最後にこれまで何度も指摘していることだが、人間同士の勝負は相性が大きな意味をもっている
相性の悪さは自分の読みのなかになかった手を指されたり、得意でない将棋を強いられるところに潜んでいる
読みが合わないことが頻繁に起きると読みの波長まで狂ってくる
読み直したりするので時間が足りなくなり間違いもしやすくなる
こうした、波長を狂わされてしまうことが大山との対局では多いという仮説を立てることができる
なぜなら、大山の指し手は直線的な読みから離れて、局面局面でパッと見て思い付いたような意外な手が多かったという
それが軽視していた好手だったり、まったく読んでいなかった難解な手であると、相手も間違いやすくなる

だから、ソフトに近い手を指せるから大山に勝てるものではない
結局、タイトル戦に多く出てタイトル獲得率が高い棋士が一番強いという理屈になる

大山と羽生は活躍した時代が違うので両雄並び立つことが可能だ
羽生ファンは、羽生にはまだ当然のことながら50歳すぎてからの実績がないことに謙虚になったほうがいい