■「忖度」とは

コトバンク(大辞林 第三版)によると、忖度(そんたく)とは、「他人の気持ちをおしはかること。推察」とされている。

籠池氏は、「忖度」という言葉を使って、国有地の売買や値下げについて、国会の証人喚問などで「安倍晋三氏や昭恵夫人は直接口利きをしたわけではないが、
財務省の官僚がその気持を推しって動いたのでは」という内容の見解を繰り返し証言していた。

■NYタイムズの記者が質問

記者会見の質疑応答の終盤で、NYタイムズの記者は、籠池氏が「100万円の寄付」などについて明確に証言した一方で、
「大きな力が働いた」「神風が吹いた」などの部分について、不明瞭であると指摘した。

これに対して籠池氏は「安倍首相または夫人の意志を忖度して動いたのではないかと思っています」と回答。

しかし、この回答にNYタイムズの記者はさらに「もうちょっとはっきり答えて欲しい。
安倍首相は直接に口利きしたのでしょうか?」と畳み掛けたが、籠池氏は再び「安倍首相は口利きしてないでしょ。忖度したということです」と答えた。

この部分で忖度は初め、「surmise」と訳されていた。この言葉は「推測する」などの意味がある。

しかしここで、山口弁護士が引き取り、以下のように「忖度」を英語で解説した。

いくつか言葉を欠いているようですが、籠池氏が「忖度」という言葉で表現しようとしたのは、安倍首相によってではなく、
安倍首相の周りにいる人々が何らか手を加えたということです。
「忖度」というのは自分自身で何かするという時に使われる言葉ではなく、安倍首相の周囲の人間、もしくは子分の人間が何かしたという意味になります。

続いて、もう一人の通訳もこのように付け加えた。

通訳からの情報として付け加えますが、「忖度」という言葉が英語通訳で少々混乱を招いているようです。
英語で「忖度」を直接言い換える言葉はありません。念のため申し上げました。

【森友学園】「忖度」は英語でどう通訳された? 籠池氏会見で外国人記者に | The Huffington Post
http://m.huffpost.com/jp/entry/15572790