イージス・アショアに大金を払い、日本は米国の「不沈空母」にされる
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 日本のミサイル防衛システムは、飛来する弾道ミサイルをイージス護衛艦から発射する艦対空ミサイル「SM3」で
迎撃を試み、失敗したら地対空ミサイル「PAC3」で迎撃するという二段階で対処する。
 2003年12月、これらを米国から導入することを閣議決定し、これまで2兆円近い経費が米政府に支払われた。
 その後、北朝鮮がミサイル発射を繰り返すのを受けて、防衛省は弾道ミサイル迎撃ができるイージス護衛艦を
4隻から8隻に倍増することを決め、「あたご」型の2隻の改修を2012年度から開始、また最初から弾道ミサイル迎撃が
できる「まや」型2隻の建造費を15、16年度防衛費に計上した。
 イージス護衛艦に搭載する日米共同開発中の迎撃ミサイル「SM3ブロックUA」は従来型と比べ、射程がほぼ2倍に
広がることから、防衛省は日本海に浮かべるイージス護衛艦は3隻から2隻に減らすことができるとも説明していた。
 つまり、「イージス護衛艦の追加」と「迎撃ミサイルの高性能化」により、日本防衛に必要な武器類は揃うことが
決まっていたのである。
 そうした中で、イージス護衛艦の機能を地上に置き換えたイージス・アショアの導入が突如浮上した。安倍晋三首相の
国会答弁がきっかけとなった。
 安倍首相は17年2月15日の参院本会議で「わが国は米国の装備品を導入しているが、これらはわが国の防衛に不可欠
なもの」と語り、「安全保障と経済は当然分けて考えるべきだが、これらは結果として米国の経済や雇用に貢献する」
と続けた。

 防衛省がイージス・アショアの「適地」をめぐる説明でミスを繰り返すのは、イージス・アショアが政治案件であることと
無関係ではない。国防担当にもかかわらず、脇役に回され、地元対策を押しつけられた防衛省の不満がにじみ出た
結果といえる。
 ミスのいくつかは、地元紙や秋田県などの指摘で明らかになった。「やらされている」から「やっているフリ」をして
いるだけの防衛官僚と、イージス・アショアが配備されれば生活が一変しかねない地元とでは真剣さの度合いが違う。