私が中学生の頃、時代はカセット全盛期。メーカー製のものは安くて300円、音楽用ともなると500円くらいからしかありません。そんな中、怪しいディスカウントショップに行くと貧乏人の救世主のごとく誇らしげにガラスショーケース上で鎮座している「BON」の文字。そのケースには100円の文字が・・・。
貧乏人の中学生にとってはこれはまさに救世主。気がついたら5本のまとめ買いでした。実際使ってみると酷い品質で音は言うに及ばず、ヒスノイズがすごい。それでも当時はラジオからのエアチェックが中心でしたから音はある程度我慢していました。
しかし、3本くらい聞いたあとヘッドは盛大に土色の汚れ。ピンチローラーにも土色のラインがきれいについていました。まさか磁性体を土で作ってるんじゃなかろうに、このテープをかけるとヘッドクリーニングは必修でした。それにこのテープ、レコーダーの中がお気に入りのようで、よく奥深くまで潜り込んでくれました。巻き戻すと切れたり、さんざんなシロモノでした。
結局、あまりの酷さににしばらく使ってどこかに行ってしまいましたが。ネットでこのテープを検索すると出てくるのは品質の悪さのことばかり。皆さんもやっぱりこのテープには思い出がたっぷり詰まっているんでしょうね。