>>600
> トムキャットだと、可変翼+TF30が思いっきり足を引っ張ったでしょうからねぇ。

TF30が足を引っ張ったのは事実だ、この前も書いたがトムキャットがF110をもっと早く入手できていたらトムキャットの評価はかなり違っただろう
しかし、可変翼に関しては君の主張は間違いだ
可変翼が機体価格だけでなく維持費の増大の原因としてF-14の退役を早めたのは事実だが、F-14を長射程迎撃機だけでなく制空戦闘機としても優れた戦闘機にしたのは可変翼だ
自動制御された可変翼によって常に飛行状況に応じた最適の揚抗比が得られ、また格闘戦では翼幅荷重を大きく下げて誘導抵抗を大幅に減らせたので
ループ運動(縦操縦)ではF-15にも勝る旋回性能を推力重量比に大きく劣るF-14Aが得られたのは可変翼のお蔭だ

ネリス空軍基地で実施された空海軍合同のDACTで当時の最強エンジンF-100を積んだF-15相手に推力にも安定性にも劣る旧式のTF30のF-14が常に優位に戦い
F-15のバックを取れた最大の原因が可変翼なのは明らかだ

なお、ロール運動(横操縦)に関しては、残念ながらF-14には余り高い評価を与えることはできない
その理由は、F-14はその機体形状から本質的にロール運動が苦手な重量分布になっているからだ、そして残念なことに、可変翼もF-14のロール率の悪化に一役買ってしまっている

F-14の機体形状がロール運動に向いていないというのは次のように説明できる
F-14では2基のエンジンが機体全体の重心位置から大きく離れている(機体中心軸=ロール軸から大きく離れている)のでロール軸に関する慣性モーメントが大きい
だからF-14は(他のエンジンが機体中心軸に隣接するように設置されている戦闘機に比べて)ロール率が必然的に低くなる

更に、可変翼を前進位置にすると主翼という重いパーツ(特にF-14の場合、主翼のほとんどが燃料タンクなので翼内燃料が残っていれば主翼はかなり重い)もロール軸から離れるので
ロール軸に関する慣性モーメントが更に大きくなりロール運動が更に鈍くなる

実際、F-14のデモ飛行の映像を見ると、可変翼を前進位置にして展張している時と可変翼を最大後退位置にしている時とでは明らかにロール運動の角速度(ロール率)が違っている
もちろん可変翼を後退させている時のほうが遥かに高速にロールできている