ソフトに触ったこともない人の書き込みも散見されるので、
名人戦第1局1日目をソフトに解析させるとどうなるか実際例でZ値を説明します
解析ソフト:ShogiGui
探索エンジン:YaneuraOu4.80
評価関数:Apery_SDT5

37手目▲48玉までを解析

○先手19手中ソフトの最善手と異なる指し手で評価値の差がマイナスの手は3手

3手目の▲76歩が−43
(ソフトは▲25歩なんだがどっちも1局。しかし、主観は挟まないのがルール)
19手目▲36飛が−96
31手目▲82歩が−139
(22手先以上読ませると▲82歩が最善または評価値が変動するが、悪手認定の誤りではないので修正はしない)
以上の結果マイナスの合計は−278
1手当たり−278/19=14.63
これが先手のZ値となる(ShogiGuiでは平均悪手率と呼称されている)

●後手18手中ソフトの最善手と異なる指し手で評価値の差がマイナスの手は1手

18手目△62玉が−116
(22手目△88角成もソフトの最善手と異なる指し手だが、評価値差はプラス64なので合計されない)
したがって後手のZ値は116/18=6.44となる
この計算法に疑問が生じてもおかしくないが、この辺は微々たる違いで、結局はこのあとの疑問手や悪手の大きさでZ値は決まってくる
ここまで最も多かったノード数は34手目△84歩41540405
これは、△84歩の手が難解だったということではなく、ここから21手先までの分岐が多岐に亘っていて評価値の確定に多くのノード数を必要としたということ
このように探索深度21手というのは、1手ごとにノード数が違う
終盤では数億以上も読むことになる
1手1秒の解析と違うのは、探索深度21で解析させた場合は、序盤は解析に1手コンマ数秒しかかからないが、終盤になるにつれて1手数分かかることもあるということ
これが解析の信頼性を保証している