航空優勢」とは、武力攻撃が発生した場合に、味方の航空機が大規模な妨害を受けることなく諸作戦を遂行できる状態のことであり、これを確保することにより、その空域下で海上作戦や陸上作戦の効果的な遂行が可能となります。
 仮に「航空優勢」を失えば、敵の航空機やミサイルなどにより、飛行中の航空機はもとより、地上ミサイル部隊や航行中のイージス艦、さらには港湾や飛行場も攻撃を受け、艦船や航空機の運用自体が困難となります。
 このように、「航空優勢」は我が国の防衛のための諸作戦を実施する上での大前提であり、我が国の防衛にとって不可欠のいわば「公共財」としての性格を有します。
 このため、戦闘機が我が国周辺空域に迅速に展開し、より遠方で、敵の航空機やミサイルによる航空攻撃に対処できる態勢を整えることが、極めて重要です。このような戦闘機の重要性に鑑み、各国とも戦闘機の開発や購入に注力しています。
 上記のように、各種の防衛作戦にとって死活的に重要な、いわば「公共財」とも言うべき「航空優勢」の確保を完全に他国へ依存することは、作戦遂行のイニシアティヴの喪失につながることを踏まえ、我が国においても戦闘機製造基盤を確保しつつ、主体的な我が国防衛を可能とする能力の高い戦闘機部隊の整備に注力していきます。