トマス・ハーディ2
『帰郷』が気に入っている。入手困難な千城版を愛読している。
今、『遥か群衆を離れて』を角川文庫で読んでいるが、
『帰郷』や『日蔭者ジュード』よりやや落ちる。 理想の小説を考えてみる
魅力的な男女の登場人物、絡み合った飽きない展開、叙情的な美しい文体、
現代にも通じる普遍的なテーマなど、すべてを満たすハーディはやはり文豪だ >>464
The Well-Belovedは小説に見切りをつけたハーディの意気込みが感じられる
この後30年も小説を一切書かずに詩を書き続けた理由がわかる感じ ハーディは天才で、同時代の人間よりはるかに本質を見抜く洞察力を備えていた
日陰者ジュードなどはるか先の未来に向けて書かれた傑作だ 『恋魂』を読んでいるが、ポルノグラフィティの「サウダージ」を思い出す
あの歌では「恋心」だったけれど ハーディという作家は偉いな
終始一貫して恋愛小説だけを書き続けた
恋愛感情の不思議さを追求し続けた ハーディ全集「はるか群衆をはなれて」がようやく出版された。
これでこの小説を翻訳で読めない状況はひとまずなくなった。 ライ麦畑でつかまえてのホールデンがアフリカの日々と並んで帰郷を絶賛しているのな
アフリカ〜は近年河出文庫が出たけど帰郷は絶版
新訳か復刊文庫が出ないものか >>477
新訳は出ている
大阪教育図書トマス・ハーディ全集第6巻で、7700円
『帰郷』はハーディの最高傑作だね
最近読んだ人が感動したとツイッターに書いていた >>478
帰郷を読み始めたけど
最初の村人たちがひたすら噂話しつづけるところが糞つまらなくて脱落しそうだ >>482
そういう箇所はイギリスの土着性の表現だから、じっくり味わえばいい
文学作品は物語以外にも魅力がある 「トマス・ハーディに電話したいね。あのユーステイシア・ヴァイ、あれは僕、好きだな」
サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』野崎孝訳
ユーステイシアは『帰郷』の誇り高く潔い美貌のヒロインで、ハーディの妻がモデルといわれる >>484
「サッポーの顔となんかの女優の顔の特徴がそれぞれ闇の奥つきから混ぜ合わさったような顔」
とか下手くそな描写されてたけどサッポーて伝説的ブスじゃね? 「ユーステイシア・ヴァイは女神の素材だった。オリンポスの山であれば、わずかの準備で
うまくやっていけたであろう。(中略)彼女は夜の神秘に満ちた異教徒の眼をしており、
その光は、明滅をくり返しながらも重苦しいまぶたとまつ毛で幾分かは妨げられるのだった。」
トマス・ハーディ『帰郷』小林清一・浅野萬里子訳 潮文庫の「カスターブリッジ」
地元の古本屋でget 『キャスターブリッジの市長』ダイナミックな筋書きの面白い小説だね
最後のヘンチャードの死はあっけなさすぎると思うが テスは岩波文庫が品切気味なので光文社の新訳文庫あたりで出さないかな 新潮文庫のハーディ短編集が河野一郎の名訳と村上春樹の紹介で好評なので、
『ダーバヴィル家のテス』以外の長編も良い翻訳で文庫出版すべきだろう
『帰郷』や『遙か群衆を離れて』、あるいは異色作『恋の魂』などどうか マジで光文社から出して欲しい。ミドルマーチを出してくれてるから期待してる >>476
年末に『ラッパ隊長』が刊行されて、ハーディ全集完結したね >>484
まだ読んでる途中だが
・たいして好きでもない男に二股かけられてもキープする
・都会暮らしの男が来たら田舎から出ていがために躊躇なくそちらに乗り換える
・いざ結婚しても夫が眼を病みながらも必死に働いてるのに被害者気取りでブーたれる
とんだ地雷のクソ女にしか見えんぞユウステーシア
これ完璧に女向けの小説だな
ただ紅殻屋の存在がかろうじて作品を面白くしてる
こいつがいるから下手な恋愛ものから緊迫感ある昼ドラみたいな面白さを出してる >>497
ユーステイシアはまさに女、純度100%の女だ
この女が嫌いとなると、君は根っからの女嫌いか、
森元総理同様の女蔑視派じゃないかな 新訳はちくま文庫『テス』、中公文庫『日陰者ジュード』があったが、
さして売れず絶版になり、アマゾンでは古本が高額で売られている ちくまは本当にすぐ品切になるね。あれで初期費用を回収できるのか
いつでも本屋に置いてあるってのが買う方には重要なんだけどなあ ちくま文庫は世界文学大系とは別の訳なのか。
買っておけばよかった。 ちくま文庫『テス』は井出弘之訳だが、
同じ訳者で岩波文庫から出ていた『ハーディ短篇集』も品切れになっている
暗い悲劇が多いから、あまり売れないんだね 『遙か群衆を離れて』
BSプレミアム2月19日(金)午後11時45分〜2時34分 トマス・ハーディ
『遙か群衆を離れて』角川文庫・1969年・絶版
『狂おしき群をはなれて』千城・1987年・絶版
『はるか群衆をはなれて』大阪教育図書・2020年・7700円 高価だね
「買えるもんなら買ってみろ」と言われている気がする
趣味の読書だからね
費用にも限度がある >>498
「純度100%の女」
それこそ言ったらその日ので政治生命終わりそうなワードだわ >>508
高額だけど、どうしても読みたかった人は奮発して買っているようだ
買えない人は図書館で借りて読むだろう ハーディ全集、品切れの巻がちらほらある
もう図書館に行きわたったから、増刷しないのかな テスを読んだ。河出の全集版。最初からグイグイ引き込まれた。風景や生活の細々とした描写が丁寧だね
読んでいてどんどん辛くなった。ハッピーエンドが待ち受けているのかと思ったら、こんな過酷な運命なのかと驚いた
ある意味テスにはハッピーな最期だったのかもしれないが >>515
いいね
ジュードや帰郷も探して読むと面白いぜ 岩波から出てる緑の木陰、日陰者は旧かな遣いですか? ハーディの作品はいまほとんど本屋に並んでないのね。意外
ジュードも帰郷も古本か図書館で買うしかないのか >>516
>>482だけど帰郷はそんなたいした小説には思えなかったわ
とにかく無駄で下手くそな描写が多すぎる、とくに前半
ただユーステーシアが芝居に行くところなんかは面白かった まあ、古典は読み手の感性を試すバロメーターといえる
感度が鈍いやつにはどんな傑作も凡作に見えるからな 『帰郷』の序盤、村人たちが方言丸出しでユーモアたっぷりに噂話をする場面は、
風景描写、動物や虫の描写とともに、ハーディの小説の魅力を味わえるところだ
ハーディは物語のなかで男と女の機微を表現するのに長けた作家だが、
それ以外も読み込まないともったいない 『ダーバヴィル家のテス』を読む、という注釈本を図書館から借りてきたけど、これいいね
引用されている言葉の由来が網羅されていて、小説の舞台の地名が実際にはどうなっているかいちいち載っている
Googleマップとストリートビューでテスの舞台を探し回ってネット聖地巡礼して遊んだ
地の果てのフリントコムアッシュがどんなところか見てみたかったが、うまく探し出せなかった 渋谷のジュンク堂にはさすがに大阪教育図書の全集が置いてあった
テス帰郷町長群衆日陰者だけで他はなかったけど >>525
その5大作は文庫は今出ていないが、
全集を買えば揃うんだよな
図書館で借りてもいいけど、
所有したいと言う人も多い 自分はハーディ全集の5・8・11・13巻を所有している
その他にもハードカバー、文庫本を合わせて全14長編を所有している テス、文学史上に輝く名主人公だな
性質がただ単に気高いというだけでなく、由緒ある血統に基づくという二重の理由付けがあって新鮮だった
とくにマーマレードの空き瓶に花を生けるシーンが美しい
中盤までは夢中で読んでたが、結婚前後の葛藤で執拗すぎるほどの心理描写が続くので飽きてしまった
終盤は駆け足的にキャラが話に動かされてたようで、なんだか別人を見てる気になってしまった
序文では過ちを犯した後に戦いが始まると書いてあるが、その前の方が断然好きだな 裏山〜
ちくまのテスは再販しないのかな
挿し絵はあるし注釈は詳細だし地図も載っているし文庫本とは思えない充実ぶりなのだが
翻訳もいいよ。ハーディの持って回った表現は昔の翻訳だと分かりづらいところがあるけど、この翻訳者のは自然でいい
レ・ミゼラブルのように平凡社ライブラリーで出し直してくれたらありがたい >>528
エンジェルが裏切る壮大な前振りなんだろうね。予備知識なく読んだからテスが受け入れられるか拒絶されるのか読めずにハラハラしたよ
あとアレックが再登場してから話が動きまくっておもしろかった 自分の好みの順
帰郷、ジュード、キャスターブリッジ、群衆、テス >>530
アレックが再登場するのはまだしも、回心して出てくるのが余計だったな・・・
他にも再登場キャラが次々と出てくるから作者に都合よく動かされてる印象が強くなって醒めてしまった
上の方のレスを見たらテスが殺人すると思えないと書いてる人がいるけど、
恐らく殺人の場面が一切書かれてないからだろう
それまで散々、くどいほど読ませられたテスの心理描写が一切無くなり
天井に血の染みを見つけるだの、遅すぎたわとか言うセリフにしろ、劇的な展開で流されて誤魔化されてる
これは殺人の現場を書くとテスの性分とかけ離れたものになったからじゃないか?
もっと言うと、アレックと結婚するのはともかく
テスが小奇麗な服を着て近代的な町で新婚生活をしてるとこからして違和感しかなかった
なんだか最後は作風すら変わったようで、取ってつけた感じしかないな
勿論こうして不満が残るのもとても面白かったからですが >>534
いちいち細かく書くなくそが読んでない人間だっているだろうに 最近ネタばれに神経質な輩が多くてウンザリする
読んだもの同士で感想を述べ合いたいのにな >>534
あまり細かく展開を書くのもよくないかもしれないので未読の人は以下読まないで…
アレックは改心してないよ。気まぐれの改心に過ぎなかった、と書いてある
少しずつ本性が取り戻されていくところが笑ってしまう
最後の方はテスのその後をエンジェル視点で描くことで読者を宙吊りにしてるのだと思う
テスの告白の時と視点が逆なんだよね
あなたが感じたテスの違和感はエンジェルが感じた違和感でしょう。もう別の世界にいってしまった(エンジェル自身が追いやったのだが)という >>537
その別の世界、が不自然に見えるのはエンジェル視点とか関係ないと思う
物質的な貧窮からやむなく結婚しても、
それまで気位を高く保ちつつも力強く生き抜いてきたテスが貴婦人みたいな暮らししてるものなのか
エンジェルの方も殺人した事実は一瞬で流されてそのままテスと逃げようとするものかと
その割に何故すぐに諦めついて一人で帰ろうとしていたのか
それまでずっと丁寧に描写されていたテスやエンジェルの心理に踏み込まれなくなり
行為ばかりが書かれて話が畳まれるから説得力がない
あらかじめ用意したプロットにはめ込まれてキャラが動かされてるようで強引さを感じてしまった >>538
その通りで、最後の部分の出来がよくない
とてもハーディの最高作とは思えない あれだけ苦労してさらに弟妹たちの生活の安定を考えたらアレックを受け入れるのも仕方なかったのでしょう
文中でもテスの弱いところと説明されていたし
やらない善よりやる偽善と言いますし。エンジェルは善ではなかったけれど >>539
読み始めてからずっと自分は本当にいい小説を見つけた、
なんでこの作家は本屋に1冊も置かれないレベルの扱い受けてるのかと不当に感じていたのが、
読み終えた後はそういう気持ちではなくなってしまった
それは話が暗いとかバッドエンドだからではなく、こういった不自然さや違和感を読んだ人が感じたからだと思う
>>540
結婚は合理性ある。アレックの実家にいたなら捕われ感あってよさそうだった
でもストーンヘンジに辿り着くところといい、どうも作者が最後をドラマ仕立てにしたかったようだ >>541
自分も『ダーバヴィル家のテス』は好きではない
『帰郷』がいちばん好きだね
やはり悲劇だけど、こっちは納得のいく結末だ
新潮文庫の古本か全集本で読める そんなにテスの終盤に違和感はなかったけどな。自分はとても納得がいったけど ハーディの短編を読んでると、だいたいダメ男ばかり出てくるので、男が出てくるだけでコイツもダメな奴なのかなと考えてしまう
『良心ゆえに』って短編は、かつて不誠実だった年寄がさっさと身を引けばいいだけなのに、自分のことばかり考えて無駄にアクション起こすんだよな。伝統主義者としての若い英国牧師にも引っかかるものがある テスの不幸に最も責任があるのはアレックでもエンジェルでもなく、働かないテスの父親だよな >>544
『帰郷』の主人公クリムはハーディ自身を
モデルにしているだけあってダメ男ではないよ
ヒロインの美女ユーステイシアがファムファタールで
クリムを翻弄する 短編だと『憂鬱な軽騎兵』のドイツ人若者の方は、純朴な方なんじゃないか?あの話さいごのシーンが哀しすぎるんだよね
父親に逆らえない自分で意思決定できない人間をつくることの問題意識になる
ハーディ小説を読むと家父長制解体の必要を再認するね 社会の制度や因習に縛られて幸福を逃す話が多いよね。運命に弄ばれることも多いね 現在のイギリスでは、『日陰者ジュード』が最も高く評価されているようだ 「アリシアの日記」主要人物3人の個性が乏しく物足りない
画家の最後などナイーブすぎてリアリティに欠ける
ハーディは短編より長編がいい 長編がなんで近所の本屋に置いてないのよ。みんなハーディ読もうよ
ところでトマス・ハーディなのか、トーマス・ハーディなのか、はたまたトーマス・ハーディーなのかがよく分からない >>551
『テス』や『ジュード』を読んだ人のコメントを読むと、
日本人の多くは悲劇に耐性のないメンタリティのようで、
もう二度とこの作家の作品は読みたくないと思うらしい
自分はあくまでフィクションだと突き放して読むので、
『ジュード』の子供の悲劇にも耐えられるんだが 日本人が悲劇に耐性がないとは言い過ぎな気がするけどな
江戸時代から続く文楽、歌舞伎の代表作はほとんどが悲劇。芝居を見に行くことを「泣きにいく」とも言ったそうだ
テスみたいな話はたくさんあるよ。 >>553
しかしハーディの本は日本では売れないから文庫本が今ほとんど出ていないわけでね 光文社さんハーディを出してください。岩波や新潮が役目をサボってるのでお願いします 新潮文庫はハーディには冷たいね
一応短編集を刊行しているが、本領発揮の長編は昔『帰郷』を出しただけで、
『テス』も『ジュード』も出したことがない
同じ1840年生まれのフランスのゾラは『居酒屋』と『ナナ』を
さして売れているわけでもないのに、出し続けている