年齢構成比が違っているとレートの大きさでの比較が困難になることはプロ棋士が二人しかいないケースを設定すると理解しやすい
プロ棋士が30歳のAと40歳のBの二人しかいなくて実力伯仲なのでレートはどちらも同じ1500の棋士である
30歳のAは40歳になっても棋力の低下はないが40歳のBは50歳になって棋力が落ちてしまいAに負け越すようになる
するとレートはAが1600、Bが1400に更新されて均衡することになる
平均は1500のままであるからインフレは起きていない
ところが、Aはレート1600に上がったわけだが絶対的な棋力は1500のときと同じなのだ
さて、AとBの棋力差はさらに進行してAの勝率が8割を越えてくると二人のレート差は300になってくる
そのときのレートはAが1650、Bが1350となる
Aは棋力は1500のときのまま(あるいは1500のときより落ちていたとしても)表面上のレートは1650まで上がる
理論上こうした現象が起こり得る

実際のところ、Glickoレーティングで調整しても棋士のレートが上がってきているのはこれ(年齢構成比の高齢化)が最大の原因だろう