■Dolby Atmos/DTS:Xを簡単に解説5
★トップスピーカーの位置とアンプの設定
トップSPはフロントSPの縦ラインに10ch対応ですが、通常4chか2chで多くても6chです。
https://i.imgur.com/6M9fDnW.jpg
そこでトップSPを減らした場合、どこに設置すれば半球状(立方体)を表現できるかが問題となります。

Dolbyのガイドでは、トップSP位置及びアンプの設定を以下のように推奨しています。
なお制作は7.1.4以上が必要、再生の標準はx.x.4となっています。

x.x.10、前後を5点の10chで表現
(FH フロントハイト/TF トップフロント/TM トップミドル/TR トップリア/RH リアハイト)
x.x.6、前後を3点の6chで表現(TF/TM/TR or FH/TM/RH)
x.x.4、前後を2点の4chで表現(45°トップフロント/135°トップリア)
x.x.2、前後を1点の2chで表現(80°トップミドル)
https://i.imgur.com/lNYajPo.jpg https://i.imgur.com/zeBvks0.jpg

7.1chで前後左右、7.1chとトップSPで上下、トップの4ch〜で上空の前後左右の定位を表現。
半球状(立方体)を表現するためトップは45/135°のTF/TRで4chが基本になっています。
TFとTRでTM位置、FとTFでFH位置、SBとTRでRH位置に定位可能。
前後壁にFH/RH設置の場合、SPが頭上に無いため単独出力されると上方で鳴っている感が劣ります。

トップが2chの場合、AtmosはオブジェクトのY軸(前後)を無視してXZ値でトップに出力します。
つまり前方後方に関係なくZ値が+になってる全てのオブジェクト音がトップに出力されます。
なので前後の中間点80°のTMが推奨されています。FとTMでFH/TF位置、SBとTMでTR/RH位置に定位。
https://i.imgur.com/OkekkaN.jpg

もちろんこれらはベストパフォーマンスを発揮するための配置であり、実際は設置可能な条件から
ある程度パフォーマンスを妥協して、部屋に合ったポジションで設置することになります。

なおDTS:Xは常に正しい位置にレンダリングする仕様で、2chでFHだと後方上空の音はFHに出力されません。
また標準45/135°設置はAtmosと同じですが、これをFH/RHとしておりTF/TRは60/120°です。
アンプでFH/RH設定なら単一SPに出力されますが、TF/TR設定の場合はFとTF及びSBとTRに出力されます。