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将棋のプロ棋士養成機関「関西奨励会」に所属する、
加古川市立中部中学校3年生の上野裕寿さん(15)が昨年10月から、
プロ入りの最終関門である「奨励会三段リーグ」で、年上の会員たちとしのぎを削っている。
関東奨励会を含め、現時点の三段リーグでは全国唯一の中学生。
小学生の頃から、多くのプロ棋士を育ててきた井上慶太九段=同市在住=の下で腕を磨いたといい、
「一日一日しっかりと勉強して、プロ入りを目指す」と意気込んでいる。(切貫滋巨)

三段リーグからプロ入り(四段昇段)できるのは原則として、半年ごとに行われるリーグ戦の上位2人。
全国各地の“天才”が集まる奨励会を勝ち上がってきた
精鋭約30人が1、2位を目指して熾烈な闘いを繰り広げる。
現在の三段リーグ33人の平均年齢は21歳で、日本将棋連盟関西本部によると、
中学生での三段昇段は「かなり珍しい」という。

上野さんは5歳の頃、父親の卓哉さん(44)から教わり、将棋を始めた。
小学1年生から、井上九段の教室に通い始め、小3で「全国小学生倉敷王将戦」低学年の部で優勝した。
前年の優勝者は最年少プロ棋士の藤井聡太七段(16)だった。
この頃から「自信もつき、将棋がより面白くなった」と振り返る。
小6で小学生名人戦決勝大会で3位に入り、同じ年に奨励会に入会した。

 昨夏に三段昇段を果たし、昨年10月からリーグ戦に初参戦。
3月までの1期で勝ち抜ければ、藤井七段に続く史上6人目の中学生棋士になる可能性もあった。
しかし、全18戦のうち今月6日までの11戦を終えた時点で、3勝8敗と大きく負け越している。
二段までとは雰囲気も違ったといい、「勝負所で間違ってしまった対局も多かった」と反省する。

「特に中学生でのプロ入りを意識しているわけではない」とし、
「昇段した時から、三段になってからが大変だと覚悟はしていた。もっと勉強して強くなりたい」と静かに闘志を燃やす。

師匠の井上九段は
「終盤に鋭さがあり、三段まで一気に駆け上がった。ここからが勝負だが、環境に慣れれば実力が発揮できるだろう」と期待する。