もう一つ大山の逆転力がいかんなく発揮された1963年の第22期名人戦第5局を取り上げる
升田の頓死で幕切れとなり大山が二度目の5連覇で通算10期の名人位の偉業を果たすことになった一局だ
https://shogidb2.com/games/139ad329cbba3660fe8f1fadc4b2c9dab676684c#l2g3nr%2F9%2Fp3Pk1p1%2F6S1p%2F1nPN5%2F2%2Bp1ppPS1%2FP1bPG3P%2F1p2K1S2%2FL6RL%20w%201B1G2P1g1s1n1l3p%20116

この局面は△34同玉なら詰まないがそれ以外の手はすべて詰む
以下△54玉(6分)▲43角(1分)まで大山名人の勝ち
▲43角に△64玉▲74金△55玉で歩だけでは詰まないとみての△54玉だったが、升田は寸時に誤算に気付いて手を進めることなく投了した
頓死の升田は有名だが、それは大山との重要な一戦での頓死負けをしているからで決して頓死が多い棋士ではない
この将棋も自玉の詰めに寸時に気付いたほどなのだから、藤井との王座戦の永瀬の敗着と同じようなものなのだろう

評価値グラフ
https://i.imgur.com/FuNvClR.png