母子等の人間関係のこじれによる劣等感や無力感、孤独感、恥辱感、自己愛的傷つきから自意識が過剰になる心理学的要因になります。
そして、世の中の不条理な在り様のなかで、自分の言い分が正しいと固執していくとか、絶望のなかで、ある対象を理想化し、嗜癖化していくことで、本来の痛みから遠ざかろうとします。
特に、母親の不在や共感不全により、自分は素晴らしい存在であるということを映し出してくれる鏡がない子どもは、感情や自己調整機能に障害が出ます。
そして、人と穏やかに過ごすことが難しく、気分の浮き沈みも激しく、極端な行動を取っていくようになると、自己愛性人格障害が形成されます。
また、母親という愛着対象との皮膚の接触が危険であれば、対象との距離を置いて、対象なき世界で己の力とスキルを磨き、自己に陶酔することで安全感を保障します。このタイプは、人を愛するというよりも、自分の技能を高めようとします。