44桂自体は次の一手なら見える味のいい手だけど、
これに限らずその鬼手に至るまでの二十数手の構想が恐ろしい。
「どこからこの手を……」とか「これが見えてなければあんな仕掛けはできない」みたいなことが解説でよく言われるけど、とにかく射程が長いというか読みが深い。

鬼手とは少し違うかもしれないが、
稲葉戦の大逆転も読み抜けで一度は逃れられたわけだけど、その後自玉の寄せを難解にして当初主張していた筋に強引に叩き込んだ構想力が本質だったと思う。