「たっ殿!たっ殿!私ですよ!!」
「その訪問の仕方やめた方がいいんじゃ……」
「誰ですかぁ?あぁ、中尉さんこんにちは」
「こんにちはアスト殿。たっ殿はいらっしゃいますか?」
「たっ殿???あ、たっくんの事ですか?たっくんなら今帷子様に誘われて出かけてしまいましたよ」
「な、何ですって!!!!」
「やっぱり俺の方を先に誘ってるから……」

どうやら間に合わなかったようだ。
そりゃそうだな、下馬評でも一番人気だとか言われてたし俺が選ぶ側でもそうすると思う。
瀬戸の若君がここに来た形跡はなさそうだけど、帷子様の目に止まったか。
さて、中尉殿はどうするかな……

「今すぐたっ殿を追いかけます!増宏様、アスト殿!行きますよ!」
「え?俺も?」
「えぇ!?追いかけてももう帷子様が先に……」
「帷子様を倒してたっ殿を奪いますよ!若君はさぞ悲しむことでしょう!ふはははは!!!」
「ひえー」

帷子様からたっくん殿を奪って、たっくん殿を仲間にして瀬戸の若君を悲しませる……
なんだか中尉殿のやり方は正直回りくどいというか、よく分からないけど中尉殿は俺とアストさんを連れて進軍してしまった。
え?もうこの三人でよくない?