LG Displayの88型8K有機ELを見た
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/event/15/121400163/011700045/

今回の試作機の画面サイズは88型である。最大ピーク輝度は800cd/m2、色再現性の指標であるDCIP3のカバー率は99%という。
88型という画面サイズは「8は縁起の良い数字だから」(LG Display社 Chief Marketing Officerの呂相徳氏)。
同社の現行4K品のラインアップは55型、65型、77型であり、ちょうどその上に位置するハイエンドモデルとなる。65型の8K品も開発途上であるという。

技術的なポイントは、光の取り出し方向である。有機ELパネルの光の取り出し方には、有機層の「上」方向と「下」方向の2種類がある。それぞれ「トップエミッション方式」「ボトムエミッション方式」という。
ピクセルサイズが小さくなり、開口率が低下する可能性が高い8Kでは、トップエミッションの採用が常識とされている。

しかし、LG Display社の開発グループはあえて、困難なボトムエミッションで8K有機ELを開発する道を選んだ。それはコストを考えてのことである。
これまでの2Kと4Kはボトムエミッションなのだから、画素サイズは小さくなるが、頑張れば、同じ生産ライン、同じドライバーICが使える。これまでの延長線上での製造が可能だ。
しかし、ボトムエミッションのまま4Kから8Kにすると確実に、透過率が約半分に下がる。いかに対策するかが求められる。