将棋の才能に男女差はありません。
一番才能があったのは林葉直子でした。
「女流棋士」ではなく男性と同じ「棋士」になる、それもタイトルをいくつも獲るような強豪棋士になるほどの才能でした。
しかし、そうはならなかった。

あるときから彼女の将棋に対する姿勢が変わってしまった。
難しい将棋の勉強をするよりも、女性としての魅力で「女流らしい仕事」をするほうが楽に儲かる、そう氣付いてしまったのです。

彼女は女流棋士として十分活躍しただろう、と言う人がいますが、それは違います。
「女流にしては」活躍した、それだけです。
羽生と比べて、佐藤と比べて、森内と比べて、あるいは他の男性強豪棋士と比べて、彼女は活躍したでしょうか。
将棋の研鑽を怠らなければ、彼らに並ぶほどの活躍をしていたのです。
私は師匠として残念で仕方ない。