>>606
勝川俊雄氏は零細漁業者と大規模漁業者の話にしているけれど、
実際はもっと単純で、漁業枠が少なく設定しすぎたためにおきている問題。

マグロ類の資源管理の致命的問題点  櫻本 和美(東京海洋大学教授)
http://rakusui.or.jp/mailmag/2018/04/02140733
>マグロ類の資源管理が大混乱に陥っている。
>日本沿岸の定置網等で漁獲された太平洋クロマグロの未成魚の漁獲量が、2018年1月時点で国際管理機関の一つである中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)が設定した漁獲枠の90%を超えてしまった。
>これを受け、水産庁は1月23日、急遽すべての沿岸漁業者に対し操業自粛要請を出す事態となった。
>しかし、自分たちの都府県の漁獲枠がまだ残っている沿岸漁業者は33都府県にも及び、しかも、第3管理期間は2017年7月から2018 年6月までの1年間であるから、操業自粛要請は5ケ月以上もの長期間にわたって続くことになる。
>獲ろうとしなくても勝手に定置網に入ってきてしまうクロマグロ未成魚にどう対処すればいいのか、現場は大混乱となっている。
(中略)
>太平洋クロマグロの場合は、北海道の1つの漁協が第3管理期間が始まった2017年7月1日から3か月後の9月28日から10月2日までのわずか5日間で、
>定められた北海道地区の漁獲枠の6倍近くを定置網で漁獲してしまった。
>この大量漁獲が原因となり、他都府県の定置網漁業者たちは、「まだほとんど漁獲していない、あるいは、自県の漁獲枠がまだ十分残っている」にもかかわらず、
>操業自粛を要請される事態となってしまったわけである。
>漁獲枠を大幅に上回っていながら5日間も操業し続けた定置網漁業者・漁協が非難されるのは当然だが、環境変動の影響を全く考慮せず(未成魚資源の変動を全く考慮せず)、
>漁獲枠を固定して設定してしまった資源研究者や行政官の「管理の失敗」はもっと問題である。