ちなイトタクの記憶違いはこれ

第4局の翌日、帰路に就いた際、伊藤七段は「根本的なところで致命的なミスがありました」と打ち明けた。
なぜ、8筋の突き捨てを先に入れず、単に△6七銀と打ったのか。
伊藤七段は研究で△6七銀とした局面が記憶の「残像」として刻まれていた。
実戦の△6七銀の局面との決定的な違いは、後手の飛車の位置だ。
後手の飛車が8一にあれば、単に△6七銀と置いておいて後手が「大優勢」だ。
その研究は正しかった。
ただ、実戦は後手の飛車が8三にあるため、先手が▲4二歩成~▲5二とのように反撃してきた場合、6一の地点に飛車がきいていないので、斜め駒で攻められて後手玉が簡単に寄ってしまうのだ。
飛車が8一にあれば、6一の地点をカバーできるため、先手の反撃はきかない。
「暗記バカでした」と伊藤七段は自分を責めた。飛車の位置で記憶違いを起こし、取り返しがつかなくなった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8c69b6d77eeb7a67bc7c4a211b1cfa21e1b2e40b