国家安全保障政策/国家戦略研究スレッド
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我国の繁栄と安全を守る国家安全保障政策とこれを実現する国家戦略を研究・提案するスレッドです。 ○国家安全保障政策とは 国家の独立と繁栄を維持するために、主に軍事的な脅威などから国家を守る政策。国家は多様な価値観を包含しており政策は必ずしも他の政策・党派と整合するものではない。 ○国家戦略とは 国家目的を遂行する最高位の観点から、平戦両時に政治・軍事・経済等の国力を効果的に運用する統一的・総合的・全般的な戦略。安全保障政策を上位構造とするが、政策上の不整合は国家戦略により統合が図られる。階層構造下位の戦域戦略、作戦、戦術の準拠となる。 ○戦略の位相 国家戦略を構成する全ての位相(軍事・経済・文化・社会・科学技術etc.)を議論の対象としkますが軍事を主たる切り口とし、それ以外の議論は50レスを越える場合は専門スレッドへの移動をお願いします。 ○戦略の階層構造 戦略を構成する全ての階層構造(世界観・政策・国家戦略・戦域戦略・作戦・戦術・技術)を議論の対象としますが、作戦次元以下の議論は50スレを越える場合は専門スレッドへの移動をお願いします。 ○戦略と戦史 戦略とは一般的な法則が成り立つような分野ではなく、戦史において淘汰される複雑系・非線形・進化的なプロセスです。議論の根拠たり得る戦史上の事象(古代・中世・近世・近代・現代)を議論の対象とします。 ○当スレッドのスタンスと地誌について 当スレッドは明らかにネット右翼(ネトウヨ)スレッドです。対象脅威を尊称で奉る趣味はございません。戦史・兵要地史の一貫性のため歴史的な略称(支那・北朝鮮・南朝鮮・米・英・仏・露・独他)を推称します。 ○戦略思想家の格付け ●神様リスト クラウゼヴィッツ、モルトケ、コーベット、リデル・ハート、マイケル・ハワード、コリン・グレイ、ルトワック ●疫病神リスト ジョミニ、フォッシュ、フラー、マハン、ドゥーエ、ハマン・カーン、キッシンジャー、バーナード・ブロディ、クレフェルト、ミアシャイマー 「勝利は既に(戦略次元で)確定している。卿らの上に大神オーディンの(作戦次元以下の)恩寵あらんことを。」 >>794 >>795 従前との差分という観点では、これほど「チャイナ」を露骨に敵と見なした公式文書は、初めてではないでしょうか? これまでは「ステークフォルダー」「戦略的互恵関係」でしたからね。 さらに本文中でも執拗に「チャイニーズ アンド ロシア」「チャイニーズ アンド ロシア」を連呼しています。 (単にアルファベット順の可能性もあるが) これと、トランプ政権の親ロシア政策を考慮すると、どうですかね。 個人的な戦略感としては、支那(チャイナ)と露西亜(ロシア)を差別するのはよろしくなく、まとめて討ち果たすべきだと思います。 「ロシア=対象脅威」大いに結構。 >>796 MDTFは、今のところ「競合状態」を維持して後続部隊の作戦機動を掩護する性格のようです。 ストラテジック・ファイアー・エリア、オペレーショナル・ファイアー・エリアを打撃する火力戦闘部隊(サイバー・電磁・宇宙・情報含む)的な。 実際にオペレーショナル・ディープ・エリア(好きな言葉だ)に突入する部隊を含めた全体像は、マルチドメイン・フレームワークと表現されています。 その詳細は今年の夏に公表されるマルチドメインオペレーション2.0に請うご期待です。 さらに興味深いのは「コンバージョン(結集)」。 戦域軍?野戦軍?軍団?師団?旅団戦闘団? 何それw UEX、UEYのフラット化は死語になったようです。 オペレーションの形態は変わりますが、戦争の階層構造に適応した編制、平たく言えばゴリ押しの本気のアメリカ陸軍復活の可能性も。 >799 コンバージョンじゃない、コンバージェンス コンバージェンス(Wiki) 収斂(しゅうれん、convergence)とは、複数の物が互いに異なる性質・指標などを持っている状況から変更・移行を起こし、同質化・同等化・相似化(互いの性質等の差を無くす方向)が進むこと。 散布的に位置していた複数の物を一箇所に集める(集まっていく)こと。学術用語として収束(しゅうそく)と訳されることもある。 マルチドメインでは異なる性質の変質利用を強調すべく、この語を使うのではないかと思われる。 >>800 スマホでPDFと5chを切り替えて速読しているのである。許されよ。 公刊資料ソースで「軍事研究」誌を三ヶ月上回ったろう。 作戦術とは「戦争の性質(本質)(nature of war)」を基礎に開発されている。 MDOが以前の作戦術の概念を包含しているのは当然のこと。 何故なら同じ戦争だから。 エア・ランド・バトルを凌駕せんとする対象脅威。これをさらに変化要因とする進化的なプロセスです。 本文中に概念分析、兵棋演習、シミュレーション、部隊実験を根拠とした旨記述してる。 人がいっぱいいて羨ましいですね。 ただしな。戦略環境観で同床異夢なんだ。 MDOが前提とするリアリズムに基づく戦力均衡は日本の目指すべきところではない。 支那と結んでロシアを撃つ。ロシアと結んで支那を撃つ。両方誤りです。 日本にとっては、イデオロギー的な戦い。国際民主主義に基づく集団安全保障にインド・太平洋の国際秩序を再編することが真の勝利です。 MDOで一番違和感を感じるのは「情報戦」ですね。 あたかも「火力」と類似したような捉え方をしているが本当かと。 確かに、昔、砲弾にアジビラ詰めて射撃することもありましたがね。心理戦の一貫として。 情報の本質として、そんな作用する力に対してリニアに結果がでるものなのか? 「情報」の本質は、我の力ではなく敵の力に対する反作用として生まれるものです。 これは正しかろう。 そのスタートとしては「情報戦」のインフラを積み上げる以前に「敵を理解」し「敵を徹底的に分析」することから始まる。 高価な偵察衛星やらグローバルホークよりもケチなコーストウオッチャーや内部協力者が決定的な場合もある。 「情報戦」は(若干の誤解を覚悟で言えば)「女性的」なものだと思う。 敵の欲することを察し、さらにこれを分析していくことです。そこにCV(致命的脆弱性)が生まれる。 敵が行使する力のパラドックスから生まれ、その矛盾から付け入る隙(ヒューミント情報源他)が生まれます。 近代以降の文献で「これが情報戦だ」というようなものは皆無に思う。 特にCIAは最低な組織。あれの真似はできません。 する余裕もあろうはずがない。 無尽蔵に国家予算を吸い上げていき、大概、決定的な情報を見落とす。 その影響を受けてか「日本の識者」の論調の大略すれば「情報に金をかけろ」 意訳すればこれだけ。 そりゃ金はあった方が良いに決まってますが、それ以前に「敵」が何を考えているのか真剣に考察しているか? 場合によっては「ちょっと見に行く」場合が最適なケースもある。 ルトワックは作戦実行メンタリティと呼んでいます。 CIAが衛星使って、UAV飛ばして、安全評価してる間に、モサドはバギーで潜入して標的吹っ飛ばしていたりします。 >情報戦 情報戦の火力的運用についてですが これは効果としての、相手行動の妨害、分散、誘導を意味するものと思われます。 これらは戦術面における物理的火力と同等の効果を情報戦で生み出す事も可能です。 具体的には ・偽情報などで敵戦力を別地域に誘導する事で、目標地域の敵戦力を移動させる ・逆に偽情報などで目標地域外の敵戦力を牽制拘束し、我目標地域への移動を出来なくする ・世論戦などで、敵戦力の戦場投入を政治次元で妨害する これ以外にも色々考えられますが・・・ 情報戦により我目標地域の敵を減少させるこも可能です。 以前なら計略、策術、謀略、マニューバ(政治的意味)などと呼ばれてた部類 なお、政情不安のある地域であれば、情報戦で政情不安を煽り国内混乱を醸成し、治安維持に軍隊を拘束させるというのは 冷戦期の間接侵略における手法として、いろいろ懸念されていた事態です。 (そもそも警察予備隊は・・・(略 >>809 ロシア軍の情報戦によるスタンドオフがかなり脅威なのは確かでしょう。 ただし、これに対抗してMDOの一機能として同じ土俵で戦うべきなのかと。 かつて、アメリカはイラク戦争の開戦理由としてフセイン政権の核開発を喧伝した。証拠があるとパウエルが国連でも明言した。 その純軍事的効果は確かにあり、安保理決議には至らなかったものの有志連合の形成に成功した。イラクは外交的にも孤立しました。 ところが、フセイン政権打倒後、どれだけ探せども核施設の痕跡が見つからない。化学兵器も明確な根拠は無い。 同盟国のイギリスではブレアが政権を失い、アメリカでもパウエル、ラムズフェルトは政権を去った。 アメリカは「国際的信用」を失いました。 戦域戦略以下では姑息な利益はえたものの、国家戦略レベルではどうなのか? 世界観や国家戦略レベルで、我々は高度に信頼できる情報社会「ナレッジ・ソサイエティ」を目指すべきです。 その前提で、安易に国家が怪しげな情報を流すことに荷担すべきではない。 作戦的な欺騙や偽情報と(階層構造がふわっとした)「情報戦」を分けて考えるべきです。 ここでも戦略次元での「情報戦略」と作戦次元での「情報機能」をきっり区分して考えるべきだと。 ごっちゃにして真の国益を損なうのが怖い。安倍政権、防衛政策では本当にアメリカ追随のアホですからね。 かつてのソ連は「情報戦」では優等生でした。 それは、最上位の戦略レベルの指針に「階級闘争(class struggle)」があり、「情報戦」と言っても愚昧な西側労働者階級に「真実」を広報してるという(彼らなりの)信念があった。 現実的に西側の自称・知識人、自称・クオリティペーパーに効果ありましたからね。バックナンバー見ると笑えます。 それに比べると、プーチンの「情報戦」は小手先の誤魔化しに過ぎない。 手段はSNSだの進化したが。 「知りたければ見に行けばいい、 それが調査兵団だろ?」 by 進撃の巨人 >813 目に見える(表面に露出した)ものだけが情報戦だと思うなよ〜 目に見える部分は全て意図的に見せているものと言う認識が必要。 >>815 「じゃんけんの手の内」は見せる必要は無いが、戦略的に本質的な部分は「情報戦」といえども極めてクリアなものだと。 そうでもないと、国民に説明できないし、他の戦略位相と最適化することもできません。 紀元前5世紀の「孫子」は全編で戦闘のリスクを切々解いています。では、どう戦うか? そのソルーションは「情報戦への最大投資」です。 戦闘のリスクによるパラドックスよりも、情報操作や要人の調略を高く評価しています。 その戦略的な本質的には、当時の「中華文明」がs 紀元前5世紀段階では「中華文明」がほぼ「世界最高」だという「戦略的本質」がありました。 アジア地域で最古の甲骨文字は「殷王朝」の文化ですが、 孫子の仕えた「斉王朝」は周の宰相・太公望 呂尚の下で殷の遺民が集い国家を形成しました。 殷と周の文化が融合し、ほぼ世界最高の文明地帯だったと言っても良いでしょう。 斉が情報戦を仕掛ければ、周辺国は(多少、斉人は小狡いと表しつつも)その言葉に影響をうけざるを得ません。 そもそも文字や概念すら曖昧だったので。 この本質の下で「孫子」の「情報戦」重視はあまりに正し克ったのです。 時代下って紀元後14世紀。 周辺国の文明化により「中華文明」など小狡い誤魔化しに劣化しました。 この段階でのチャイナの「情報戦への最大投資」など何の意味も無いでしょう。 わずかに朝貢貿易にその痕跡を認めるのみです。 それも機能せず、異民族に反復して滅ぼされました。 最後に攻めてきたモンゴルに至っては「中華文明」自体を否定しました。 さて、現代プーチン帝の情報戦は、万人を説得できる戦略的本質か、それとも小狡い誤魔化しか? 興味は尽きません。 MDOのサイバー戦にも同じこと感じるんでうよね。 作戦次元以下のサイバー防護、サイバー攻撃ってのは重要でしょう。 だが、戦略次元から俯瞰すれば? 米国製オペレーティングシステムのウィンドウズ他の欠陥に過ぎないのではないないか? 現状の商慣行ではデファクトスタンダードとマーケットシェアをいち早く占位するために不完全な製品が出回っています。 マイクロソフトに至っては「ver.1.0はまず動かない」とまで揶揄されています。 これを放置してサイバー戦もへったくれも無いでしょう。 社会インフラの欠陥を長年放置してきたツケ、アメリカの小狡い誤魔化しです。 >820 認識が狭いと思います。 サイバーというとハッキングだとかを思い起こすのは、その一部でしかないと認識すべきです。 重要なのは、情報戦として相手が何を目的としているのか?です。 ハッキングはその手法の一つにしかすぎません。 別にハッキングなどせずとも工作員による相手インフラを利用した情報発信、フェイクニュースの真実化による人心誘導なども情報戦に含まれます。 旧ソ連時代から続く、アナログな民衆誘導術に、サイバー系の情報伝達力を利用するだけでも 下手なハッキングよりも大規模な民心混乱や経済混乱の誘発は簡単という認識が必要 米軍も日本も、過去の間接侵略などの冷戦時代の再勉強からやり直すべき (情報戦は技術だけの問題ではない) >>821 現状、日本では(おそらく日本以外も)「情報保証(サイバー)」はG3系統(作戦運用)の案件で G2系統(情報)の「保全(対情報)」とは別れています。 これは利点もあって、サイバーをインテリジェンスやカウンターインテリジェンスに含めると保全上扱える人間が激減します。 「保全」「情報保証」「安全管理」は平時の部隊を運用する際に考慮すべき「三点セット」。 >822 >821は貴官の >だが、戦略次元から俯瞰すれば? >米国製オペレーティングシステムのウィンドウズ他の欠陥に過ぎないのではないないか? に係るものです。 なお、ハイブリッド戦争ではG2とG3の壁を越えてきており MDOでもG2系とG3系のコンバージェンスを求めてる訳です。 計画したり実施すりのはそれぞれで構わないのですが その目指す所は収束しないといかんのです。 これも異なるドメイン間からの収束(コンバージェンス) その為には少なくとも双方が双方を理解する必要はあると思います。 だから再勉強 >>823 >サイバー戦 OSI参照モデルとの対比で言えば 第1層 物理層・・電磁スペクトル戦 第2-6層 データリンク-プレゼンテーション層・・サイバー戦 第7層 アプリケーション層・・情報戦 と整理。 2層から6層の技術的エラーを「サイバー戦」と言い立てているのではないかと整理。 物理的にチャイナ・ロシアとの回線をぶったぎり、やむをえず残す場合も凶悪なファイアウォールを設け、 さらに西側圏内の端末をエージェントに操作されないようにAI使って管理すれば、 つまりは戦略次元での対策を講じれば支那・露のサイバー攻撃を完封するのは可能と見ます。 それをアメリカの経済的な都合で放置した挙げ句、各国の国防費を流用してマイクロソフトのパッチ作業に使役させようとしてないか、と。 サイバー防護部隊と言いますが、特に場所の制約があるわけでなし。 そもそも防衛省内に編成する意味も分からない。 抜本的に考えれば総務省ではないかとも思う。 >>823 >MDOでもG2系とG3系のコンバージェンス 歴史的に良い結果は期待できない。 2・3の予定調和的幕僚活動がが怖い。 貿易におけるWTOと同じ構造。 明らかにチャイナはWTOのルールを遵守してないのに除名せずにズルズルと加盟を認めてる。 その結果、知的財産権等ガン無視で莫大な利益を上げています。 それを黙認(場合によって後援)してきたのはアメリカ。 この現状を無視してディールだの個別交渉だの何たわごと言ってるのと。 サイバーでもそれだけチャイナ、ロシア脅威ならば、インターネットから閉め出してもいいのではないか? サイバー戦以前に。 >827 >歴史的に良い結果は期待できない。 >2・3の予定調和的幕僚活動がが怖い。 しかし相手が行う以上、対抗できねば負けるだけ >>829 3系(作戦)と2系(情報)の融合の問題は「情報戦」より以前に 偵察部隊・情報部隊が戦闘力を持ち始めたころから議論されてきた頭の痛い問題です。 が、IPB(Intelligence Preparation of the Battlefield)がクローズアップされるようになってから、情報系の独自のバトルリズムの意義は再認識され、 やはり独立機能として扱うというのが主流かと。MDOでも。 そこよりも、Operational artのvizualize(可視化)の部分の意義を要普及ですね。 日本では。 そこで、ブルーフォース、レッドフォースや各ドメインの状況をきちんと可視化することでMDOの新しい要素も運用の中で融合できると思われ。 「原則」戦術至上主義から脱却が図られるものと。 「集中の原則」とコンバージェンス(結集)は同じものだ、何も変わらない、とか言うなよ。 押すなよ。押すなよ。 >830 そこはMDBで始めた新しいフレームワークの認識が第一歩 あれと、ドメイン概念の理解が出来なければ可視化は無理(言い切ってみる) >>831 地味ですがマルドメ対応の兵棋の開発が重要かもしれない。 いつもいつも三次元のレイヤー(宇宙・空・サイバー・海・陸+情報・電磁)CGに頼っていられません。 前線部隊でも簡潔に状況把握できるような方法・手段の開発が必要です。 単純にはO/Lを7セット追加ですが。 ちょっと人間では状況の把握は難しそうです。 EBO全盛のころ 「このEBO線図を理解できるころ、我がアメリカはアフガニスタンで勝利できるであろう(皮肉)」 by マクリスタル(確か) COIN全盛のころ「情報戦が全てだ」という新進気鋭の一派がいたそうです。 この一派を「クルーセイダーズ」 そうでは無い頑迷固陋で旧弊なゴリゴリのクライゼヴィッツ派を「保守派」(つまり、コリン・グレイw)とカテゴライズできたそうです。 COINの保守派と十字軍派 https://geopoli.exblog.jp/22484280/ どことなーーく「COIN十字軍派」=「旧EBO派」=「情報RMA派」のような獣臭を感じます。 マルドメを決定論的戦争観に陥らせたくありません。 今のところ大丈夫そうですが、ふとEBOに引き戻そうとする力学も感じます。 それらは情報のみで戦おうとするからダメなのです。 情報は利用するもの、有利を作為するもの そして、それをもって勝ちとせず、その上で最後に物理でぶん殴ってトドメを刺す正統ソ連悩こそが正義 うらー The Role of Multi-Domain Operations https://www.rand.org/multimedia/video/2019/01/01/the-role-of-multi-domain-operations.html RAND研究所のお姉ちゃんの脚が綺麗だな、目の保養になるなとセクハラな感想を抱きつつ、 反面「いくさの臭いがしねえ」とも思う。 MDOは昔っからある戦い方を少し物の見方を整理したものが本質ではと。 19世紀末、銀行家・イヴァン・ブロッホは、「将来戦では敵味方の火力圏により地上戦における近接戦闘が不可能になる」という鋭い予測を出していました。 制服組にはスルーされましたが。 この「戦術次元」のデッドロックを「作戦次元」で打破するため、 各世代において、モルトケの「分進合撃」、ゼークト・グデーリアンの「ブリッツクリーク」、ボイドの「マニューバ(オペレーショナル)ウォーフェア」が開発された。 A2/ADの「火力圏(スタンドオフ)」に対するMDOという解決策も古くて新しい課題であると。 戦史上のアナロジーは大いに参考になると思います。 新しい世代の「戦略次元-作戦次元」を巻き込んだ「分進合撃」になると。 「技術」だけ見てるとしくじります。 >>937 >情報 敵の内情を理解することで、そもそも戦争せずに済むかもしれませんよ? 「ソ連の国家戦略の最大の弱点は同盟外交の貧困さである」と言われています。 マルドメも根底には、真の根底には外交(≒国家戦略)があります。 ブルーフォース、レッドフォース以外のグリーンフォースとグリーンの国土が「窓」の鍵なのだ。 「情報」は間違いなく敵側のアクションにより生じます。 それも摩擦が大きければ大きいほど情報が相手側に渡る確率が高まります。 遠隔地での作戦を強行すれば通信量が増えてシギントを取られます。 広域に大規模な作戦を行えば衛星のイミントで把握されます。 全軍への周知を図ろうとすれば公刊せざるをえずオシントの対象になります。 そして社会的に無理な政策、目的が曖昧な作戦を行えば不満分子が発生しヒューミントの情報源を与える。 プーチンの非ロシア人居住地域での作戦の強行は長い目で見ればヒューミント源の大量発生に繋り、ロシアを追い詰めていくでしょう。 旧ソ連時代はヒューミントに関しては優等生で「疑わしくは殺す」というシンプルにしてエレガントな方法でほぼ満点な防諜に成功したとされます。 その替り極端な同志スターリンの集権体制は、軍事面で著しい通信の増大を招き ゲーレン機関は戦中も戦後もシギント、通信量の作戦との相関からかなりの確度での推測を実現しました。 「空気までイワン臭くなったぜ。」 「戦略はサロンで」 ルトワックも言ってるのかw 洒脱な会話、美味しいお酒と豪勢な食事。情報と富に群がるセクシーな女性達。 日本では望み薄ですなw そういう文化は無い。 自分の意見では、戦略のコンセンサスを形成する場は大きく3つある。 個人指導 「チュートリアル」 講義・討論・演習 「ゼミナール」 社交界 「サロン」 戦略形成の最大の成功例として、また壮大な失敗例としてフランス革命後のナポレオン帝国があります。 このキーマン達の牙城が興味深い。 大雑把に言えば、 「チュートリアル」→ジョゼフ・フーシェ 「ゼミナール」→ナポレオン・ボナパルト 「サロン」→タレーラン >>845 面白いな。 なんだかんだ言っても、鹿鳴館みたいなのが必要なんだな。 ナポレオンサイドの視点からは悪く書かれるフーシェですがフランス革命以降の経歴を見るに凄まじい。 ルイ18世の処刑を決定づける票を投じ、さらには革命の勝者とも言えるロベスピエール独裁を倒したのはフーシェの謀略の才による多数派工作です。 非社交的な人間で地下活動とも言える非公式な個人訪問、買収、説得工作により驚くべき諜報ネットワークを作り上げてしまいます。 また、ナポレオン政権下では警察庁長官として秘密警察wのネットワークを構築し、ナポレオン帝国を下支えします。 表面上はナポレオン帝国の時代ですが、その実、末端の治安組織や諜報網では「フーシェの秘密警察の時代」でもありました。 フーシェの諜報網はナポレオンの奥方ジゼフィーヌにまで及び関心事項、来訪者、晩飯のメニューまで知っていたとされます。 単純に買収していたのか?と言えばそうではなく、元々が物理の教師であった性格から 常に相手の身上を把握し、欠けているものを与え、換わりに情報を吸い上げていたようです。 ある種の人生指南。革命を生き抜く個人指導。これを「チュートリアル」と表現してみました。 タレイランは、若い頃は(足はやや不自由だが)美男子でエスプリの効いた教養もありフランス王政下の各サロンでモテモテだったようです。モゲろジジイw。 基本的にチャランポランな人格で行政だの軍事だのの才は皆無ですが、サロン文化を通して得た戦略(外交)観は透徹しており 現代リアリズム戦略学派の思想もタレイラン、メッテルニヒのバランス・オブ・パワー(力の均衡)の発想に大きく影響を受けています。 タレイランは、ミラボーを通してフランス人権宣言の起草に影響を与えており、各国の憲法、引いては日本国憲法にも影響を与えています。 「(立憲君主を認めた上での)国民主権」「(公共の秩序にダメージを与えない)基本的人権」等、「前提」をかました人間の限界を考慮した抑制の効いた文言がタレイラン憲法の特徴です。 現代戦略思想から見ても正に王道。今なお研究対象となる所以です。 >>846 >鹿鳴館みたいなのが必要 現代での意義は分かりませんが、事実として「古典的な戦略概念」の一部は「サロン文化」でできた。 これは事実と思われます。 研究室の閉じ籠りや、公式セミナーだけでなく、非公式なサロンにおける幅広い視野、情報収集、コンセンサスの形成は意味があるのでしょう。 現代日本でこれに近いのは「六本木ヒルズ」で「夜な夜な繰り広げられる不道徳かつ金の臭いがする会合」あたりでしょうか? 健全な方で有名なのは「ニューヨークの金融機関会長等のパワーモーニング」とかですかね? そのような「良い思い」をした経験は皆無なのでこれ以上は分かりませんw 最後のナポレオンですが「軍事的天才」として描かれるklとが多いし、実際、この時代の優れた軍事指導者ですが、決して孤高の天才ではありません。 何より「作戦的火力運用」の概念で高名なジャン・デュ・テイユの「ゼミナール」の一員でした。 ティユ男爵に気に入られ、直接指導も受けたようで、その意味では「チュートリアル」で育ったとも言えます。 18世紀末のフランス絶体王政は軍事革命の爆発期で、 山岳戦の原則から師団制を説いたブルゼ、標準口径火砲を提唱したグリボーバル、 作戦機動や混合隊形を提唱したギベール、そして作戦的火力運用のティユ、様々な「ゼミナール」が存在し相互に影響を与えていました。 ナポレオンの「軍事的天才」はこれらのゼミナールの成果に裏打ちされた実にアカデミックなものだったと言えるかと思います。 マルチ・ドメイン・オペレーションの原典が分かったような気がします。 80年代末期のソ連軍の教義です。 正確に言えば「デビット・グランツの描く(現実には存在できなかった)理想化された未来のソ連軍」です。 現実のソ連軍はその後、崩壊・消滅しました。 グランツの描く将来戦も精密誘導武器が跋扈し「防御」が有利になっています。 それまでは「作戦的縦深地域」に影響を及ぼすのは作戦機動部隊でしたが、火力の精度と射程が伸びた結果、一部作戦的火力が作戦的機動に成り代わると。 これマルドメのフレームワークの思想に酷似しています。 ただし、その後、地対地の長射程火力が廃れ、空対地がもてはやされ、さらに2010年代後半にもなって復権するとはグランツも予期できまいてw 敵の精密誘導火力を突破するには宇サ電、情報戦で混乱を作為します。 そのカオスに乗じ、初っ端から奇襲でOMGが複数アクシスで侵攻し敵長射程火力システムに襲いかかります。 こうしてできた窓を使ってファーストエシュロンが必要な地を占領します。 >>856 現実のソ連軍の教義ではなく、極度に(アメリカが)理想化したキャパビリティーベースのソ連軍です。 そのときの用語(例えば「終結」)がかなり今のマルドメに使われている。 セカンドエシュロンは攻勢には使いません。 戦略レベルで予備軍として動員され、元の競合状態に復帰させるのに使います。 セカンドエシュロン使って前全面戦争してると核戦争時になってしまう。 ファーストがしくじってもセカンドで手仕舞いです。 あくまで防勢作戦が基本です。 この辺も今のマルドメの絵にきわめて似ている。 今度ばっかりはアグレッサーだけせなく、一般の文献としてグランツを翻訳して全軍に配布すべき。 マルドメの原典は本当の本当にグランツのようです。 アメリカの「オペレーショナルアート」の直接のテキストの原典はニューウェルで、「ジェダイの騎士」の教典となってきましたが、 もう1つ別系統の「シスの暗黒卿」のオペレーショナルアートがあります。それがグランツの作戦術w(酷い言い方ですがw) 追い詰められて、なりふりかまわなくなって「フォースの暗黒面」に手を出したとw 最高ですね。もっとやれw グランツ(もしくはソ連軍)の先見の明はたいしたものですが、80年代末(序文ヴォノ米陸軍参謀長)の科学技術の水準ではちょっと装備面で荷が重い。 ましてや旧ソ連経済です。 サイバーというが、まだインターネットの普及は夜明前。 衛星攻撃用のレーザ、果てはAIにも言及していますが、 80年代どころか、90年代、2000年代でもコモディティ化は厳しい。というか、やっと「今」くらいですかね。 テイラーメイドにわりと無邪気に言及していますが、それは戦略レベルでは標準化に反し高額な代償が要求されます。 これ真面目に追求したら、ソ連は確実に滅びます。 というか滅びましたね。 ようやく、現代になって戦略レベルでのコモディティ化の土俵に乗ってきた、 それゆえのマルドメとも言えるかもしれません。 >882 >それゆえのマルドメとも言えるかもしれません。 ちゃうねん。 それゆえのハイブリッド戦争やねんて。 そしてそれの丸パクリ技術改良がMDBやねん。 MDBのもとがハイブリッドなら、その大本が80年代のソ連ドクトリンに行き着くのは当然やねんて (By 似非関西人) ただし、ソ連脳ではない米軍がそれを理解する為には米式に概念翻訳が必要になる訳ですが、それがMDBの根本。 そして米軍お得意の技術優位による有利な部分を強調していけばMDBの最終型。 しかししかし、それだけでは政治的に対抗できない部分が残ったので、 抑止体制や同盟形成に重点を置きつつ、運用を改良しMDOに進んでると見るべきではないかと。 >>683 >ハイブリッド戦争やねんて。 >そしてそれの丸パクリ技術改良がMDBやねん。 MDO1.5でロシアのハイブリッド戦は「集権的な体制」を前提としているとし、そこに教義上の脆弱点を見出だしています。 機能的には競合状態を作り出すために対象脅威と鏡面的なレイヤー構造を指向していますが、それで「勝てる」とはしていません。 ミッションコマンドにより「マルチドメイン」に「分散したアセット」の結集によって「勝つ」ことを目論んでいます。 よって、今今のロシア軍とは根本的に思想が違うということでしょう。 >>864 技術優位による有利な部分を強調 逆に技術的な優位を「必要十分」なだけ「維持できない」ということを言ってるのではないでしょうか? だから「マルチドメイン」な「オペレーション」で勝つと。 大戦略レベルの外交上の優位性(同盟)は、MDOの前提となる決定的なアセットと捉えています。 一国での国家社会主義のロシア、チャイナには構築しえない決定的な優位性であると。 このへんトランプ政権の外交政策(ディール)と噛み合っているか微妙ですが。 デビット・グランツが描く「将来のソ連軍の展望」は、出展のソ連の研究者を明確に示しており、確かに彼らが書いたのは間違いない。 ただし、自分が読んでる版でも1991年に編集されたもので、二年前にベルリンの壁は崩壊し、この年に同盟軍のイラク軍が湾岸戦争で踏み潰され、翌年にはソ連もソ連軍も消滅します。 多分に空想的で虚構的なものをフォート・レブンワースの「窓」から眺めているわけです。 書評等でグランツはちょっとソ連軍を美化し過ぎるという感想も見掛けます。 内容的にはMDOの原典となり得る要素が満載で、こういう部品も蓄積され、進化的な発展の中でMDOにも取り込まれている、ということでしょう。 こういう矛盾するかもしれない「原則」をも前提を考察した上で同時にドクトリンに昇華させることができる。 米国のオペレーショナルアートの羨ましいところです。 やはり文献をパラパラ見ていると、ときどきEBO派がMDOにかこつけて巻返しを図ろうとしています。 彼らの論法は「重心(center of gravity)」を槍玉にあげて、 「物理的に重心を打撃」しようとする「クラウゼヴィッツは時代遅れ」。敵の認知を操れるはずだ、と。 敵の意志は「推測」はできても完全な把握は無理なのです。ましてや「所望効果に基づく一方的な操作」など傲岸不遜。 だから「戦場の霧」という。 これを克服するには観測するしかありません。観測-方向概念化・方向性-決心-行動のループを回すしかない。 見に行け。そしてループを回せ。回せ回せOODAループ。 心理戦に関連する事項として言えるのは ○人間の無意識(心理)は存在する。 ○心理は基本的な欲求(生存・性欲)に影響される。 ○基本的な欲求が満たされるとより高次の認知を求める。 人間の心理を操作できるか?と言えば答えはYESですが、同時に固有の性質にも大きな影響を得ます。 「心理操作は可能ではあるが、同時に固有の性質に左右され困難」 何のことはなく、他の戦略位相同様の複雑性に左右される非線形な空間だということです。 例えば臨床心理士が精神的に不調な患者を治癒する場合、定期的に「カウセリング」して心理状態を観測しつつ治療方針をフィードバックするはずです。 治療も心理療法もあれば、物理的な抗うつ剤等薬物の使用、食事、運動様々なバリエーションがあるはずです。 情報・心理戦学派(仮称)は、軍事作戦になったとたん、突然会ったこともない連中の心理をエンジニアリングとして操作できるとする。 この楽観性がどこから出てきたのか分かりません。 あまり「科学的」ではないと思う。 「固有な性質」に加え内的・外的な「戦略環境」も加えるべきですね。 どれだけEBOを駆使しても「無理」ってものもある。 アフガニスタン人がアメリカの傀儡政権を礼讃してユノカル様のパイプラインを唯々諾々と認めるとかw ないね。 少しは懲りてほしい。 アンドリュー・マーシャル (米国防総省評価局長、元ランド研究所) ラムズフェルドのRMA、統合エアシーバトルの提唱者の一人。 国家戦略、軍事戦略における非線形を見るわちきとしては「端迷惑(だった)ジジイ」 という感想ですね。 「帝国の参謀」「国防総省のヨーダ」というキャッチフレーズはかっこいいですが。 戦略・作戦というものをリニアな定量的・定性的には評価できない、という立場です。 ウォーゲーム(兵棋)で敵対的な意思と向かい合え。 マーシャル他ランド研究所のまわし者が推進していたB-1戦略爆撃機プロジェクトは、ジョン・ボイドが最終的に米空軍から首を切られたトリガー。 彼らEBO派と機動戦(作戦術)学派との思想的対立はかなり根深い。 B-1に関しては、ソ連サイドへの支出の強要という観点からも無駄でしたね。 ソ連防空軍の歴史は古く1948年から存在し、要撃戦闘機以外にも地対空ミサイルで国土を覆っていました。 B-1がなくても帝国主義者のU-2偵察機の浸透を阻止するためどの道、防空軍は増強してた。 B-1単体としては無駄。 「競合」どころか日頃からCIAがU-2で「紛争」煽ってたがな。 ランド研究所のおねちゃんがマルドメについて語ってくれるのを聞いて(つべ)、英語さっぱり分かりませんが どうせF-35もっと買え、というとるんだろうなと。 だいたい要旨はあたっとるでしょ。 墜落したパイロットには気の毒だが、F-35Aは航空安全上ものすごく不安定な面を抱えています。 ミッションソフトウェアが機体のマニューバにまで干渉してきて、しかも未完成で今後も頻繁にバージョンアップされます。 ソフトが原因だと事故も再現検証困難で原因特定できない。 しかも、事故調の途中でのバージョンアップの可能性もある。直接改善できない輸入機の悲しさ。 けっこう物造りを嘗め腐った手法ではあります。 少数機に止めてあまり深入りしない方が良いと思いますが、もう手後れですね。 導入を推し進めたシビリアンなみなさんは誰が責任をお取りになるのですかな? Effect-Based-Operation(EBO)の前提は戦略的な状況を複合的なシステムととらえ、これを分析します。 (System of System Aproach( SoSA)) これれを元に作戦を組みたてますが、クラシックな目的ベース作戦ではstrategic objectからtaskを導出するのに対し、EBOではeffectを導出します。 これは、さらに下部構造のactionと一意的に結び付いておらずSoSAで導出されるシステムネットークの形態をとります。 これらに対する順次的・累積的効果によりstrategic objectの達成をはかります。 実はEBOのプロトタイプはアメリカ陸軍航空隊が策定したAWPD-1と言われます。 これは失敗どころか至上空前の神話レベルの成功を納めた空軍戦略です。 industrial web theoryはまさにSoSAの走り。 EBOが成立する条件は、対象とするシステムがクローズ系でほぼ全ての情報が既知であるのが前提です。 AWPD-1の対象とするナチスドイツ、大日本帝国の生産システムは、極めて初期段階のテイラーシステムでその全系を把握するのはアメリカにとって容易だった。 (なんせ、ナチスドイツの産業資本のかなりのパーセンテージがアメリカの資本で・・・) どこ爆撃すれば経済や軍需産業が止まるか判断するのは容易だったと言えるでしょう。 さらにレシプロ機の開発競争で「成層圏への競争」に関して、ターボチャージャー・スーパーチャージャーで決定的なアドバンテージを持っていた。 枢軸側の頭上から、かなり好き放題に爆撃できる基盤がありました。 ただし、これらの前提はWW2後には失われていくわけです。 ベトナムでのラインバッカー作戦が典型と言われ、戦術的には爆撃は成功ですが、そもそもベトナムの武器弾薬の策源地はベトナムには無い。 ロシア、チャイナにありました。時間を与えれば回復するのは自明之理です。 さらに、「成層圏への競争」はロケット・ミサイル出現で終了です。 高高度偵察機もケチな地対空ミサイルで叩き落とされる時代になりました。 (ステルスはある意味「夢よも一度」ですが、まぁ戦略的には「夢」で終わりですね。早く夢から覚めろ。) >>882 現段階で人為的要因と見るのですか? それは無いでしょう。 過去、同じ機体で2回不具合が出てたようです。 ハードが原因なら、極論すればバイナリーチェックで部品を絞りこんでいけば再現性がとれて必ず原因にたどり着きます。 こころがソフトだとそうはいかない。 空自は主要装備が高価で、最後に入った戦闘機がF-2(改修はしているが)。90年代の機体です。 2010年代のソフト制御主流の装備の恐ろしさは認識してなかったのかもしれない。 F-35Aは、フライバイワイヤーの飛行制御に加え、センサーフュージョンの結果から敵センサーを回避するためのマニューバを一部機体が勝手にやってしまいます。 ある種の無人操縦に近い。 原因特定はかなり大変だと思いますよ。 ベトナム戦争の敗退を機にアメリカ空軍から新たなEBOモデルが出現しました。 ジョン・ワーデンのファイブ・リング・モデルです。 これは敵国のシステムを5重のリングに例え 第1リング 指導部 第2リング 構成主要素 第3リング インフラ 第4リング 住民 第5リング 戦闘組織 と見なします。 これらに対し求めたい効果に必要なリング各階層のノードに対し同時に攻撃(パラレルアタック)を加え所望のシステム麻痺を実現させます。 ジョン・ワーデンが育てた航空作戦立案組織「チェックメイト」は湾岸戦争時に中央軍に派遣され航空攻撃目標立案に辣腕ふるい大きな成果をあげました。(インスタンドサンダー(瞬雷)作戦) (ワーデン本人は不参加、チームをチャック・ホーナーに持っていかれ、そちらの立案チーム「ブラックホール」に吸い込まれた) ただし、それでも効果には明らかに限界があり、クウェート解放には地上戦が必要でした。 またサダムの親衛隊主力は健在で戦後の反フセイン組織の反乱を容赦なく鎮圧しますた。 ワーデンはクラウゼヴィッツの重心概念をはっきりと肯定・認識しており、これらが拡散してファイブリングが見いだせない場合もあると言及しています。 そのへんは後のEBO全盛時代の理論家達よりは健全かと思います。 EBOを教義としてまとめあげたのは、ワーデンの「チェックメイト」スクールの一員であったデビット・A・デプテューラ(最終階級空軍中将、空軍参謀本部情報部長)。 イラク戦争においてEBOは一つの頂点を迎えました。 極めて少数の空陸統合軍の攻勢により数では数倍のイラク軍の指揮を喪失させ、フセイン政権ごと瓦解させた。 そして、戦後、唐突に捨てられました。 正確に言えば、アメリカ陸軍もしくは統合軍として「EBOという言葉は使わない」ということでしょうか。 この経緯は日本から見てると錯綜していますが、一つはEBOに基づくイラク・アフガニスランの安定化作戦がさっぱり上手くいかなかった。 さらには、EBOの老舗イスラエルの2006年のレバノン侵攻の頓挫が作用しているようです。 特に後者についてはヒズボラに関する正確な情報、SoSAが結局のところは無理で、本質的なダメージを与えることができなかった。 EBO派のダン・ハルツ参謀総長は更迭され、イスラエルのオルメルト政権は求心力を失った。 EBOの功罪として、当然「功」の要素はある。 非常に頭コチコチの原理・原則主義から脱却して、対象を「システム」(要素と関係からなる)とする世界観がほぼ定着の域に達したこと。 さらに戦争の進め方で、あまりにも「順次的」な発想のみ(中間目標a-中間目標b・・-最終目標)から、「累積的」な効果も併せて議論できるようになったこと。 これは、異なる軍種による統合作戦を考えていく上でも議論の土台を提供するでしょう。 EBOの「罪」としては、システムが全部「見える」と誤解、あるいは誤解を招いたこと。 これは、90年代の情報万能主義(情報RMA・IT万能主義)と併せて考察すべきでしょう。 情報化・IT化で敵の手の内まで全て「見える化」され、さらには所望の「影響」を与えられるという誤った前提によります。 「戦場の霧」は戦争の本質(敵の自由意志)に根ざすものでこれが晴れることはありません。 戦争はどうしようもなく未知で不可知なものです。 情報化されたとしても、作戦サイクルの変化にともない新たな未知・不可知な要素が登場します。 これ、今でも「情報万能主義」に頭焼かれている連中が多くて実生活でも辟易させられる。そろそろ起床の時間でしょう。 現代作戦術のコアである「operational process」は「plan(計画)」→「prepare(準備)」→「実行(ezcute)」の内側に「vizualize(可視化)」→「describe(描画)」→「direct(指令)」のダブルループ。 常にあらゆる段階で「可視化」「可視化」「可視化」しようとします。 逆に言えばシステム構造が「見えない」ことを前提とし、可視化のループを回そうとします。 市販本で流行ってる「PDCAサイクル」は状況が単純な世界でのみ通用する半ばルーチンワークの思考過程です。 敵対的な複雑系の中でOperational processを実装してる相手(作戦術を実装してる敵)と戦う(戦術レベル以下の思考過程で)と包囲殲滅されます。 戦史上、本当に死屍累々で要注意です。 現代作戦術の最終奥義、いや教義は"System operational design"(以下、"SOD")と呼ばれ、アメリカ陸軍が採用している方法論です。 これはオーストリアの科学者、ルードヴィッヒ・フォン・ ベルタランフィの「一般システム理論」を作戦術に適用したもので、 EBOと同じく戦略環境及び作戦術の構成を「相互に作用する要素から成り立つシステム」と見る世界観を元にしています。 ただし、EBOと大きく異なるのはシステムを要素還元できる閉鎖的なものとは見ず、 外部に開放され、構造・機能が常に変化する生物学的な世界観を元にしています。 SODからは「最適解」が求まるわけではなく、あるシステムを漸進的に改善しながら環境に適合した形態に「進化」させることをめざします。 SODの採用は大きく「狭義」と「広義」があり前者がイスラエル、後者がアメリカです。 「狭義」のイスラエルは一時期、軍事用語も全て一般システム理論のものに変えましたが、さすがに破綻しSODを放棄しました。 一方でアメリカによる「広義」のSODの採用は、外観はそれほど従来のmilitary deceition making process(MDMP)と変わりません。 ただし、ものの見方が大きく変わっています。 作戦術を「任務」からブレイクダウンしていく一方向なものとは見ず、これらをシステムとしての関係性と見、operational processにより進化させることで「本質的な問題点」に挑みます。 作戦の初期では予想もできなかった「レマーゲンのケチな鉄橋」が全軍の重心たる場合もある。 そのような状況の変化にも機敏に「本質」を見抜き適応します。 SODだのシステムだのいかにも奇をてらった思想ですが、実は古典軍事思想とも相性が良い。 作戦術の真祖・モルトケ曰く「戦略(作戦)とは臨機応変の体系(システム)である。」 まさにSODそのものです。 それもそのはず、クラウゼヴィッツ、モルトケ他ドイツ兵学も、根本の哲学的な部分で隣国・オーストリアのウィーン学派(政治学・経済学・心理学・物理学)の影響下にあります。 共通の知的基盤の上に立つので近似的な解答が出てくるのも首肯できます。 SODの意義は、やや散文的なドイツ兵学を応用するための一つの教義体系とも言える。 システムだの生物学だの奇天烈な言葉に惑わされずチャレンジすべき兵学思想です。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.4 2024/05/19 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる