LGの白有機(RGBW色フィルター式)パネルは・・輝度を無理にW(白)で補う式なので明るいシーンの
発色が白化現象を起こして癖のある不自然な映像になり、また白とびも出やすい。

 その上、一画素あたりRGBWの4素子発光であることや、RGBのフィルターによる輝度減衰対応のための
電力つぎ込みもあり無駄に消費電力=発熱が大きい。
そんなことで、いくら白を追加したといっても輝度のピークには(カタログ上の数字をどう盛ろうとも)
物理的な限界があり、結果どうしても「暗い」のは致し方ない。

また、LGパネルの場合は有機素子固有の低輝度不安定性を「黒つぶれ」でごまかすやり方なので暗部画質が
汚い、その上暗部のリニアな諧調感がほとんどゼロでグラデーションに縞々が出やすい、等の欠点がある。

ただし、その「黒つぶれ」と「白とび」のコンビネーションによって「一見」コントラスト感を演出できる
効用はあるのだが、あくまでも一見の範囲だ。

 日本メーカーのLG有機パネル採用TV製品の場合は、各社の映像チップ技術でどこまで「そんな癖のある
画質」をどこまでカバーできているかが勝負になるだろう。


 実は、映画から自然美映像まで様々なジャンルの映像ソースのトータルな画質評価で言えば・・
液晶モデルとLGの白有機パネル仕様モデルと同価格帯で比べた場合は「それぞれに長短がある」としか
いえない。あるいは見る側の「好み」の問題と言うべきか。

 私はAVルームのE6Pモデルとリビングの液晶モデルを使っているのでつくづくそう思う。

 ・・つまり・・RGBWフィルター式白有機というLGパネルには決して「過剰な夢を見ない」ことだ。

 一応は有機材料の自発光素子のパネルに於いて「大衆化可能な安価な製造コストを実現」したこと自体
は是とするにやぶさかではないが。


 ま、それはそうと有機パネルは日本の技術が無いと作れないわけで、世界の「有機ELパネル低コスト
工場」としての今の立ち位置も、韓国の対日態度次第では かなり危うい のではないか。