もう一つ、中原名人との確執について
二上はある時期、かなり長い期間中原を嫌っていた
どうしてか?
それは中原が棋聖位を内藤に奪われた直後の「敗軍の将兵を語る」という将棋世界の対談にある
タイトル戦の、大山−二上戦について聞かれたときの感想だ
「序盤で損をしている、振り飛車に弱いような気がします」
これが原因で 二上は振り飛車に弱い という流言が燎原の火のごとく広がったためです
中原は、大山の振り飛車に限って序盤から形勢を損ねていると言ったつもりが、そうではなく解釈されたため、他の棋士の対二上の振り飛車採用率が極端に高くなってしまったのだ
それ以後二人の間はギクシャクして、解消するのに20年?ほどかかったと思う
そして或いは誤解が溶けることは、最後まで無かったのかもしれない
なぜならその後、谷川が中原から再度名人位を奪った時に「当然の結果」 だと評していたからだ