御捌様に髪を撫でられてキュンキュンしてしまう。
でももっともっと撫でて欲しい!!
ここでいい子になれたらどんなに良かっただろう。
イヤだ!とわがままを言いたいが、御捌様のトロンとした瞳に吸い込まれてしまいそうだ。

「御捌様。くんくんくん……じゃあ俺とチューしてくださぃぃ」
「手のかかる子やな。ほら」
「ん〜〜〜」

御捌様は俺をナデナデしてチューしてくれて……
あぁ!幸せや!!
やっぱり御捌様は俺のもの!他の誰にも渡さんし!!
俺は御捌様のお布団に潜り込んで御捌様をムギュムギュした。
御捌様はすぐに眠りについて寝息を立てている。
寝てしもたー、もっとイチャイチャしたかったのに。

あれ?でも演習の目的は御捌様とイチャつくことじゃなかったような……
何やったかなぁ……
でも今は御捌様の匂いに包まれてイチャイチャしよか……

俺はすっかり忘れていた。
御捌様の家に来た理由。
演習の隊長に選ばれたこと。
去年郷将軍と代表様から学んだこと。
演習は三人一組だということ。
全部忘れておっさんの匂いに包まれて幸せになってしまったのだった……