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国家安全保障政策/国家戦略研究スレッド
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0001JTAC
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2018/08/27(月) 21:57:36.80ID:3AiPVM4T
我国の繁栄と安全を守る国家安全保障政策とこれを実現する国家戦略を研究・提案するスレッドです。

○国家安全保障政策とは
国家の独立と繁栄を維持するために、主に軍事的な脅威などから国家を守る政策。国家は多様な価値観を包含しており政策は必ずしも他の政策・党派と整合するものではない。

○国家戦略とは
国家目的を遂行する最高位の観点から、平戦両時に政治・軍事・経済等の国力を効果的に運用する統一的・総合的・全般的な戦略。安全保障政策を上位構造とするが、政策上の不整合は国家戦略により統合が図られる。階層構造下位の戦域戦略、作戦、戦術の準拠となる。

○戦略の位相
国家戦略を構成する全ての位相(軍事・経済・文化・社会・科学技術etc.)を議論の対象としkますが軍事を主たる切り口とし、それ以外の議論は50レスを越える場合は専門スレッドへの移動をお願いします。

○戦略の階層構造
戦略を構成する全ての階層構造(世界観・政策・国家戦略・戦域戦略・作戦・戦術・技術)を議論の対象としますが、作戦次元以下の議論は50スレを越える場合は専門スレッドへの移動をお願いします。

○戦略と戦史
戦略とは一般的な法則が成り立つような分野ではなく、戦史において淘汰される複雑系・非線形・進化的なプロセスです。議論の根拠たり得る戦史上の事象(古代・中世・近世・近代・現代)を議論の対象とします。

○当スレッドのスタンスと地誌について
当スレッドは明らかにネット右翼(ネトウヨ)スレッドです。対象脅威を尊称で奉る趣味はございません。戦史・兵要地史の一貫性のため歴史的な略称(支那・北朝鮮・南朝鮮・米・英・仏・露・独他)を推称します。

○戦略思想家の格付け
●神様リスト
クラウゼヴィッツ、モルトケ、コーベット、リデル・ハート、マイケル・ハワード、コリン・グレイ、ルトワック
●疫病神リスト
ジョミニ、フォッシュ、フラー、マハン、ドゥーエ、ハマン・カーン、キッシンジャー、バーナード・ブロディ、クレフェルト、ミアシャイマー

「勝利は既に(戦略次元で)確定している。卿らの上に大神オーディンの(作戦次元以下の)恩寵あらんことを。」
0002名無し三等兵
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2018/08/27(月) 22:02:32.95ID:3AiPVM4T
まず、クラウゼヴィッツから話をしよう。
戦争とは、個人の闘争が拡大されたものか?
であれば、闘争の激しさは極限まで行着き、敵を打倒する以外の道はない。
これを「絶対戦争」という。
0003JTAC
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2018/08/27(月) 22:08:57.59ID:3AiPVM4T
だが「現実の戦争」はそうではない。
戦争が絶対戦争たらしむには「決勝会戦」にすべての戦闘力を結集することが必要である。
しかし、地形や無形戦力も含む全ての戦闘力を結集するのは不可能だ。
また、国土を全て占領されても同盟軍により戦争は継続される。
この性質により戦争の絶対性は緩和される。
0004JTAC
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2018/08/27(月) 22:14:15.17ID:3AiPVM4T
戦争における全ての努力は戦争特有の「摩擦」により減衰する。
また、戦争では敵の自由意志に晒され、見通しは「戦場の霧」で覆われる。
これらのF2(Fog,Furiction)によっても戦争の絶対性は緩和される。市場
0005JTAC
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2018/08/27(月) 22:19:29.56ID:3AiPVM4T
戦争では、何かを得ようとする「攻勢」よりも現状を維持しようとする「防勢」の方が強力な形態である。
いかなる強力な攻勢もやがては勢を失い継続が困難となる。
これを攻勢終末点(勝利の極限点)という。
これにより戦争の絶対性は緩和される。
0006JTAC
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2018/08/27(月) 22:24:07.50ID:3AiPVM4T
以上からクラウゼヴィッツの有名な説が生まれた。

「戦争は政治とは異なるしゅだんを以てする政事の延長である。」
(制限戦争論)
0007JTAC
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2018/08/27(月) 22:29:04.19ID:3AiPVM4T
これにより、戦争は「戦闘」の集合以上のものとなる。
戦争の目的、方法、手段を定める「戦略」と、戦闘において戦闘力を行使する「戦術」の誕生だ。
クラウゼヴィッツによって戦争の階層構造が明確なものになった。
0008名無し三等兵
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2018/08/27(月) 22:36:40.13ID:3AiPVM4T
では、「戦略」は「戦闘」を規定することができるのか?
戦争はアイロニーが働く逆説的な現象である。
絶えず霧と摩擦にさらされ、線形な努力は報われず、非線形な分析と総合が必要となる。

戦略的な必要性と、戦術的な可能性を分析し、絶対ならざる複数の戦闘を序列化する。
「作戦」の誕生である。
0009JTAC
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2018/08/27(月) 22:44:28.71ID:3AiPVM4T
歴史が現代に近付くにつれ、戦争は大規模・複雑化し、軍事以外の要素が戦争の成否を左右するようになった。
特定の地域・敵対戦力との軍事的闘争に加え、外交・経済・科学技術、果ては心理や文化に至るまで。

全てを軍事により解決する必要はない。
全体の位置付けのなかで適切な施策をとればいい。
これにより戦略は分化する。
「国家戦略」と「戦域戦略」の誕生である。
0010JTAC
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2018/08/27(月) 23:42:39.48ID:3AiPVM4T
人間とは、不完全な存在である。
不完全な人間が他に影響を及ぼす目的で編み出される「政策」も、また不合理で不完全な要素含んでいる。
政策は、「政治的プロセス」を経て正統性が与えられ、あるときには選択さえれる。
0011JTAC
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2018/08/27(月) 23:49:15.43ID:3AiPVM4T
「戦略(国家戦略)」は、「政策」を実現する最も偉大な「実現手段」である。
(コリン・グレイ)

「戦略」は、政治「目的」を軍事的「手段」で遂行する戦略的「方策」を、ある「前提」の下で提供する「橋」である。
0012JTAC
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2018/08/28(火) 19:16:04.86ID:AMOgrHHu
近代民主主義の萌芽以降、戦争は「軍隊」のみで行うものではなくなった。
その母体である「国民」、これらを統合する「政府」。
「政府」「国民」「軍隊」の三位一体が戦争を遂行する。
ここから、戦争遂行の主体である「重心」(center of glavity)の考え方が生まれた。

戦争のさしあたっての目標は、我の「重心」を防護しつつ敵の「重心」を叩き潰すことである。
0013JTAC
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2018/08/28(火) 19:24:24.63ID:AMOgrHHu
しかしながら「重心」は不変なものではない。
戦争の上位たる政治により変化する。
限定的な政治目的が戦争の争点であれば、軍隊の潰滅、国土の一部占領により終結するかもしれない。

しかし、民族の存亡、宗教的熱情、全国民の生命そのものが対象であれば?
「重心」は国民一人一人全ての中に拡散し、例え軍隊が壊滅し政府が崩壊してもゲリラ戦により戦争は継続される。
そのような「重心」には触れないのが賢明であろう。
0014名無し三等兵
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2018/08/28(火) 21:29:16.93ID:xh9Lbg2S
「戦術」は「戦闘において戦闘力を使用する術」である。
「戦略」「作戦」との分化により戦争の闘争的側面の多くは「戦術」に集約された。

現代戦における「戦闘力」は「火力」「機動力」「防護力」で表現される。
これを支える基盤的機能として「情報」「兵站」「人事」等がある。
(諸説あり)
0015名無し三等兵
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2018/08/28(火) 21:42:58.26ID:xh9Lbg2S
現代「戦術」はMDCP(military-decision-making-process)により行使される。

任務(mission)を基礎とし、地形・気象、敵の可能行動(E/C)を考察し、我が行動方針(O/C)を列挙。
E/CとO/Cの干渉を図上にて分析、最良の行動方針に総合し構想を決定する。(METT-TC)

構想に基づき隷下部隊の行動をさらに煮詰めて火力、機動力、防護力の最大発揮を目指し行動計画を作成。
計画を基に適時に命令を下達。部隊に戦闘を命ずる。
計画・命令は、「状況(敵・我が関係部隊・設想)」「構想(方針・指導要領)」「各部隊の任務」「兵站」「指揮・通信」を項目とし単切にまとめられる。
(ファイブ・パラグラフ・フォーマット)
0016JTAC
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2018/08/28(火) 21:53:45.00ID:xh9Lbg2S
「戦術」は任務が基礎である。
戦術レベルの指揮官は、任務を達成するために一命を賭す。
任務のためには、全滅も厭わない。諸君、任務を果たせ!

戦術は敵と直接的に戦闘力をぶつけ合う。そこには妥協はない。
戦闘力の行使は極限化される。
だからこそ、作戦レベルの指揮官、戦略レベルの指導者はクラウゼヴィッツに遡り、戦争全体の逆説的な性質に思いをいたし、戦術レベルの部隊を犬死させないことである。
そのために戦略・作戦次元がある。
お遊び白紙戦術と実状況はそこが違う。
戦略レベルへのフィードバックが無い白紙戦術などただの遊戯である。
0017名無し三等兵
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2018/08/28(火) 22:09:34.48ID:xh9Lbg2S
戦術に「法則」(law)など無い。
戦術「原則」とは、便宜的に定められた「規範」(rule)である。

ギリシア・マケドニアのファランクスは古代地中海世界で最強を誇り、広大なペルシア帝国を滅ぼした。
重装歩兵達に戦術原則を尋ねれば「横隊は最強」と答えるだろう。
ところがファランクスはローマのレギオンに破れた。
レギオントは中世騎士団(東ゴート)に、騎士団はウェールズの長弓隊に、長弓はフランスの砲列に、砲列はドイツのランケネッキに、スペインテルシオに、マウリッツもオランダ歩兵に、グスタフアドルフの三兵戦術にetc.
そこにlawはあるか?ありはしない。
戦闘と言う無限の弁証法による「進化のプロセス」。
それが戦術である。

「不変の原則」?
笑わせる。
0019JTAC
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2018/08/29(水) 20:42:57.25ID:VpTr8tiO
戦闘(戦術)に勝ち続ければ戦争(戦略)に勝てるのか?
その強烈な反証がベトナム戦争。
戦闘では常勝を重ねたアメリカ軍も南ベトナムから命からがら逃げ出すはめになった。

パリ講和会議で米側代表曰く「君らは戦闘では我々に勝てなかった。それを忘れてはいかんよ。」
ベトナム代表答えて曰く「なるほどそうかもしれません。で、それが何か?」

この強烈な痛手から立ち直るため、アメリカが古い兵学書の誇りを払い復活させた概念。
それが「作戦次元の戦争」、「作戦術(operational art)」だ。
戦略と戦術の中間に位置し、戦略に目標とする状態(strategic end state)を達成するため数次の戦闘を序列化する術。それが作戦術。
0020JTAC
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2018/08/29(水) 20:58:35.61ID:VpTr8tiO
戦争は実に逆説的な現象である。

戦争に勝つには戦闘に傾注する必要があるが、過度に追求ば政治目的を逸脱する。
(勝利の極限点)

積極的な目標を達成するには攻勢をかける必要があるが、形態として強いのは待受の利がある防勢だ。
(防勢優位説)

敵の意志等による「戦場の霧」、我のあらゆる努力の逆方向に作用する「摩擦」。
戦略レベルでいかに資源を積み増そうが、それが直接的に成果には反映されない。
(非線形な複雑系)
逆効果であり、敵の罠にはまることもある。

これら戦争の性質を踏まえ、戦略的必要性と戦術的可能性を調停し、戦闘を序列化する術。これが作戦術である。
0021名無し三等兵
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2018/08/29(水) 21:21:58.12ID:qUXlTXci
近代で作戦次元の戦争をいち早く認識したのはナポレオンであると言われる。
従来の戦争は、春の雪解けから軍事行動を開始し、数次の戦闘を行い、降雪とともに冬営に入る、この一連を「戦役」(campaign)としていた。
ナポレオンはこの「戦役」を開戦から数次の戦闘を経て戦争を勝利の内に講和会議に導く概念として拡張した。

彼の「軍団」は歩砲騎兵をバランス良く揃え一定期間であれば独立的に戦闘できた。
これら軍団を作戦次元で計画された各戦闘に計画的に集中し敵圧倒した。

また、各戦闘に際し運搬に制約がある野砲と弾薬を集中し「作戦レベルにおける火力の優越(operational fire)」を握り敵の火力を制しつつ敵戦列に穴を穿った。
0022名無し三等兵
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2018/08/29(水) 21:29:08.44ID:qUXlTXci
一方でナポレオンは作戦次元での手痛い失敗の好例でもある。

攻勢終末点を越えて遠征を強行し、何万、何十万の自軍兵士を死に追いやった。
また、彼の集権的指揮手法(何百もの命令を直接的に起案)は集中の利をもたらした反面、隷下部隊の自主性を減退させ、大軍になればなるほど連携行動を疎外した。
ライプツィッヒやワーテルローでフランス軍が包囲殲滅されたのもその流れである。
0023JTAC
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2018/08/29(水) 21:41:21.70ID:qUXlTXci
このナポレオンの最悪の後継者が「フランス攻勢主義(cult of offense)」で名高いフェルナンド・フォッシュである。
普仏戦争で完敗を喫したフランス軍はトラウマ払拭のためナポレオンに回帰し慰めを見いだした。
ナポレオン戦争の浅薄な分析と当時流行のロマン主義に毒され、エランビタール(生命の躍動)と称してフランスの若年人口をドイツ軍の防御砲火の前に追いやった。
フランスは、第1次世界大戦により人口ピラミッドのバランスが崩壊し今日も均衡は回復していない。

また、フォッシュの原則的な戦争指導はフラーを経て日本にも「戦いの原則」として流入している。
戦争に負けたくないのであれば、フォッシュ以下フランス学派には注意が必要である。
0024JTAC
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2018/08/30(木) 18:36:54.61ID:MASUXRID
「作戦次元の戦争」を概成させたのはプロイセン・ドイツの陸軍参謀総長・ヘルムート・フォン・モルトケその人である。
「作戦術」という言葉こそ作り出さなかったが戦争指導を行う上で、「戦略」と「作戦」の中間次元の必要性を認識しており、覚書において「作戦的な(operativ)」という言葉を多用している。

かの人の覚書「戦略について」はドイツ兵学において高い位置を与えられているが、その「戦略」という語を「作戦次元」にも言及していると見なせば、まさに現代作戦術の根幹を為す概念に満ちている。
0025JTAC
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2018/08/30(木) 18:46:37.36ID:MASUXRID
疾病で早世したクラウゼヴィッツは、実は忘れたれた兵学思想家であった。
書庫の片隅で埃に埋もれた「戦争論」を再び掘りだしプロイセン・ドイツ軍の全軍に推奨し普及させたのはモルトケである。
これにより、プロイセン・ドイツ軍では「戦争の政治目的」「重心」「防勢の優位性」「攻勢の目的積極性と限界点」等々、現代作戦術の欠くべからざる要素(operational art element)がいち早く定着化した。
0026JTAC
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2018/08/30(木) 18:55:17.40ID:MASUXRID
モルトケは言う。
「戦略(作戦)は臨機応変の体系である。」と。
「臨機応変」が目につくが、ここで注目すべきは「体系(システム)」という言葉である。
モルトケは戦争を決して計画不能な無秩序なものであるとは考えなかった。
戦争が複雑かつ矛盾に満ちていても、状況に則して体系的に分析・総合し、いち早く対応できる方法論があれば良い。
これが「臨機応変の体系」の意味であり「作戦術」の真髄である。
0027名無し三等兵
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2018/08/30(木) 21:48:28.70ID:h5b76Fk0
「臨機応変の体系」である作戦次元の戦争をどのように計画・指導していくか?
その答えは「兵棋」(ウォーゲーム)にある。
戦略的目標に至るMETT-T(任務・敵・我・地形・時間)と作戦術要素(重心・決勝点・作戦線・作戦正面・後方連絡線・攻勢終末点etc.)を兵棋により可視化。その体系(システム)を明らかにする。
ウォーゲームの進行を通して状況の本質を根底から探り、達成すべき戦略状況に至るための問題点・処置対策を検討。
そのプロセスを状況変化に応ずるループとして高速回転させ意思決定の速度・精度により敵軍より優位に立つ。

モルトケの戦争指導の白眉と言われる普奥戦争ではその成果がいかんなく発揮された。
当初、二倍の敵軍に対しベルリン・シュレジエン守るエルベ川沿いでの防勢作戦を計画したが
モルトケは兵棋によウォーゲームの分析を通して鉄道の動員速度の差により「開戦20日目」にボエミアにおいて一時的戦力が優位に立てる「窓」を見いだした。

「我らが決戦を挑むのは、この瞬間である。」

ケーニヒスグレッツにおける包囲殲滅戦である。
ドイツは統一に向いモルトケの参謀本部は「半神」と讃えられた。
0028JTAC
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2018/08/31(金) 19:36:58.18ID:NweM2Ffy
意思決定の高速化において、作戦術と対になる概念が「訓令指揮(auftragstactik,mission-command)」である。
司令部は隷下部隊に一語一句命令に従わせるのではなく、自主裁量の余地がある訓令を与え、
司令部では予期できなかった敵の行動、戦争では不可知の摩擦に対応させる。
このようにして総体的な意思決定を高速化し、一々上級者に伺いをたてる敵軍を指揮の速度で圧倒する。

「プロイセンの敵は兵数において、装備において、勇気において我に敵し得る。しかれども指揮において我に敵すること能わず。」とは作戦術と訓令指揮による指揮の高速化を裏づけとする。
これにより分進する隷下部隊が、作戦術から導かれたモルトケの簡潔な訓令により敵軍を包囲し殲滅する。
高名な「分進合撃」はこのようにして指揮された。
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