棋譜を並べると自分では勝てない相手もしくは勝てるときもあるが自分より強い相手とわかるのはどういうときか
@読めてない手を指され、その手が絶好手だと感じたとき
(感じたことが勝負の岐路になるので本当に好手かどうかは問わない)
A読んでない手を指されたときにその手への対処が難しくAIが教えてくれる最善手が自分には指せないと感じたとき

つまり、勝てる相手かどうかの判断はAIとの一致率や悪手率ではないところでわかるものだ

相性が悪い相手というのも存在する
時間配分の仕方が全然違ったり読み筋が合わなかったり、将棋の作りが異質な相手だったり、そうした違いが福となるか禍となるかは対戦してみないとわからない

強いか弱いかは大舞台での勝率でわかることで大舞台に出てない棋士ではそもそも議論の対象にすらなりえない
圧倒的な強さを実際に示している藤井を目の当たりにしたら渡辺にしても羽生にしても藤井より弱いということになる
今度の王将戦の結果で結論が出てしまうことだってあるだろう
絶対棋力は解析できないし、またどっちが強い棋士かを知る目的で絶対棋力を解析する必要などないのだ

悪手が少ない渡辺でも藤井との対戦では悪手が増えることだってありえる
ならば、悪手などという基準は相手次第で減ったり増えたりするわけだから絶対基準ではないし、藤井に悪手が少なかったからといっても相手が藤井より強かったら藤井だって悪手が増えるということもありえるだろう
読んでない手を指してこない相手なら最善手を指し続けて勝てる棋士だとしても読んでない手を相手に指され正しく対処できなかったらその手が悪手で負けになることもある
敗者に悪手が多いのはそうしたケースかそれとも相手に絶好手があるのを見落としていたときだろう

先日のA級順位戦のように悪手や疑問手がなく負けることもある
構想や将棋の作りに問題があれば悪手がなくとも見所なく負けてしまうのが将棋だ
反対に悪手の出し合いの将棋でも難解で見所豊富な熱戦というのもある
そうした棋譜がプロも感心する強い棋士の証明だったりもする