将棋版 リレー小説
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それは私に届いた1通のメールから始まった
差出人には「日本将棋連盟 佐藤」とあった 一方谷川は菅井とともに四国の饂飩で肉うどんを食っていた 二人を安全な場所へ逃がした中原だったが、自身は人造棋士を前に、絶体絶命の窮地に立たされていた。
圧倒的なパワー、そしてスピード。
「おどろいたね…」
十六世はそっとささやき両目を閉じた。
(できることはやったのだ。将棋の神様もきっと褒めてくれるに違いない)
彼は覚悟を決めると、最後の時を待った。
その時だった… 16世名人である中原はプロ棋士ゆえのプライドでこの勝負にケリをつけた
この局面からはまず助からない
ダメだと思った時こそ本当にダメで素人から見てもダメなものはダメなのだ
閉じた両の眼を見開いてお茶を一口飲み…
「これで最後だ人造棋士よ!これが私の秘技!詰めろ逃れの…投了!負ぁけむぁしぃたぁーっ!」
右手を駒台に添えて軽く頭を下げて投了宣言をしたのである
ガックリと肩を落とす中原に対して人造棋士は無慈悲にこの偉大なる永世16世名人を吸収しその頭脳に取り込もうとしたが…
ようやく到着した男が将棋の駒を投げつけて阻止した
駒箱ごと投げたのと、箱の角が人造棋士のチンコに直撃したことにより中原を手放して悶える
「ブルァアァァァッ!誰だ!」
この男こそレジェンドオブレジェンド、永世19世名人の羽生ヨッシャル!羽生睨みで見据えている
人造棋士は羽生睨みから視線を外さずにチンコを擦りながら言った
「やっとお出ましか?待っていたぞぉ!カワイコちゃーん!詰んでやるぅ!お前の玉も詰んでやるぞぉ!ブルァアァァァッ!」
羽生は戦慄したが気を解放…いや、棋を解放した
「えぇ、まぁ、そぉですねぇー」
このとてつもない棋力はまさにマグニチュード…いやさ、ハブニチュード7を記録しようとしていた
いまだかつてない戦いが始まろうとしているのである この時の羽生は少し様子がおかしかった
いつもの彼ではなかったのだ
そう、広島カープの赤いキャップを被っていたのである
初心に帰るという意思表示であった いや、よく見るとカープの帽子だけではなかった。下はジーンズというおよそ棋士らしくない少年のような格好をしている。
怪訝な表情を浮かべている人造棋士に対して真っ直ぐ目線を投げかける羽生永世名人
そしてヨッシャルの唇が微かに動いた
羽生「……キハナツ」
人造棋士「えっ?」
羽生「ワカサトキハナツ!!!」 賢明な読者諸君は既にご存知だろうが…
これこそが少年時代に全国の少年達、あのライバルの森内少年さえも震え上がらせた通称・恐怖の赤ヘルと呼ばれた姿である
香と歩という安い駒を巧みに使い、自在に相手玉を詰ますことから香歩=恐怖と言われるのが所以だ
嫁のマンスジに手を添えて責めの手筋を連発し最後にはプルプル震える手を容赦なくポイントに「これで終わりです」と一撃を喰らわせる様はまさに永世名人に成るべくして成った恐怖の赤ヘルそのものである
メガネを拭きながら何かをじっと我慢している様子が伺える
いや、我慢しているのではない
溜めに溜めているのだった
そして初手を指す寸前にそれを解放した
「全集中!居飛車の呼吸!持久戦の型!初手2六歩の一手!」
さぁ、恐怖の赤ヘルが始動した
ゆけ!羽生ヨッシャル!
戦え!羽生ヨッシャル!
将棋界の未来はお前にかかっている!
次レスへ続く。 勝負は1時間もかからなかった。
羽生少年は駒台から銀を取ると、頭上高くかかげ、しかるべき場所へと撃ち込んだ。
そう、5二の位置へ!
その瞬間、人造棋士はバラバラにブッ飛び、脳漿を撒き散らし、肉片と化したのだった。
まるで隅田川の花火のように……
「やったー!うれしい!」
返り血を浴びた中原が声を上げる。
それは人類の勝利宣言であった。 という妄想が脳内をよぎったが現実は甘くない
羽生少年の服装で奮闘する永世19世名人だったが恐怖の赤ヘル状態でもジワジワと差をつけられていき形勢は劣勢と追い込まれつつあった
現時点でも既にAIのほうが強いという現実
ましてや人造棋士は更に進化した数十年先の未来からやってきたのだ
百局指して1局勝てれば良いほうだろう
そして羽生が負けて吸収されれば文字通り「羽生の頭脳」をも人造棋士は身につけてしまう
どれくらい時間が経過したのか日が沈み月がやさしい光で照らしていた
棋士には月の光がよく似合う
月の下で羽生と人造棋士の二人の棋士は中盤戦から終盤戦へと駒を進めていた
この対局をこっそり観戦していた男がいたがタバコを切らし、ラインで仲間にタバコを買ってくるように連絡していたが未だに来ないのでイライラしている
つい思っていることを声に出してしまった
「えぇーい!ピースはまだかぁーっ!」
と、同時に羽生が大きな駒音を出して飛車を盤に叩きつけた
男の声すらもかき消すほどの力強き駒音はその大きさに恥じない格調高い一手だった
そして飛車は真っ二つに割れた
これには羽生自身も驚くが人造棋士は余裕たっぷりで新たな飛車を口の中から吐き出した
割れた駒をペロリと食べてしまい機嫌良さげに歌い出す
「おーおー!ヒィーシャ!待ってるかい?オーオーオーヒィーシャ!待っててねぃ!今置くよぅ!待っててねぃ!オーオーヒィーシャ!へヘヘッ!もーいーかい?フンッ!俺がぁ!置きに行くぅ!待ってろよぉ〜♪」
歌い終えると新しい新品の飛車を盤に置いた人造棋士に羽生は怯えている
まるで声優の岩本則夫に岩本節で煽られているかのようだった そんな折、関西将棋会館で対局予定だった男は福島駅で下車した、
が、何か様子が違う。
「東北本線の福島駅じゃないか!!…」
男は愕然とした、だが、対局は明日。
今日中に東京に引き返せばまだ明日の始発で間に合う。しかもまだお昼過ぎ。
「これも何かの縁だ、福島の街を散策するのも悪くない」と向かった場所は… 駅のほど近くにある福島競馬場であった
「折角だから一勝負といきますかね。」 男は売店で赤ペン及びエイト、並びにワンカップ大関を購入し、足取り軽くパドックへ向かった。
「さて、初手はどうしますかね… えっ? バカなっ!」
驚天動地、なんと馬の中に人間が一人混じっているではないか!
その男とは… 名前を確認すると『シケンアナグマ』と名付けられていたこの男こそ… ここで私はひとまずカバンから飴を出して口に入れてから一息ついた
とても美味いヴェルタースオリジナルに懐かしい記憶が甦る
お爺さんにとめての将棋を教わったあの頃を思い出す
私のお爺さんが初めて囲った囲い。
それは振り飛車穴熊で私は4才でした。
その囲いは堅くて遠くて、こんな素晴らしい囲いを教えてもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がお爺さん。
孫に教えるのはもちろん振り飛車穴熊。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。
懐かしさに感極まり私はいつしかうっすらと涙を滲ませながらあの馬面の男に視線を送っていたのだった
口の中の飴が溶け終わるまでいつまでもその男を眺めていたのだ
だって馬面だもの
みつを。 まさかそんなはずはない。パドックの中に人間がいるなんて。
男は自分の目を疑いなら、一歩、また一歩と歩を進める。
パドックに近づいていくにつれて、その人間は胸と背中にゼッケンをしていることに気がついた。「センテスプリング」と書かれている。どうやら馬名らしい。
さらに近づいて馬面の人間をよくよく観察すると。。。
なんとそれは馬のマスクをした人間だったのだ!!!
そして男は、馬のマスクを付けた人間の周りにそれを撮影する新聞記者がいることにも気がついた。
これは一体どういうことなんだ???
首を傾げる男だったが、新聞記者が言った次のセリフで全てを理解することができた。
「渡辺王将!防衛おめでとうございます!満面の笑顔でこちらに目線をお願いします」
そうか!これは王将戦名物のコスプレ罰ゲームだったのか! 「いよっ!王将っ!」
男もワンカップを掲げて囃し立てた。
渡辺は笑顔を浮かべ、頭をポリポリとかくのであった。
「まあ、藤井さん強いんですけど、私としては、できることをやっていきたいです」
王将の抱負の言葉で、会見は終了した。
その後、渡辺はパドックから出走ゲートへと赴き、ファンファーレをじっと待った。
どうやら走るつもりらしい。 「シケンアナグマ」「センテスプリング」という名前のうちセンテスプリングは渡辺だと解ったが、ではシケンアナグマは一体誰なんだろうか
やはりあの男か?
その時、私のスーツの上着にある左内ポケットに入れていたスマホがブルブルと振動した
バイブレーション機能で何かの着信を知らせてくれている
メールかラインか電話かと取り出すとライン通知だった
少し前に私が送ったメッセージに対して返事が来たようだ
どれどれと開いて読んでみた
「ごめん。研究会には行けません。今、新賀ボウルに居ます。この建物を南北に横断するレーンを私は作っています。本当はあの頃が恋しいけれど…でも今はもう少しだけ知らないフリをします。私の作るこのレーンもきっといつか誰かのボールを転がせるから」
どうやらダブルワークでアルバイト先のレーン作りのほうが優先らしい
ふむ、彼らしいなと私は思いながらそっとアプリを閉じスマホをスーツの内ポケットに戻した
ふと空を見上げながら私は思った
どこにでも日本語が不自由で理解力の無い人はいるもんなんだなぁと
少なくとも前後の文脈くらい把握しろよと
統合性や整合性がなければ会話にすらならない
ましてや小説など書けやしない
さて、馬の中にいる男はシケンアナグマと名付けられていたが
それとはまた別にセンテスプリングというのもいた
それは渡辺だと判明した訳だが、ならばシケンアナグマのほうは誰なんだろうか
想像力が豊かな読者諸君にズバリ当ててもらいたい
賢明なあなたにはもう答えが出ていることだろう
私は期待に胸を踊らせながら次のレスを待つことにした 毎回軌道修正ありがとうございます
いつも助かります
時々、前レス読んでいないのかリレーになってない事や辻褄の合ってないおかしな文章が発生してますが、その度に軌道修正して一本道に戻してくださってモヤモヤを解消しながら自分も読まさせてもらってます
どんな展開になるのか自分も期待していますwww という内容のメールが連盟に届いたことがある
つまり、これこそが>>1のメールであったのだ
なので当然ながら差出人は佐藤である
将棋連盟に所属する佐藤という苗字は複数いるが一体どの佐藤なのか?
パドックの中にいる男ではないのは確かであろう
そんなことを考えながら私は競馬場を後にした
次に向かったのはゲーム喫茶で私は冷コーを注文してタバコに火をつけた
今ではなかなかお目にかかれないゲーム喫茶だがこの店ではレートが1点につき1円、10円、20円の3種類の賭博ゲームが堪能できる
ポーカー、麻雀、エイトラインと何でもござれだ
そんな中、珍しい筐体をみつけた
これは賭博用ではないらしく店主が自分趣味で取り寄せたらしい
なんとオンライン将棋である
天下一将棋会と書かれたこのゲームに私はいささか興味が湧き、プレイ料金を店主に渡すとクレジットを鍵でカチャカチャと入れてくれた
少し料金投入口を改造しているようだ
店自体が違法賭博の喫茶店なため手を加えているのだろう
対戦相手が決まり対局が開始された
私はプロ棋士として負ける訳にはいかない
画面に向かって「お願いします」と一礼してから先手の私は▲7四歩と指してみた 戦型はバイアグラ…じゃなくて相矢倉となった
横歩取りが将棋の哲学なら矢倉は将棋の純文学と言われ、矢倉を制す者は将棋を制すと言われた時代もあったとか無かったとか
私自身が最も得意とするのもまた矢倉だ
そんな私をあっという間に追い詰めた対戦相手にわはやむなく無念の投了をした
世の中にはとんでもないアマも居るんだなと思いながら気にしなかった対戦相手の名前を今更ながら見ると「デクシ」と表示されていた
私の脳裏にあのdcsyhiが浮かび上がる
将棋倶楽部24に突如彗星の如く現れて最強の名を欲しいままにしたあのデクシだ
まさか本人が復活したのか?
私はこの一件を「復活のD」と名付けて独自に調査することにした
未だに誰も知らないその正体、一体誰なのか?
私はゲーム喫茶を出てある場所へと向かった 「ソープランド、ソープランド、ヤッホー、ヤッホー!」
いかがわしいネオンに誘われるまま意気揚々とソープに入ろうとして気が付いた。
ソープランドではなくソータランドだった事に。
「いらっしゃいませ」
出迎えたボーイ風の男の正体は… その男は褌姿であった
賢明な読者諸君はもうお気づきであろう
>>59で登場していた松尾歩であった 私は料金を支払い番号札を受け取った
順番が来たら番号で呼ばれるシステムらしい
待合室のソファーに疲れた肉体を沈めて順番待ちの客を見回した
どうやら女性客もいるらしい
その中に詰めパラを読み耽る女がいた
ソファーに何故か正座である
ミニスカの裾にハンカチを乗せてはいるが時折チラッと開脚して臭そうなマンコを見せつけようとしているかのようだ
はて、どこかで見覚えがあるような無いような…
私はその女をじっと観察することにした
部屋の隅に置かれたテレビは将棋番組が放映されていて解説に木村一基と聞き手に香川愛生が映っていた
二人組の客がテレビを見ながら香川の悪口を言い始めた
どうやら香川のアンチのようだ
そして私は詰めパラを読んでいる女がプルプルと震えていることに気付く
オシッコでもしたくなったのだろうか? 街道を行く松尾は褌問屋と成りの前に来ていた。店の前には人だかり出来ている覗いて見ると大道詰将棋のようだ1手200円と書かれている。
一目17手詰めしかしよく読んでみると中合い移動合い大道棋特有の罠満載の49手詰めこれはアマには無理だなと思っていた所声をかけられた。
爺さん「詰んだかい?」私は黙って初手を指差した。
爺さん「やってみるかい」私は首を振った
爺さん「どうせ褌を買いにきたんだろ詰ませたら売ってやるよ」
・・・ 爺さん「何手掛かってもいい詰んだら手数かける200円が賞金詰まなければその額が指導料だ」
松尾「1手2000円なら受けてたつが」
爺さん「良いだろう自信ありそうだな」
47手目松尾の下段香の王手に角の移動中合い飛車筋が通って逆王手
松尾「この角どっから・・・」
爺さん「笑いながら94000円だよ」
松尾は3000円しか持っていなかった
結局松尾はソータランドでアルバイトすることになる 松尾のバイト仲間に元奨がいた
彼は奨励会初段の時に両親の離婚、父親に引き取られたが父親が経営してた会社が倒産後に自殺した
それから母親の元にいくが子宮ガンから始まった母親の闘病生活に彼は長い介護生活を送ることとなり彼はプロになることを諦めてバイトをいくつか掛け持ちしながら暮らしている
ガンが転移したり入院と退院を繰り返す母親にストレスを感じていた
母親が入院している時は毎日少しだけ顔を出しにいくだけで介護から解放されるので鬱憤を晴らすかのように町の道場に足を運んだ
ある日、彼は気分転換にまだ行ったことがない道場に出向いた
受付で席料を払い適当な場所に座った
キョロキョロして客層や雰囲気を観察していると三人の男が声をかけてきた
「見ないツラだな、初めてか?」
「はい、今日初めてこの道場に来ました」
そして三人の男は真剣を持ちかけてきた
「新入りが来たらまずワシ等と真剣をやるのがここでのルールなんだぜ?それが嫌なら帰れよ」
選らそうな男達がニヤニヤしながら挑発している
そこにもう一人の男がやって来た
「なぁ、アンタら、俺もここは初めてなんだけどよ、まずは俺とやってくれよ」
三人の男は余裕しゃくしゃくで彼に
「なんだ?威勢いいじゃねーか?だったら先に相手してやるよ?とりあえず1万円な!」
こうして1局1万円の真剣が始まろうとしていた 三人の男の中から一番外見のイカツイ奴が席に座り駒を並べながら指示を出す
「賭け金は1万、持ち時間は10分の切れ負けだ。いいな?」
挑戦した彼はコクッと頷いた
イカツイ男はちょい悪オヤジといった風貌だ
「ところでお前、何段?」
これに彼は自分は三段だと答えた
するとイカツイ男は嬉しそうに後ろの二人の仲間を見た
そしてイカツイ男は自慢気に言った
「三段かよ?俺ぁ五段だぜ!おらっ!来いよ!」
対局が始まり15分ほどで決着した
イカツイ男が圧勝してしまったのだ
1万円をピラピラと仲間に見せびらかす 「さて、次はお前の番だぜ?早く座って1万円を出しな!」
バイトの男は財布から1万円を出して席に座った
そして駒を並べていると、さっきの挑戦した男に聞いたのと同じ質問をしてきた
「で、お前何段よ?」
バイトの男は「しょ」といって声を止めた
イカツイ男は「しょ?」と聞き返す
バイトの男は奨励会初段と言おうとしたのだが、待てよと思って言葉を選んだ
そしてすぐに
「しょ、初段です…(奨励会のねwww)」
これを聞いた三人の男達は大笑いをした
「初段wwwさっきの弱い奴でさえ三段だったのにwwお前は初段かよwww」
「初段が五段とやりますよwww」
「おい初段wwちったぁ頑張れよwww」
散々バカ笑いした挙げ句、だったら倍増で相手してやると更に1万円を出してきた
イカツイ男は2万円を賭けたのだ
「よし、始めようか!10分切れ負けだぜ?」
対局が開始して11分後、勝負はついた
イカツイ男は必死をかけられている
一方、バイトの男の囲いは触れられてもおらず無傷
消費時間もバイトの男は1分しか使わず9分も残している
イカツイ男は呆然として必死の局面を油汗を滴ながら見ていた
そして対局時計からピー!と時間切れのアラーム音が鳴る
バイトの男は2万円をサッと取り、先に挑戦した三段の男のシャツの胸ポケットに1万円を入れて道場を立ち去った
奨励会は初段で退会したが、その後も鍛え続けてるバイトの男はプロレベルに到達していた
バイト先で松尾と指しわける強さなのだった バイト先での昼休憩に松尾はササッとカップ面をペロリと平らげてから将棋年鑑を読んでいた
お客様の待合室にある本棚に昔から置いてある古くなった一冊だ
将棋年鑑といえばまだ羽生が7冠を達成する少し前に「羽生の頭脳」という本を出して自分の研究を掲載していた
これにて先手良しと自信をもって書いたのだが…
村山聖という棋士がその局面に誘導し、羽生のこれにて先手良しの場面から見事に羽生を破り、文字通り「羽生の頭脳」を撃破したことがある
その後急遽、村山聖は持病の悪化により29歳の若さでこの世を去ったがその年の将棋年鑑の棋士の抱負の欄に書かれていたのは「生きる」の三文字だった
松尾は涙目になりながらこのページを読んでいた
その時、誰かが松尾に話しかけてきた
一体誰か? 福崎文吾「ところで松尾さん!アナタ知ってますか?藤井聡太三冠は詰め将棋を解く時には脳内将棋盤を使わないそうですよ!」
以前、りゅうおうのおしごとという本の作者であり渡辺明の妻であり将棋ファンでもあるこの女性が藤井聡太にインタビューしたことがある
その時に藤井聡太は詰め将棋を解く際には脳内将棋盤を使わないと確かに答えたのはあまりにも有名だ
頭の中で駒を動かさずどうやって読むのか不思議である
ちなみに先崎学は棋譜再生があんまり出来ないので感想戦は苦手だそうだ
プロでさえ初手から終局図まで再現できない人もいるのだからアマで出来ない人を馬鹿には出来ない
とはいえ佐藤康光会長は目隠し将棋で五面指しを披露してみせたことがある
脳内将棋盤や棋譜再現能力はあるに越したことはない
福崎から聞いた松尾は何故か股間が固くなっていた
松尾流穴熊よりも硬く堅くカッチカチでフンドシからはみ出そうな勢いだ
そりに気づいた福崎もパンツを脱ぐ
棋士の棋士たる所以だ
豊島の飛銀銀と三枚が縦に並んだ駒達が泣いている
そんな叡王戦最終局の昼下がりの静けさのように松尾と福崎は黙って見つめあうのだった 福崎さんゴメンやっぱり俺・・・
今から出かけなきゃいけないからまたね松尾は福崎を振り払うかのように外に飛び出した。
今モーレツに将棋がしたくなった足は自然とあのゲーム喫茶に向かう。
扉を開けるとエイトラインに爪楊枝を差しぶん回してる先客が一人、マスターに将棋がしたいことを
告げ席に着いた。
松尾「これって真剣できますか?」
マス「できますよ席料1000円勝ち金の5%がてら銭です」
松尾「この前やった人とやりたいんですが」
マス「あの人ならいつもいますよ笑」
松尾「あ!Dさん今日は真剣でお願いします」チャット画面が右にある
D 「あ!はいいいですよ、おいくら万円でしますか?」
松尾「では10万円でお願いします」
D 「はい聞きました」
松尾が振り駒ボタンを押そうとしたとき
マス「預り金をお願いします1万以上は100%預けて頂きます」
松尾「・・・」
マス「どうしましたか?」
松尾「いや・・勝って払うよ」
マス「はあ?意味わからんもう出て行ってくれるかな」
松尾は3000円しかもっていなかった
追い出された松尾は公園でワンカップを飲みながら・・・
鉄砲の何が悪い!将棋打ちに金など不要ようは勝てばいいんだ!
クソクソクソ!何がプロ棋士だ!松尾は泣きながら叫んでいた そんな松尾の元に青狸…もとい、未来の世界の猫型ロボットが現れた。
ドラえ…猫型ロボットは初対面の松尾に「のび太…じゃなくてあゆむ君、何か困ってるようだね?」と言うと、
「猫型ロボットに俺の気持ちなんかわかってたまるか!」と吐き捨てるように返した。
「悪いけど一部始終は見させてもらったよ、テッポウのくせに真剣持ちかけるなんて無茶だなあ…」
「だって、どうしても真剣がしたかったんだし…」
「しょうがないから、あゆむ君には、はい、これ」とたるんだ腹から差し出したのは
「他人のフンドシセット!!」
「他人のフンドシセット!?」
「これを着けたらどんなテッポウでも他人が肩代わりしてくれるんだ」
「本当かい?ありがとう、ドラえもん!!」
「ここでその名前出したら藤子プロがうるさいから小声でね」
「で、料金なんだけど…」
「えっ、料金!?ドラ…いや国民的アニメの主人公ならタダでくれるんじゃないの?」
「我々は慈善事業でやってるんじゃねーんだ、タダでこんなもん出せるか!!」と突然ヤクザ口調に変わった。
「料金は30万円な」
「そんなお金今ないし…」
「サラ金から借りてでも用意しろや、すぐ取り返せるから安いもんだろ!!」
松尾はサラ金で借りるべきか少考した。 まぁ、真剣で勝てば問題ないから借りるかと考えある男に連絡をした
しばらくすると黒いベンツからリーゼントにサングラス、派手な色合いのシャツとスーツの男が出てきた
松尾はヤクザが来てしまった、ヤバいとガクブルしたが…
「毎度おおきに!ワテがミナミで金貸しやってる萬田銀行の萬田ですわ!」
どうやらヤクザではなくただのマチキンのようだ
「30万円、貸してもらえますか?」
「あんた、プロ棋士の松尾はんでんな?よろしおま!ただし、利息はトイチでっせぇ!」
松尾は30万を借りて一安心するも萬田が続けた
「返せなんだら…エラい目を見ることになりまっせ?ワシもミナミの鬼とまで言われてまんねん!ハンパなキリトリやありまへんよってに。また十日後に。ほな頼ンまっさ!ごめんやっしゃ!」
萬田はベンツで走り去ったが松尾はある物に気づく
アタッシュケースだ
開けてみると三千万円もあった
萬田が置き忘れていったのだ
松尾は正直に連絡して返すか、それとも黙って自分のものにするか…
二択に迫られた
天使の松尾と悪魔の松尾が争うように囁き始める
松尾の選択した一手は… 松尾はさして考えるでもなくアタッシュケースを手に取ると歩き出した向かった先は交番である。
これ河原に落ちてました中は見てません。届け出を済ますと松尾はモーレツにいい飯が食いたくなった。
タクシーを止めると大阪ニューオオタニホテルまでと告げ少しの眠りを貪った
部屋を取り叙々苑游玄亭を予約し食後の行動を考えているとスマホが鳴った・・・ スマホの着信音は内藤九段の演歌「おゆき」が設定されていた
非通知でかかってきたので誰だろう、間違い電話か?などと思いながらもメロディーに耳を傾ける
ずっと聴いていたいのだが出ない訳にもいかず仕方無く画面をタップして返答をした
「はい、もしもし松尾ですが…」
すると電話の向こうからは聞き覚えのある声が話しかけてきた
「驚いたね」
松尾は背中がゾクゾクして寒気を感じた 松尾「どうしましたか?」
中原「アべトーですよアべトー」
松尾「・・・」
中原「藤井君見ましたか?彼は凄いよね私の若い頃にそっくりだ、ひょっとしたら私の
生まれ変わりかもしれない、まさにの棋界の太陽ですよ」
松尾「ガチャ」
褌野郎が黙りやがれ!そう毒づくと持ち金の計算を始めた
タクシー代が15000円ホテル代20000円叙々苑が35000円萬田にジャンプ代が30000円
残金20万円。
大阪でセクキャバとデリヘルは経験しとかないとしかしそれには所持金が心もとない
増やす方法を考えねば・・・明日住之江にでも行ってみるか競艇といえばあの人しか
いない早速アポをとることにした。 このスレで長文書いてる人が同一IDでオナニースレの書き込みしてるの晒したら
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