しようとする方式が機動防御である
 というものもあり、図表などで敵を隘路深く誘いいこむ図が掲載されている。
 この例などは機動を機略(マニューバ)の意味で使っているような感じを覚えます。